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コンサルタント 監修 中村昌弘
マンションの購入を検討している人の中には、将来的にマンションを売却する前提で物件を探している人も多いでしょう。
確かに、ライフスタイルの変化が見込まれるため、長い目で見ると売却する可能性があります。そのため、将来売却する前提でマンションを購入したい気持ちはよく分かります。
そこでこの記事ではこんな疑問にお答えします!
この記事ではこんな悩みを解決します!
- マンションを売却前提で購入する際のポイント
- 価値が下がりにくいマンションとは?
- 売却前提で買ったマンションで気を付けること
この記事では上記のような点を知ることができるので、将来売却する前提でマンションを探すときに役立ちます。
筆者は、不動産会社で中古マンションの仲介担当をしており、過去に多くのマンションを成約させてきました。その経験を元にプロの視点で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マンションを売却前提で購入する場合に押さえておくべきポイント3つ
結論からいうと、売却する前提でマンションを購入する場合は、新築ではなく中古マンションを購入した方が良いでしょう。
なぜなら、新築マンションは販売経費や不動産会社の利益などが上乗せされているため、価格が割高になっているケースが多いからです。
つまり、割高な新築マンションを購入すると、中古マンションとして売り出すときに価格下落率が大きくなってしまうのです。
ただし、どうしても新築マンションに住みたい!と思う人もいると思います。
その場合は、後述する「価格の下がりにくいマンションの選び方」に該当するマンションを選ぶことで、価格下落率の低い新築マンションを選定できるでしょう。
この章では、マンションを売却前提で購入する場合に押さえておくべきポイントである、以下3点を詳しく解説していきます。
売却前提でマンションを購入するときの3つのポイント
- 売却する理由によって購入すべき物件は変わる
- 広さは50㎡が一つの目安となる
- 相場価格を常に確認しておく
1.売却する理由によって購入すべき物件は変わる
1つ目のポイントは、なぜ将来的にマンションを売却するのか?という「売却理由」によって、購入するマンションが変わるという点です。
以下、具体例を元に解説していきます。
- 子どもの成長に合わせて売却するなら築浅がオススメ
- 老後に売却するならリフォームのしやすい物件がオススメ
- 明確な売却理由・時期がない場合は立地が大切
子どもの成長に合わせて売却するなら築浅がオススメ
将来的にマンションを売却する理由が「子どもが大きくなったら売却」の場合は、購入してから10~15年程度で売却することになるでしょう。
その場合は、築5年前後の築浅物件をおススメします。
というのも、東日本不動産流通機構のデータを見ると、築20年以下のマンションは以下のように成約率が高い…言い換えると、中古マンションの検討者は築20年以内を希望する人が多いからです。
築年数 | 成約率 |
---|---|
築0~5年 | 23.3% |
築6~10年 | 31.9% |
築11~15年 | 26.1% |
築16~20年 | 25.8% |
築21~25年 | 18.6% |
築26~30年 | 13.5% |
築31年~ | 12.6% |
参考:東日本不動産流通機構「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2019年)」
築20年を超えると成約率が10%台になってるね?!
築20年を超えるかが、皆が住みたくないなあと思う古いマンションの基準になりそうでござる。
そのため、子どもの年齢に合わせて売却時期が築20年以下になるような中古マンションをオススメします。
例えば現在0歳の子どもが10歳(小学校高学年)になったら、マンションを売却して広い家に移り住むとしましょう。
その場合は購入から売却まで10年あるので、築5年前後のマンションを買うのがオススメです。築5年前後であれば売却時も築15年なので、成約率が高い築20年以内に売ることができます。
このように、子どもの年齢によって購入すべきマンションの築年数は異なるものの、売却時に築20年以内になるように築浅物件の購入をオススメします。
老後に売却するならリフォームのしやすい物件がオススメ
老後を考えて売却するならリフォームしやすい物件がオススメです。
リフォームしやすいとは、具体的に以下のような物件になります。
- 手すり下地が入っている
- 柱が室内に出ていない
- 室内の壁が「取り壊せる間仕切壁」になっている
リフォームしやすい物件にする理由は、老後を考えたマンション売却だと20年~30年以上という長期間にわたって住み続ける可能性があるからです。
つまり売却時は築古物件となり、成約率が高い「築20年以内」で売却するのは難しくなります。
そのため、高く売るなら付加価値を付ける必要があり、その付加価値として「リフォームのしやすさ」が重要なのです。
成約率の高い築20年以内に売却できなくても、付加価値のある物件なら有利なんだね!
売却時に新しく付加価値をつけるにはお金がかかるから、購入時に付加価値のあるマンションを選んでおくでござる!
昨今、リフォームやリノベーションをする人が増えています。
国土交通省の資料によると2007年から2017年の10年間で、リフォーム規模は15%増加しているほどです。さらに、市場調査とマーケティングをおこなう矢野経済研究所を見る限り、今後も高い水準で推移するでしょう。
その点を考えると「リフォームしやすい」物件は付加価値が高く、築古物件でも売りやすいと考えられます。
また、老後を考えて売却するということは長期間住み続けるので、結局は売却せずに永住するという選択になるかもしれません。
その場合、リフォームしやすい物件だと、自分自身にもメリットがあるのです。
明確な売却理由・時期がない場合は立地が大切
もし明確な売却理由・売却時期が分からない場合は、とにかく立地が良い物件を選ぶことが重要です。
なお、「良い立地」の詳細は後述の「価値が下がりにくいマンションの選び方」の章で解説します。
立地が良い物件を選ぶべき理由は、間取りや設備とは違い「立地」は変えることができない要素なので、立地が良いマンションはいつの時代も高く売れやすいからです。
そもそも明確な売却理由や時期がないということは、そのマンションをいつ売るか分からないということです。もしかしたら5年後に売るかもしれませんし、25年後に売るかもしれません。
そのため、どのような状況でも高く売れやすい好立地な物件が良いというわけです。
このように、なぜ将来売却するのか?を考えると、どのような物件を買うべきかが分かってきますね。
2.広さは50㎡が目安となる
2つ目のポイントは、広さは50㎡が目安となる点です。
50㎡以上のマンションを購入すると以下のメリットがあります。
50㎡以上のマンションを購入するメリット
- 住宅ローン控除を受けられる
- 不動産取得税の軽減が受けられる
- 固定資産税、都市計画税の控除が受けられる
このように、広さ50㎡を境に税金の控除が受けられるかどうかが変わってきます。
ただし50㎡以上という広さは、広告や図面集に載っている面積ではなく、登記面積で50㎡以上という点に注意が必要です。
というのも、広告や図面集に記載の面積は壁芯面積であり、壁の一部を含んだ面積だからです。一方、登記面積は壁を含まない内法面積なので、広告や図面に記載されている面積よりやや狭くなります。
特に、子どもの成長に合わせてマンションを購入する場合は、子どもが小さいうちは50㎡前後の部屋を買うケースもあるでしょう。
そのようなときは、謄本を確認して登記面積が50㎡以上かチェックすることが重要です。
3.相場価格を常に確認しておく
3つ目のポイントは相場価格を常に確認しておくことです。なぜならマンション価格は需要(買いたい人)と供給(物件数)のバランスで決まるからです。
例えば比較的価格が高い築浅物件でも、供給数が多いときは価格が下がりやすいです。逆に価格が安い築古物件でも、供給が少なければ価格は高くなりやすいです。
そのため、マンションの購入を検討しはじめたら、まずはネットで売り出し物件をチェックしましょう。
その後、本格的に検討が進む段階で不動産会社に相談して、広告に出ていない物件情報も得るようにします。
そうすれば、需給バランスを把握することができるため「安い物件」を見極めやすくなります。
ここまでで、売却前提でマンションを購入するときに押さえておくべきポイントである「売却する理由によって購入すべき物件を決める」「広さは50㎡が一つの目安となる」「相場価格を常に確認しておく」という点が分かりましたね。
価値が下がりにくいマンションの選び方
次に、価値が下がりにくいマンションの選び方として、以下3点を知っておきましょう。
- 立地が良い
- 住環境が良い
- 管理会社の管理・修繕がしっかりしている
1.立地が良い
価値が下がりにくいマンションの選び方1つ目は、立地が良いという点です。具体的には、以下のような立地のマンションは価値が下がりにくいです。
マンションの価値が下がりにくい立地の特徴
- 都心まで行きやすい
- 駅から近い
- 災害リスクが小さい
まず、都心まで行きやすいという点は重要になります。
都心といっても、特に新宿・渋谷・東京駅という主要駅まで電車でどのくらいで行けるか?は重要になるため、都心までの絶対距離ではなく通勤時間を計算しましょう。
また、駅から近い物件も価値が下がりにくく、できれば徒歩5分以内の物件が良いでしょう。駅から近いほど検討者が多くなるので、売れやすくなります。
中古マンションの検討者は「徒歩○○分以内」と物件を絞ることが多いです。そのため、徒歩5分以内の駅近物件であれば、徒歩分数が原因で検討から除外されることは少ないでしょう。
そして、災害リスクが小さい立地であることも重要です。災害リスクとは、豪雨による浸水リスクや地震時の建物倒壊リスクのことです。
災害リスクは行政のハザードマップで確認できるので、必ず確認してからマンションを購入するようにしましょう。
2.住環境が良い
価値が下がりにくいマンションの選び方2つ目は、以下のように住環境を確認することです。
マンションの価値が下がりにくい住環境の特徴
- 商業や医療施設が充実している
- 公園など緑が近くにある
- 騒音や異臭を出す施設がない
- 墓地などの嫌悪施設がない
前項の「立地が良い」は広い視野でエリアを見ていましたが、「住環境」はもう少し狭い視野でエリアを見ることになります。
端的にいうと、上記のような「住みやすいエリアかどうか」を確認することが重要ですが、住みやすいエリアかどうかは実際に歩いてみないと分かりません。
そのため、できれば平日・休日、そして昼・夜と日程を変えて何度か周辺を歩いて確認してみましょう。
3.管理会社の管理・修繕がしっかりしている
価値が下がりにくいマンションの選び方3つ目は、管理会社のマンションの管理・修繕がしっかりしている点です。
なぜなら、管理・修繕がしっかりされていればマンションの資産価値が保ちやすいからです。
管理・修繕がしっかりしている管理会社は、以下3点で見極めましょう。
- 累計管理戸数が多い
- 大規模修繕計画が30年スパンである
- 同じ築年数でも劣化が少ない
累計管理戸数が多い
まず、管理会社の累計管理戸数を管理会社のホームページなどでチェックしましょう。
累計管理戸数が多ければそれだけノウハウが蓄積されています。
そのノウハウは管理の質につながり、管理の質は建物の資産価値を維持することにつながります。
大規模修繕計画が30年スパンである
大規模修繕計画は20年~25年のスパンで策定する管理会社も多いですが、30年スパンで策定していることが望ましいです。
なぜなら、エレベーター工事や機械式駐車場の設備入れ替え工事などは、30年スパンで発生するからです。
言い換えると、30年スパンで大規模修繕計画を策定していないと、築30年前後でエレベーター工事や機械式駐車場の設備入れ替え工事などの、予期せぬ支出が発生する可能性があります。
予期せぬ支出が発生するということは、修繕積立金の増額リスクが高まるということです。
そのため、30年スパンの大規模修繕計画の方が将来にわたりきちんと修繕を考えている精度の高い計画になります。
同じ築年数でも劣化が少ない
ほかにも、周辺にある同じような築年数の物件をチェックし、外観の劣化具合を見ることでも管理会社の質は分かります。
もちろん、外観の劣化具合は管理会社の問題だけでなく、タイルなのか吹き付けなのかという仕様によっても異なります。
ただ、質の高い管理会社であれば修繕計画もしっかり策定しているので、同じ築年数でも劣化が少ない物件が多いです。
ここまでで、価値の下がりにくいマンションは、「立地が良い」「住環境が良い」「管理会社の実績が豊富である」という点が分かりましたね。
売却前提で買ったマンションで気をつけておくこと
次に、売却前提で買ったマンションについて、生活しながら気を付けるべき以下3点を解説します。
- フローリングやクロスに傷・汚れをつけない
- こまめに清掃する
- 定期的に相場を確認する
まとめると、室内をなるべく綺麗な状態に保つこと、高く売れる時期を見極めるため定期的に相場を確認することが重要です。
1.フローリングやクロスに傷・汚れをつけない
売却前提で買ったマンションで気をつけるべき1つ目は、フローリングやクロスに傷・汚れをつけないことです。
具体的には、フローリングにはクッションマットを敷いたりラグを敷いたりしましょう。
ただ、日当たりが良い場所だとラグを敷いた部分だけ色が変わってしまうので、そのような場所はクッションマットなどでフローリング全面を覆うことが望ましいです。
クロスは、保護シートを活用することで 傷や汚れを防止できます。ただ、保護シートも貼った部分だけ色が変わってしまうので、できれば壁全面に貼った方が良いでしょう。
そのため「汚れや傷ができやすい子ども部屋だけ」のように、範囲を限定して対策することをオススメします。
2.こまめに清掃する
2つ目は、こまめに清掃することです。
これも室内の劣化を防ぐための方法であり、水まわりは特に重点的に掃除しましょう。
というのも、中古マンション購入者は衛生面から水まわりの汚れを気にするからです。
また、一度カビができるとその後もカビができやすかったり、水まわりは単純に汚れやすかったりする点も重点的に掃除すべき理由です。
マンション売却前にクリーニング業者に依頼することもできますが、当然費用がかかってきます。そのため、できるだけこまめに清掃して、クリーニング業者に頼まなくても良い状態にしましょう。
3.定期的に相場を確認する
3つ目は定期的に相場を確認することです。
上述のように、マンション価格は需給バランスで決まります。そのため、マンションの購入価格だけではなく、売却価格も需給バランスによって変わるのです。
例えば、築浅物件でも競合物件が多いと価格は下がりやすく、築古物件でも競合物件が少ないと価格は上がりやすいです。
そのためマンションの売却を検討したら、まずはネットで売り出し物件を継続的にチェックしましょう。そうすれば、競合物件も把握できますし、おおよその相場も分かってきます。
その上で、不動産会社へ査定依頼して相場を把握し、少しでも高く売却できる時期に売り出すようにしましょう。
まとめ
それでは、売却前提でマンションを購入するときのポイントや、注意点をおさらいしましょう。
記事のおさらい
- 売却理由などによって購入すべき物件は変わる
- 買うときも売るときも相場価格は把握しておく
- 価値が下がりにくい3つの要素を理解する
- こまめな清掃など購入後にも注意する
まず、売却理由によって購入すべき物件が変わるので、将来的になぜ物件を売るのか?という点を考えましょう。
そして、マンションを買うときも売るときも相場価格の把握は重要です。
さらに、価値が下がりにくいマンションの特徴を把握することで、高く売却できるマンションを選定できます。
このような「売却前提でマンションを購入する」ときのポイントや注意点を理解しておけば、自分に合ったマンションを見つけることができるでしょう。
コンサルタント 監修 中村昌弘 宅地建物取引士
新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。