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不動産を売却するにあたって、「まず不動産査定をしてみたいけれど、どうすればいいのかわからない」「有料なのか無料なのか…」「そもそも査定をする必要ってあるの?」など疑問に思われる人は多いのではないでしょうか?
実は不動産査定には、
- 不動産会社による「無料」の不動産査定
- 不動産鑑定士による「有料」の不動産査定(不動産鑑定)
の2種類があります。
一生に何度もすることがない不動産売却には、しっかりとした準備が必要です。
とはいえ、準備と言ってもそれだけでは何をすればいいのかわかりませんよね。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- 不動産査定ってなに?どうして必要なの?
- 不動産査定ってどこに頼むの?
- 不動産の査定額って信用できるの?高く売るための準備が知りたい!
不動産売却は不動産会社による「無料」の査定を依頼することから始まります。
しかし、不動産という馴染みのない分野において、不動産会社が提示する情報がどこまで正確で適切なものなのか、なかなか判断できないと思います。
仮に、不動産会社が故意に査定価格を相場より高く提示した場合、きっと「この会社はこんなに高く売却してくれるんだ!」と信じて仲介を依頼してしまうでしょう。
この記事では、うまいだけの話にひっかからない予防も含め、
- 不動産売却に必要な不動産査定の基礎知識
- 不動産査定の注意点
- 査定に向けた事前準備のコツ
- 不動産査定の依頼先
など、不動産査定の具体的な流れについて解説していきます。
「不動産査定」は適切な価格で売り出すために必要!
不動産査定は適切な価格で売却するために必要です。
たとえば、「この金額で売却したい!」と市場よりもはるかに高い金額で売り出した結果、誰にも買ってもらえなければ意味がありませんよね。
不動産に限った話ではありませんが、「市場にいくらで売り出すか」は大切なポイントです。
価格設定の失敗例
- 市場より高すぎる金額にしてしまい、購入希望者の検討枠に入らない
- 市場より安すぎる金額にしてしまい、なにかマイナス要因がある不動産なのかと疑われ、損をする
上記の失敗をしないために具体的に必要なことは、
「どのくらいの価格であれば実際売れたのか」
という情報を不動産のプロである不動産会社に聞くことです。
そしてこれは、不動産査定で解決します。
なお、不動産査定は会社によってバラつく(異なる)のが一般的なため、複数の不動産会社から受けるのがおすすめです。
不動産査定は「簡易査定」と「訪問査定」の2種類がある
査定の精度 | 現地情報 | かかる時間 | |
---|---|---|---|
簡易査定(机上査定) | ★★☆ | ― | 早ければ当日中 |
訪問査定 | ★★★ | 実際に訪問して確認する | 訪問時間は1時間程度。査定結果をもらえるのはそれから数日~1週間後。 |
不動産査定は、表のとおり二種類あります。
最大の違いは査定にかかる時間と精度ですが、結論から言うとオススメは「簡易査定」を受けた後に「訪問査定」を受ける方法です。
- 複数の不動産会社(6社ほど)に簡易査定を依頼する
- 査定結果や担当者の対応から2~3社に絞る
- 絞った2~3社に訪問査定を依頼する
の流れになります。
【簡易査定(机上査定)】手軽に早く査定価格がわかるが、結果にブレがある
簡易査定(机上査定)のメリット
- 簡単:不動産の査定がオンラインで完結する
- 手軽:売却意思が固まっていなくとも、気軽に査定を受けることができる
- 早い:当日や翌日、遅くとも1週間以内には査定結果が出る
簡易査定の一番のメリットは、自分が持っている不動産がどのくらいの価格で売却できそうなのかをオンラインでの申し込みだけで素早く知ることができる点です。
不動産の現在価値を知ることで、
- 今、売却した方が良いのか
- 売らずに賃貸として運用した方が良いのか
- 不動産を売却するつもりはなかったけどその値段で売却できるなら売りに出してみたい
など気になる悩みを解決することができます。
不動産会社からの営業の電話を避けたい場合は、簡易査定の申し込みの際、
「連絡は必ずメールでお願いします」
「連絡は必ずメールでお願いします。現在は具体的に売却の検討はしていません」
といった旨の一文を備考欄に記入しておきましょう。
簡易査定(机上査定)のデメリット
- 査定価格の精度が訪問査定に比べて低い
簡易査定は機械的に査定されるため、査定対象となる不動産の実際の状況については反映されないというデメリットがあります。
《対策!》査定価格の幅が広すぎて参考にならないケース
たとえば簡易査定の結果、2000万円〜2500万円という査定結果が送られてきた場合、500万円もの価格の開きがあるため、このままでは売却価格の参考にはなりません。
このような価格幅の査定価格を提示された場合は、次の2つのポイントで不動産会社に質問をしましょう。
- なぜ査定価格の幅があるのか、純粋な疑問を聞きましょう。
- その幅の中でも「2000万円よりの売却価格になるのか、あるいは2500万円よりの売却価格になりそうなのか」を確認しましょう。
これらの質問に的確に回答が得られない場合は、その不動産会社との媒介契約を見送った方が賢明だといえます。
もしくは不動産会社の方から「現地情報を加味したいので訪問査定させてください」と言われるでしょう。
【訪問査定】時間と手間がかかるが、より正確な査定価格がわかる
訪問査定のメリット
- 正確:簡易査定に比べ精度の高い査定価格が分かる
訪問査定は、査定対象の不動産の状態を反映させた査定価格になります。
不動産会社が見る情報は、
- 過去の成約事例や地域の地価などデータをもとにした予測価格
- 現地調査の結果
となり、簡易査定では分からない情報が加わることで、簡易査定より正確な売却価格を予測できる点が訪問査定の一番のメリットです。
正確な査定価格が分かれば、それを参考にして精度の高い売出価格を設定することが可能になります。
《重要》適切な売出価格をつけることがポイント!
不動産査定で重要なのは、訪問査定で適切な売出価格をつけることです。
なぜなら適切な売出価格をつけることで、売却できる確率が高まるからです。
たとえば、これから不動産を購入しようとしている人は、まず不動産ポータルサイトで希望する物件を検索します。
物件を検索する際に、購入希望者が入力する情報は、
- 価格帯
- 築年数
- 立地
など色々ありますが、一番重要な検索条件は価格帯です。
不動産ほど高価で、慎重になる買い物はありません。購入希望者は自分が購入できる範囲の価格帯を検索条件として入力し、検索を行います。
すでに購入の予算は決まっているため、その範囲外の物件はなかなか目に留めないのです。
そのため、適切な売出価格を設定することで、購入希望者の検索にヒットする確率も上がり、内覧希望者も増え、結果的に売却できる確率が高まる、というわけです。
訪問査定のデメリット
- 簡易査定に比べ、対応するための時間と手間がかかる
訪問査定のデメリットとしては、訪問査定に対応するための時間と手間がかかってしまう点です。
そのため、まだ具体的に不動産を売るかどうか決まっていない人は、訪問査定まで行う必要性はないでしょう。
ただし、不動産を売ることを決めている場合は、
- 正確な査定価格を出すため
- 信頼できる不動産会社を見つけるため
上記の理由から、時間と手間をかけても、なるべく複数の訪問査定を受けるべきです。
まずは簡単で手軽な簡易査定を受け、それからしっかりとした訪問査定を受けるのがオススメです。
【注意】不動産会社によって査定価格が異なる理由
なぜ会社によって査定価格が異なるのか、不思議に思いませんか?
答えは、不動産会社が「取引事例比較法」という方法で査定額を算出しているからです。
査定価格の算出の仕方については次章で解説しますが、売主にとって重要なのは査定された金額を比較して相場を掴むことです。
これができれば、仕組みを細かに知る必要はありません。
価格を算出する仕組みが知りたい!ということでなければ、そのまま読み飛ばし「不動産査定を依頼する前にやるべきこと」の章に進みましょう。
査定価格は「取引事例比較法・原価法・収益還元法」から算出されている
不動産の査定方法には以下の3つがあります。
- 取引事例比較法
- 原価法
- 収益還元法
不動産会社は、これらのうちいずれかの方法で、もしくは組み合わせて査定額を算出します。
個人住宅では主に取引事例比較法が用いられる
【用語解説】取引事例比較法
取引事例比較法とは、「過去の成約事例」から「売却する予定の不動産と似ている不動産取引の事例」をいくつかピックアップして、そこから売却予定の不動産が売れそうな価格を計算していく方法のこと。
簡単にいえば、似たような物件の過去事例と比較して、売れそうな価格を見積もることです。
取引事例比較法による査定価格は、「どの事例を取り上げるか」によって異なります。
選ぶ事例は不動産会社によって違うため、1社のみに査定を依頼するやり方では査定価格に偏りが出てしまう可能性があります。
だからこそ、複数の不動産会社に査定を依頼することが必要になります。
原価法による計算方法
原価法は、再調達原価を計算したうえで、経年劣化による価値の低下を差し引いて算出されます。
【用語解説】再調達原価
再調達原価とは、売却する物件と全く同じ建物を今建てた場合にかかる材料費・労務費のこと。
収益還元法による計算方法《投資・賃貸不動産向け》
収益還元法とは、主に投資物件の売却価格を決める際に用いられる手法です。
次の計算式で求められます。
不動産価格(収益価格)=1年間の純収益÷還元利回り
仮に家賃10万円の価値のある物件で、年間の経費が20万円で、年間の利回りが5%とすると、
不動産価格 =(10万円×12ヶ月-20万円)÷5%=2,000万円
となります。
主に投資用物件や賃貸不動産の価値を表す一つの指標として利用されるため、一般の不動産売却では使用しません。
ここまで不動産査定が必要な理由と、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切だと説明してきました。
次の章では、不動産査定を依頼する前にやるべきことを確認していきましょう。
不動産査定を依頼する前にやるべきこと5つ
不動産の売却を決定してから、不動産会社に査定を依頼するまでにやっておいた方が良いことは以下の5つです。
- 必要書類の準備
- 不具合や修繕の必要があるかを確認
- 戸建て・土地の場合は境界線を確認しておく
- マンションの場合は管理費・修繕積立金に滞納がないかを確認しておく
- 売却相場を不動産ポータルサイト等を利用して調べる!
なかでも一番やっておくべきことがあります。
それは、売却予定の不動産の売却相場を自分で確認しておくことです。
「不動産会社による査定で市場価格がわかるのに、どうして自分で調べるの?」と疑問に思うかもしれません。
これにはちゃんと理由があります。査定価格そのものが適切かどうかを判断する基準を持つためです。
たとえば、査定依頼先の不動産会社が、不当に高い査定価格を提示してきたとしましょう。何も知らなければ「こんなに高く売れるんだ!」と嬉しくなると思います。
しかし、「高く売れる」という旨い話で仲介契約を取り、実際売り出す際に「これでは売れないので売出価格を下げましょう」と話を持ちかけるケースがあるのです。
相場の価格を知らないと、旨い話に乗ってしまってもおかしくはありません。
万が一に備え、自分でも判断できる相場価格を知っておくことが、賢い不動産売却の一歩です。
売却相場を確認することが大事、という話は何度もお伝えしているので、そろそろそれほど大事なのか…!と思い始めている方もいることでしょう。
では、不動産査定を依頼する前にやっておきたい5つの詳細について説明していきます。
1.必要書類の準備
査定を依頼する場合は、
- 登記簿謄本
- 戸建ての場合は公図
- マンションの場合は専有面積のわかる書類
- 土地の場合は測量図
などの書類が必要になります。
これらの書類は不動産会社に売却する物件の情報を正しく伝えるのに必要になります。
必要書類 | 机上査定 | 訪問査定 | 媒介契約 | 売却活動 |
---|---|---|---|---|
登記簿謄本 | △ | ○ | ○ | ○ |
図面集 | △ | ○ | ○ | ○ |
公図 | △ | ○ | ○ | ○ |
土地の測量図 | △ | ○ | ○ | ○ |
耐震診断報告書 | × | △ | ○ | ○ |
身分証明書 | × | × | ○ | ○ |
印鑑証明書 | × | × | △ | ○ |
建築確認済証&検査済証 | × | × | × | ○ |
住宅性能評価書 | × | × | × | ○ |
固定資産税納税通知書 | × | × | × | ○ |
リフォームなどの契約書 | × | × | × | ○ |
管理組合規約 | × | × | × | ○ |
重要事項説明書&売買契約書 | × | × | × | ○ |
○:必要 △:あると良いorケースバイケース ×不要
表にまとめましたが、基本的に不動産会社に要求された書類が用意できれば大丈夫です。
不動産の種別ごとでなにが必要になるのか、書類がどこで入手できるのかなどの詳細は下記の記事を参考にしてください。
2.不具合や修繕の必要があるかを確認
不動産を売却する際には、不具合や修繕状況を不動産会社に伝える必要があります。
なぜなら不具合や修繕が必要な箇所は、購入希望者にとっては値下げポイントになってくるからです。
不具合に関しては、査定の前に修繕をしたら査定額が上がるのでは?と思うかもしれません。
しかし結論を言えば、査定のときに気になる箇所を不動産会社に見てもらい「どこを修繕すべきか」聞くのが無駄なく済む方法です。
不動産会社に不具合や修繕の必要があるか見てもらう際は、気になる箇所を告知し、
- 気になる箇所のなかでも修繕した方がよい部分があるか
- 修繕したらどのくらい不動産の価値があがるのか
を聞くようにしましょう。
仮に不動産の不具合について知らなかったとしても、売主は不具合や瑕疵(致命的な不具合などのこと)についての責任を負わねばなりません。
訪問査定を受け、プロの目線で値引きや瑕疵担保責任の対象になってくる不動産の箇所を確認しましょう。
査定段階でリフォームやハウスクリーニングは不要!
先ほどの「不具合や修繕の必要があるか」の章と共通する内容になりますが、リフォームやハウスクリーニングは査定前には不要です。
もちろん、綺麗な状態の方が査定や売却の印象も良くなるのですが、リフォームにかかった費用を売却できる価格に上乗せできる場合は少ないのが現状です。
なので訪問査定のときにリフォームやハウスクリーニングの必要があるかどうかを聞く程度で大丈夫です。
3.戸建て・土地の場合は境界線を確認しておく
戸建て・土地を売却するにあたって、注意しておきたいのは隣地との境界です。
もしも隣地との境界がはっきり定まっていない場合は、基本的に測量して土地の境界を定めてからの売却になります。
査定に関しても、どこからどこまでの土地を査定したいのか、分かるように境界線を確認しておきましょう。
- 境界の確認方法は「確定測量図」「隣地所有者の確認と押印がある筆界確認書」「地積測量図」で行う
- 土地の測量が必要な場合は、土地家屋調査士に依頼する
- 測量にかかる費用は30万円〜100万円程度
境界線の確認に関しては、上記を押さえていれば大丈夫です。
4.マンションの場合は管理費・修繕積立金に滞納がないかを確認しておく
マンションの場合は、まず管理費・修繕積立金に滞納がないかを確認してください。
仮に滞納があったとしてもマンションの売却は可能ですが、現実的ではありません。
なぜなら、
- 滞納がある場合は購入者が払うことになるため、売却の時点で値引きされる
- 滞納がある物件は問題を抱えている物件とされ、買い手がつきにくくなる
からです。
上記の理由から、値引きという形で精算されても、このような滞納の問題がある物件はなかなか売れないのが現状です。
管理費や修繕積立金の滞納の有無は、査定の時点で不動産会社に聞かれます。
売却の計画を立てるうえでの資金にも影響してくるため、滞納がないかを確認し、ある場合は解消しておきましょう。
5.売却相場を不動産ポータルサイト等を利用して調べる!
相場の把握する重要性は何度も述べてきましたが、適切な価格で市場に出すためにも、売却相場を調べましょう。
売却予定の不動産の相場を知るためには、不動産ポータルサイトを利用します。
不動産ポータルサイトから、
- 地域
- 築年数
- 最寄り駅からの距離
- 面積
といった売却予定の不動産の条件を入力して、どれくらいの価格で売られているのかを確認します。
注意するべきポイントとしては、不動産販売サイトに記載されている価格はあくまでも「販売価格」であることです。
販売価格は、購入者からの値引きを考慮して、すこし上乗せした金額となっています。
実際の成約価格は不動産販売サイトで掲載されている販売価格より低い点に留意しましょう。
売出価格を「不動産ジャパン」で調べる
不動産販売のポータルサイトでおすすめなのが、公益財団法人不動産流通推進センターが運営する「不動産ジャパン」です。
全国の不動産流通業者ほぼ全てが加入しており、不動産ジャパンからアクセスできる情報の範囲が広い点がオススメです。
- 「不動産ジャパン」へアクセス
- [不動産物件検索・不動産会社情報]タブから[不動産を探す【買う】]をクリック
- 不動産物件検索から[マンション・一戸建て]などをクリック
- 自分の不動産と近しい条件で絞り込む
これで自分の家と近しい条件の家がいくらで出されているか、確認できます。
成約価格を「REINS Market Information」で調べる
国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する「REINS Market Information(レインズ マーケットインフォメーション)」というサイトで成約価格を確認しましょう。
このサイトでは、過去の物件の成約情報を確認することが可能です。自分の売却予定の不動産と似た物件を探し、いくらで成約になったかを確認しましょう。
売出価格と成約価格の相場を確認し、不動産会社からもらう査定額が明らかに変でないか、判断する相場感覚を身につけるのが大事です。
不動産査定の依頼先は不動産会社が一般的!
不動産査定には、
などがありますが、一般的なマイホームや土地の売却の場合「不動産会社による査定」が主流です。
(上記4パターンをクリックすると該当の章に飛びます)
①不動産会社による査定
通常のマンションや一戸建て、土地を売却する場合、ほとんどのケースでは不動産会社に不動産査定を依頼します。
不動産会社による査定は、その後の売却を依頼する会社選びにも関わってきます。
複数の不動産会社の中から自分の不動産の物件種別(一戸建て、マンション、土地など)の取り扱い実績が豊富で、信頼の置ける不動産会社を選びましょう。
不動産会社の選び方については「無料一括査定サイトがオススメ!」の章で解説しています。
②不動産鑑定士による査定(鑑定)
【用語解説】不動産鑑定士とは
不動産鑑定士とは、不動産の鑑定を有料で鑑定することができる唯一の資格を持つ者のこと。不動産の価値を評価するプロ。
不動産を公的に鑑定して報酬を得る業務は「不動産鑑定業」として、法律上、不動産鑑定士の独占業務となっています。
「査定」と「鑑定」は、物件を評価するという点では同じですが、次のような違いがあります。
- 査定の目的:不動産がだいたいいくらで売却できそうか、売り値を決めること
- 鑑定の目的:不動産が担保としてどのくらいの価値があるのかといった不動産の資産としての価値を明らかにすること
不動産鑑定士に不動産査定を依頼する場合、最低でも10万円程度の費用がかかります。
通常の不動産取引においては、不動産のおおよその市場価値を把握するのが目的なので、無料の不動産査定で十分です。
不動産鑑定士による査定依頼を検討するケースは、
- 大規模な工場やゴルフ場など、通常の不動産会社が取り扱っていない不動産の場合
- 不動産の相続関係でもめたくない場合
- 金額の大きな不動産取引で、第三者による物件価格の査定が欲しい場合
などがあります。
③不動産買取会社による査定
買取とは、不動産会社が買主となって直接不動産を買い取る形の取引のことです。
この場合の不動産査定は、不動産会社の買取価格の前提となる調査、という位置づけになります。
不動産買取は、売却までに時間をかけられない人や、なかなか不動産が売れない人にとって売却手段の一つとして有効です。
ただし買取の場合、売却価格は一般市場価格の6〜7割程度となる点に注意しましょう。
④太陽光発電会社による査定
土地を売却する際、広くて年間を通じて日当たりの良い土地である場合は、太陽光用地として、太陽光発電会社による買取が可能な可能性があります。
太陽光発電用地としての条件は買取会社によって様々ですが、売却予定地が広くて日当たりの良い土地である場合は、通常の不動産査定と並行して査定依頼をしてみると良いでしょう。
不動産査定の手段として「無料一括査定サイト」がオススメ!
一括査定サイトをおすすめする理由は、次の3つになります。
- 複数の不動産会社に依頼する手間と時間が省ける
- 自分の不動産の価値が「すぐ」わかる
- 複数の業者を比較できるので、不動産会社選びにも使える
一言でいえば、「簡単で効率的」というのが理由です。
ただ、複数社から連絡をもらえるというのがメリットのひとつにあるのですが、電話が大嫌いという人は苦痛に感じてしまうかもしれません。
それでは、不動産査定では一括査定サイトがおすすめである理由について、ひとつずつ解説していきます。
①複数の不動産会社に依頼する手間と時間が省ける
これまでに説明してきたとおり、正確な市場価格を把握するためには、1社だけの査定額ではなく、複数の不動産会社の査定価格が必要です。
とはいえ、ひとつずつ不動産会社に査定の依頼をするのは手間がかかります。
物件種別や築年数、専有面積や、物件の地域環境…同じことを何度も申し込みフォームに入力しなければなりません。
こういった手間も不動産一括査定サイトを利用すれば、一回の申し込みで複数の不動産会社に査定を申し込むことができます。
これが不動産査定に一括査定サイトを利用する最大のメリットです。
②自分の不動産の価値が「すぐ」わかる
一括査定サイトは、複数の不動産会社から査定価格を無料で入手することができる便利なサイトです。
サイト上から売却予定の不動産の面積や地域、最寄り駅からの距離といった基本的な情報を入力して一括査定のボタンをクリックするだけで良いので、かんたんです。
概算価格なら早ければ当日、遅くても1週間以内には知ることができます。
③複数の業者を比較できるので、不動産会社選びにも使える
不動産査定は、査定価格の入手だけが目的ではなく、自分に合った不動産会社を選ぶ際のツールとしても利用可能です。
査定価格は不動産会社が「この価格だと売れるかもしれない」と算出した価格なので、その価格には「根拠」があるはずです。
- 「なぜ、その査定価格になったのか」根拠がしっかりしているか
- こちらの質問に的確に答えてくれるか
など、査定を受けるやりとりを通じて、信頼できる不動産会社かどうかを知ることができるのです。
不動産一括査定を利用することで、複数の不動産会社の対応を比較して、自分にあった不動産会社を選びましょう。
こちらはマンション売却の業者選びについて書いた記事ですが、不動産売却においても参考になります。
不動産一括査定サイトの流れ
一括査定サイトを利用する場合の不動産査定の流れは以下の通りです。
- 一括査定サイトから不動産の基本情報を入力して一括査定を依頼する
- 複数の会社から机上査定が届く
- その中から最低でも3社程度に訪問査定してもらう会社を選ぶ
不動産一括査定サイトを選ぶポイント
インターネット上には不動産一括査定サイトが数多く存在します。
多くて悩むかもしれませんが、以下の一括査定サイトを選ぶ際のポイントを押さえたサイトであれば大丈夫です。
不動産一括査定サイトを選ぶポイント
- 1.対応地域になっているか
- 2.大手不動産会社が登録しているか
- 3.運営歴・運営会社・プライバシーマーク認定があるか
- 4.電話やメールなどのサイトのサポート体制があるか
1.対応地域になっているか
まず、対応地域かどうかを確認しましょう。
どんなに良いサイトでも、あなたが持っている不動産の住所が対応地域になっていないサイトは、そもそもの査定依頼ができない可能性が高いため避けましょう。
2.大手不動産会社が登録しているか
大手不動産会社が登録されているかどうかで、運営会社はある程度の会社規模があり、信頼できる運営がなされているという判断ができます。
3.運営歴・運営会社・プライバシーマーク認定があるか
サイトを見る際は、運営歴・運営会社・プライバシーマーク認定があるかどうか確認しましょう。
「プライバシーマーク認定」の有無は、事業者の個人情報の取り扱いが適切であるかを判断する基準になります。
また「運営会社」は一部上場企業やそのグループ会社などは信頼できるポイントです。ただし運営会社もベンチャーなど非上場企業がダメというわけではありません。
4.電話やメールなどのサイトのサポート体制があるか
相談・メール・フリーダイヤルなど、受付機能がしっかりしている一括査定サイトも信頼できます。
特にフリーダイヤルは口頭で細かい点も確認できるので、フリーダイヤルがあるサイトがおすすめです。
《注意》売却したいなら匿名査定サイトは選ばない
不動産一括査定サイトには、「匿名」で査定価格を確認できるサイトもあります。
不動産の市場価値を確認するためなら匿名での査定は便利ですが、不動産売却を決めている場合、売却意思が伝わりにくい匿名査定するメリットはありません。
売却するとなると不動産会社とのやりとりが必要になるからです。
自分と合った不動産会社を選ぶためにも、匿名サイトではないサービスを利用しましょう。
不動産査定をするうえでの注意点3つ
査定をしたら、簡易査定で数日、訪問査定は一週間ほどで査定額が出ます。
ここからは不動産査定をするうえで、注意しておきたい点を3つ説明していきます。
1. 査定価格は1つの意見(予測)にすぎない
不動産会社による査定で注意すべき点は、査定価格はあくまで不動産会社の一つの意見であるという点です。
「査定価格」イコール「売却価格」ではなく、予測にすぎません。
場合によっては契約を取るために市場より高めの査定価格を提示する不動産会社も存在します。
そのような会社は、売却の仲介を請け負う媒介契約を結んだ後、市場価格、ひどいケースでは市場価格以下の価格への値下げを提案してきます。
「不動産査定を依頼する前にやるべきこと」の章でも説明しましたが、高額な査定価格に喜ぶのではなく、この価格はおかしいかもしれないと判断できるように、
- 事前に自分で売却相場を確認しておくこと
- 複数の不動産会社からの査定価格を受け取ること
が重要となります。
2. 不動産会社から電話がかかってくる
二つ目の注意点は、不動産会社から電話がかかってくるという点です。
一括査定サービスを利用すると、複数の不動産会社に査定依頼が飛びます。その依頼を確認した担当者から、電話やメールが送られてきます。
電話の対応さえできれば全く問題ないのですが、人によっては煩わしさを感じてしまうかもしれません。
ですが、不動産を売却するうえで、こういった不動産会社とのやりとりは必要になってきます。
この電話対応も不動産会社を選ぶポイントになるので、しっかり見極めるのに利用しましょう。
3.相続した不動産は鑑定も視野に入れて考える
相続財産のなかに不動産が含まれていると、相続人の間で遺産を分割する際にもめやすくなります。
こういった場合は、不動産鑑定を依頼することも検討してみましょう。
鑑定でもらえる「不動産鑑定評価書」は公的な書類として認められているので、裁判に発展したときに活用することができます。
鑑定は前述のとおり有料なため、誰がその費用を負担するかなど考えることはありますが、後々のトラブルを回避するためにも相続した不動産を査定する際は鑑定も視野に入れてみましょう。
まとめ
それでは不動産査定についてまとめていきましょう。
記事のおさらい
- 不動産査定とは不動産売却を行う際、不動産の価値を知るために行う作業
- 不動産査定を依頼する前に査定価格が適当か判断できるように不動産相場を把握しておく
- 不動産査定は一括査定サイトがおすすめ。手間・時間が省けて不動産会社の比較もできる
- 一般的な不動産査定の流れの基本は、売主から不動産会社に査定依頼→机上査定→訪問査定
- 査定価格が不動産会社によって異なるのは一般的。高い査定価格を選ぶのではなく「根拠」で選ぶ
- 査定の前の事前準備は①必要書類の用意、②不具合の確認、③《戸建て・土地の場合》境界線の確認、④《マンションの場合》管理費、修繕積立金の確認の4つ
- 不動産査定の依頼先は、不動産会社、不動産鑑定士のほか、不動産買取会社、太陽光発電会社がある
- 一般的な売却では不動産会社による無料査定だけでよい
不動産査定と聞くと難しく感じますが、ようするに不動産がいくらで売れそうか、という価格を調べる作業というだけです。
自分の不動産を高く売るためには、まず自分の不動産の価値を正しく知る必要があります。
正しく知るためには、複数の不動産会社からの査定が必須です。もしくは必要に応じて不動産鑑定士の不動産査定を受けましょう。
今回の記事が不動産査定のことを理解する助けになり、いつかの不動産売却でお役に立てれば幸いです。