【保存版】マンション売却でかかる手数料・費用を一挙紹介!
2018.12.26投稿編集 すまいうる編集部
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マンションの売却では、手元に入ってくるお金以外に「出ていくお金」があります。みなさんは、何にどれくらいのお金が必要になるかご存知でしょうか。
マンションを住み替える予定であれば、最終的にいくら手元に残るのか見当をつけておくことは今後の資金計画のためにも重要です。
そこで本記事では「マンション売却でかかる手数料や費用」をテーマに解説していきます。
実は、手数料や諸費用で総支払額が100万円を超えることは珍しくありません。
支払うタイミングがマンションの売却代金をもらう前というケースもありますので、事前に資金を準備しておく必要があります。
そこで本記事では、次のような疑問について解説していきます。
この記事ではこんな疑問を解決します!
- マンション売却ではどのような手数料がかかるの?
- 仲介手数料ってなに?どのくらいかかるの?
- 手数料以外に費用はかかるの?
結論からいうと、仲介手数料と住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料が一般的な手数料になりますので、そちらを頭に入れながら読み進めてください。
記事の後半では、マンション売却時に戻ってくるお金についてもまとめています。
この記事を読むことで、マンションを売るときにかかる手数料や費用の全体像を把握でき、準備すべき資金が明確になるでしょう。
この記事の目次
マンション売却時にかかる手数料・費用の相場
マンション売却時にかかる主な手数料や諸費用には、以下のような項目があります。
手数料・費用 | 金額相場 |
---|---|
仲介手数料 | 売却金額の3%ほど |
住宅ローンの一括繰上げ返済手数料 | 1万円~5万円 |
印紙税 | 200円~3万円 |
抵当権抹消登記の費用 | 1万2,000円~1万7,000円 |
ハウスクリーニング費用 | 水回りで5万円 |
リフォーム費用 | 20万円~100万円 |
引越し費用 | 4人家族で8万円~10万円 |
住所変更登記の費用 | 1万5,000円~2万円 |
次項からは、それぞれの費用について具体的に解説していきます。
内訳①仲介手数料:売却金額の3%ほど
マンション売却における手数料でもっとも高額なのは「仲介手数料」です。
仲介手数料とは、不動産会社による仲介で売買が成立したときに、不動産会社に支払う報酬を指します。(逆に言えば、不動産会社の力を借りない場合は、仲介手数料は発生しません)
仲介手数料の上限は法律で決まっていますが、法律上の上限額を仲介手数料として設定している不動産会社が多いです。
マンション売買金額 | 仲介手数料率の上限額 |
---|---|
200万円以下 | 売買金額×5% |
200万円超~400万円以下 | 売買金額×4%+2万円 |
400万円超 | 売買金額×3%+6万円 |
※参考1:宅地建物取引業法 第416条
※参考2:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(国土交通省)
マンションは400万円より高く売れるケースがほとんどなので、
マンション売却の仲介手数料は「売買金額×3%+6万円」
と認識しておけば問題ないでしょう。
なお、仲介手数料には消費税がかかります。
例)マンションが3,000万円で売却できた場合
仲介手数料の上限額は「売買金額×3%+6万円」で計算できる。
仲介手数料:3,000万円×3%+6万円=96万円
これに消費税10%がかかる。
消費税:96万円×10%=9.6万円
→仲介手数料は、105.6万円(税込)となる。
消費税を含まない「仲介手数料のみ」の金額は、こちらのツールでかんたんに計算できます。
- 仲介手数料は宅地建物取引業法(以下、宅建業法)で上限が定められており、本シミュレーションでは宅建業法に基づいて上限金額を算出しています。
- 計算結果の小数点以下の端数部分は、切り捨て処理をおこなっています。
- 仲介手数料は課税対象であり、上記の計算結果に別途消費税がかかります。
- 本シミュレーションによる仲介手数料の計算結果は、お客様が入力された売買金額をもとに算出した法定上の上限金額です。
実際に支払う仲介手数料は、実際の売買金額や不動産会社の取り決めによって異なります。 - 売買金額が400万円以下と低廉な空き家等(土地・建物)である場合、本シミュレーション結果に現地調査費用相当額を加えた仲介手数料(上限18万円)を請求される可能性があります。(2018年1月1日施行「空家等の売買又は交換の媒介における特例」より)
手数料は値引きできる!しかし注意点も・・・
仲介手数料を値引きしてもらうことは、交渉次第ではできます。
値引き相場としては、仲介手数料計算式の「3%」を「2%」にしてもらえることが多いとのこと。
3,000万円のマンション売却なら、30万円程度の値引き額になります。
値引き前 | 売買金額×3%+6万円 |
---|---|
値引き後 | 売買金額×2%+6万円 |
数十万円単位で支出を減らせるのは、かなりうれしいですよね。
ただし、仲介手数料の値引きには注意点が2つあり、正直おすすめできる行為ではありません。
- 値引きは当たり前のことではない
- マンションの売却活動に担当営業マンが積極的になってくれない
不動産仲介業は「仲介手数料」を受け取ることでビジネスが成立しているためです。
さらに、仲介手数料にはマンションを売るための費用(広告費や人件費など)が含まれているので、実質の利益は思っている以上に少ないはずです。
値引きはできたけどマンション売却が進まない…という最悪の事態を避けるため、無理な値引き交渉はしないようにしましょう。
内訳②住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料:10,000円~50,000円
マンションを売却する場合、買主へ引き渡す前に住宅ローンを完済している必要があります。
一般的に、マンションの売却金等をローンの一括返済(完済)にあてることになりますが、その際に返済手数料がかかるのです。
下の表は、代表的な銀行の一括繰り上げ返済手数料をまとめたものです。すべて税込の金額表記になっています。(2020年3月現在)
インターネット | テレビ窓口 | 店頭窓口 | |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 16,500円 | 22,000円 | 33,000円 |
三井住友銀行 | 5,500円 | 11,000円 | 22,000円 |
イオン銀行 | 55,000円 | ||
SBIネット銀行 | 変動金利 : 無料 固定金利 : 33,000円 |
※三菱UFJ銀行「期限前完済手数料」
※三井住友銀行「繰上返済手数料一覧」
※イオン銀行「繰上返済手数料」
※SBIネット銀行「繰上返済手数料」
このように銀行によって金額は異なりますが、5万円を超えている銀行もあります。また、SBIネット銀行のように、選択している金利タイプによって金額が異なるケースもあります。
仲介手数料ほど大きな金額ではありませんが、正確な収支シミュレーションのために、事前に調べておきましょう。
内訳③印紙税:200円~30,000円
マンションを売却するときに、必ず売買契約書を作成します。
印紙税とは、この売買契約書に対してかかる税金で、売買契約書に収入印紙を貼る形で納税します。
下記表のように、印紙税額は契約書に記載されている金額によって変動します。
マンションの契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え 1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え 5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
※参考:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
なお、2020年3月31日までに作成された売買契約書は、軽減税率が適用されて税金が安くなります(2020年3月現在)。
例)マンションを3,000万円で売却できた場合
2020年3月3日にマンションの売買契約書を作成する
→印紙税は1万円かかる。
2020年4月3日にマンションの売買契約書を作成する
→印紙税は2万円かかる。
小技!印紙税を抑える方法
不動産売買契約書は売主と買主の2通分を作成し、2つの契約書それぞれに印紙税がかかります。
2通のうち1通を「契約書原本の写し(コピー)」とすることで、印紙税の代金を節約することが可能になるのです。
売買契約書の写しでも大丈夫な理由
- 売買契約書の写し(コピー)は課税対象文書にあたらない
- 売買契約書は写し(コピー)であっても、原本と契約の効力が同じ
作成する売買契約書(原本)は1通のみとし、原本は買主が、写しは売主が保管することで、印紙代を節約するできるというわけです。
この方法をとる場合は、売買契約書の中に
「契約書は1通作成して買主が原本を保管して、売主はコピーを持つ」
という旨の文章を入れる必要があります。
なお、ケースによっては、1通をコピーにした上で売主と買主とで印紙代を折半するという状況も考えられます。印紙代が半額になるだけでも費用を抑えられるため、おすすめの方法です。
これって、法的には問題ないの?あとでトラブルになったりしないか心配・・・
ひなペンギン
ペンギン先生
大丈夫!法のすり抜けでもなんでもなく、完全に合法だよ。先生もマンションを購入した時に、不動産会社からの提案で原本を買主・コピーを売主という方法をとったんだ。そのあとも特に問題は起きていないよ。
内訳④抵当権抹消登記費用:12,000円~17,000円
住宅ローンが残っている場合、一括繰り上げ返済(完済)するときに「抵当権抹消」という登記をする必要があります。
この抵当権抹消登記をおこなうとき、売主には次の2つの費用が発生します。
- 登録免許税:不動産1つにつき1,000円
- 司法書士報酬料:10,000円~15,000円が相場
登録免許税:2,000円
登録免許税とは、登記するときにかかる税金です。土地1つについての登記なら、登録免許税は1,000円という考え方になります。
マンションは土地と建物がセットなので「2つの不動産」という扱いになり、登録免許税は2,000円(1,000円×2個)となります。
ただし、マンションの所有区分が複数の土地にまたがっている場合は、その土地の数の登録免許税の支払いが必要です。
たとえば、3つの土地にまたがっていた場合は3,000円の費用がかかります。
司法書士報酬料:10,000円~15,000円
抵当権抹消登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。このとき、司法書士への手数料が発生します。
司法書士事務所によって金額は異なりますが、相場では10,000円~15,000円程度です。
なお、司法書士は仲介を担当している不動産会社があっせんするので、自分で探す必要はありません。
内訳⑥ハウスクリーニング費用:50,000円
部屋の汚れは、内覧時の部屋の印象に大きな影響を与えます。
特にキッチンやお風呂といった水回りは、買主が気にする部分。プロのハウスクリーニング業者に依頼してプロの技術で行ってもらった方が良いでしょう。
水回りのみの掃除なら、おそうじ本舗やダスキンといったハウスクリーニングの大手企業に任せても、価格相場は5万円以下です。
水回り以外の場所は自分たちで掃除することで、ハウスクリーニング代金を抑えることが可能です。
内訳⑦リフォーム費用:20万円~100万円
ハウスクリーニングとは違い、リフォームは費用が高くなりがちです。
業者やリフォームする箇所や程度によって相場は異なりますが、ざっくりした相場を次の表にまとめました。
リフォーム箇所 | リフォーム費用相場 |
---|---|
キッチン | 50〜100万円 |
トイレ | 20〜50万円 |
洗面台 | 20〜50万円 |
お風呂 | 50~100万円 |
壁紙 | 1,000円/㎡:6畳の部屋で約5~8万円程度 |
しかし、これだけ高額な費用をかけても、中古マンションが高く売れるということはありません。
ここでは詳細を省きますが、「マイナス評価の部分をゼロに戻す」という感覚でいたほうが良いでしょう。
中古マンションを売る場合は、
- 基本的にリフォームはしなくて良い
- トイレが壊れている等、本来の機能を果たしていない場合はリフォーム(修理)をする
ということを念頭に入れておいてください。
特に壊れている箇所はなく設備が古びている程度なら、リフォームよりもハウスクリーニングにお金を使ったほうがマンション売却には効果的です。
内訳⑧そのほかの手数料・諸費用
マンション売却では、仲介手数料やローンの一括返済手数料がかかるお金として知られています。
しかし、ほかにも売主が負担する手数料や費用があります。
必ず発生するものではないですが、売却するマンションの状態などによっては払う可能性があるものです。
この章では、付随して質問が多い、「マンション売却時にかかる諸費用」について紹介していきます。
住所変更登記の費用
マンションの登記簿に記載されている「所有者・権利者の住所」が住民票の住所と異なる場合は、登記簿の住所を正しく修正しなければいけません。
これを住所変更登記といい、登記費用と司法書士への代行報酬として15,000円~20,000円が必要です。
- 登録免許税:不動産1つ1,000円(マンションは土地と建物で2,000円)
- 登記事項証明書の発行手数料:480円~600円
- 住民票(もしくは戸籍附票)の発行手数料:200円~400円
- 司法書士への報酬料:10,000円~15,000円
登記簿上の住所が正しくなれば、マンションの所有権を売主から買主へ移せるようになります(所有権移転登記)。
なお、売主から買主へ所有権移転登記するときの費用は、基本的に買主が負担します。
引っ越し費用
マンション売却時は、引っ越しがつきものです。しかも、費用は意外と高額。引越し費用の相場は、4人家族の場合でおおよそ8〜10万円程度です。
実際の引越し費用は、引越し時期と引越し業者によって大きく金額が異なります。
とはいえ、実際のマンションをいつ売却できるかは決められるものではなく、引越し代が安いシーズンに合わせて引っ越すのは現実的ではありません。
費用を抑えたいなら、次の3つのコツを押さえましょう。
- 複数の引っ越し業者から見積もりを取り、比較すること
- 土日ではなく、なるべく平日の引っ越しにすること
- 各引っ越し業者のサービスカレンダーから安い日を選ぶこと
引越し業者を調べるときは、ネット上でかんたんに申し込める引越し業者の一括見積もりサービスをおすすめします。
複数の業者に電話やメールする手間が省けてとても便利です。
▼おすすめの引越し一括見積もりサービス
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引越し見積もりの一括比較サービス【引越し侍】
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手数料や費用を支払うタイミング
続いて、マンションの売却活動のどのタイミングで手数料や費用を用意しなければならないのかを紹介します。
時系列順に、マンション売却の流れと合わせて見てみましょう。
まとまった資金が必要になるのは、「売買契約」「決済・引渡し」のタイミングです。
重要なのは、いちばん大きな金額である仲介手数料の支払いが「売買契約」のときだということ。
仲介手数料は、売買契約時に半分の金額を支払い、残りはマンション引き渡し時に支払うケースが多いのです。
うーんと・・・もしマンションが3,000万円で売れた場合はどうなるの?
ひなペンギン
ペンギン先生
仲介手数料は消費税10%込みで約105万円になるから、売買契約時と引き渡し時に約52万円~53万円ずつ支払うことになるね。
また、売買契約時に仲介手数料を全額支払うケースもあります。
リフォームも高額な出費になりますが、自分の意思で「リフォームしない」という選択肢を取れます。一方、仲介で売却をする限り仲介手数料は必ず発生するものであり、支払いを避けることはできません。
そのため、資金計画をしっかりおこなうことをオススメします。
マンションの売却代金が入ってくるまではお金の捻出が難しい…という場合は、事前に不動産会社へ「決済・引渡し」のとき(つまり決済後)にまとめて支払うことにできないか相談してみましょう。
マンション売却の収支シミュレーション
この章では、実際にどの程度の手数料や費用が発生するのかをシミュレーションしてみましょう。
たとえば、
住宅ローンが2,500万円残っているマンションを3,400万円で売却できた場合
を想定してみます。
収入 | マンション売却金額 | 3,400万円 |
---|---|---|
支出 | 住宅ローンの返済 | 2,500万円 |
ローン繰上返済手数料 | 3万3,000円 | |
仲介手数料 | 118万8,000円 | |
印紙税 | 1万円 | |
登録免許税 | 2,000円 | |
司法書士費用 | 1万円 | |
残るお金 | 売却金-手数料・費用 | 775万7,000円 |
マンションの売却金額が高くても、ローン返済や仲介手数料などの支払いで、手元に残るのは775万円程度となります。
前章で紹介したようなハウスクリーニングをしたり引越しをしたりする場合には、さらに支出が増えます。
マンションの売却目的が住み替えであるなど、新居購入を予定している方は資金計画をしっかりおこないましょう。
なお、マンションを売るときは、
- 売却によって手元に戻ってくるお金
- 売却によって得たお金に課税される税金
もあります。
次章からは、それらのお金について紹介していきます。
マンション売却で手元に戻ってくる4つのお金
マンションの売却によって、すでに支払ったお金が戻ってくるものがあります。
戻ってくるお金は大きく分けて次の4つです。
- マンションの管理費・修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料(地震保険料)
- 住宅ローン保証料
なお、マンションの売却金額に比べればささやかな金額です。
新居購入の頭金にしたいなどの資金計画には入れないようにしましょう。
1.マンション管理費・修繕積立金
管理費・修繕積立金は、マンションの所有者が毎月支払っている費用です。
翌月分を前払いする方法が一般的であり、マンションを引き渡したあとの日数分を買主に請求することができます。
たとえば、4月11日に引き渡した場合、4月11日~4月30日までの20日分を買主に負担をお願いすることができるのです。
例)管理費・修繕積立金を毎月3万円払っている場合
4月11日に引き渡す場合、月末までの20日分を次のように日割り計算する。
30,000円÷30日×20日=20,000円
→20,000円を買主に請求できる。
なお、これまでに数年間支払ってきた管理費・修繕積立金は、マンション管理組合から全額返金されることはありません。あくまでも、引き渡し当月分を買主にも負担してもらうことで、一部が戻ってくる形になるということです。
また、管理費・修繕積立金の精算は買主の義務ではないため、不動産仲介会社に相談して買主との合意を進めましょう。
2.固定資産税・都市計画税
固定資産税や都市計画税も、マンション管理費等と同じように買主に負担してもらうことが可能です。
固定資産税や都市計画税の納税は、1年に1回課せられるものです。
つまり、売主は1年分の税金を丸々負担している状態です。引き渡し日を境に1日単位で精算するのか、ひと月単位で精算するのかは売主・買主で決めましょう。
例)固定資産税を15万円払っている場合
5月以降分を月単位で買主が負担することで合意が取れた。
150,000円÷12ヶ月×8ヶ月=100,000円
→100,000円を買主が負担する。
なお、実際に納税義務があるのは「毎年1月1日時点のマンション所有者」です。買主に納税してもらうことはできませんのでご注意ください。
3.火災保険料(地震保険料)
火災保険料や地震保険料は、解約することによって保険料の一部が戻ってきます(返戻金)。
ただし、保険期間が残っていなければ返戻金はありません。あくまでも、保険期間が残っている場合に、その期間に応じた額が戻ってくるものだと考えてください。
解約時の返戻率は保険会社によって異なるため、いくら戻ってくるのか事前に知りたい場合は保険会社に問い合わせてみましょう。
注意点として、火災保険は自動解約がありません。マンションを売却しても、自分で保険会社に連絡しなければ解約にならないため、忘れずに手続きをおこないましょう。
4.住宅ローン保証料
マンションを購入したとき、住宅ローンの保証料は一括で支払いましたか?
もし保証料を一括で払っているなら、売却のタイミングで保証金が返金されます。(戻し保証料と言います)
住宅ローン保証料とは、万が一返済が滞ったときの保証をするためのものであり、債務者の代わりに保証会社が金融機関へローンを返済します。
しかし、マンションを売却する場合は住宅ローンを一括返済することになるため、保証料の役割は終え、返金対象となるのです。
なお、保証料の払い戻しが実際可能なのか、可能ならどのくらいの金額が戻ってくるのかは、金融機関や返済期間によって異なります。
例)2,500万円を35年ローンで借りている場合
- 5年経過後:316,000円
- 10年経過後:186,000円
- 15年経過後:102,000円
- 20年経過後:50,000円
※出典:埼玉りそな銀行「戻し保証料とは」
番外編:マンションの売却で税金がかかる可能性がある
マンションを売却したあと、消費税や印紙税とは別の税金がかかる可能性があります。それは「譲渡所得税」です。
手数料や費用といった類ではないですが、出ていくお金として本章で紹介します。
まず、譲渡所得税は、マンション売却で発生した譲渡所得の金額に応じて課税されます。
【用語解説】譲渡所得とは
不動産を売却して得た利益のことで、不動産売却による納税額を計算するために必要な情報。
不動産譲渡所得税は次の式で計算します。
譲渡所得税=課税譲渡所得×税率
よく間違えやすいですが、売却価格=譲渡所得ではないので注意しましょう。
たとえばマンションを2,000万円で売った場合、その2,000万円がそのまま譲渡所得になるわけではありません。
譲渡所得は、次の計算式から求めることができます。
譲渡所得=売却金額−売却費用−取得費
譲渡所得税の税率はマンションの所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日において、
- 所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」
- 所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」
となります。
税率は以下のとおりです。
所有期間 | 税率(内訳) |
---|---|
5年以下(短期) | 39.630%(所得税30.630% 住民税 9%) |
5年超え(長期) | 20.315%(所得税15.315% 住民税 5%) |
マンションを売却して売却費用や取得費が売却金額を上回った場合、つまり損失が出た場合は譲渡所得がなくなった場合、譲渡所得税を支払う必要はなく、確定申告をする必要もありません。
ただしマンションを売却して損失が出た場合でも確定申告をすることで、様々な特例を利用できて税金が安くなるケースはあります。
まとめ
それでは、今回解説した「マンション売却の手数料」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。
記事のおさらい
- マンション売却にかかるお金は仲介手数料がもっとも高額
- 住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料は金融機関によって異なる
- マンション売却時に戻ってくるお金もある
- マンションを売却したあとに税金がかかる可能性がある
あらかじめかかる費用を認識していないと、いざマンションの売却を始めてから資金が不足してしまうかもしれません。
でも、本記事をもとに収支をシミュレーションすることで、「予想より手元にお金が残らない…」というような事態を避けることができます。
トラブルになったり損したりしないよう、マンションを売ろうと決めたら「かかるお金」と「戻ってくるお金」を事前にチェックしておきましょう。
編集 すまいうる編集部
不動産売却にまつわるお客様の悩みや疑問に寄り添い、正しい情報をわかりやすく伝えることをモットーに執筆・編集をおこなっています。 不動産は大切な資産。お客様が納得できる形で売却できるように、心を込めてサポートいたします。