消費税は払う?払わない?不動産売却する際の消費税を分かりやすく解説!

2019.02.12投稿 不動産売却のことなら【すまいうる】
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

不動産を売却する場合、消費税はかかるのでしょうか。

また、不動産売却時の消費税を安くおさえるコツなどはあるのでしょうか。

この記事では、以下の疑問・質問にお答えします。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 不動産を売却する場合、消費税がかかるの?
  • 不動産売却の売却価格に消費税はかかるの?
  • 消費税を安くする方法はある?

この記事では、不動産の売買価格や仲介手数料など、不動産を売却するときに支払う各費用と消費税の関係について解説していきます。

この記事を読めば不動産を売却した場合にかかる各種の消費税についてバッチリ理解することができます。

不動産売却で消費税がかかるもの・かからないもの

不動産売却において、どんなものに消費税がかかり、どんなものにはかからないのでしょうか。

それぞれの費用項目について一つ一つ確認していきましょう。

不動産の売買価格(課税対象の場合のみ)

まず、不動産の売買価格については、消費税は売主が不動産会社であるなど、事業者が販売している場合のみにかかります。

個人が売主の場合、不動産の売買価格に消費税はかかりません。

不動産の売買価格と消費税の関係については、不動産取引において重要なポイントとなるので、次章で詳細に解説します。

不動産会社への仲介手数料

不動産会社への仲介手数料については、売主は消費税を支払う必要があります。

通常、不動産を売却する場合は不動産会社へ売却の仲介を依頼して、買主を見つけてもらい、条件が合えば売買契約し不動産を引き渡すという流れです。

これら不動産会社の販売活動(売却したい不動産の広告や現地案内、契約のサポートなど)の対価として、不動産会社への仲介手数料は支払われます。

仲介手数料は事業者が提供するサービスの代金であるため、売主は不動産会社に消費税を支払う必要があります。

仲介手数料の計算方法

不動産取引における仲介手数料の上限は、以下の式によって計算することができます。(売買価格が400万円以上の場合)

これは不動産を売却する場合も購入する場合も同様です。

不動産の仲介手数料の上限=(売買価格(税抜)×3%+6万円)×消費税

例えば1000万円の物件を売却した場合、不動産会社に支払う仲介手数料は以下のとおりです。2019年2月現在の消費税8%で計算しています。

仲介手数料=(1000万円×3%+6万円)×1.08=38.8万円

なお、上記の計算式は速算式と呼ばれる計算方法です。

もともとは以下のように200万円以下の部分、200万円を超えて400万円以下の部分、400万円を超える部分と3段階に計算方法が分かれていて、その3つを足し合わせることで仲介手数料を計算します。

売買代金 仲介手数料の上限
200万円以下の部分 5%+消費税
200万円を超えて400万円以下の部分 4%+消費税
400万円を超える部分 3%+消費税

本来の計算式で先ほどの1000万円の不動産の売却例を計算すると以下のようになります。

①200万円×5%×1.08=10.8万円
②200万円×4%×1.08=8.64万円
③600万円×3%×1.08=19.44万円
①+②+③=38.8万円となります。

ここで注意したいのは、あくまでも上記の式は上限だということです。

世の中には仲介手数料が半額、あるいは無料という不動産会社があります。仲介手数料の上限の範囲であれば、このように半額や無料といった価格設定も可能です。

これらの不動産会社は、売主からは半額もしくは無料と設定し、買主側から仲介手数料をもらうことで利益を得ています。

この通り、仲介手数料が半額や無料である会社は、決して怪しい会社ではありません。このような仕組みになっていることを理解して、売却の際の費用を減らす手段の一つとして覚えておきましょう。

司法書士への報酬

司法書士への報酬(登記手数料)についても消費税がかかります。司法書士も不動産会社と同じく事業としてサービス提供を行っているためです。

司法書士への報酬は、実費(登録免許税など)+司法書士への登記手数料で構成されています。このうち登録免許税には消費税はかからず、司法書士への登記手数料の部分に消費税がかかります。

不動産を売却する売主の場合、住宅ローンの抵当権を抹消するための抵当権抹消登記を行います。抵当権抹消登記の場合、報酬の相場が約1万円で、報酬に対する消費税+実費という計算になります。

住宅ローン繰り上げ返済時の返済手数料

住宅ローンが残っている不動産を売却する場合、住宅ローンを一括で繰り上げ返済する必要があります。この際、金融機関によっては一括繰り上げ返済手数料がかかるケースがあります。

この返済手数料には、消費税がかかります。

繰り上げ返済手数料については金融機関によって無料〜5万円ほど幅があります。仮に5万円である場合、5万円×1.08=5.4万円と、4,000円の消費税がかかります。

繰り上げ返済手数料についてはそれ自体が見落としがちな費用であるため、売却前に繰り上げ返済手数料について金融機関に確認しておきましょう。

売買価格が消費税の課税対象かどうかは物件種別や売主によって異なる

売主が事業者は課税対象、売主が個人は非課税対象

消費税の基本原則として、売主が事業者である場合は課税対象になり、売主が個人の場合は非課税対象となります。
消費税に関する法律である「消費税法」の第4条第1項には、課税対象について以下の通り規定されています。

消費税法第4条(課税の対象)
第1項
国内において事業者が行った資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第3項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。

要約すると、以下の4つのポイントによって消費税の課税対象となるかが決まります。

①日本国内の取引である
②事業者が事業として行うものである
③対価(お金)を得て行われるものである
④資産の譲渡、貸付及び役務(サービス)の提供であること

売主が個人である場合は、上記②の事業者が事業として行うものに当てはまらないので、消費税の課税対象とはなりません。

売主が個人でも消費税がかかるケースがある

不動産の売主が個人の場合、すべての取引において消費税がかからないかというと、そうではありません。

それは投資用のマンションなど、居住用やセカンドハウスの不動産以外を売却する場合です。

このような場合、投資を事業として行っていると判断されて課税対象となります。

建物は課税対象、土地は非課税対象

売主が事業者である場合でも、土地に関しては消費税が課税されません。

土地は建物と違って消費するという性質のものではないため、消費税の課税対象となりません。

ここから先は余談になるので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。

“建物のみに消費税が課税される”という特徴から、不動産価格に土地と建物の価格が区分されていない場合でも、消費税が分かれば逆算して建物価格、土地価格を算出することができます。

不動産を売却した場合、確定申告の際の譲渡所得の計算を行う必要が出てきます。譲渡所得を計算するためには、売却した不動産を取得するためにかかった費用(取得費)の把握が必要になるので、消費税から建物・土地価格を逆算する方法を覚えておきましょう。

売買契約書等に記載された消費税額から、建物価額、土地価額を計算する方法は以下の通りです。

建物価格 =消費税(売買契約書等に記載されているもの) ÷ 購入時の消費税率(8%もしくは5%もしくは3%)+消費税(売買契約書等に記載されているもの)

土地価格 = 土地・建物の合計金額 - 建物価格

消費税率は購入時の税率で計算します。

対象期間 消費税率
平成元年4月1日~平成9年3月31日 3%
平成9年4月1日~平成26年3月31日 5%
平成26年4月1日~ 8%

例えば平成7年に5000万円で購入したマンションのケースにおいて、売買契約書等に4000万円(うち消費税84万円)と記載されていた場合、建物の価格は以下の式で求められます。

建物価額:84万円 ÷3% +84万円=2884万円
土地価額:4000万円−2884万円=1116万円

広告に掲載されている不動産価格は税込表示

インターネットや新聞チラシなど、広告掲載されている不動産の売買価格は「税込」で表示されています。

不動産の売買価格に関しては、公正取引委員会の認定を受けている不動産業界の自主規制である「不動産の表示に関する公正競争規約」において、広告の表示の仕方や基準などが定められています。

この自主規制において、不動産の売買価格の表示については「消費税等の額を含む」と規定されています。

また、仲介手数料の計算においては、不動産の売買価格は税抜き価格として計算されています。

消費税以外に不動産売却で生じる税金

消費税以外に、不動産の売却で生じる可能性のある税金には、

  • 印紙税
  • 抵当権抹消登記の免許税
  • 不動産譲渡所得税

の3つがあります。

それぞれについて確認していきましょう。

売買契約書に貼付する印紙(印紙税)と節約方法

不動産の売買契約の際に作成する売買契約書には、収入印紙を貼って印紙税を支払う必要があります。

印紙税の金額は、売買契約書に記載されている売買金額によって異なります。

また不動産売買契約書の場合、軽減税率が適用されます。

軽減措置の対象になる契約書は記載金額が10万円を超えるもので、平成26年4月1日から平成32年3月31日までの間に作成されるものです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円
500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円

売主の場合、売買契約書の原本を保有しなくても良いため、原本は買主に渡し、売主は原本のコピーをもらうことで、印紙税を節約することができます。

抵当権抹消登記の免許税(住宅ローンが残っていた場合)

上述したとおり、住宅ローンが残っている不動産を売却した場合、不動産の抵当権を外すために抵当権抹消登記を行う必要があります。抵当権抹消登記には、登録免許税がかかります。

登録免許税は、不動産ひとつにつき1000円で、土地と建物それぞれについて税の支払いが必要です。

例えば一戸建ての不動産の抵当権抹消登記を行う場合、登録免許税は土地の分と建物の分で2000円となります。

不動産譲渡所得税(不動産を売却して利益が出た場合)

不動産を売却して利益が出た場合、不動産譲渡所得税がかかる可能性があります。

不動産譲渡所得税は以下の式で計算します。

不動産譲渡所得税額=課税譲渡所得×譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日において、

  • 所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」
  • 所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」

となります。

居住用の不動産の場合のそれぞれの税率は以下のとおりです。

所有期間 税率(内訳)
5年以下(短期) 39.630%(所得税30.630% 住民税 9%)
5年超え(長期) 20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)

譲渡所得は、以下の計算式で算出します。

譲渡所得=収入金額−取得費−譲渡費用

取得費は、売却した不動産を取得する際に支払った購入代金の他、購入のためにかかった仲介手数料、リフォーム代金などを含む費用です。譲渡費用は譲渡(売却)する際にかかった仲介手数料や印紙代などの費用です。

現在では過去に購入した不動産より高く売れるケースは少ないため、譲渡所得が出ることはあまりなく、譲渡所得税を支払わなくて済むケースの方が多いです。

不動産を売却して利益が出て譲渡所得がある場合でも、居住用住宅の売却であれば3000万円の特別控除を利用することで、譲渡所得をゼロにすることができます。

その他にも税金を安くできる様々な特例があり、上記の譲渡所得税の税率を下げる特例や、売却で損失が出た場合にも利用できる特例もあります。特例の適用には確定申告が必要となります。

まとめ

それでは、不動産を売却する際に支払いが必要となる消費税についてまとめていきましょう。

記事のおさらい

  • 不動産の売買価格は売主が個人なら消費税はかからない。売主が事業者の場合は消費税がかかる。
  • 不動産会社への仲介手数料には消費税がかかる
  • 抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合、司法書士への報酬(登記手数料)には消費税がかかる
  • 住宅ローン繰り上げ返済時の返済手数料には消費税がかかる
  • 売主が個人でも、投資用不動産の売却の場合は消費税の課税対象となる
  • 売主が事業者であっても建物は課税対象、土地は非課税対象
  • 消費税以外の不動産売却の税金には、印紙税・抵当権抹消登記の免許税・不動産譲渡所得税の3つがある

売主の立場では、売買価格についての消費税についてはあまり意識することはないかもしれません。

しかし記事中で解説した通り、仲介手数料や司法書士への報酬など、売却のための各種費用については課税対象となるため、売却前にどのくらいの支出になるのかの計算は必要となります。

今回の記事内容が、不動産を売却する際の消費税を理解する上でお役に立てれば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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