処罰の対象になる?不動産売却における「反復継続」を分かりやすく解説!

2019.02.06投稿 不動産売却のことなら【すまいうる】
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

不動産売却における「反復継続」は一体どういう状態を指すのでしょうか。また処罰の対象になるのでしょうか。

複数の不動産を売却しようと考えていたり、ひとつの土地を分筆してそれぞれを売却しようと考えていたりする人にとっては、「反復継続」は気になるワードだと思います。

この記事では、以下のような疑問・質問にお答えします。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 不動産売却の反復継続ってどういうこと?
  • 不動産売却を反復継続したらどんな罰則があるのか気になる
  • 不動産の売却で反復継続と言われないためにはどうすればいい?

この記事では、不動産売却における反復継続の概要を述べた上で、反復継続とみなされる可能性のある具体的なケースを挙げて、違法とみなされないための対策について解説していきます。

この記事を読むことで、不動産売却における反復継続についての疑問はすべて解決します。

不動産売却における反復継続とは

ここからは、不動産売却における反復継続についてわかりやすく解説していきます。

不動産売却における反復継続とは、繰り返し不動産取引を行うという意味です。

しかし、どのようなケースが反復継続に該当して、どのようなケースは該当しないというような明確な基準は、実は存在しません。

反復継続には明確な基準がない

何が反復継続に該当するか明確な基準がないため、その曖昧さに「自分の不動産売却が反復継続に該当しないか心配」と思う人もいるでしょう。

まずは反復継続を理解するために、宅地建物取引業法によって規定されている宅地建物取引業の免許について理解する必要があります。
宅地建物取引業とは、宅地建物取引業法の2条2号において、以下の通りに規定されています。

宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。

引用元:宅地建物取引業法2条2項(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)より

「業」とは宅地建物取引業のことで、「業」の内容は、土地や建物の売却や交換などの不動産取引行為を指します。

「業として」土地や建物の売買や交換などを行なう場合には、宅地建物取引業の免許が必要になります。

宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。

引用元:宅地建物取引業法3条1項(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)より

免許のない人が反復継続、つまり反復継続性のある不動産取引を行う行為は、「業」にあたる可能性があるため問題になるのです。

反復継続の違法性は無免許で事業をおこなうことにあり、宅地建物取引業法12条「無免許事業等の禁止」で禁止されています。

(無免許事業等の禁止)
第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。

引用元:宅地建物取引業法12条(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)より

このように、反復継続性のある不動産取引をおこなう行為が、業にあたる可能性があり、無免許事業の問題となることはわかりました。

しかし、実際には反復継続性のある不動産取引を行う行為だけで判断されるわけではありません。さまざまな行為を総合的に判断して、業にあたるかどうかが判断されます。

業にあたるかどうかの具体的なポイントについては、国土交通省の公表している「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」において以下のように説明されています。

第2条第2号関係
1 「宅地建物取引業」について
(1) 本号にいう「業として行なう」とは、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態を指すものであり、その判断は次の事項を参考に諸要因を勘案して総合的に行われるものとする。

(2) 判断基準
① 取引の対象者
広く一般の者を対象に取引を行おうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。
(注)特定の関係とは、親族間、隣接する土地所有者等の代替が容易でないものが該当する。
② 取引の目的
利益を目的とするものは事業性が高く、特定の資金需要の充足を目的とするものは事業性が低い。
(注)特定の資金需要の例としては、相続税の納税、住み替えに伴う既存住宅の処分等利益を得るために行うものではないものがある。
③ 取引対象物件の取得経緯
転売するために取得した物件の取引は事業性が高く、相続又は自ら使用するために取得した物件の取引は事業性が低い。
(注)自ら使用するために取得した物件とは、個人の居住用の住宅、事業者の事業所、工場、社宅等の宅地建物が該当する。
④ 取引の態様
自ら購入者を募り一般消費者に直接販売しようとするものは事業性が高く、宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼して販売しようとするものは事業性が低い。
⑤ 取引の反復継続性
反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い。
(注)反復継続性は、現在の状況のみならず、過去の行為並びに将来の行為の予定及びその蓋然性も含めて判断するものとする。また、1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。

引用元:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省)より

このように、

  • 取引の対象者
  • 取引の目的
  • 取引対象物件の取得経緯
  • 取引の態様
  • 取引の反復継続性

という様々な要因をもとに事業性が高いか低いかを判断し、最終的に業であるかどうかが決まる、ということになっています。

つまり、業であるかどうかは、この5つの要因に照らし合わせて判断する必要があるということです。

たとえば、

  • 特定の対象者に(取引の対象者)
  • 相続税の納税を目的として(取引の目的)
  • 相続した土地を(取引対象物件の取得経緯)
  • 不動産会社に売却の仲介を依頼して(取引の態様)
  • 1回限りの不動産取引をおこなう(取引の反復継続性)

という場合は、極めて事業性が低く、実際は業に当たらないと判断されるでしょう。

しかし、このケースにおいて、土地を区分けして2回に分けて販売した場合、事業性は高くなると思われます。さらに取引の対象者の条件を、不特定多数の人間向けに変更した場合、事業性はより高くなると判断されます。

ただ、どの程度の事業性が高くなれば業にあたるのかは、はっきりと断言できないというのが実情です。

この章で解説した反復継続についてまとめると以下の通りです。

反復継続の要点

  • 宅地建物取引業の免許がない人が、宅地建物取引業を行うことは禁止されている。
  • 反復継続性のある不動産取引は、宅地建物取引業(業)とみなされる可能性があるため問題がある
  • 反復継続性のある不動産取引だけで、業とみなされるわけではなく、目的や対象者など様々な要因を元に、業であるかどうかが判断される。

反復継続とみなし違法であると判断するのは誰?

不動産取引の監督官庁は、国土交通省または都道府県です。

宅建業法の違反についての実際の取り締まりは、警察によってなされています。警察によって検挙された後、有罪が確定したら、処分の対象となります。

具体的な罰則については、次の章でわかりやすく解説していきます。

無免許で反復継続にあたる取引をするとどのような罰則があるのか?

宅地建物取引業の免許なしで宅地建物の取引を業として行なった場合、どのような罰則があるのでしょうか。

個人に対する罰則、不動産会社に対する罰則それぞれについて確認していきましょう。

無免許で業として行った「個人」に対する罰則

宅地建物取引業の免許なしで、宅地建物取引業の営業(土地や建物の売買や交換などを行なうこと)は、無免許事業等を禁止する「宅地建物取引業法第12条」という法律で禁止されています。

  • 無免許営業の禁止(宅地建物取引業法第12条第1項)
  • 無免許の表示行為・広告行為の禁止(宅地建物取引業法第12条第2項)

※参考:宅地建物取引業法12条(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)

宅地建物取引業を無免許でおこなった場合、宅地建物取引業法の免許制度に違反する行為と考えられます。

そのため、無免許営業を行なった人に対しては、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(または両者の併科)が科せられる可能性があります。

これは宅地建物取引業法第79条第2号に規定されていて、宅地建物取引業法上において最も重い罰則に相当します。

第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 不正の手段によつて第三条第一項の免許を受けた者
二 第十二条第一項の規定に違反した者
三 第十三条第一項の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者

引用元:宅地建物取引業法12条(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)より

“免許を持たない人が業として行う不動産取引”を媒介した不動産会社に対する罰則

宅建業の免許を持っていない人が業としておこなう土地もしくは建物の売却行為を、宅建業者が代理もしくは媒介する行為を行なった場合、以下の処分を受ける可能性があります。

  • 宅地建物取引業法法65条1項2号の規定する「業務に関し取引の公正を害する行為をしたとき又は取引の公正を害するおそれが大であるとき」に該当する場合は、指示処分の対象となる。
  • 宅地建物取引業法法65条2項5号の規定する「宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為」に該当する場合は、一年以内の業務(全部または一部の)の停止処分の対象となる。
  • 宅地建物取引業法法66条1項9号の規定する「情状が特に重いとき」に該当する場合は、免許取消処分の対象となる

また、上述のとおり、無免許営業は罰則の対象とされています。

このため、宅建業者である不動産会社が、無免許営業を幇助(ほうじょ)したとして、刑法62条1項の規定する幇助犯として処罰される可能性もあり得ます。

反復継続とみなされる可能性のあるケース

それでは具体的には、どのような事例が反復継続とみなされ、処分の対象となり得るのでしょうか。

主な事例について確認していきましょう。

短期間に繰り返し不動産売却をおこなうケース

数ヶ月間など短期間のあいだに不動産の転売を繰り返した場合、反復継続性があるだけではありません。不特定多数の人向けに利益を目的として、転売するために取得した物件を販売することになるため、業とみなされる可能性が高いと思われます。

土地を区画分けして売却するケース

土地を区画分けして販売する場合は、取引の反復継続性があるために、業とみなされ処罰の対象となり得る可能性があります。

また、一回限りの取引行為であった場合でも、不特定多数に対する販売である場合、上述の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の「⑤ 取引の反復継続性」にて言及されているように、反復継続的な取引に該当すると判断される可能性があります。

しかし、実際の取引において、相続後に区画分けして販売するという不動産取引はよくあることです。

この場合、厳密にいえば反復継続にあたると判断されますが、現実には厳格な取り締まりはなされていないのが現状です。現状としてはグレーといえますが、反復継続とみなされる可能性があるということは覚えておきましょう。

利益目的であることが明らかなケース

自分が居住しない土地や家を安く購入して販売するなどの行為は、取引の目的が利益目的であり、取引対象物件の取得経緯が転売目的であり、また、将来的に継続するとみなされる可能性もあります。

つまり、反復継続性があるとされ、「業」とみなされる危険性があります。

違法にならないための対策

ここでは、反復継続性のある取引によって違法と判断されて処罰されないための対策について解説していきます。

不動産取引は1回で済ませる

最初に強調しておきたいのは、1回だから反復継続には当たらないという認識は間違いであるということです。

たとえ1回目であるにしろ、明らかに利益を目的として、今後も継続して不動産売買を行なっていくであろうと判断される不動産取引の場合は、反復継続とみなされる可能性はあります。

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の「⑤ 取引の反復継続性」においても、この点について以下のように言及されています。

1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。

引用元:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省)(PDFファイル)より

反復継続には明確な決まりはありませんが、上述の通り、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」において「1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い。」という見解は公式に出されています。

宅地建物取引業としてみなされないための予防策という観点からすれば、不動産の取引回数は1回に限るべきでしょう。

反復継続に当たらないようにするには、区画分けせずに一般市場で販売するか、不動産会社に販売する(業者買取を依頼する)取引に切り替えるのが確実といえます。

宅地建物取引業免許(宅建業免許)を取得する

極端な対策ですが、宅建業免許を取得しておけば、無免許による宅建業法違反にはなりません。とはいえ、通常は、自分の不動産を売却するという不動産取引において、宅建業法違反になることはまず考えられません。

しかし、例えば“中古物件を格安で入手し、リフォームして、数ヶ月後に転売する”といった行為をおこなう場合は、事業性が高いため、宅建業の免許が必要になると考えましょう。この場合、不動産会社に仲介を依頼したとしてもやはり免許は必要になってくるという判断が妥当です。

まとめ

それでは不動産売却と反復継続についてまとめていきます。

記事のおさらい

  • 反復継続性のある不動産取引は、宅地建物取引業(業)とみなされる可能性があるため問題がある
  • 宅地建物取引業の免許がない人が、宅地建物取引業を行うことは禁止されている。
  • 反復継続性のあるなしだけで、業とみなされるわけではなく、目的や対象者など様々な要因を元に、業であるかどうかが判断される。
  • 不動産売却を短期間に繰り返したり、区画分けして販売したり、利益目的で行う場合は反復継続とみなされる可能性がある。
  • 反復継続として処罰されないためには、取引回数を1回とする、免許をとるなどの対策が考えられる。

我々一般の人間が、自宅などの不動産を売却する場合、反復継続とみなされて宅地建物取引業の違反になることはまずあり得ません。

ただし土地を区画分けして販売する場合は、不特定多数の人向けに複数回の取引になる可能性があり、反復継続とみなされる可能性があります。

区画分けして販売することが、すぐに宅地建物取引業の違反になるわけではありません。しかし確実に違反を避けたい場合は、区画分けしての販売はせずに一般販売する、もしくは不動産会社へ販売という取引をすべきでしょう。

今回の記事内容が不動産売却における反復継続を理解するための助けになれば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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