【マンション査定】査定方法から査定に影響するポイントまで網羅解説!
2019.07.31投稿\!初めてをサポート!/
マンション売却のすべてを公開中
マンションの売却は、最初に不動産会社に連絡してマンション査定を受ける必要があります。
とはいえ、一生のうちにそう何度もあるわけではないマンション売却。
どのように手続きを進めてよいか不安なこともありますよね。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- マンション査定からマンション売却までの流れが知りたい
- マンション査定で重視されるポイントにはどんなものがある?
- 机上査定と訪問査定の違いは?
- マンション査定を受けるにあたって注意すべき点は?
- 優秀な不動産会社を見つけるにはどうすればよい?
本記事では、上記のような悩みをお持ちの方に向けて、マンション査定について基本的な内容から丁寧に解説していきます。
筆者はマンションも手掛けるディベロッパーに7年間勤め、70名以上のお客様の売買をサポートしてきました。
現場での経験を活かし、マンション売却を考えられる方が悩まれたり不安に思ったりすることの多い事項を中心にご紹介していきます。
本記事を参考に、マンション査定の手続きを不安なく進められるだけでなく、その先にあるマンション売却も成功させましょう!
この記事の目次
マンション査定から売却までの大まかな流れ
最初に、マンションの査定依頼から売却までの簡単な流れをご紹介します。
マンション査定から売却までの一般的な流れは以下の通りです。
- 不動産会社に査定を依頼
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- マンションの売却活動
- 買主と売買契約を結ぶ・引渡し
売却にどの程度の時間がかかるかにもよりますが、最初に査定を依頼してから引渡しが完了するまでの時間は、一般的に6カ月程度になります。
これから簡単に流れをご紹介しますが、マンション査定から売却にかかる時間について、詳しくは「マンション査定はどのくらい時間がかかる?机上査定と訪問査定の違い」で解説しています。
1.不動産会社にマンション査定を依頼
最初に不動産会社にマンションの価格査定を依頼します。
価格査定にはデータだけで価格を査定する「机上査定」と、実際に現地を見て査定する「訪問査定」があります。
机上査定であれば1時間程度、訪問査定であれば1週間程度の時間を要しますが、売却を前提として査定を依頼するのであれば、訪問査定が必須となります。
2.不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定を依頼し、不動産会社から査定価格の提示を受け、価格に納得できたら不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約は大きく複数社と契約できる一般媒介契約と、1社としか契約できない専任媒介契約、専属前任媒介契約に分けることができます。
複数社と契約することでより多くの人にマンションの情報を伝えやすくなりますが、専任媒介契約や専属専任媒介契約と比べると、不動産会社の本気度が下がりやすいです。
一長一短ありますので、よく考えて選ぶようにしましょう。
3.マンションの売却活動
媒介契約を締結した不動産会社が広告活動や案内活動を始めます。
- チラシやインターネットによる広告活動
- 広告反響を受けて内見(案内)
- 見学者が気に入ったら買付申込書を受け取る
という流れを繰り返し、早ければ2~3週間で決まることもありますが、価格が相場より高いなど条件がマッチしないと半年~1年以上売れないこともあります。
あまり売れないと、「売れ残り感」が出てしまい、さらに売れなくなる可能性があります。
できれば3カ月程度で売却できるよう、段階的な「値下げ」も考えておきましょう。
4.買主と売買契約を結ぶ・引渡し
買付申込書を受け取り、日程や価格など諸条件が合えば売買契約となります。
売買契約後は買主によるローンの本申し込みを経てローン決済後に引渡しです。
買主のローン審査が長引くこともありますが、一般的には2週間程度で済むため、売却するマンションに住んでいる場合には手早く引っ越しの手続きを進める必要があります。
以上がマンション査定から売却までの流れとなります。
マンション査定に影響する8つのポイント
不動産会社によるマンション査定では、主にどのような点が見られているのでしょうか?
ここでは、マンション査定に影響するポイントとして以下のような事項を解説します。
- 立地・アクセス
- 周辺環境
- 階数・方角・位置
- 部屋の広さ・間取り
- 建物構造・築年数
- 設備・共有施設
- 駐車場の有無
- 管理費・修繕積立金
1.立地・アクセス
不動産の価値の多くを決めてしまうのが立地・アクセスです。
特に都心においては、
- 駅からの距離がどのくらいか
- 最寄り駅の利便性がよいか
が非常に重要なポイントです。
その他、近くの買い物施設や病院、学校などへの距離も評価されます。
2.周辺環境
立地が良いと周辺環境も良い傾向にありますが、ご近所に住んでいる人とのトラブルなどがあると周辺環境が良いとは言い切れません。
- 周りに高い建物があり、日中の日当たりが悪くないか
- 駅からマンションまでの道路は狭くないか
- 交通量は多すぎないか
- 近所に住んでいる人とのトラブルはないか
などの周辺環境もポイントです。
3.階数・方角・位置
階数については、
- 基本的に高ければ高いほど、高評価
- 1階部分に駐車場や個室がついている場合も高くなる
方角については、
- 南や東向きの部屋かどうか
- 日当たりが良い位置に大きな窓があるかどうか
などが見られます。
位置については、角にあれば日当たりはもちろん、開放感の面でもプラスとなります。
4.部屋の広さ・間取り
部屋の広さや間取りについては、基本的に部屋数が多く広い方が価格は高くなります。
ただし、周辺の一般的なお部屋と比べて必要以上に広すぎる部屋や、5LDK以上など一般的な部屋数より多くなると買い手が見つかりづらくなる傾向にあります。
5.建物構造・築年数
木造や鉄骨造、RC造などの構造の違いについては、ローンの借入年数に影響することもあり、木造より鉄骨造、鉄骨造よりRC造の方が評価は高くなります。
また、築年数は若ければ若い程高くなります。
6.設備・共有施設
お風呂やキッチンなど部屋についている住宅設備のグレードや、エレベーター、トレーニングルーム、玄関ロビーなどの共有施設の有無で、基本的には設備が新しく豪華な方が評価は高くなります。
7.駐車場の有無
特に地方においては駐車場の有無が重要なポイントで、
- 2台以上確保できるのかどうか
- 立体駐車場ではなく平置駐車場であるかどうか
などが評価されます。
8.管理費・修繕積立金
管理費や修繕積立金が周辺相場と比べて高くないかどうか、が評価のポイントとなります。
修繕積立金については築年数が経つにつれて高くなるよう計画されているのが一般的で、管理規約などで確認することができます。
マンション査定は「机上査定」と「訪問査定」の2種類
冒頭で簡単にご説明しましたが、査定にはマンションのデータだけで価格を算出する「机上査定」と、実際にマンションを訪問して査定する「訪問査定」の2種類があります。
なお、不動産会社による査定はどちらを選んでも無料で受けることができます。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
書類の用意 | 不要 | 必要 |
査定スピード | 30分~1時間程度 | 1週間程度 |
査定の精度 | 低い | 高い |
いつするか | 査定依頼の最初 | 机上査定の後 |
2つの査定方法には表のような違いがあります。
マンション売却を行ううえでは、机上査定価格を出してきた会社から訪問査定を依頼する会社を複数選び、最終的に仲介を依頼する不動産会社を選びましょう。
①机上査定
机上査定は登記簿謄本や図面、売主からの情報など、データだけで査定する方法です。
机上査定のメリットは1時間程度と時間をかけずに査定を受けられる点。
一方、デメリットは実際にマンションを見ないため周辺環境などの情報を得ることができず、正確さに欠けることが挙げられます。
②訪問査定
訪問査定は、机上査定を行った上で実際に訪問を受けて査定を受ける方法です。
訪問査定は一度訪問を受ける必要があるため、少なくとも1週間程度は査定に時間がかかるものの、周辺環境などを含めた精度の高い査定価格を聞くことができます。
なお、実際に売却を依頼するのであれば、いずれにせよマンションの訪問査定を受ける必要があります。
机上査定までに準備しておくもの
机上査定は電話やメールで不動産会社に査定依頼するだけで済み、特に事前に用意しておかなければならないものはありません。
一方、「登記簿謄本」や「設計図書」など準備できるのであれば準備した上で連絡するとよいでしょう。
メールや電話口で、物件の面積や築年数、住所などを伝える必要があります。
訪問査定までに準備しておく6つのこと
マンションの訪問査定を受ける際には、以下の準備をしておくことが大事です。
- マンション関連の書類を用意しておく
- 大まかな売却相場を把握しておく
- 買主にとってマイナスとなる内容を確認する
- マンションの一押しポイントを洗い出す
- 引っ越しの目安を決めておく
- 掃除、片づけをしておく
1.マンション関連の書類を用意しておく
まず、下記の書類を用意しておきます。
- 設計図書
- 管理規約
- 工事履歴などの分かるマンション関連の書類
不動産会社はこれらの書類で管理費や修繕積立金、直近のリフォームの状況、住宅設備機器や共有施設の状況などを把握します。
2.大まかな売却相場を把握しておく
不動産会社から査定価格の提示を受けた際に、ある程度自分で判断できるよう大まかな売却相場を把握しておきます。
大手不動産サイトなどで売却する不動産の周辺を検索し、同じような広さ、間取りのマンションの価格を参考にするとよいでしょう。
3.買主にとってマイナスとなる内容を確認する
隣人とのトラブルや騒音問題など、買主にマイナスとなりそうなことがあれば事前にピックアップしておきましょう。
こうした問題があるのにも関わらず、買主に知らせずマンションを引渡ししてしまうと、最悪の場合、損害賠償請求などの問題に発展することもあるので注意が必要です。
なお、これらマイナスとなる内容については、売却を依頼する不動産会社と相談の上、買主に伝えるかどうかを決めるとよいでしょう。
4.マンションの一押しポイントを洗い出す
「買い物施設までの距離が近い」や「共有施設が便利」など、買主が興味を持ちそうな、マンションの一押しポイントについても事前に洗い出しておき、査定時に不動産会社に伝えましょう。
不動産会社も査定時に調査はしますが、住んでいる人にしか分からないポイントなどを伝えると査定価格にプラスとなることがあります。
5.引渡し日の目安を決めておく
先に引渡し日の目安を決めておきましょう。
特に転勤や転職など売却の期限がある際には、早く売却することを前提に査定価格を調整することもあります。
6.掃除・片づけをしておく
訪問査定では不動産会社の訪問を受けて査定します。
査定をしやすくするためだけでなく、マンションがきれいに保たれていればそれだけで査定にプラスに働くこともあります。訪問を受ける前に掃除・片づけしておきましょう。
以上が訪問査定前に準備しておきたい内容です。
なお、これら訪問査定前に必要なものについては、直接不動産会社に連絡して必要なものを確認してからの準備でも構いません。
マンション査定における注意点3つ
ここでは、マンション査定における注意点として以下の3つをお伝えします。
- 査定のためにリフォームやクリーニングはしない
- マンションの査定価格=売れる価格ではない
- マンション査定価格の根拠を聞くこと
それぞれ詳しく解説します。
①査定のためのリフォームやクリーニングはしない
マンションがきれいに保たれていると、査定者によい印象を与えることができますが、たとえ壁紙やフローリングが汚れていたとしても査定のためにリフォームやクリーニングはしないようにしましょう。
仮に売却前にリフォームやクリーニングを考えている場合でも、相手はプロなのでそのことを伝えるだけで十分です。
むしろ、査定時にリフォームやクリーニングするべきか確認するくらいでよいでしょう。
②マンションの査定価格=売れる価格ではない
マンションの査定価格は、不動産会社の担当者が「この価格であれば売れるでしょう」という価格です。
実際に売却を開始すると値下げや価格交渉が入ることも少なくなく、査定価格=成約価格(売れる価格)ではないという点に注意が必要です。
③マンション査定価格の根拠を聞くことが大事
不動産会社から査定価格の提示を受ける際には、その根拠を聞くことが大切です。
その理由は以下の2つです。
- 「査定価格が高い方が売却の依頼を受けやすい」ということで、根拠なしに最初から査定価格を高く提示してくる不動産会社を排除するため。
- 査定価格の根拠が納得できるかどうかで売却を依頼する不動産会社を決めるため
優良な不動産会社を探すには一括査定がおすすめ
マンション売却では、売却から案内、契約までそのほとんどを不動産会社に任せます。
そのため、査定時に優良な不動産会社を見つけ、媒介契約を締結することがマンション売却を成功させる一つのポイントとなります。
しかし、一般の方にとって普段から不動産会社と親しくしているという方はそう多くないでしょう。
つまり、ほとんどの方がマンション査定時にはインターネット等で一から不動産会社を検索して査定を依頼することになりますが、1社1社査定依頼すると、そのたびにマンションの情報を伝える必要があり、手間も時間もかかってしまいます。
そこでおすすめなのが不動産一括査定サイトの利用です。
一括査定サイトでは、マンションの情報を入力して手続きを進めるだけで、複数の不動産会社に査定を依頼することができます。
査定依頼後、査定価格の提示を受ける際には先ほどお伝えした、「査定価格の根拠を聞く」ことを繰り返し、信頼のおけそうな不動産会社とその担当者を探しましょう。
コラム:実はこう算出されていた!マンション査定価格の求め方
ここでは、プロはどのような方法でマンション査定を行っているのか解説します。
マンションは取引事例比較法で求めることが多い
不動産の査定法には「取引事例比較法」と「原価法」、「収益還元法」の3つの方法がありますが、居住用のマンションの多くは「取引事例比較法」で算出されます。
【用語解説】取引事例比較法とは
取引事例比較法とは、売却するマンションと類似するマンションの過去の取引事例を参考に価格を算出する方法のこと。
取引事例比較法では多くの取引事例を参照できるほど、査定価格と実際に売買が決まる時の価格の乖離が小さくなりやすいため、多くはこの方法が使われます。
居住用マンションは、1棟のマンションの中でも同じ間取り、広さの部屋が複数あるのが一般的です。
また、異なるマンションにおいても駅からの距離など似たような条件の部屋を見つけやすく、比較するべき取引事例が多いので取引事例比較法との相性がよいのです。
時点修正される
マンション査定で取引事例比較法を使う場合は、取引事例として参照するマンションの売却時の価格をもとに、
- 取引時点の違い
- 交通量の違い
など個別の事情を考慮して補正を行い、査定価格を算出します。
例えば、3年前に取引されたマンションを参照するのであれば、3年間の間に変動した価格水準の推移をもとに修正します。
価格水準の推移については、土地であれば公示価格や路線価などを参考にできますが、マンション価格にはそうした公的価格がありません。
そのため、東京カンテイなど民間企業が提供するデータを参照することになります。
まとめ
本記事ではマンション査定についてお伝えしてきましたが、その内容をおさらいすると以下の通りです。
記事のおさらい
- マンション査定から売却までかかる期間は6カ月程度が一般的
- 机上査定は早く、訪問査定は正確に査定を受けることができる
- マンション売却を依頼するのであれば、訪問査定を受ける必要がある
- 訪問査定を受けるのであれば、各種情報や書類を事前に用意しておく
- 信頼できる不動産会社を探すのであれば、一括査定サイトを活用から始める
マンションの売却を前提にマンション査定を受けるのであれば、訪問査定を受ける必要があり、訪問査定を受ける際には本記事でご紹介した内容を準備しておく必要があります。
とはいえ、査定を依頼する不動産会社によって必要な情報や書類が異なることもあるため、まずは連絡してみて必要なものを確認してもよいでしょう。
一括査定サイトを利用すると、不動産会社から査定結果の連絡がくるので、そこで確認できます。
宅地建物取引士
明治学院大学を卒業後、地方銀行にてリテール業務に従事し顧客の住宅ローンやカードローンなど担当。その後、住宅会社の営業部長として新築住宅の販売や土地開発等の業務に7年間従事しました。 Webを通して住宅や不動産の問題を解決することを志向し2018年10月に独立。 最近の趣味は子育てです。