買取保証の特徴と注意点!不動産仲介で売却を成功させるコツも解説

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宅地建物取引士

執筆・監修者/逆瀬川勇造

不動産の売却は一般的に、不動産会社に仲介を依頼することで進めます。

不動産会社と媒介(仲介)契約を結ぶと、不動産会社はチラシを打ったり、インターネットに物件情報を掲載したりして売却活動を始め、物件の案内を希望される方を案内し、見学した方に購入してもらえるよう提案を行っていきます。

このようにスムーズに進み、契約までたどり着けばよいですが、何組案内しても決まらない物件もあれば、そもそも広告の段階で問い合わせがほとんどない物件もあり、場合によっては数カ月~数年単位で売れ残ってしまうケースもあります。

売主としては数年も売却できない期間が続くとその間の手間やコストも馬鹿になりません。

そうした事態を防ぐための方法として、買取保証という手法を利用することも可能です。

本記事では、買取保証の制度の内容と利用するメリットや注意点などについてお伝えしていきます。

不動産売却の買取保証とは?

買取保証とはどのような手法なのでしょうか?

不動産仲介+不動産買取

買取保証とは、その名の通り買い取りを保証してくれる制度です。

具体的には、一定期間不動産仲介で売却活動を行った後、売却が決まらなかった時に不動産会社に買い取ってもらうというもので、不動産仲介と不動産買取のよいとこ取りしたシステムだといえます。

良いとこ取りシステム

不動産仲介は高く売却できる可能性がある一方、いつ売れるか分からないというデメリットがあります。

一方、不動産買取は確実に買い取ってもらえます。しかし、相場より安い価格での買い取りとなるのが一般的です。

買取保証はこれらの良いとこ取りをしたシステムで、つまり高く売却できる可能性があるのにも関わらず、一定期間売却できなければ最初に約束した価格で買い取ってもらえるというものです。

買取保証を付ける3つのメリット

買取保証を付けるメリットには以下の3つがあります。

買取保証3つのメリット

  • 売れないリスクを排除できる
  • 高い価格で売却できる可能性もある
  • 売却の計画が立てやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

売れないリスクを排除できる

まず、売れないリスクを排除することができます。

不動産仲介ではいつまで経っても売れない可能性がありますが、買取保証では一定期間経過したら不動産会社に買い取ってもらうことを保証してもらう手法のため、いつまでも売れ残る心配がありません。

高い価格で売却できる可能性もある

一方で、不動産会社に買い取ってもらうと相場より安い価格での売却となるのが一般的です。

しかし、買取保証であれば最初の一定期間は不動産仲介と同じ方法で売却するため、高い価格で売却できる可能性もあります、

売却の計画が立てやすい

不動産仲介のデメリットとして、いつ売れるか分からないというものがあります。

特にマイホームを売却するような場合は、売却するとともに新しいマイホームを探す必要があり、そのタイミングに悩むことになります。

例えば、先に新しいマイホームを購入して引っ越してから、元のマイホームを売却するのか、もしくはマイホームの売却と同時に新しいマイホームに引っ越すか、といったことです。

前者であれば、元のマイホームが売れるまでの間は2重でローンや家賃の支払いをしなければならず、場合によってはずっと売れない可能性もあります。

一方、後者では新しいマイホームを購入するタイミングで元のマイホームを売却できない可能性があります。新しいマイホームにも売主がいるため、いつまでも物件が売れるのを待ってくれるわけではありません。

待っている間に他の買い手が現れて、買われてしまうかもしれません。

このように、不動産仲介では特にマイホームの売却の時に難しい側面があるのですが、買取保証であればこうした問題を一挙に解決できます。

最終的な売却の時期が確定しているため、新しいマイホームを先に探しておき、売却と同じタイミングで購入することができますし、すでに引っ越ししている場合でも確実に売却できるため安心感があります。

買取保証の4つの注意点

一方、買取保証には以下の4つの注意点があります。

買取保証4つの注意点

  • 買取は仲介よりも売却価格が安い
  • 買取保証は絶対ではない
  • 仲介の期間、不動産会社が真剣に売却活動しない可能性がある
  • 買取保証を付ける場合、仲介は専任系媒介契約になる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

買取は仲介よりも売却価格が安い

何度かお伝えしていることですが、買取は仲介より売却価格が安いのが一般的です。

相場の78割であればまだよい方で、場合によっては3〜4割程度まで価格を下げられる可能性もあります。

また、買取で気を付けておきたいのが住宅ローンの残債についてです。

不動産を売却するにあたり、その不動産を購入した時のローンがまだ残っているのであれば、売却資金でローンの残債を返済し、まだ残りがあるようであれば自己資金から支払わなければ抵当権を抹消できず、そもそも売却することができなくなります。

そのため、買取で価格を決める時は残債を完済できる金額に設定するよう交渉する必要があります。

買取保証は「絶対」ではない(物件の条件次第)

なお、買取保証は絶対ではありません。

そもそも、不動産会社が買い取ってもよいと思う物件でなければ買取保証を付けることはできませんし、買取保証の約束をしていたとしても、仲介の期間に不動産会社に何らかのトラブルが起こったりすれば、一定期間が経過しても買い取ってもらえない可能性があります。

仲介の期間、不動産会社が真剣に売却活動しない可能性がある

仲介の場合、不動産会社は仲介手数料が稼ぎとなりますが、買い取って再販するような場合は、買取価格と売却価格の差額を丸々利益とすることができます。

そもそも、不動産会社としては買取保証を付ける段階で買い取ってもよいと判断しているわけで、仲介よりも買い取りたいと考えているケースもあるでしょう。

このような場合では、仲介の期間中、どの不動産会社も一生懸命活動してくれない可能性があります。

もちろん、すべての不動産会社がこのような態度で取り組むわけではありませんが、そうした可能性もあることによく注意しておきましょう。

買取保証を付ける場合、仲介は専任系媒介契約になる

一般的に、買取保証する場合は、買取前の仲介の段階で専任系媒介契約を結ぶため、他の不動産会社と重ねて媒介契約を結ぶことはできません。

なお、買取保証の時に専任系媒介契約になる理由としては、不動産会社は基本的に一般媒介契約よりも専任系媒介契約を結びたいと思っており、一方で売主としては普通の不動産仲介では売れないことを想定し、お願いして買取保証を付けてもらう立場のため、買取保証の場合の仲介については基本的に専任系売却が選ばれるというわけです。

すでに複数の不動産会社と一般媒介契約を締結しているような場合には注意が必要です。

仲介にはない買取ならではの嬉しい特徴

買取保証で最終的に買取になると、仲介の段階で売却するより安い価格での売却となります。基本的には売主としては最悪のケースだと言えるでしょう。

とはいえ、買取にも仲介にはない以下のようなメリットがあります。

仲介手数料がかからない

まず、仲介の場合、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりませんが、買取の場合は直接不動産会社に買い取ってもらうため、仲介手数料を支払う必要がありません。

仲介手数料は、上限額が「3%+6万円+消費税」で、例えば5,000万円の不動産の売却だと最大で160万円程度も支払わなければならないことを考えると、ありがたいメリットだと言えます。

瑕疵担保責任を負わなくてよい

売主は買主が個人の場合、売却する不動産について瑕疵担保責任を追う必要があります。

瑕疵担保責任とは、売却した不動産の欠陥に関する責任を売主が持つというもので、売却した不動産に何らかの欠陥があったような場合に、買主から売主に対してその瑕疵を補修するよう命じることもできます。

なお、民法の規定では瑕疵担保責任は瑕疵があることを知ってから1年間と定めており、これではいつまで経っても売主の責任がなくならないため、売買契約書の特約で「引き渡してから3カ月間にする」などと定めているのが一般的です。

また、瑕疵担保責任を免責にすることもできます。

通常、個人間の売買では売主(売主側の仲介会社)と買主(買主側の仲介会社)が、この瑕疵担保責任の取り扱いについて取り決めますが、不動産会社が買主となる買取では、瑕疵担保責任は免責となるのが一般的です。

瑕疵担保責任を免責されれば、売却後にいらぬ心配をしなくてよくなります。

買取保証はこんな人にオススメ

買取保証は仲介と買取の良いとこ取りをしたようなシステムですが、どんな方が利用するのに向いているのでしょうか?

面倒くさがりな人

まず、面倒くさがりな人には買取保証は向いています。

仲介による売却では、売却活動を行っても売れない場合にはなぜ売れないのかを考え、次は値下げするのか、もしくはリフォームを施すのかといった判断をする必要があります。

しかし、買取であれば、不動産会社が納得すれば、特に手間もかからず売却することができます。

買取保証であれば、最初の仲介の段階で売れなかったとしても、最終的に不動産会社が買い取ってくれるため、手間がかからないのに加えて、うまくいけば仲介で高い価格で売却することができます。

売却の期限がある人

実際には一番利用価値が高いと思われるのが、転勤や引っ越しなどで売却に期限がある人です。

2カ月後に海外転勤が決まっているといったようなケースでは、基本的に期間内での売却を目指しますが、うまく買主が見つからないこともあるでしょう。

このようなケースでは、買取保証であれば、最初の2カ月間は仲介で売却活動を行い、高い価格で売却できる可能性を残しつつ、期限までには確実に買い取ってもらうことができます。

価値の高い不動産を売却する人

最後に、都心駅近の不動産などであれば、たとえ買取でも高い価格で買い取ってもらえる可能性が高いです。価値の高い不動産の売却を考えている人にとって、買取保証は利用しやすい手法となるでしょう。

もちろん、都心駅近の不動産であれば仲介の段階で売れてしまう可能性も高いですが、買取となれば先ほどお伝えしたように瑕疵担保責任や仲介手数料が付かないなどのメリットもあります。

最初の仲介の段階では相場よりやや高い価格で売り出し、期間内に売れなければ買い取ってもらうといった方法が効果的です。

仲介で売却を成功させるコツ

買取保証とはいえ、買取となると売却価格が安くなってしまうため、仲介の段階で売却したいと思うのが普通です。

仲介の段階で売却を成功させるコツとしては、実際には物件によってさまざまなことが考えられる一方で、どんな物件でも必ず当てはまることとしては、とにかく不動産を清潔に、キレイにしておくことが挙げられます。

土地の場合は生えた草の処理をしたり、建物が建っている場合には壁紙やフローリングを徹底的にキレイにしたりするほか、内覧日当日には臭いなどにも十分気を付けるなどの対策をすると万全です。

まとめ

記事のおさらい

  • 買取保証は仲介と買取の良いとこ取りをしたようなシステム
  • 買取保証では一定期間経過したら買い取ってもらう手法のため、いつまでも売れ残る心配なし
  • ただし、売却価格が安く、住宅ローンが残っている場合は注意
  • 買取保証は、面倒くさがりな人や売却の期限がある人などにおすすめ

不動産売却における買取保証についてお伝えしました。

買取保証は仲介と買取の良いとこ取りをした手法で、最初の仲介の段階で売却できれば高い価格で売却できる可能性がある一方、一定期間経過後には不動産会社に買い取ってもらえるため、不動産が売れ残るリスクを排除することができます。

ただし、最終的に買取となると売却価格が安くなってしまうのに加え、不動産会社によっては買取保証にすることで、最初の仲介による売却をしっかり行ってくれない場合もあります。

本記事を参考に、不動産を売却するのであれば仲介か、買取か、はたまた買取保証かを、慎重に検討するとよいでしょう。

執筆・監修者の逆瀬川勇造さんの写真

宅地建物取引士

執筆・監修者/逆瀬川勇造

明治学院大学を卒業後、地方銀行にてリテール業務に従事し顧客の住宅ローンやカードローンなど担当。その後、住宅会社の営業部長として新築住宅の販売や土地開発等の業務に7年間従事しました。 Webを通して住宅や不動産の問題を解決することを志向し2018年10月に独立。 最近の趣味は子育てです。

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