初めてでも安心!不動産売却での契約の流れを分かりやすく説明します!

2019.05.21投稿 売買契約の流れと注意点
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

はじめて不動産を売却する際に気になるのが、契約するまでの流れではないでしょうか。

媒介契約や売買契約の経験がない場合、どんなタイミングで何を行えば良いのか、なかなかイメージしにくいポイントだといえます。

この記事では、以下のような質問や疑問にお答えします。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 不動産売却の際の契約は具体的に何をするの?
  • 不動産売却時の契約は難しい?
  • 不動産売却の契約で注意するべきことは?

この記事では、まず不動産売却の売買契約までの流れの説明を行います。

その上で売買契約と媒介契約それぞれの流れについて詳細に解説した後、不動産売買契約時によくあるトラブルやおすすめの媒介契約の種類についてお伝えしていきます。

この記事を読めば、不動産売却時の契約についてバッチリ理解することができます。

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不動産売却の売買契約までの流れ

ここからは、不動産売却の際に不動産会社と媒介契約を結ぶところから、売買契約の成立までの流れについてお伝えしていきます。

全体像としては、以下のような流れです。

  1. 不動産会社との媒介契約
  2. 不動産の販売活動
  3. 購入検討者の内覧対応
  4. 購入希望者からの購入申し込み
  5. 購入希望者との価格交渉
  6. 不動産売買契約の成立

それぞれの詳細を見ていきましょう。

不動産会社との媒介契約

不動産を売却する際は、まず不動産会社に不動産売却の仲介を依頼する必要があります。もちろん不動産会社に依頼せずに、自分で買主を探すこともできなくはありません。

しかし、不動産売却のためのチラシ作り、不動産ポータルサイトへの広告掲載、内覧希望者への対応、売買契約書の作成と売買契約の成立、物件の引き渡しといった業務を不動産会社なしに行うのは極めて難しいといえます。働きながら行うとなるとなおさらです。


まずはいくつかの不動産会社に査定依頼して、その中から根拠のある査定額と信頼できる対応をしてくれる不動産会社と媒介契約を結びましょう。

媒介契約の詳細は記事の後半で詳しく解説しています。

不動産の販売活動

不動産会社と媒介契約した後、売却予定の不動産の販売活動が始まります。

不動産会社は、不動産会社のみの不動産情報共有ネットワークであるレインズへ登録します。そして、その他の不動産会社から情報収集したり、不動産ポータルサイトに広告を出したりといった販売活動を行います。

この期間に売主がやることは特にありませんが、不動産会社からの報告を聞いて不動産販売の動きを随時確認しておきましょう。

購入検討者の内覧対応

購入検討者が現れたら、まずは内覧の対応です。不動産購入を検討している人は、購入する前に不動産の内覧を行います。

不動産に関する基本的な説明は不動産会社のスタッフが行います。

しかし、なぜ不動産売却を行うのかといった質問については、売主が答える必要があります。まったく準備せずに内覧対応して慌てることのないように、あらかじめ想定される質問の答えを用意しておきましょう。

また、内覧希望は土日に集中します。特に早期の不動産売却を目指している場合は、不動産の販売期間はなるべく予定を入れずに内覧に対応できるようにしましょう。

購入希望者からの購入申し込み

実際に不動産を内覧した購入検討者の中から、不動産の購入申し込みとして、買付証明書の提出が行われます。買付証明書とは、購入希望者か、売主に対して購入する意思があることを示すための書類であり、契約書ではありません。

そのため、買付証明書を出した後に購入希望者が購入しないと言い出した場合でも、買主にペナルティはありません。

しかし、買付証明書は、一般的に購入する意思を固めた上で提出される書類とされています。したがって、多くの場合はそのまま価格交渉、そして売買契約へと移行していきます。

購入希望者との価格交渉

不動産を売却する場合、購入希望者は必ずといって良いほど販売価格より下の金額での購入を要請してきます。

価格交渉のコツは、販売価格の設定の段階で、値引き分を想定した価格設定を行うことです。

あまりに低過ぎる希望価格を提示された場合は、当然ですが売却しないという対応も可能です。不動産会社のスタッフとも相談して、柔軟に対応していきましょう。

不動産売買契約の成立

価格面や売却条件について買主と売主が合意に至った後、不動産売買契約を結びます。

この際、買主は売主に対して売買代金の10%ほどの手付金を支払います。手付金については後ほど詳しく解説します。

不動産売買契約は、売主と買主、および双方の仲介会社の担当者が、不動産会社の一室に集まって行われるのが通常です。しかし、必ずしも集合する必要はなく、売主買主それぞれが売買契約書に記名押印し、1通ずつ保管すれば、契約は成立します。

媒介契約を結ぶ当日に必要なものや流れ

不動産の売買契約を結ぶ際の、売主として用意するものや契約の所要時間など、当日の流れについて解説します。

契約当日の流れ

媒介契約を結ぶ場合は一般的に不動産会社の部屋で、対面で契約します。

しかし、媒介契約書を郵送する形でも構いません。

例えば不動産会社から売主に2通の媒介契約書が送られ、記名押印後に1通を不動産会社に郵送するといった形での媒介契約も行われます。

立ち会う人

媒介契約の場では、特に立ち会う人は必要ありません。

媒介契約は、不動産の売却を希望している売主と、不動産の仲介業務を行う不動産会社との間に結ばれる契約であり、売主と不動産会社のスタッフの両者がいれば契約は成立します。

また、対面でなくても、媒介契約書を郵送することで契約は可能です。

売主が用意するもの

媒介契約の場面で必要なものは、媒介契約書に記名押印するため印鑑とサインのためのペンです。

ただし、媒介契約する前の、どういった不動産を売却するのかを相談する段階では、権利書や固定資産税納税通知書など、不動産を販売するために必要な資料を不動産会社に提示しておく必要があります。

契約にかかる時間

媒介契約は、契約内容契約書に記名押印するだけなので、そこまでの時間はかかりません。不動産会社のスタッフからの説明の時間も合わせて、長くても30分程度です。

売買契約を結ぶ当日の流れ

ここでは売買契約を結ぶ際の当日の流れについて確認していきます。

契約当日の流れ

当日の流れとしてはまず、買主に対して宅地建物取引士による重要事項説明が行われます。重要事項説明に問題がなければ、重要事項説明書に記名押印がなされます。

その後、不動産売買契約書の内容を売主、買主双方が確認して、間違いがなければ契約書に記名押印して契約終了です。売買契約の際には、印紙税の支払いのために契約書に収入印紙の添付が行われます。

気をつけたいのが、仲介手数料の取り扱いのタイミングです。

一般的には、売買契約成立時に仲介手数料の半金、不動産引き渡し時に残りの半金を支払います。売買契約の時点では、売却金は手元に入りません。もし手持ちの資金に不安がある場合などは、売却金が振り込まれた後での一括支払いが可能かを相談してみましょう。

立ち会う人

通常、売買契約の場にいるのは売主、買主の他に、売主・買主双方の不動産会社のスタッフです。買主に重要事項説明を行うために、不動産会社の宅地建物取引士が必ず立ち会います。

必ずしも売主と買主が同じ場所で売買契約を結ぶ必要はありませんが、遠方に住んでいるなどの特別な事情がない限りは、対面して契約を結ぶのが普通です。

売主が用意するもの

一般的に売主が用意するものは以下の通りです。実際の取引では、事前に不動産会社に確認してください。

  • 登記済証もしくは登記識別情報(買主様に提示)
  • 固定資産税納付書
  • 印鑑(多くの場合、不動産会社から実印を希望される)
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内のもの1通)
  • マンションの管理規約等(マンションの場合)
  • 建築確認通知書(検査済証)
  • 印紙代
  • 仲介手数料の半金
  • 免許証など身分証明書

契約にかかる時間

売買契約にかかる所要時間はおよそ2時間です。多くの場合、重要事項説明に30分〜1時間かかります。

買主は重要事項説明を必ず受けるため、1時間くらい早めに来て、その後売主が合流して売買契約を行う、というケースが多いです。売主が一緒に重要事項証明を受けても問題ありません。

不動産売買契約を行う際の注意点

ここからは、不動産売買契約を行う際の注意点について具体的に解説していきます。不動産では大きな金額が動きますので、売買契約の内容には特に注意を払いましょう。

ちなみに重要事項説明書は、買主に対してこれから購入する不動産について説明した書類です。そのため、売主への説明義務はなく、売主の記名押印も必要ありません。

ただし、売主へも説明が行われたり、記名押印が求められたりするケースもあります。

売買契約書の内容をよく確認すること

売買契約書には様々な契約内容が盛り込まれています。

どの項目も目を通すことが大切ですが、特に確認すべき項目は以下の通りです。

  • 不動産の住所等の基本情報
  • 売買金額
  • 手付金の取り扱い
  • 引き渡し条件(引き渡し日時など)
  • 住宅ローン特約
  • 引き渡し後の瑕疵担保責任

不動産の住所等の基本情報、売買金額について、間違えがないかを確認しましょう。手付金、瑕疵担保責任の取り扱いについては後述します。住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンを利用する場合、住宅ローンがおりなかったら契約が解除されるという特約で、手付金も買主に全額返金されます。

引き渡し条件については、例えば売主が、マイホームを売却して買い替えを予定している場合、引き渡し時期を調整する必要があるかもしれません。引き渡し時期が調整前のものでないかなど、確認が必要です。

売買契約はかんたんには解除できない

不動産売買契約は一度締結した後は、簡単には解除できません。

売買契約に至るまでに売主、買主双方が誠意を持って話し合い、確実に履行できる見込みがついてから契約するのが理想です。しかし、現実には契約解除の可能性は常にあります。

次項で詳細に解説しますが、売主は手付金の2倍の金額を支払うことで契約解除できます。しかし、買主がすでに契約の履行(住宅ローンによる資金調達が完了したなど)に着手していた場合、売買代金の10%程度の違約金を支払うことが求められます。この場合、違約金を支払うとともに、手付金は買主に返還する必要があります。

また、売主の都合で契約解除した場合、不動産会社への仲介手数料の支払いが必要かどうかは、不動産会社によって異なります。しかし、契約を解除する可能性のある売主の不動産を積極的に販売する会社は少ないでしょう。

信頼を裏切らないためにも、やむを得ない場合を除いては売買契約の解除は極力避けましょう。

手付金額の取り決めは慎重におこなう

売主が売買契約成立後に契約解除を求めた場合、手付金の2倍の額、買主が契約解除を求めた場合は手付金を放棄することで契約を解除することができます。このように契約を解除できる手付金を解除手付といいます。

解除手付の相場は5〜10%が相場ですが、法的にいくらと決まっているわけではありません。売主と買主双方の合意した金額であれば良く、例えば10万円でも大丈夫です。

ただし、手付金を安く設定すると契約解除のしやすさにつながるので、手付金額の取り決めは慎重に行いましょう。

瑕疵担保責任を理解し特約の追加を検討する

不動産売買契約においてよくあるトラブルとして代表的なものが、瑕疵担保責任に関するトラブルです。

【用語解説】瑕疵担保責任

瑕疵(かし)とは、例えば給湯器の故障や屋根の雨漏りなど、家の設備が本来の機能を果たしていない状態のことです。売却後に見つかった瑕疵について修理を行うなど、売主が負う責任を瑕疵担保責任といいます。

瑕疵担保責任は、売却後2〜3ヶ月などとされるのが一般的です。

瑕疵担保責任を負う期間を曖昧にすると、売却後のトラブルにつながるのでしっかりと確認しておきましょう。

売主が個人である場合、契約時に引き渡し後の瑕疵担保責任を負わないという特約をつけることができます。この場合でも、買主から不動産の不具合など、瑕疵担保責任について追求されることがありますが、特約は有効です。

売買契約時には、瑕疵担保責任について売主買主の認識に違いがないように入念な確認が必要です。

ただし、瑕疵があると売主が分かっていながらそれを隠して引き渡した場合は、特約は無効となり、瑕疵担保責任を負う必要があります。

不動産媒介契約の概要

最後に、不動産の媒介契約について解説していきます。

不動産売却の際は、不動産会社に全面的に販売を依頼することになるので、媒介契約の内容は非常に重要です。しっかりと確認しましょう。

不動産媒介契約は3種類

不動産媒介契約には、

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

の3種類があります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社と媒介契約を結ぶ契約で、専任媒介契約・専属専任媒介契約は1社のみと媒介契約を結びます。

一般媒介契約が数多くの情報が入ってきそうなイメージですが、専任媒介契約・専属専任媒介契約は隣と呼ばれる不動産会社の情報ネットワークに不動産情報を登録する義務を負います。またほとんどの場合、不動産ポータルサイトへの広告掲載が行われるので、媒介契約による情報量の差というのはほとんどないと考えて良いでしょう。

おすすめは専任媒介契約

それではどの媒介契約がベストなのでしょうか。おすすめは、専任媒介契約です。

一般媒介は、他の不動産会社が売買を成立させた時点で広告費が無駄になり、不動産会社が販売に注力しない可能性があり、おすすめできません。

専属専任媒介と専任媒介の大きな違いは、自己発見取引ができるかどうかです。専属専任媒介契約は自己発見取引が認められません。

契約中、売主が物件を買う人を見つけた場合でも、専属専任媒介契約の場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。したがって、専任媒介契約は、専属専任媒介より自由度が高く、おすすめです。

専任媒介契約、専属専任媒介契約の有効期間は最大3ヶ月です。3ヶ月後に不動産会社の働きに満足できない場合は、変更するのも一つの方法です。

媒介契約を結ぶ不動産会社の選び方

不動産会社を選ぶポイントは、実績とスタッフの対応です。

不動産会社は、賃貸が得意な会社、売買が得意な会社、地元密着型の会社、大手の会社など様々です。不動産売却を依頼する場合は、不動産売却の実績が豊富な会社を選びましょう。

ホームページ等でこれまでの実績が掲載されているはずです。また、依頼する前にこれまでの実績を質問するのも良いでしょう。

もう一つのポイントは不動産会社のスタッフの対応です。

受け答えが丁寧であるといった基本的なところはもちろんですが、根拠のある説明ができているのか、こちらの要望や質問に的確に対応してくれるかといった点もチェックしましょう。

媒介契約でよくあるトラブルと対応方法

ここからは媒介契約でよくあるトラブルと対応方法についてお伝えしていきます。

専任媒介契約では、自己発見取引が認められています。しかし、専任媒介契約でも、自己発見取引を行った場合、それまでに不動産会社が支払った販売活動のための広告費を求められるケースがあります。

媒介契約と一口にいっても、不動産会社によって、契約内容が異なるのです。この点を肝に置いて、媒介契約時に契約内容をしっかりと確認しておきましょう。

また、悪質な不動産会社の場合は、仲介手数料とは別に広告宣伝費といった名目の手数料を請求してくる場合があります。不動産会社への仲介手数料は、売買契約が成立した後で支払われ、広告費等も仲介手数料に含まれています。特別な広告を依頼した場合でない限り、広告宣伝費を支払う必要はありません。

専任専属媒介契約は1週間に1回、専任媒介契約は2週間に1回、売主に対して販売活動の報告義務があります。もし報告がない場合は契約違反なので、ペナルティなしで解約できます。債務不履行を理由に契約を解除して、新しい不動産会社と媒介契約を結びましょう。

まとめ

それでは、不動産売却の契約の流れについてまとめていきます。

記事のおさらい

  • 不動産売却における主な契約は、媒介契約と売買契約の2つ
  • 売買契約で特に注意すべき点は、引き渡し条件と瑕疵担保責任
  • 売買契約を解除する場合は手付金の2倍の解除手付、違約金を支払うリスクあり
  • 媒介契約は3種類あり、おすすめは専任媒介契約
  • 媒介契約の内容はどの不動産会社でも一律ではない。契約時の内容確認が大切!

多くの人には、契約というになじみがありません。

だから「契約は難しそう、難しいものは専門家に全部任せよう」という気持ちになりがちです。不動産会社の人は性格も良さそうだし信頼できる、買主は誠実そうな人だから大丈夫だという理由で、契約内容の確認を怠ってしまうケースもあります。

不動産会社にどのような専門的な知識があるにせよ、買主が人格者であるにせよ、売主が契約内容をきちんと確認しなくていい理由にはなりません。不動産の取り扱い金額はとても大きく、トラブルになった場合の損害は計り知れません。

今回ご紹介したポイントを参考に、自分の目でしっかりと契約をチェックして頂ければ幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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