【土地売却】初めてでも失敗しないために押さえるべきポイントと流れを紹介

2018.12.28投稿 【土地売却】初めてでも失敗しない!押さえるべきポイントと流れを紹介
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

突然ですが、この記事を読んでいるあなたは、土地を売却したことはありますか?

土地売却と聞くと難しそうですよね。「土地を持っていて、かつ売却したいと思うなんて地主さんくらいだろう…」と思う方もいるかもしれません。すまいうる編集部員の私(20代・未婚)ですが、マンション暮らしのため、土地の売却はおろかマイホームすら持っていません。

ありがたいことに地方に住んでいる還暦を超えた親も元気ですし、土地を売却する機会はまだまだなさそうです。

しかし、たとえマンションに暮らしていても親から相続した土地を処分するとか、これから新しく家庭を築くにあたってマイホームを買ったり、また住み替えたりするなど土地の売却は意外に身近なことだと感じています。

その一方で、土地を売りたいと思った際、多くの人は不動産の知識がないのでどうしたら良いのかわからないですよね。私もすまいうる編集部員になるまでは、不動産とは縁もゆかりもありませんでした。

たとえば土地の売却を相談しようとしても、誰に何を聞けばいいのかもわからないのが現状ではないでしょうか。

だからこそ、いつ土地を売る場面が来ても良いように、今回は皆さんに「土地売却」について知ってもらいたいと思います。

この記事はこんな悩みの解決に役立ちます!

  • 土地を売るにはどうすればいいの?
  • 土地売却ってどのくらいのお金がかかるの? 流れが知りたい
  • 建物がまだ残っているんだけど、どうすればいい?

この記事では、土地売却の最初から最後までの流れ、不動産会社の選び方とおすすめの契約方式の紹介、土地売却に必要な書類の解説と入手方法など、土地売却の基礎知識から具体的なやり方まで丁寧に解説しています。

この記事を読めば、既婚の方だけでなく、まだ未婚のあなたでも、来る日に向けた土地売却に関する疑問を解消できるでしょう。

(すまいうる編集部)

土地の査定を依頼する

土地売却の前に知っておくべき注意点2つ

土地を売却する前に知っておくべき2つの注意点について確認していきましょう。

①売りたい土地の境界が不確かな場合「土地の測量」はやったほうが良い

「土地を売りたい」と思っても、自分の土地がどこからどこまでか、正確には知らない場合もあると思います。その場合に行うのが土地の測量です。

実は、土地売却の際の測量は法律で決まっておらず、売主の義務ではありません。

買主が、土地登記簿上の記載面積(公簿面積)での取引に同意すれば、土地の境界が明確でなくても売買契約は成立します。これを公簿売買といいます。

しかし、一般的に土地売却では、売却前に測量して、土地の境界を確定してから売却するやり方(実測売買)が行われています

測量には費用がかかりますし、義務でなければわざわざお金をかけて測量しなくても…と思う方もいらっしゃるかと思いますが、確実に土地を売りたいのであれば、測量を行うべきでしょう。

なぜなら、購入する土地の面積に誤差がある、その境界線はどこまでなのか不確かな土地より、土地の面積や境界線、権利関係が明確な土地のほうが好まれるからです。

隣接する土地の所有者との境界をめぐるトラブル回避など、買主にとって安心できる土地にするためにも、測量はできるだけ行ったほうが良いです。

②不要な土地は早く売却したほうが良い

日本は将来的に人口が減っていき、土地の需要も年々下がっていきます。

日本の人口推移と推計

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」

国立社会保障・人口問題研究所による日本の将来推計人口のグラフからもわかるとおり、日本の人口は都市、地方ともに減少していきます。特に、地方の人口減少率は都市に比べて大きいです。

住む人が減るのですから、自然と土地の需要は下がります。特に都心から離れた土地の場合、人口減少により売却できる可能性は低くなっていきます。

地価の動向

また、地価も確認しておきましょう。公益財団法人不動産流通推進センター「不動産業統計集」によると、地価は年々下がっています。

上のグラフは、平成2年の地価を100としたときの平成31年までの地価になります。動きはあるものの、全体的に地価は右下がりになっています。

要するに「年々、土地が売れても高くは売れなくなっている」ということです。

地価が今後上がることはない!と言い切ることはもちろんできませんが、用途のない土地に除草などの管理コストや税金という費用がかかってしまうのは確かです。

「人口減少による土地の需要低下」+「地価の低下傾向」に加え「維持費がかかる」ため、用途のない土地は早めに売却の手続きに入ることがオススメです。

なお、土地の売却には時間とお金がかかります。

前述のとおり、土地の境界が確定していない場合は、確定するための「測量」を行いましょう。境界確定に早くて1ヵ月、長い場合は3〜6ヵ月かかります。土地売却を開始してからも平均3ヵ月はかかります。

時間と測量費用はかかりますが、将来の土地の価値を考えると一般的には土地売却は早くやったほうが良いです。

次の章では、土地売却にいくら費用がかかるのか説明していきます。

土地の売却にかかる主な費用は測量費用+仲介手数料

土地売却でかかる費用一覧
土地売却の費用項目 必要度合い 金額
測量費用 土地の境界が不確かな場合はほぼ必要 30万円〜100万
仲介手数料 不動産会社に仲介を依頼する場合は必要(買取の場合は不要) (土地の売却価格×3%+6万)×消費税
売却価格1,000万円の場合は、388,800円
抵当権抹消登記 ローンが完済していない場合は必要 自分でやるなら1,000円、司法書士に依頼するなら1〜2万円程度
土地の残置物処理 場合によっては必要 数万円、自分でやる場合は無料
土地にある建物等の解体費用 場合によっては必要 数十万円

土地売却にかかる主な費用は、測量費用と仲介手数料です。

①測量費用

測量費用は平均30万円〜100万程度かかります。

費用の目安(100㎡以下の土地)

  • 官民査定なしの場合…30万円から45万円
  • 官民査定ありの場合…60万円から100万円

官民査定とは、公共用地などの国や都道府県の自治体が管理する土地(官有地)と隣接する民間で所持している私有地(民有地)の境界を確定することです。境界を確定させたい土地が国道などの道路に隣接している場合、この官民査定を行います。

このように測量にかかる費用は、その土地の条件によって変わります。

例として、以下のような要因で測量費用は変わってきます。

測量費用に影響する主な事柄

1.土地の面積
面積が広い土地のほうが、測量費用は高額になります。

2.接道状況
土地が何方向で道路に接しているのか、その道路が建築基準法上の道路であるか、などの条件によって費用は変わります。

3.接している隣地の数
境界確定の際には、隣地の所有者に立ち会ってもらうことが必要。そのため、何件の隣地と接しているかに応じて、測量費用も変わります。

4.公道が境界確定しているかどうか
公道が境界確定しているかどうかによって、測量費用も変わります。

5.登記をするかどうか
土地の分筆登記や地積更正登記をする場合は、登記費用も発生します。

以上のように、さまざまな条件に応じて測量費用は変わるので、一概に「このくらい」とは言えない現実があります。

②仲介手数料

不動産会社に土地の売却を依頼し、一般市場で売る場合は仲介手数料が必要になります。

仲介手数料の有無が関わる土地の売却方法2つについては次の章で説明しますが、一般的な土地売却の場合は、不動産会社に仲介を依頼する場合が多く、この仲介手数料がかかります。

仲介手数料は売却価格により異なり、下記の式で計算できます。

売却価格 仲介手数料
200万円以下 (売却価格×5%)×消費税
200万円超400万円以下 (売却価格×4%+2万円)×消費税
400万円超 (売却価格×3%+6万円)×消費税

たとえば、売却価格1,000万円の土地を測量して売却した場合、

  • 測量費用 30万円
  • 仲介手数料 38万8,800円

となるので、最低で約70万円の費用がかかることになります。なお、買取の場合は仲介しないため、仲介手数料はかかりません。

③そのほかの費用

そのほかにかかる費用は、

  • 「抵当権抹消登記」費用
  • 「土地の残存物処理」費用
  • 土地に建物がある場合は「解体」費用

があります。

土地にローンが残っていて完済する場合は「抵当権抹消登記」が必要で、その費用がかかります。

抵当権抹消登記を司法書士に依頼しない場合は登録免許税の1,000円のみ、司法書士に依頼する場合は登録免許税に加えて司法書士報酬がかかり1〜2万円程度になります。

そのほか、土地に残存物が残っている場合の撤去費用は数万円、建物の解体費用は数十万円〜数百万円かかります。

ここまで、土地を売る際の費用について説明してきました。次の章では「土地売却の方法は2つ」について説明します。

土地売却の方法は2つ

仲介手数料の部分で少し説明しましたが、土地の売却方法は、「一般市場での売却」か「不動産会社による買取」の2つがあります。


一般市場における「売却」 不動産会社による「買取」
売却期間 平均期間3ヵ月 1~2週間、遅くても1ヵ月程度
メリット ・買取に比べて高く売れる

売りにくい土地でも売れやすく、早く売れる

・仲介手数料の支払いがない

・瑕疵担保責任の免除

デメリット

・広すぎる土地、いびつな形は売れにくい傾向にある

・不動産会社の動きに大きく影響される

・一般的な売却に比べて、価格が7割程度と安くなる

それぞれの売却方法の特徴について確認していきましょう。

①一般市場における売却の特徴

一般市場における土地売却は、売主が、不動産会社に土地売却の仲介を依頼して一般市場に出し、買主が見つかったら売却するという形になります。

一般市場での売却の平均期間は3ヵ月です。買主が見つかるタイミングはその時々で異なるので、3ヵ月より早く売れたり売れ残ったりします。

一般市場での売却は買取に比べて高く売れるメリットがあります。一方で、広すぎる土地やいびつな形の土地などは売れにくい傾向があります。

また、土地の販売活動は不動産会社が全面的に行うため、不動産会社の動きが土地の売却に大きく影響します。業者選びが大事になってきますので、土地売却においては、土地の売却に実績がある不動産会社を選ぶのがコツです。

②不動産会社による買取の特徴

不動産会社による買取の特徴は、取引成立までの早さです。

買取の場合、買取依頼をして早くて1~2週間、長くても1ヵ月程度で売買が成立します。

買取の大きなメリットとしては、例えば三角形などのいびつな形の土地や再建築不可の土地など一般市場で売れにくい土地でも、買取であれば様々な土地を取り扱っている不動産会社に売却できる可能性がある点です。

そのほか、買取のメリットとしては、買主が不動産会社なので、直接売却となり仲介手数料を支払わなくていい点があります。

また、売却後に、売主が気づかなかった土地の汚染や埋没物といった不具合についての責任である「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が免除されます。

瑕疵担保責任は場合によっては、契約解消や費用請求が発生することもあります。瑕疵担保責任の免除は売主にとってのメリットです。

デメリットとしては、買取価格が一般的な仲介による売却に比べて7割程度と安くなることです。

どちらがお得?自分に合った売却方法の選び方

一般市場による売却、不動産会社による買取、どちらにもメリットとデメリットがあることをお伝えしてきました。

それでは、どちらを選べばいいのでしょうか?あなたにあった選び方をご紹介します。

一般市場による土地売却がオススメな人

  • 時間的余裕がある人
  • できるだけ土地を「高く」売りたい人

不動産会社とやりとりする時間などに余裕がある人は、買取より高値で売れる一般市場での売却がおすすめです。

「一般市場での売却」と「不動産会社による買取」の大きな違いは、「売却価格」「取引成立までの時間」の2点です。

売却価格については、買取は一般売却の6〜7割程度になるため、少しでも高く売りたいと思っている人には一般市場による売却が合っていると言えるでしょう。

一方、取引が成立するまでの早さは、買取は早くて1~2週間、長くても1ヵ月程度なのに比べ、一般売却は平均で3ヵ月以上かかります。

ですので、時間的余裕がある人、できるだけ土地を高く売りたい人は、一般市場での売却がオススメです。

買取による土地売却がオススメな人

  • 「すぐ」土地を売りたい人
  • 売却活動を周囲に知られたくない人

どうしても早く売らなければいけない!といった事情がある場合は買取の方がオススメです。

また買取の場合は「売却価格」と「取引成立までの時間」の他に「周囲に売却活動を知られない」という特徴もあります。

どうしても1ヵ月で売却しないといけないなど、売り急いでいる人以外は一般市場での売却がおすすめです。

事情があり急いで売りたい人、一般市場で売れ残った土地は買取も検討してみましょう。

《一般市場での土地売却》手順・流れの11STEP

では、一般市場で土地を売却する流れを順に説明していきます。なお、不動産会社による買取で売却すると決まった場合は、次の章まで読み飛ばしていただいても構いません。

土地の売却を決意してから、一般市場で実際に売却するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 土地の相場を調べる [大体1〜2日]
  2. 土地の境界を確認する [測量する場合は、早くて1ヵ月、平均で3ヵ月、6ヵ月以上かかるケースも]
  3. 査定を複数の不動産会社に依頼する [机上査定なら当日〜翌日、訪問査定が出るまで3〜4日]
  4. 媒介契約する不動産会社を選ぶ [大体1〜2日]
  5. 不動産会社による販売活動 [約3ヵ月]
  6. 買主との価格交渉 [大体1〜2日]
  7. 売買契約の締結 [7~8は同日に実施]
  8. 手付金の受け取り
  9. 残代金決済 [9~11は同日に実施]
  10. 土地の引き渡し
  11. 不動産登記

それぞれのステップでかかる時間は、括弧内を参考にしてください。

それでは、各ステップについて解説します。

1.土地の相場を調べる

土地の相場を知ることで、土地の売却価格を設定する参考になります。また、不動産会社の査定価格が妥当なのかの判断材料にもなります。

土地の相場を調べる主な手段は「不動産ポータルサイト」と「土地総合情報システム」です。

不動産ポータルサイトで相場を調べる

不動産販売のポータルサイトから、土地の地域、駅からの距離、面積などの物件条件を入力して、どのくらいの価格で売られているのかを確認します。

ただし、不動産販売サイトに記載されている価格は売出価格です。

【用語解説】売出価格とは

不動産会社の査定価格を元に、売主の「いくらで売りたいか」を加味した価格のこと。不動産広告に掲載される価格。

簡単に言えば、売出価格は売り出したい価格のことです。値引き分も想定して高めに設定されているので、実際の成約価格は掲載されている価格より低くなる点に注意しましょう。

おすすめの不動産販売のポータルサイトは、公益財団法人不動産流通推進センターが運営する「不動産ジャパン」です。

産ジャパンで相場を確認する方法

不動産ジャパンの使い方は、トップページ左上の「不動産物件検索・不動産会社情報」をクリックして、「不動産を探す【買う】」をクリックすると検索できます。

土地総合情報システムで相場を調べる

価格の相場を知るためには、過去の取引情報を知ることも有効です。

国土交通省が運営している「土地総合情報システム」というサイトから自分の売却予定の土地と似た物件の過去の取引情報を確認しておきましょう。

具体的な検索方法は、トップページの「不動産取引情報」をクリックして、取引が行われた「時期」、物件の「種類」、「地域」を選んで検索します。

2.土地の境界を確認する

土地を売却するにあたり、土地の境界を確認します。最初に「土地売却の前に知っておくべき注意点2つ」で説明しましたが、境界が不確かな場合は「測量」を依頼して、買主に安心してもらえるように売却したい土地の境界を明確にしましょう。

「境界が不確かな土地」とは、下記いずれかのケースに該当する場合です。

  • 境界杭がない場合
  • 地積測量図など測量の証明となる図面がない場合

測量を行う場合は「土地家屋調査士」に依頼します。

土地家屋調査士を選ぶポイントは、実績のある土地家屋調査士を選ぶことです。

というのも境界確定が必要な場合、近隣住民との交渉も業務に入ります。余計なトラブルで測量が長引かないように、経験豊富な土地家屋調査士を選ぶのがスムーズな測量につながるというわけです。

それでは、測量が必要かどうかの判断方法を説明します。

測量が必要かどうかの判断方法

土地に境界杭があり、境界杭の位置・地積測量図・登記簿の3つの内容が一致していれば、「境界が確定している」に分類される場合があります。

しかし、

  • 境界杭がない場合
  • 地積測量図など測量の証明となる図面がない場合
  • 地積測量図はあるが、平成16年以前に作成された地積測量図で現状と異なる場合

などは「境界が確定していない」に分類されるため、境界確定測量を行うのがオススメです。

境界杭の確認方法

境界杭を確認方法する方法は、基本的には公図地積測量図などを元に現地で確認します。

境界杭の形状と素材は一定ではなく、コンクリートや金属製、石など様々な素材に、十字、T字などが刻まれています。

注意点は、境界杭が地中に埋まっている可能性もあることです。境界杭が見つからない場合は、自分の判断で土地を掘り出すのではなく、まずは不動産会社か土地家屋調査士に相談しましょう。

地積測量図などの有無の確認方法

測量がされていれば、法務局にその土地の「地積測量図」が保管されています。

地積測量図があるかどうかは、法務局に行くか、郵送で取り寄せたり、インターネットから確認したりすることができます。

およそ昭和35年以前に登記された土地は、登記の際に地積測量図の提出が義務化されていなかったため、地積測量図がない土地が存在します。

そのため、地積測量図があるかどうかは確認しておきましょう。

3.査定を複数の不動産会社に依頼する

売る土地が明確になったら、いよいよ売却に入ります。まずは土地の査定を複数の不動産会社に依頼します。

複数の不動産会社に依頼する理由は、査定価格が妥当であるかを判断するためです。これは、土地の査定に用いられる「取引事例比較法」という計算方法と関係があります。

【用語解説】取引事例比較法とは

取引事例比較法は、売却予定の土地と条件が似ている過去の取引事例をピックアップし、土地が大体どのくらいで売れるのか、査定価格を計算する方法。

不動産会社がどんな取引事例を選ぶかで査定価格は変化するので、複数の不動産会社の査定を受ける必要があります。

契約して欲しいためにわざと査定価格を高めに設定する不動産会社もありますが、複数の査定価格があれば、不自然な査定価格に気づくことができます。

なお、不動産会社による査定は、仲介でも買取でも無料で受けることができます。

複数の不動産会社に依頼する際は、同じく無料の不動産一括査定サイトを利用すると、各社に同じ依頼をする手間と時間を省くことができます。

4.媒介契約する不動産会社を選ぶ

複数の不動産会社に査定を依頼した後は、査定を通じて媒介契約する不動産会社を選びます。

前述のとおり、複数の不動産会社に依頼する理由は、信頼できる不動産会社を選ぶためです。

査定価格が高いかどうかではなく、価格の根拠を明確に説明できるか、こちらの質問にしっかりと答えてくれるかなど、査定を通した不動産会社の対応を確認して、信頼できる不動産会社かどうかを判断しましょう。

とはいえ、短期間の対応で確実に信頼できるかどうかの判断は難しいものがあります。

媒介契約は3ヵ月が期限なので、とりあえず大手だから、とりあえず地元に強い会社だから、という形で選んでも問題ありません。

媒介契約は専任媒介契約がおすすめ

媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。

上記の媒介契約の違いを表にまとめましたので、どの契約を選ぶかの参考にしてください。

3種類の媒介契約の比較表
媒介契約の種類 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
同時に複数の不動産会社との契約ができるか × ×
自分で買主を見つけた場合

×

不動産会社の仲介が必要

不動産流通機構レインズへの登録義務 契約から5日以内に登録 契約から7日以内に登録 任意(登録義務なし)
業務報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 任意(報告義務なし)
契約期間 最大3ヶ月 最大3ヶ月 規定なし(3ヶ月が目安)

専属専任媒介契約と専任媒介契約は、同時に複数の不動産会社と契約することはできません。一方、一般媒介契約は複数の不動産会社と媒介契約を結べます。

専属専任媒介契約が一番制限が強く、順に専任媒介契約、一般媒介契約のと制限が少なくなります。

制限の少ない一般媒介契約が自由に売却できて良いのでは?と思うかもしれませんが、一般媒介契約は、媒介契約を結んでいる他の不動産会社が売買を成立させたら、不動産会社にとっての利益はゼロになります。

このため、不動産会社が販売に注力しない可能性があり、売れにくいと判断した場合、依頼だけ受けて放置している可能性も捨てきれません。

専属専任媒介と専任媒介は、全国の不動産業者が利用するネットワークシステム「レインズ」に売却する土地を登録する義務があります。

【用語解説】REINS(レインズ)

REINS(レインズ)とは、国土交通大臣の指定を受けた4つの公益法人(指定流通機構)が運営している、不動産情報の登録と提供を行っているコンピュータ・ネットワークシステムのこと。

依頼を受けた不動産業者が売主の不動産情報をレインズに登録することによって、全国の不動産業者間で情報が共有され、買い手が見つかる確率が上がります。

一般媒介契約はレインズへの登録義務はありません。任意のため、もし一般媒介契約を選ぶ場合は、レインズへの登録を不動産会社に打診してみましょう。

専属専任媒介と専任媒介の違いは、自己発見取引ができるかどうかです。

専属専任媒介契約では自己発見取引は認められません。契約中に、売主が物件購入者を見つけても、専属専任媒介契約の場合は仲介手数料を支払う必要があります。

そのため、専属専任媒介契約より自由度の高い専任媒介契約がおすすめです。

媒介契約については難しいことが多いため、詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。

5.不動産会社による販売活動

売却する土地の広告作成、チラシ配布、HP掲載など、不動産会社による土地の販売活動が行われます。

土地の購入検討者が現れた場合、売主は不動産会社の担当者と共に現地確認の対応をします。現地確認の対応は担当者が行うため、立ち会いは必須ではありません。

とはいえ、売主の説明があれば買主も安心もします。可能であれば、立ち合いも行うのも土地のアピールにつながるのでオススメです。

ただし、過剰なアピールは逆効果です。不確かなことは言わず、土地の履歴など、土地に関する質問など聞かれたことに誠実に答える形で対応しましょう。

6.売主との価格交渉

土地購入の希望者が現れたら価格交渉に入ります。ほとんどの場合、買主からは値引き要求があります。

この際、不動産会社と事前にいくらまで値下げに対応できるかの「最低価格」を定めておくと、早期売却につながります。

売却価格については、売り出し価格の段階で不動産会社とも相談して、値引き分を想定した価格設定にしておきましょう。

7.売買契約の締結

売買価格について売主、買主双方が合意したら売買契約の締結を行います。

一般的には購入申し込みがあってから1週間から10日以内に売買契約が行われます。

売買契約の日に不動産会社の宅地建物取引士から、重要事項説明書を使って重要事項説明が行われます。しかし、できれば数日前に重要事項説明書をもらっておいて、内容に不備がないか、疑問点や不明点がないかを確認しておきましょう。

特に確認しておくべきポイントは、売買金額、引き渡し日時、瑕疵担保責任の項目です。売買金額、引き渡し日時については間違いがないか確認しましょう。

瑕疵担保責任については、売却後3ヵ月など、売却した後どのくらいの期間、瑕疵担保責任を負うかが売買契約書に明記されているので確認しておきましょう。通常は2〜3ヵ月程度です。

売買契約は、売主、買主、仲介する不動産会社が集まって行います。不動産会社の宅地建物取引士によって重要事項説明書の確認が行われ、問題がなければ売買契約に売主、買主それぞれが署名して売買契約が成立します。

8.手付金の受け取り

売買契約の際に、買主は売主に対して手付金を支払います。

手付金は売買契約が容易に解約されないことを目的として支払われるお金です。手付金は購入金額の一部から支払われます。

手付金の金額に関しては法律上の定めはありません。一般的には物件価格の5~10%が相場です。買主と売主が合意すれば、数万円でも問題ありません。

9.残代金決済

残代金決済、土地の引き渡し、不動産登記は同じ日に行われます。

残代金決済は、買主から購入金額から売買契約時に支払われた手付金を引いた金額が売主に支払われます。一般的には口座振込です。

10.土地の引き渡し

残代金を受け取ったら、売主から買主に対して残代金の領収書と所有権移転登記に必要となる書類一式を引き渡されます。

必要書類の詳細は記事後半にまとめています。

11.不動産登記

多くのケースでは司法書士による不動産登記が行われます。土地売却の際に行われる登記は「所有権移転登記」ですが、土地に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消登記も同時に行われます。

所有権移転登記は買主のための登記、抵当権抹消登記は売主のための登記なので、登記費用負担もそれぞれが請け負います。

決済・土地の引き渡し・不動産登記が終われば土地売却は完了です。

《不動産会社による買取》手順・流れの6STEP

ここまで、一般市場による土地の売却について説明してきました。

ここからは、不動産会社による買取の手順と流れになります。土地の買取を決意してから実際にするまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 土地の相場を調べる [1日]
  2. 土地の境界を確認する [早くて1ヵ月、平均で3ヵ月、6ヵ月以上かかるケースも]
  3. 不動産一括査定サイトから複数の不動産会社に買取の依頼する [3~6で平均1~2週間、長くても1ヵ月程度]
  4. 買取を依頼する不動産会社の選定をする
  5. 買取価格を参考に買取不動産会社と売買契約を締結
  6. 残代金の決済・土地の引き渡し

それぞれのステップでかかる時間は、括弧内を目安として参考にしてください。

それでは、各ステップについて解説します。

1.土地の相場を調べる

やり方は前章の一般売却と同様です。

買取でも一般売却の相場価格を知ることで、買取価格が妥当か判断する材料になります。

2.土地の境界を確認する

やり方は前章の一般市場での売却と同様です。

土地に境界杭があり、境界杭の位置・地積測量図・登記簿の3つの内容が一致していれば「境界が確定している」に分類されます。

  • 境界杭がない場合
  • 地積測量図など測量の証明となる図面がない場合
  • 地積測量図はあるが、平成16年以前に作成された地積測量図で現状と異なる場合

などは「境界が確定されてない」に分類されるので、境界確定測量を行うのがオススメです。

3.不動産一括査定サイトから複数の不動産会社に買取の依頼する

自分の土地の価格相場を把握して測量も完了したら、不動産一括査定サイトから不動産業者に査定を依頼します。通常の一括査定サイトと買取専門の一括サイト両方を活用します。

査定には地域、面積などをサイト上から入力するだけで、すぐに結果がわかる「机上査定」と、不動産業者が直接現地確認して査定する「訪問査定」があります。

机上査定は査定依頼後、早ければ当日中にはメール等で連絡が来ます。訪問査定は実際の訪問時間は1時間程度です。

査定を依頼する場合は1社だけでなく、必ず複数の業者に査定を依頼することをオススメします。1社だけでは、買取査定価格が妥当か判断できないためです。

机上査定を5〜6社程度に依頼して、高値であった3社程度に訪問査定を依頼しましょう。

4.買取を依頼する不動産会社の選定

基本的には、もっとも買取査定価格が高い会社を選びます。これは市場による一般的な売却と異なる点です。

会社によっては査定価格と買取価格が変わってくる場合もあるので、最終的な買取価格が高いかどうかで判断しましょう。

買取の場合、会社によって買取後の売却方法が異なるため、買取価格にバラつきが出てきます。

買取価格は、その金額で不動産会社が買い取ってくれる価格とイコールです。多くの不動産会社に対して買取査定価格を申し込み、より高値で買取してくれる会社を選びましょう。

5.買取価格を参考に買取不動産会社と売買契約を締結

買取価格と引き渡しの条件に同意したら不動産会社と売買契約を結びます。売買契約時に不動産会社から売主に対して買取価格の5~10%程度の手付金が支払われます。

6.残代金の決済・土地の引き渡し

土地の引き渡し日に、売却価格から手付金を引いた残代金が決済されます。

所有権移転登記などの各種手続きについては、すべて買取する不動産会社が手配します。

抵当権抹消登記が必要な場合は同時に申請します。

土地の売却に必要な書類

最後に、土地の売却時に一般的に必要な書類を下記のとおりにまとめました。

ケースによって必要となる書類は変わります。基本的には不動産会社の指示に従って用意してください。


必須の書類
書類名 書類の概要 入手にかかる時間 入手方法
登記済権利証(もしくは登記識別情報) 売主が不動産の登記名義人であることを証明する書類 売主が所有。なければ①事前通知制度を利用、②司法書士か、弁護士等による本人確認証明情報の提供を行う、③公証人の認証による事前通知の省略、の①〜③いずれかの対応をとる。
固定資産税の納税通知書 固定資産税の納税額の確認のために必要となる 売主が所有。なければ役所で、納税証明書を請求(400円)
本人確認書類(運転免許証や健康保険証など) 本人であることの証明 売主が所有
登記簿謄本(登記事項証明書) 土地の所在・面積、所有者の住所・氏名、その土地の権利関係等が記載 1日〜数日 法務局に行く、郵送、インターネットで入手
地積測量図・境界確認書 土地の正確な境界と面積の証明書 1〜3ヵ月 なければ土地家屋調査士に依頼
今回の売却の売買契約書・重要事項説明書 土地の説明、取引条件、告知事項など、売買契約に必要な情報 業者が用意する
実印 印鑑証明と同じ印鑑 売主が所有
銀行口座の通帳 手付金・残代金の振込先 売主が所有。なければ再交付を依頼する
住民票(3ヵ月以内のもの) 住民の居住状況を公的に証明するもの 1日 市・区役所、コンビニ等で入手可能
印鑑証明書(3ヵ月以内のもの) 市区町村に登録された印鑑の証明書 1日 市・区役所、コンビニ等で入手可能
公図(地図) 土地の場所や形状を確定するための法的な地図 1日〜数日 法務局に行く、郵送、インターネットで入手

場合によっては必要な書類
書類名 書類の概要 入手にかかる時間 入手方法
取得時の売買契約書・重要事項説明書 取得時の土地の説明、取引条件、告知事項など、売買契約に必要な情報 売主が所有。紛失したら購入先の不動産会社にコピーをもらう
司法書士への登記委任状 司法書士に依頼する場合 司法書士が用意する
抵当権抹消登記に必要な関係書類 登記の委任状、解除証書もしくは完済証明書、登記事項証明書 ローン完済後すぐ 売主が住宅ローンを組んでいる金融機関から入手

土地にまだ建物があるときの判断基準

土地売却を考えている方のなかには、「まだ古い家が残っているんだけど…」「古い家だから更地にして、土地を売却する方が売れるんじゃないか」など悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

解体するにも解体費用だけでなく、土地の整備費用がかかる場合もありますし、まだ使えないこともない建物を解体することで、結果的に購入希望者を逃すこともありえます。

簡単にですが、売りたい土地にまだ建物があり、更地にするか悩んでいるひとの判断基準をまとめました。

建物を解体して更地で売却した方がよいケース

  • 昭和55年以前に建てられた建物であるケース
  • 売れづらい立地にあるケース

こういったケースでは、更地にする方が売りやすくなります。

一方、建物を解体せず売却できるケースもあります。解体せずに売却できるケースであれば、解体費用や時間もかかりませんので、一度確認しましょう。

建物を解体せず売却してもよいケース

  • 建物が築10年以内程度の土地を売却するケース
  • 立地がよい土地を売却するケース
  • 不動産会社の買取を検討しているケース

まだ土地に建物が残っている場合の詳細や、解体費用の詳細は下記の記事を参考にしてみてください。

まとめ

それでは土地売却についてまとめましょう。

記事のおさらい

  • 土地売却する前の「土地の測量」には法的強制力はないが、やった方が売れやすくなる
  • 土地の売却にかかる主な費用は測量費用」+「仲介手数料」
  • 土地は今後売れにくくなる可能性が高い。用途のない土地の場合は特に早めに売却をはじめよう
  • 土地の売却方法は「一般市場での売却」か「不動産会社による買取」の2つ
  • 時間的に余裕がある人は買取より高値で売れる一般市場での売却がおすすめ
  • 境界杭や正確な地積測量図がない場合は「境界が確定していない」に分類される
  • 土地売却は土地売却の実績がある不動産会社がオススメ

ほとんどの人の場合、土地売却をするのは初めてです。

売却の際に頼りになるのは、パートナーとなる不動産会社です。土地に限らず不動産の売却は大きなお金が動くので、不明な点・疑問点は細かくても不動産会社に確認するようにしましょう。

売主の疑問・質問にきちんと対応してくれる誠実な不動産会社を選んでください。

今回の記事が土地売却の参考になれば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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