親の家を代わりに売却する方法!おさえるべき注意点と税金も徹底解説

2019.05.20投稿 親の家を売却する方法
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

「相続した親の家を売りたい」「親から頼まれ、親の家を売ることになりそう」「親が施設に入るので家を売らないといけない…」このような悩みを抱えてはいませんか。

自分の名義ではない家や土地を売る場合、マイホームを売却した経験のある人でも戸惑うのが普通です。

面倒な不動産の売却手続きですから、相続した場合でなくても親の代わりに進めてあげられたら…と思う方もいらっしゃると思います。

ところが、実の子供であっても、親名義の家や土地を自由に売却することはできません。

この記事では、親の家を売ろうとしたときに出てくる以下のような悩みを解決していきます。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 親の家の売却方法や流れを知りたい
  • 親の家を売却すると税金はどれくらいかかるの?
  • 親の家を処分するときの注意点は何?

事情はそれぞれですが、親の家や土地を売る場合、状況に応じて方法や手順が異なります。

  • 相続の場合は「相続登記」を行ってから売却する
  • 代理人として売却したい場合は「委任状」を用意する
  • 親が高齢のため自力で売却できない場合は「成年後見人」の制度を利用

この記事を読めば、相続が発生したあと、

「どのように財産を分けるのか」
「どんな手続きを行う必要があるのか」
「誰に売却を依頼するのか」
「売却した後の税金や確定申告はどうすればいいのか」

を知ることができ、また相続以外の、親の代わりに家を売却する方法についても解説していきます。

最後まで読んでいただき、実家売却の一助になりましたら幸いです。

なお、どのような状況でも、売却を進めるうえでは対象の家が「どのくらいの金額で売れるか」を知っておく必要があります。

今すぐ「どのくらいの金額で売れるか」だけでも知りたい方は、一括査定で家の価値を見てみましょう。

一括査定では、親の家や土地でも「どのくらいで売れるか」を教えてくれます。

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親の家や土地を代わりに売却する方法は3つ

親の家・土地を代わりに売却するケースは、大きく以下の3つのパターンに分かれています。

  • 方法1:相続した親の家や土地を名義変更して売る
  • 方法2:親の代理人として売る
  • 方法3:成年後見人として売る

あなたの状況に合わせて、売却方法を確認し、この記事で見るべき実家売却の方法を押さえてください。

あなたの状況 売却方法 この記事で見る場所
親の家や土地を相続した場合 相続登記(名義変更)後に売却 方法1
親に売却意思があり、代わりに売る場合 委任状を用意して代理人として売却 方法2
認知症などの事情があり、親の売却意思が判断できない場合 成年後見人制度を利用して売却 方法3

方法1:相続した親の家を名義変更して売る

方法1は「相続した親の家を売る場合」です。流れを確認しましょう。

相続の項目 相談・依頼可能な専門家 目安期間
1.相続人が複数人の場合、遺産分割協議を行う 弁護士、司法書士、税理士、行政書士など 1ヶ月〜数年(もめた場合)
2.相続登記 弁護士、司法書士、税理士、行政書士 1ヶ月程度
3.相続した家・土地を売却する 不動産会社(ほぼ必須) 3ヶ月以上
4.売却したお金を分配する(換価分割) 弁護士、司法書士、税理士、行政書士 1〜数日
5.確定申告 税理士 1日

それぞれのステップについての大まかなイメージは表のとおりです。ここから詳細に解説していきます。

1.相続人が複数人の場合は「遺産分割協議」で親の家をどうするか話し合う

相続人が複数人いる場合、相続遺産の分割を決める方法として「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」というものがあります。

【用語解説】遺産分割協議とは

相続方法を決定するために、遺産をどのように分割するかを相続人全員で話し合うこと。

遺産の分け方は「法定相続分」を目安として行われます。

【用語解説】法定相続分の分け方

  • 配偶者と子供が相続人である場合は、配偶者2分の1、子供2分の1
  • 配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人である場合は、配偶者3分の2、直系尊属3分の1
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1で遺産を相続すること

ただし、遺言書がある場合や、相続人が自分一人の場合、遺産分割協議は必要ありません。

相続財産に不動産がある場合、相続人が複数人いると誰かが単独で不動産を相続することになり、分配の不公平性が発生して、トラブルの原因となります。

このようなトラブルを防ぐため、相続人全員でどのように遺産を分けるか話し合う遺産分割協議をおこないます。

遺産分割協議のまえに確認する3つのこと

遺産分割協議を行うにあたっては、

  • 遺言書の有無の確認
  • 相続人をすべて確認
  • どんな相続財産があるかすべて確認

といった作業が必要です。

これらを怠って、あとから遺言書が見つかったり相続人が出てきたりすると、協議自体やり直しになる可能性もあるので気をつけましょう。

《注意》とりあえずの「共有名義」はトラブルのもと

相続人が複数人いる場合、できる限り相続する不動産を共有名義とすることは避けましょう。

なぜなら、不動産の売却などの処分を行う際に、全員の同意が必要となり必要書類を整えるなどの手続きも非常に難しくなるからです。

また現在の相続人間の人間関係が良好でも、時間経過とともに子供や孫などの相続人の数が増えて、相続人全員の意思統一が難しくなることもあり、不動産の取り扱いや処分を巡ってトラブルに発展するケースもあります。

相続人が複数いる場合は、次の項目で解説する「換価分割」による処分をおすすめします。

相続人が複数いる場合は「換価分割」が手間なし・スムーズ!

上述の通り、複数の相続人が不動産を共有する状態は様々なトラブルの原因となります。

相続による不動産を処分する最もおすすめの方法が「換価分割」です。

【用語解説】換価分割とは

相続した不動産を売却して現金化し、そのお金を遺産分割協議の取り決めた割合か、もしくは法定相続分に基づいて分配する方法のこと。

不動産の相続は価値評価が難しく、相続の不公平性につながりやすいため、相続方法としては換価分割による分配がベストの手段でしょう。

デメリットとしては特にありませんが、あえて挙げるとすれば、相続の控除額以上での売却額となった場合に譲渡所得を支払う可能性がある点でしょう。

「換価分割」以外の財産の分配方法としては、現物分割、代償分割があります。

現物分割 

現物分割は、「財産をそのままの形」で分割するやり方です。

例えば現金、土地、家が相続財産としてあり、相続人が三人いた場合、一人が現金、一人が土地、一人が家を相続するというやり方です。

このやり方は単純でわかりやすいですが、公平な分配ができないというデメリットがあります。

代償分割

代償分割は、複数いる相続人の中の特定の人が家などの財産を相続し、その相続人が他の相続人に対して、相応の現金等を支払う方式です。

特定の相続人が、まとまった額の現金を持っているなどの状況でないと実現が難しいやり方といえます。

2.「相続登記」で不動産の名義を親から相続人へ変更する

【用語解説】相続登記とは

相続登記とは、不動産の名義を、故人から相続人へ変更する手続きのこと。

相続した家を売却するためには、まず「相続登記」が必要です。

なぜなら、死亡した人の名義のままの不動産は売却できないので、名義を相続人の名義に変更しなければならないからです。

相続登記は、法務局に必要書類を提出することで完了します。建物と土地それぞれで登記が必要である点に留意しましょう。

では、相続登記の必要書類、自分で行うか専門家に依頼するかなど、具体的な進め方について確認していきます。

相続登記に必要な書類

相続登記を行う場合、遺産分割協議、遺言書、法定相続分によって必要書類が異なります。

それぞれの必要書類は以下の通りです。

<遺産分割協議による相続登記に必要な書類>
書類名 内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 死亡した被相続人の、出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
法定相続人全員の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺産分割協議書 相続人全員の署名・押印のあるもの

法定相続人全員の印鑑証明書付き 遺産分割協議書に付ける必要のある書類

当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙

相続人の住民票

遺産分割協議によって相続不動産を相続する相続人(代表者)の住民票。
相続人の委任状

相続不動産を相続する相続人(代表者)から司法書士等に依頼する場合の委任状
<遺言書に基づいた相続登記に必要な書類>
書類名 内容
遺言書 公正証書遺言なら家庭裁判所での検認は不要。自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は検認が必要
被相続人の戸籍謄本 死亡した被相続人の戸籍謄本。出生から死亡までのものは必要ない
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙
当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
遺言により相続する人の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺言により相続する人の住民票

遺産分割協議によって相続不動産を相続する相続人(代表者)の住民票。
遺言により相続する人の委任状

相続不動産を相続する相続人(代表者)から司法書士等に依頼する場合の委任状
<法定相続分に基づいた相続登記に必要な書類>
書類名 内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 死亡した被相続人の、出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
法定相続人全員の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺産分割協議書 相続人全員の署名・押印のあるもの

法定相続人全員の印鑑証明書付き 遺産分割協議書に付ける必要のある書類

当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙
相続人全員の住民票 相続人全員の住民票
相続人の代表者の委任状 相続不動産を相続する相続人の代表者から司法書士等に依頼する場合の委任状

相続登記は司法書士など専門家に依頼するのがオススメ

相続登記は、自分でも手続きは可能です。

しかし、必要書類の用意や、手間と時間がかかるため、司法書士など不動産登記の専門家に依頼するのがおすすめです。

自分で相続登記を行う場合と、司法書士に依頼した場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。

<相続登記のやり方を比較>
メリット デメリット
自分で行う場合
  • 費用がかからない
  • 手間と時間がかかる
  • 提出書類や必要書類や不備が出る可能性がある
司法書士に依頼した場合
  • 手間と時間を節約できる
  • スムーズに相続登記が行える
  • 専門家に依頼することで、信頼性と公平性が保たれる
  • 費用がかかる

司法書士に依頼する場合、

  • 自分で司法書士事務所を探す
  • 不動産会社などに紹介を受ける

上記2つのパターンがあります。

結論から言うと、不動産会社から紹介を受けるのがオススメです。

不動産会社を通じて司法書士に依頼した場合、割高になる可能性もあります。しかし自分で探す手間や時間が必要がなく、不動産会社の紹介先としての安心感があります。

相続すると家の手続き以外にもすることが増え、体力や精神的にも大変な時期が続くかと思います。

どの司法書士事務所がいいのか、比較したり検索したりする余計な心労を減らし、後々のことを考えて必要なお金だと思い、不動産会社に相談して紹介してもらうのがオススメです。

自分で探す場合は、相続専門の司法書士事務所に依頼しましょう。

《注意》相続登記に期限はないが、相続税は10ヶ月以内に納付義務がある

相続登記には法律上の期限というものは存在しません。

しかし相続税は相続を知った日(被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内に現金で納付する必要があります。

また、相続登記を行わないと被相続人の名義のままなので、不動産を売却することができません。また、不動産売却には時間がかかるため、動き出しは早ければ早いほど良いです。

不動産売却が決まったら、即座に相続登記の手続きをすすめると同時に、不動産会社に売却を依頼しましょう。

3.相続した家・土地を売却する

不動産会社に売却を依頼してから売却が完了するまでにかかる時間は状況次第ですが、平均で3ヶ月程度、長くて半年以上はかかります。

家の売却方法については、下記の記事で詳しく解説しています。

4.売却したお金を分配する

名義を変更して不動産を売却した後、売却したお金を相続人で分配します。

お金を分配する作業だけなので、早ければ1日で終わります。

5.確定申告

相続した家や土地を売却した場合、所得税の確定申告が必要となります。相続の不動産を売却した場合には特例を利用できます。

確定申告は、所得に対する申告なので、相続税と確定申告は関係ありません。

相続税は相続開始を知った日から10ヶ月以内に現金で納める必要があります。

相続税には基礎控除があります。一定以上の金額の財産がない場合は、相続税の申告は必要ありません。

ここまで、相続した親の家の売却の流れについて解説してきました。

所得税の確定申告で利用できる特例、相続税の基礎控除の詳細等については、後ほど詳細に解説します。

方法1で解説した「相続した親の家を売却する」場合は、方法2、方法3の確認は不要です。

親の家をできるだけ「高く」売る方法、の章へすすむ

方法2:親の代理人として売る

親から売却意思があり、「家を売りたいが、手続きをすることが難しい」という場合、親の代わりに親名義の一戸建てやマンション、土地などの不動産を売却することができます。

この場合、親の代理人になるには、「家の売却を子供に委任する」という内容の委任状が必要です。

具体的には、親が署名押印した委任状と印鑑証明があれば売却が可能です。

委任状には法的に決まった形式はありません。

売買を仲介する不動産会社に専用のフォーマットがあることも多いので、まずは相談してみましょう。

親の代理人として売る場合の必要書類

  • 親の署名押印がある委任状
  • 親の印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • 親の実印、住民票
  • 自分(代理人)の印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • 自分(代理人)の実印
  • 自分(代理人)の本人確認書類(運転免許証などの写真付き身分証明書)など

また、委任状があっても、手続きを進める段階のどこかで、親の意思確認は行われると思っておきましょう。

方法3:成年後見人として売る

親が認知症や障害などの理由により、家や土地の売却意思を表示できない状態にあるパターンです。

この場合で不動産を売るときには、「成年後見人」を立てる必要があります。

【用語解説】成年後見人とは

成年後見人とは、判断能力が不十分なため契約等の法律行為を行えない本人に代わり、必要な契約等を締結したり財産を管理したりして本人の保護を図る人のこと。

この成年後見人は、家庭裁判所によって選任されます。

選ばれた成年後見人には、財産目録や、本人の生活にかかる金額を予測する収支予定表を作成して提出するなどの業務があります。

《注意》実の子供だからといって成年後見人に選ばれるとは限らない

成年後見人は本人の代わりに売買契約を結ぶことができますが、あくまで本人のためにすることが条件です。

そのため、不正を防ぐために、成年後見人は親族が選ばれるとは限らず、弁護士や司法書士といった専門家が選ばれることもあります。

特に親族間の紛争や被後見人の財産が多いケースにおいては、子供が成年後見人になるだけでは不十分と判断される場合もあります。

専門職の関与が必要であると家庭裁判所が判断した場合、後見監督人として弁護士などの専門職がつく場合もあります。

つまり成年後見人を申立した場合、

  • 子供など親族が後見人に選出されるパターン
  • 専門家が選出されるパターン
  • 子供など親族が後見人に選出された上で、弁護士などの専門家が後見監督人として選出されるパターン

の3つが考えられます。

《注意》居住用の不動産を売却するには「裁判所の許可」がいる

使っていない土地など非住居の不動産ではなく親の家を売る場合には、成年後見人を選ぶだけでは足りません。

成年後見人として居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所の許可が必要です。(「居住用不動産処分許可」の申立)

家庭裁判所の許可が必要になることは、民法859条の3で以下のように規定されています。

成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。(利益相反行為)

引用元:民法第859条の3(電子政府の総合窓口e-Gov,総務省行政管理局運営)より

もし、家庭裁判所の許可を得ずに居住用不動産を売却した場合は、売却が無効になり、買主への違約金が発生することもあります。

親の家が居住用不動産だった場合は、必ず家庭裁判所の許可を得てから売却を行いましょう。許可が必要になるか、迷う場合は事前に家庭裁判所に相談してみましょう。

居住用不動産に該当するもの

現在住んでいる家、老人ホームに入る前など、過去に住んでいた家、これから住む可能性のある家を含む。

売却するためには正当な理由も必要

正当な理由とは、

  • 老人ホームに入るための資金作り
  • 空き家で今後居住したりする予定もなく管理費がかかる

など、親(被後見人)の利益を保護するための理由です。

親が認知症になっている場合の不動産売却については、下記の記事で詳しく解説しています。

親の家や土地をできるだけ「高く」売る方法

ここからは親の家をできるだけ「高く」売る方法について解説していきます。

相続の場合でも、相続登記が済んだ後は一般的な不動産取引と同じように家や土地を売却することが可能です。

できるだけ高く売却する方法として、以下の2つのポイントをおさえておきましょう。

  • 自分で市場調査をして市場相場を知る
  • 信頼できる不動産会社に依頼する

詳しく解説していきます。

①自分で市場調査をして相場を知る

家を含む不動産を売却する際に大切なことは、市場相場を知ることです。

なぜなら市場の価格とかけ離れた、自分の希望する価格で売り出しても絶対に売却できないからです。

  • 相場より高すぎると、購入希望者の目に入らない
  • 相場より安すぎると、なにか問題のある家なのかと疑われてしまう

まずは自分が売りたい不動産と似た条件の物件を不動産販売サイトなどで探して、おおよその市場価格を理解しましょう。

自分が売りたい不動産と似た条件の物件の最低価格と最高価格を知るだけでも、不動産販売時の価格設定や値引きにどこまで応じるかの判断ができるようになります。

良い価格設定こそ、不動産を高く売る秘訣です。

相場を調べるときは「不動産ジャパン」と「REINS Market Information」を使おう!

相場を知りたいときのおすすめ不動産ポータルサイトは、以下の2つです。

<相場を調べるときのサイト>
サイト名 知ることができる情報
不動産ジャパン

売りたい家と似た家の「売出価格」

REINS Market Information

売りたい家と似た家の「成約価格」

売出価格の相場を知るなら「不動産ジャパン」

不動産ジャパンで相場を確認する方法

※「不動産ジャパン」は、公益財団法人不動産流通推進センターが運営しています。

全国の不動産流通業者ほぼ全てが不動産ジャパンに加入しており、アクセスできる情報の範囲が広い点がオススメです。

  1. 不動産ジャパン」へアクセス
  2. [不動産物件検索【買う】]から[マンション・一戸建て]などをクリック
  3. [親の家の地域]を選択
  4. 検索条件で[親の家の情報]を選択して絞り込む

売りたい家と近しい条件の家がいくらで出されているか、確認しましょう。

成約価格の相場を知るなら「REINS Market Information」

価格相場を知る手段として、過去の成約情報を知ることも重要です。

レインズマーケットインフォメーションのサイトキャプチャー

※「REINS Market Information(レインズ マーケットインフォメーション)」は国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営しています

  1. REINS Market Information」のトップページへアクセス
  2. [マンション・戸建て]から都道府県・地域を指定して検索
  3. [追加検索条件]から親の家と近しい条件で絞り込む

売却予定の不動産と似た物件の、過去の成約情報を確認しておきましょう。

なお、絞り込む際の情報には、

  • 売却予定の家の地域
  • 最寄駅
  • 面積

といった物件条件を入力します。

②信頼できる不動産会社に依頼する

不動産を売却するにあたって、実際に売主ができることは限られています。

販売広告を出して買主を探して売買契約を取りつけ、物件の引き渡しを行うなどの、不動産の売却活動は不動産会社が行います。

信頼できる不動産会社に依頼できれば、売主にとって有利な価格条件での販売が可能になります。

信頼できる不動産会社に依頼するコツは、不動産一括査定サイトを利用することです。

一括査定サイトは、不動産のエリアや面積などの基本的な情報をインターネット上から入力するだけで、多くの不動産会社から査定価格を受け取ることができます。

各社の査定価格の高さだけでなく、その査定価格となった根拠、メールや訪問査定での担当者の対応を比較して、自分にあった不動産会社を選択しましょう。

親の家や土地を売却するときの注意点3つ

家売却の注意点は下記で解説していますが、この章では親の家ならではの注意点を解説していきます。

親の家を売却するときの注意点

  • 自分が住んでいないため、瑕疵に気づかない場合がある
  • 古い家だと、土地の境界が確定していない場合がある
  • 親族への報告が少ないとトラブルになる可能性がある

1.トラブルに巻き込まれないために「瑕疵担保責任」について知ろう!

親の家・土地の売却は、自分が長年住んでいた家でないからこそ、調査が必要です。

雨漏りや給湯設備の不具合、埋没物など、物件の瑕疵(見えない不具合)がある場合があります。

売却した家や土地に瑕疵が見つかった場合、瑕疵担保責任が問われて、撤去費用や損害賠償などに発展する可能性もあります。

【用語解説】瑕疵担保責任とは

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売主が買主に対して、売却後に物件に隠れた瑕疵(不具合)が見つかった場合に売主の負担で補償する責任のこと。

もし売却にあたり不安があれば、ホームインスペクション(住宅診断)を行って、住宅に不備がないかを確認しておくのも一つの方法です。

瑕疵担保責任については下記の記事で詳しく解説しています。

2.土地の境界が確定していないケースがある

また、親の家が古い場合、周囲の土地との境界線がはっきりしていないケースもありえます。

土地の境界がはっきりしていない場合、物件が売れる可能性が下がり、また売却後に近隣住民とのトラブルに発展する可能性もありえます。

まずは不動産会社に相談して、境界が確定しているかを確認し、境界が確定していない場合は、土地家屋調査士に境界確定を依頼することをおすすめします。

3.売却時は親族への報告をきちんと行おう!

親の家を売却するときに気をつけたいのが、自分の兄弟姉妹など、人間関係のトラブルについてです。

法律では、親の家を売る際に親族の同意を得る必要はありませんが、「勝手に売ってしまった」と思われないように、相続の場合でなくとも事前の報告や相談をしておくことをオススメします。

特に、家の売買に関する書類はしっかり残しておき、揉めた場合にすぐに出せるようにしましょう。

親の家や土地を売るのに必要な費用について

親の家・土地を売却するために必要な費用については下記の通りです。

費用名 費用相場 支払いタイミング
登録免許税(相続の場合) 不動産の固定資産税評価額×0.4%
例:土地の固定資産税評価額が1,000万円の場合、登録免許税は4万円。建物がある場合は建物に対しても登録免許税がかかる。
相続登記時
司法書士報酬
(相続の場合)
事務所によって異なる。
相場は約7〜10万円程度
相続登記時
不動産仲介手数料 (売買金額×3%+6万円)×消費税 売買契約時50%、引き渡し時50%。もしくは引き渡し時に100%
印紙税 ※売買契約書に記載された金額によって異なります。
例:500万円以上1千万円以下の物件の場合:5,000円(軽減税率適用)
売買契約時
建物解体費用(必要な場合) 木造で数十万円、RC造の場合は数百万円 物件販売前
整地費用
(必要な場合)
1㎡あたり500円〜2000円
※土地の状態による
物件販売前
土地測量費用
(必要な場合)
30万円〜100万円 物件販売前
インスペクション費用
(必要な場合)
約5万円 物件販売前(以降の費用発生タイミングは媒介契約前でも後でもありえます)
リフォーム費用
(必要な場合)
ふすまの交換や障子の張り替えなど:1万円以下
トイレ・洗面所:約20〜50万円
キッチンやお風呂:約50〜100万円
物件販売前。
買主の要請があって行う場合は売買契約後
ハウスクリーニング費用 全体で10万円以下、水回りのみなら5万円前後 物件販売前、内覧前
引っ越し費用(引っ越しが必要な場合) 約5万円〜6.5万円程度 物件引き渡し後

親の家や土地を売るときにかかる税金について

親の家を売却したときにかかる税金について説明します。

なお、相続の場合ではなく、親の家を代わりに売った場合、税金が課税される対象は親に対してです。

不動産売却時には、利益が出たときにだけ「所得税・住民税」が課税されます。

ただし、居住用財産を譲渡した場合は「3000万円の特別控除」という制度を利用できることが多く、3000万円までの利益は非課税になることが多いです。

では、家を売ったときの税金と、特別控除について見ていきましょう。

家を売ったときの「所得税・住民税」

相続した土地や建物などの不動産を売却した際の譲渡所得に対しては、「所得税・住民税・復興特別所得税」といった税金がかかります。

これらは相続税とは別に支払う必要があります。譲渡所得に対する、各税の税率は以下の通りです。

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:平成25年から平成49年まで、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%

税金の優遇制度①「3000万円の特別控除」

居住用財産を譲渡した場合に使える3,000万円の特別控除とは、譲渡所得を3,000万円控除できるということです。

ただ、3,000万円の特別控除を受けるためには、以下のような条件をクリアしている必要があります。

3,000万円の特別控除を受ける条件

  • 住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年、前々年にこの特例を含め、ほかの特例を受けていないこと
  • 親子や夫婦など、特別な関係がある人に売ったものでないこと

要は、投資用物件には適用できず、自宅で利用していたとしても現在住んでいなければ制限があるということです。

また、ほかの特例とは併用できない場合もあるので、直近で住宅に関する特例を利用した場合は注意しましょう。

《相続した場合》家を売ったときの「相続税」

相続税とは、ある人が亡くなり、その亡くなった人の財産を相続した人が払う税金です。

相続税は、相続開始を知った日(被相続人の死亡の日)から10ヶ月以内に現金で納める必要があります。

相続税には、基礎控除があり、財産が基礎控除に満たない場合は、相続税を支払う必要はありません。

相続税の基礎控除は以下の式で算出されます。

<相続税の基礎控除>
3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

例えば、父親が亡くなった家庭で、配偶者の母親と子供が三人いた場合、以下のような計算式になります。

3,000万円+(3人(母+子供2人)×600万円)=4,800万円

この過程の場合、相続した財産が4,800万円以下の場合は、相続税を払う必要はありません。

相続した財産が4,800万円以上の場合、相続税を支払う必要があります。

相続税の計算は、以下の式で算出されます。

(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)×相続税の税率

相続税の税率は、(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)の金額に応じて変わります。

(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)が1,000万円以下なら、税率は10%、3,000万円以下なら15%で50万円の控除、となります。

例えば(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)の金額が1,500万の場合、

1,500万円×15%-50万円=175万円

となります。

さらに相続税にはその他、1億6,000万円までの控除が認められる「配偶者控除」や、後ほど解説する「小規模宅地等の特例」などが利用可能です。

自分の状況に合わせて活用しましょう。

相続した家を売却した場合の税金の特例

相続した家の売却で利用できる税金の特例としては、以下の特例があります。

ただし、その家に子供自身が住んでいなかった場合、以下の特例は適用されないので注意しましょう。

  • 3000万円の特別控除の特例
  • 10年超所有の場合の軽減税率の特例
  • 特定の居住用財産の買換え特例
  • マイホームの買換えの場合の譲渡損失の繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除

ほかにも細かい条件がありますので、詳しくは国税庁ホームページで確認ください。

※参考サイト:国税庁「マイホームを売った時の特例

相続した土地の売却で利用できる税金の特例

相続した土地の売却で利用できる税金の特例として、「小規模宅地の特例」があります。

これは、被相続人が住んでいた土地に対する評価額を80%、事業をしていた土地に対する評価額を50%減額するという特例です。

まとめ

それでは、親の家の売却についておさらいしましょう。

記事のおさらい

  • 代理人として親の家を売却する場合は「委任状」が必要
  • 親の売却意思が判断できない場合は「成年後見人」を立てる必要がある
  • 相続した親の家の売却は「相続登記」を行い名義人を変更して売却する
  • 相続人が複数人いる場合、公平に分配するためには遺産分割協議を行ったほうが良い
  • 相続人が複数いても不動産の「共有名義」の状態はトラブルの原因になるので避ける
  • 親の家を高く売却するには、①自分で市場相場をつかむ②信頼できる不動産会社を選ぶ
  • 親の家・土地の売却は「瑕疵担保責任」に要注意
  • 相続で課される税金は相続税だが、相続税は控除が大きい
  • 親の家・土地の売却で課される税金は、所得税・住民税・復興特別所得税

大切な人を亡くした後、財産の処分について考えるのは心理的につらいものがあります。

しかし相続税については10ヶ月以内に現金での納付が定められているため、相続問題は早急に動き出す必要があります。

相続ではなく親の代わりに家を売却する場合は、「委任状」や「成年後見人」を立てるための準備が必要になってきます。

今回の記事が、親の家や土地などの不動産の売却の参考になれば幸いです。

家売却の流れの詳細や高く売るコツについては、下記の記事がオススメです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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