消費税10%へ!増税前後で住宅購入・売却はどう変わる?5つのポイントを解説!

2019.09.11投稿 消費増税前後で住宅売買は何が変わるのか
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住まいとお金のアドバイザー

監修 戸崎いずみ(とざき いずみ)

「消費税が10%に増税したら、住宅購入や売却も増税前までに間に合わなかったら損してしまうの?」と不安に思われる方もいらっしゃると思います。

人生で一番大きな買い物になるかもしれないのが住宅購入です。

大きな買い物だからこそ、じっくり決めたい気持ちもあるものの、消費税が増税されると実際どのくらい支払うお金が変わるのか気になるところですよね。

2014年に行われた消費増税時には、「かけこみ需要」と呼ばれる、増税前のかけこみで住宅の購入を決める方が増加したのも事実です。

前回と同様に今回の増税に備えて、急いで動いた方が良いのでしょうか?

筆者は大手広告会社の住宅カウンターで、住宅購入を検討する方々に店長兼住宅アドバイザーとして住宅購入の進め方や選び方などの相談業務を行ってきました。

前回の増税時にもお客様と実際にお話しして、住宅購入を進める際のサポートと建てた後のお声を伺ってきた経験から、今回の増税時の注目ポイントについて解説していきたいと思います。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 住宅購入にかかる消費税の基本って何?
  • 住宅ローン控除など増税後の救済措置ってどんなものがあるの?
  • 増税前に購入するとメリットのある人ってどんな人?
  • 住宅購入を検討するときに大切なことって何?
  • 消費増税は住宅売却にどう影響する?

などご不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。

そこで本記事では、上記のお悩みに答える5つのポイントについて解説していきます。

そもそも消費増税は住宅購入にどう影響するの?

消費税が増税されると、住宅を購入するのにどう影響するのか気になるところです。

まずは消費税が住宅購入の何に課税されるものなのか、消費税の基本を確認していきましょう。

住宅購入にかかる消費税の基本

消費税の基本は国内で事業者が対価をもらって行われる取引にかかるものに課税されますが、消費されるものであることが前提です。

そのため、住宅の建物の部分には消費税がかかりますが、土地には消費税はかかりません。

また、個人の間で中古の住宅を売買する場合は、仲介会社に支払う手数料など諸費用には消費税が課税されますが、建物には消費税はかかりません。

一度事業者に売却した中古の物件を事業者が再販売し、事業者から買う場合は消費税がかかります。

※参考サイト:非課税となる取引(国税庁)
消費税 お金・制度編マニュアル(SUUMO)

消費増税はいつから適用される?

消費税は2019年10月以降に8%から10%増税されることが決まりました。では、家の売買においては一体どの段階で10%が適用されるのでしょうか。

鍵の引き渡しが2019年10月1日以降なら10%適用

基本的に、売買契約の成立と鍵の引き渡しが2019年9月30日までにおこなわれれば、消費税は8%が適用されます。

9月30日までに売買契約が成立していても、鍵の引き渡しが10月1日以降になるなら、消費税は10%かかります。

注文住宅は経過措置がある

注文住宅など、工事の進み具合によって建物が完成する時期が変わるケースがあります。このケースでは、前回の増税時と同じように軽減措置が講じられます。

具体的には、増税の半年前にあたる2019年3月31日までに契約締結していれば、引き渡しが2019年10月1日以降でも消費税8%が適用されます。

ここでのポイントは2つです。

  • 2019年10月1日以降の引き渡しは、消費税10%が基本
  • 2019年10月1日以降に引き渡しの物件でも、2019年3月31日までに契約した場合は消費税8%

増税前後で消費税はいくら差が出る?

例えば、2,000万円の建物と1,500万円の土地を購入したとします。土地には、消費税がかからないため、建物価格に税金がかかります。

2,000万円×8%=160万円
2,000万円×10%=200万円の40万円の差が出ます。

※仲介手数料やローン手数料などの諸費用にも消費税が課税。また、消費増税後に新しい住居に移る際に、新しい家具家電などを購入する場合も、消費税増税後に購入した場合は消費税が増税される。

この数字だけ見ると、40万円もの差が出るのであれば増税前になんとか住宅を購入したい! と思われるかもしれません。

そんなかけこみ購入が増税前に一気に起きるのを避けるために、政府は増税後に住宅を購入した場合の救済措置を決定しました。(2019年1月現在)

次章では、増税後に住宅を購入した場合はどのような救済措置が受けられるのか具体的に見ていきましょう。

増税後に住宅を購入したらどうなるの?

増税後に住宅を購入すると基本的に消費税が10%になりますが、皆さんが「増税前に急いで購入しないと!」と焦る必要はありません。

これからご説明する救済措置に当てはまる方は、増税後に受けられるメリットもあります。

どのような救済措置があるのか、詳しく説明していきます。

住宅ローン減税が3年延長

従来の住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の1%が10年間(最大500万円控除※)所得税から、所得税から控除しきれなかった分は住民税から控除(上限あり)される制度でした。
※通常の住宅は400万円、長期有料住宅・低炭素住宅などの場合500万円

この制度が2019 年10 月1日から2020年12月31 日までの間に入居した場合に限り、3年延長(建物購入価格の消費税が最大2%分減税)されることが決まりました。

住宅ローン減税を受けるには、床面積50m2以上であることかつ、借入金の償還期間が10年以上であることが必要です。

※参考サイト:マイホーム購入をお考えの皆様へ 住宅ローン減税の控除期間が3年間延長されます!(国土交通省)
住宅ローン減税制度の概要 すまい給付金(国土交通省)

ここで押さえておきたいポイントは3つです。

  1. 減税後、現行の住宅ローン減税が10 年→13 年に控除期間が3年間延長。
    ※2019年10月1日から2020年12月31 日までの間に入居した場合に限る。
  2. 11 年目以降の控除限度額の計算方式は以下の①、②のいずれか小さい額。
    ① 住宅借入金等の年末残高(4,000 万円※を限度)×1%
    ② 建物購入価格(4,000 万円※を限度)×2/3%(2%÷3年)
    ※長期優良住宅や低炭素住宅の場合は借入金年末残高の上限が5,000 万円、建物購入価格の上限が5,000 万円に増額される。
  3. 2019年3月31日までに契約して8%の消費税が適応される場合は対象外

すまい給付金

住宅ローン控除は、そもそも現金で購入するため住宅ローンを組まなかったり、所得額が少なく所得税などの納税金額が少なかったりする方にとっては、控除のメリットを最大限に受けることができません。

そういった方々にメリットがあるのがすまい給付金です。

前回の増税時に比べて、給付額が最大50万円に(収入に応じて10万~40万円の増額)になったことや、対象者の年収上限も拡充されたことがポイントです。

  • 給付の対象となる年収の目安は775万円以下(都道府県民税の所得割額17.26万円以下)
  • 給付額は現行の最大30万円から最大50万円に引き上げられた
    ※都道府県民税の所得割額により異なり、詳細は参考サイトで確認できる
  • 中古住宅の場合は、売り主が個人である場合、消費税が非課税になり、給付が対象外になる
  • 中古住宅で住宅ローンを利用しない場合、年齢が50歳以上の方が取得する住宅が対象

※参考サイト:消費税率引き上げに伴う住宅に関する経過措置 すまい給付金
対象用件(中古住宅)住宅ローンの利用がある場合 すまい給付金(国土交通省)

次世代住宅ポイント制度

次世代住宅ポイント制度とは、一定の性能をクリアした住宅の新築やリフォームに対して付与されるポイント(1ポイント1円相当の価値)で、新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイント(※)がもらえる制度が決まりました。

適用条件については、詳細の規定があるため、契約する建築会社などに必ず確認することをオススメします。
※若者・子育て世帯については上限特例がある。

ここでのポイントは3つあります。

  • 基本的に、新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイント
  • 若者や子育て世帯がリフォームをおこなう場合の特例がある
  • 消費税10%が適応される住宅の購入やリフォームが対象で、2020年3月31日までの間に建築請負契約もしくは売買の契約をした場合が対象

※参考サイト:住宅の新築やリフォームをお考えの皆様へ、次世代住宅ポイント制度を創設します!国土交通省)
次世代住宅ポイント制度創設!消費増税の前と後、どちらで買うべき?」(スーモジャーナル
消費税率引上げに伴う上宅取得・リフォーム支援策住宅生産団体連合会)

贈与税の非課税枠

住宅取得のための資金を、親や祖父母から贈与してもらう方々にメリットがあるのが、贈与税の非課税枠です。

今回の増税では、贈与税の非課税額が拡大することが決まりました。

ポイントは5つです。

  • 贈与税非課税枠は最大3,000万円に拡大(現行最大1,200万円)
  • 贈与者が親もしくは祖父・祖母など直系尊属であること
  • 贈与された年の合計所得が2,000万円以下であること
  • 贈与された年の翌年3月15日までに、住宅取得資金に全額を充てる
  • と(新築・取得・増改築)
  • 贈与された年の翌年3月15日までに、その住宅に入居する・入居することが確実であること
  • 2019年4月~2020年3月契約に限る

※参考サイト:住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置国土交通省)

ご紹介したすべての救済策は今後の国会で予算案が成立することが前提となっています。今後、予算案が成立しなかった場合、変更になる場合があります。

増税前の住宅購入でメリットがあるのは現金購入者や高額所得者

前回の増税に比べて、今回の10%への消費税引き上げには上記のような手厚い救済策があるのがポイントです。

しかし、現金での購入をする場合は、そもそも住宅ローン減税のメリットが受けられません。

また、高額所得の場合はすまい給付金の対象外になったり贈与税の非課税枠が拡充されなかったりします。

そのため、救済策の恩恵を受けられない方にとっては、増税前を意識して動くことにメリットがあると考えられます。

増税前後は関係なし!住宅購入で一番大切なのは納得できる比較検討

住宅購入を検討され、消費増税を心配される方になぜ心配なのか伺うと、多くの方が「後悔したくないから」、「失敗したくないから」と理由を話して下さいます。

後悔や失敗をしないために一番大切なのは、何なのでしょう? 

実際のお客様の声を伺うと、ご家族が納得して決定できているかが重要なポイントになります。

そのために必要なのが「納得できる比較検討」です。

新しい家に住むご家族が納得して比較検討するために大切なポイントをここではご紹介します。

期間の目標を持つことで後悔なく動ける場合も

今回の消費税増税は、以前の増税時に比べて住宅購入をする方への影響を配慮した救済策が織り込まれています。

そうなると、期間の目標は必要なのか?長い期間をかけた方が納得できるかも?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は増税の時期に関わらず、期間の目標を決めて動くことでメリットもあります。

住宅アドバイザーとして、お客様の経験談を伺って感じた期間の目標を持つメリットは3つです。

  • 住宅見学など住まい選びにかけるスケジュールの優先順位が上がり、集中して比較できる
  • この期間を目標と決め、住宅の営業担当者と共有することで、プランや土地提案など優先順位を上げて提案してもらえる場合もある
  • 長期の検討になり、お子様が成長し途中の転校を避ける目的で学区が限定されて、選択肢が狭まってしまうなどリスクを避ける

住宅を購入するといっても、人対人のやりとりは重要です。

住宅の購入までの比較検討は、1回ごとの打ち合わせにも時間がかかり、パワーが必要になる作業です。

家族が協力して、住まい選びに集中するためにも期間を決めて動くことで、家族団結して動くことができます。

また、営業担当者の方とスムーズなコミュニケーションを取って、納得のいく比較検討するために、住まいの比較をする目標期間と、ご自身の住宅購入で重要視するポイントを伝えることも重要です。

住宅を購入した方々の感想を伺うと、1年や2年などの長期の検討期間をかけて住宅購入を決められた方より3ヶ月~6ヶ月くらいの期間で集中して動かれていた方の方が、住宅の比較検討を楽しんでいらっしゃるケースが多いと実感しました。

現時点の金利や物件価格の状況を知る

現時点の金利の水準は過去30年で比較すると低い水準で推移しています。

仮に金利が0.5%上昇した場合に4,000万円を住宅ローンで借りた場合は35年返済で金利1.5%と2%で試算すると総返済額が約420万円の差が出ます。

住宅ローンの金利水準は物件価格と併せて確認する必要があります。

※参考サイト:民間金融機関の住宅ローン住宅ローン金利推移(変動金利等):長期固定金利住宅ローン【フラット35】住宅金融支援機構)
住宅購入、消費増税前後どっちが得?ローン減税拡充NIKKEI STYLE)

消費増税は住宅売却にどう影響する?

消費税の増税によって、住宅を売却する場合はどのように影響するのでしょうか? 

売却の場合も、土地に関して消費税がかかることはありません。

建物に関しても、個人が事業と関係がなく所有する建物を売却する場合に、建物に対しての消費税はかかりません。

しかし、売り主が事業者の場合や、個人が賃貸住宅用の建物を売却した場合は消費税がかかりますので注意が必要です。

前回の消費税の増税では、かけこみ需要が発生したため、増税後の住宅購入が反動で冷え込み、増税前に比べて住宅の売却の買い手が少なくなってしまうということもありました。

そのため、売却価格が下がるリスクを避けるため、増税前に売却をすることにメリットがありました。

しかし、今回の増税では、かけこみ需要が前回のように起こる可能性は先ほどご説明した救済措置より抑えられることが予想されます。

まとめ

今回は消費増税により住宅の購入や売却がどのように影響を受けるのか詳しく見ていきました。

消費増税の前後でどちらにメリットがあるのかは、購入を検討する方の背景、具体的には年収やローンの有無、親や祖父母などからの贈与の有無、購入する建物の広さや性能によっても異なってきます。

また、新築と中古、リフォームなどでも異なるため、添付の参考サイトも是非ご覧いただくことをオススメします。

一生の内で、一番大きな買い物にもなるかもしれないのが住宅購入です。

消費税の増税前後でご自身のメリット・デメリットを確認するのも重要ですが、ご自身と一緒に暮らすご家族と住宅購入で大切にしたいポイントはどこなのか、どんなスケジュールで動いたら満足のいく比較検討ができるのか、是非じっくり話し合って住宅購入を楽しんで比較検討していただければと思います。

監修の戸崎いずみ(とざき いずみ)さんの写真

住まいとお金のアドバイザー

監修 戸崎いずみ(とざき いずみ)

信託銀行で個人投資家向けに資産運用・継承相談を経験後、大手広告会社で建築会社と住宅購入者のマッチングを行うカウンターサービスのチーフを務める。その後、地元福岡で経済情報・地域情報発信を経験。現在はスタートアップについて学びつつ、金融・住宅を専門分野としフリーランスで活動。<br> 趣味はインスタグラムアカウントLet’s go to Fukuokaで福岡に住む魅力を国内外に向け多言語で配信すること。

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