【徹底解説】親の家を売却する手順と相続財産ならではのポイント

【徹底解説】親の家を売却する手順と相続財産ならではのポイント
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

親の家や土地を売却する際、どのような手続きが必要なのでしょうか。自分の名義ではない家や土地を売る場合、マイホームを売却した経験のある人でも戸惑うのが普通です。

この記事では、以下のような疑問・質問の答えが見つかります。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 親の家を売却する全体の流れが知りたい
  • 親の家を売却するときは誰に依頼すればいいの?
  • 親の不動産を処分するときに気を付けることは何?

この記事では、親が亡くなった後、親の家や土地を売却するために必要なすべての手続きについて解説しています。

これを読めば、相続が発生したあと、

「どのように財産を分けるのか」
「どんな手続きを行う必要があるのか」
「誰に売却を依頼するのか」
「売却した後の確定申告はどうすればいいのか」

というような疑問がすべて解決します。

親の家・土地を売却するケースは大別して3つ

親の家・土地を売却するケースは、大きく以下の3つのパターンに分かれています。

①親から相続した家や土地を売却する場合

親が亡くなったことで、遺産として相続することになった一戸建てやマンション、土地などの不動産を売却するパターンです。この記事で詳細に解説していきます。

②親の代理で親名義の家や土地を売却する場合

親に依頼されて、親の代わりに親名義の一戸建てやマンション、土地などの不動産を売却するパターンです。この場合、親が署名押印した委任状と印鑑証明があれば売却が可能です。

③親が家や土地の売却意思を表示できない状態である場合

親が認知症や障害などの理由により、家や土地の売却意思を表示できない状態にあるパターンです。

この場合、裁判所が選任する成年後見人に売却権限があります。本人の子供であるからといって、成年後見人に必ず選任されるわけではない点に注意が必要です。

この記事では①「親から相続した家や土地を売却する場合」をメインに解説していきます。

まずは相続した親の家・土地を売却する全体の流れと手順について確認していきましょう。

相続した親の家・土地を売却する手順

相続した親の家・土地を相続する方法は様々です。

相続人が複数人いて、遺産を分割する主な方法のひとつに「換価分割」があります。

相続人の間で取り決める遺産分割協議を行い、不動産を売却して、売却したお金を相続人の間で配分する方法です。「換価分割」という相続方法を採用した場合の流れは、下記の通りです。

相続の項目 相談・依頼可能な専門家 目安期間
1  遺産分割協議 弁護士、司法書士、税理士、行政書士など 1ヶ月〜数年(もめた場合)
2  相続登記 弁護士、司法書士、税理士、行政書士 1ヶ月程度
3  相続した家・土地を売却する 不動産会社(ほぼ必須) 3ヶ月以上
④売却したお金を分配する(換価分割) 弁護士、司法書士、税理士、行政書士 1〜数日
4  確定申告 税理士 1日

それぞれのステップについての大まかなイメージは以下の通りです。次章以降で詳細に解説していきます。

①遺産分割協議

相続人が複数人である場合、相続人全員で、遺産をどのように分割するかを話し合い、相続方法を決定します。この話し合いを遺産分割協議といいます。

遺産分割協議は自分たちで行うこともできますが、必要書類の手配や各種手続きが負担である場合は、専門家に依頼することも可能です。

遺産分割協議の場合、戸籍謄本など被相続人の必要書類をそろえる必要があるため、1ヶ月程度かかる場合があります。

不動産の売却には時間がかかるため、不動産を売却することが遺産分割協議で決まった時点で、不動産会社に、当該不動産の売却を依頼しましょう。

②相続登記

相続登記は、親の不動産の名義を相続人の名義に変更する登記のことです。法的な期限は定まっていませんが、不動産を売却する場合、死亡した親の名義では売却ができませんので、必ず行う必要があります。

換価分割の場合は、相続人の中から代表者を一人選んで、親の名義から代表者の名義に変更する登記を行います。

相続登記は、必要書類の準備等も含めると、司法書士に依頼した場合でも1ヶ月程度はかかります。

③相続した家・土地を売却する

不動産会社に売却を依頼してから売却が完了するまでにかかる時間は状況次第ですが、平均で3ヶ月程度、長くて半年以上はかかります。

④売却したお金を分配する(換価分割)

名義を変更して不動産を売却した後、売却したお金を相続人で分配します。

お金を分配する作業だけなので、早ければ1日で終わります。

⑤確定申告

相続した家や土地を売却した場合、所得税の確定申告が必要となります。相続の不動産を売却した場合には特例を利用できます。

確定申告は、所得に対する申告なので、相続税と確定申告は関係ありません。

相続税は相続開始を知った日から10ヶ月以内に現金で納める必要があります。

相続税には基礎控除があります。一定以上の金額の財産がない場合は、相続税の申告は必要ありません。

所得税の確定申告で利用できる特例、相続税の基礎控除の詳細等については、後ほど詳細に解説します。

被相続人の財産を相続人でどのように分割するか決める「遺産分割協議」の方法

相続遺産の分割するか決める方法として「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」というものがあります。

遺産分割協議では、遺産をどのように分割するかを相続人全員で話し合い、相続方法を決定します。協議は「法定相続分」を目安として行われます。

遺言書がある場合や、相続人が自分一人の場合、遺産分割協議は必要ありません。また、法定相続分に基づいて遺産を分割する場合も、遺産分割協議を行わなくても良いです。

しかし、相続財産に不動産がある場合、相続人の誰かが単独で不動産を相続することになり、分配の不公平性が発生して、トラブルの原因となります。

このようなトラブルを防ぐため、相続人全員でどのように遺産を分けるか話し合う遺産分割協議をおこないます。

遺産分割協議のまえに確認すべきこと

遺産分割協議を行うにあたっては、

  • 遺言書の有無の確認
  • 相続人をすべて確認
  • どんな相続財産があるかすべて確認

といった作業が必要です。

これらを怠って、あとから遺言書が見つかったり相続人が出てきたりすると、協議自体やり直しになる可能性もあります。

遺産分割協議は専門家へ依頼可能

遺産分割協議は自分たちだけで行うこともできます。しかし、必要書類の手配や各種手続きは煩雑であり、時間と手間がかかるため、弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの専門家に依頼することも可能です。

専門家を選ぶ際のポイントは、どの業種が良いかというより、業種に関係なく相続に特化している事務所を選び、サービス内容や報酬で比較検討することです。

ただし、相続人間の関係性が悪く、円滑な話し合いが行えそうにない場合、話し合いにおいて意見の対立が発生した場合は、弁護士に相談したほうが良いでしょう。

相談だけなら無料という弁護士事務所も多いので、事情を説明した後、弁護士に正式に依頼するかどうかを検討するのも良いでしょう。

遺産分割協議と不動産売却は時間がかかる

遺産分割協議の場合、戸籍謄本など被相続人の必要書類をそろえる必要があるため、1ヶ月程度かかることがあります。

また、不動産の売却には時間がかかります。目安は3ヶ月~6ヶ月程度で、不動産の条件や市場動向によってはそれ以上の時間がかかるケースもあります。

このため、不動産を売却することが遺産分割協議で決まった時点で、不動産会社に当該不動産の売却を依頼しましょう。

なお、遺産分割協議がもめた場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を依頼するケースがあります。その場合、遺産の分割に数年を要する可能性もあります。

相続した親の家・土地を売却するために必要な「相続登記」の方法

ここからは、相続した親の家・土地を売却するために必要な「相続登記」の方法について解説します。

相続した家を売却するためには、まず相続登記が必要です。

なぜなら、死亡した人の名義のままの不動産は売却できないので、名義を相続人の名義に変更しなければならないからです。

相続登記は、法務局に必要書類を提出することで完了します。建物と土地それぞれで登記が必要である点に留意しましょう。

では、相続登記の必要書類、自分で行うか専門家に依頼するかなど、具体的な進め方について確認していきます。

相続登記に必要な書類

相続登記を行う場合、遺産分割協議、遺言書、法定相続分によって必要書類が異なります。それぞれの必要書類は以下の通りです。

<遺産分割協議による相続登記に必要な書類>
書類名 内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 死亡した被相続人の、出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
法定相続人全員の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺産分割協議書 相続人全員の署名・押印のあるもの

法定相続人全員の印鑑証明書付き 遺産分割協議書に付ける必要のある書類

当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙

相続人の住民票

遺産分割協議によって相続不動産を相続する相続人(代表者)の住民票。
相続人の委任状

相続不動産を相続する相続人(代表者)から司法書士等に依頼する場合の委任状
<遺言書に基づいた相続登記に必要な書類>
書類名 内容
遺言書 公正証書遺言なら家庭裁判所での検認は不要。自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は検認が必要
被相続人の戸籍謄本 死亡した被相続人の戸籍謄本。出生から死亡までのものは必要ない
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙
当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
遺言により相続する人の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺言により相続する人の住民票

遺産分割協議によって相続不動産を相続する相続人(代表者)の住民票。
遺言により相続する人の委任状

相続不動産を相続する相続人(代表者)から司法書士等に依頼する場合の委任状
<法定相続分に基づいた相続登記に必要な書類>
書類名 内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 死亡した被相続人の、出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の住民票の除票、もしくは戸籍の除票 被相続人が亡くなった旨が記載されている住民票の除票。本籍地は省略しない。
法定相続人全員の戸籍謄本

相続開始後に取得したもの
遺産分割協議書 相続人全員の署名・押印のあるもの

法定相続人全員の印鑑証明書付き 遺産分割協議書に付ける必要のある書類

当該不動産の固定資産評価証明書 相続登記にかかる登録免許税を計算するため
当該不動産の登記簿謄本 相続する不動産を特定するため
相続登記申請書 法務局にある相続登記の申請用紙
相続人全員の住民票 相続人全員の住民票
相続人の代表者の委任状 相続不動産を相続する相続人の代表者から司法書士等に依頼する場合の委任状

相続登記は司法書士など専門家に依頼する

相続登記は、自分でも手続きは可能です。

しかし、必要書類の用意や、手間と時間がかかるため、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。

司法書士は不動産登記の専門家です。不動産がからむ相続である場合は、司法書士に依頼するのがおすすめです。

自分で相続登記を行う場合と、司法書士に依頼した場合のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
自分で行う場合
  • 費用がかからない
  • 手間と時間がかかる
  • 提出書類や必要書類や不備が出る可能性がある
司法書士に依頼した場合
  • 手間と時間を節約できる
  • スムーズに相続登記が行える
  • 専門家に依頼することで、信頼性と公平性が保たれる
  • 費用がかかる

司法書士に依頼する場合、自分で司法書士事務所を探すのか、不動産会社などに紹介を受けるのかの2つのパターンがあります。

自分で司法書士事務所を探す場合、手間と時間がかかります。

一方で不動産会社を通じて司法書士に依頼した場合、割高になる可能性もあります。しかし自分で探す必要がなく、不動産会社の紹介先としての安心感はあります。

自分で司法書士を探すのが面倒な場合は不動産会社に相談して紹介してもらい、自分で探す場合は、相続専門の司法書士事務所に依頼しましょう。

相続登記の期限

相続登記には法律上の期限というものは存在しません。しかし相続税は相続を知った日(被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内に現金で納付する必要があります。

また、相続登記を行わないと被相続人の名義のままなので、不動産を売却することができません。また、不動産売却には時間がかかるため、動き出しは早ければ早いほど良いです。

不動産売却が決まったら、即座に相続登記の手続きをすすめると同時に、不動産会社に売却を依頼しましょう。

相続した財産(家・土地)の分け方

遺産の分け方には大きく分けて、遺言書通りにするか、遺産分割協議を行い相続人全員で協議して分けるか、法定相続分で分けるかの3通りの方法があります。

それぞれの遺産の分け方について解説していきます。

遺言書に基づいて分ける

死亡した被相続人が、自分の遺産をどのように相続人に分配するかを指定した遺言書を残していた場合、その遺言書は法的に力を持ち、基本的には他の分配方法よりも優先されます。

遺言書が見つかった場合、公正証書遺言以外は家庭裁判所で検認の作業が必要になります。遺言書の内容に不備がなく遺言書が有効であった場合は、法的な効力を持ちます。

被相続人は、遺言書によって財産をどのように分配するのかを自由に決めることが可能です。

ただし、相続人には、最低限相続できる割合が定められています(遺留分)。遺言を無制限に認めてしまうと、相続人の生活が保障されないなどの危険があるためです。相続人は、遺言による財産分配に対して、遺留分を請求できます。

遺言書において遺言執行者の指定がない場合、複数の相続人の中から代表者を決めて手続きを進めていくか、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して進めていくことになります。

相続人全員で協議して分ける(遺産分割協議)

遺産の分け方は、基本的に遺言書の内容が優先されます。

しかし、遺産分割協議によって、遺書の内容を確認した上で、すべての相続人の同意があれば、遺言書の内容とは異なる財産の分け方を行えます。

ただし、被相続人が遺言書において遺言執行者を指定していた場合、財産を管理したり処分したりする権限は遺言執行者にあります。そのため、遺言執行者を含めた上での話し合いが必要となります。

逆に言えば誰か一人でも反対する人がいる場合は、遺言書通りに財産を分配しなければなりません。

遺産分割協議は「法定相続分」を目安として行われますが、話し合いによって合意に至れば、法定相続分を無視した配分で相続分を決定することも可能です。

例えば父親が死んで相続が発生して、相続人が母親一人、子供一人の場合、法定相続分にしたがって分割すると、母親と子供で財産を半分ずつ分け合うことになります。

しかし、子供が経済的に自立していることから、遺産分割協議で二人が話し合い合意すれば、すべての財産を母親が受け取るようにすることもできます。

法定相続分で分ける

法定相続分とは、法律で定められた、各相続人が相続する財産分の割合のことです。法定相続人には遺産相続順位が定められています。

被相続人(死亡した人)の配偶者は常に法定相続人となり、その他の法定相続人は、法定相続人の第一順位は子供(直系卑属)、第二順位は父母(直系尊属)、第3順位は被相続人の兄弟姉妹という順序となります。

順位が上位の人が一人でもいたら、その人が相続放棄しない限り、下位の順位の人は相続する権利はありません。

例えば、父親、母親、子供一人の家族で、父親が死亡して相続が発生した場合、母親は財産の1/2、子供は1/2を相続します。この家族に子供が2人いた場合、母親は財産の1/2、子供たちは1/2を分け合う形になり、子供Aは財産の1/4、子供Bは1/4を相続します。

遺産相続順位が下がると、法定相続人が受け取ることのできる法定相続分も減り、法定相続人の第二順位の場合、配偶者の相続分が2/3、父母の相続分は1/3となり、第三順位の場合は配偶者の相続分が3/4、被相続人の兄弟姉妹の相続分は1/4となります。

相続人が複数いても「共有名義」は極力避けたほうが良い

相続人が複数人いる場合、できる限り相続する不動産を共有名義とすることは避けましょう。

なぜなら、不動産の売却などの処分を行う際に、全員の同意が必要となり必要書類を整えるなどの手続きも非常に煩雑になります。

また現在の相続人間の人間関係が良好でも、時間経過とともに子供や孫などの相続人の数が増えて、相続人全員の意思統一が難しくなり、不動産の取り扱いや処分を巡ってトラブルに発展するケースもあります。

相続人が複数いる場合は、次の項目で解説する「換価分割」による処分をおすすめします。

相続人が複数いる場合は「換価分割」が手間なし・スムーズ!

上述の通り、複数の相続人が不動産を共有する状態は様々なトラブルの原因となります。相続による不動産を処分する最もおすすめの方法が「換価分割」です。

この方法は、相続した不動産を売却して現金化し、そのお金を遺産分割協議の取り決めた割合か、もしくは法定相続分に基づいて分配する方法です。

不動産の相続は価値評価が難しく、相続の不公平性につながりやすいため、換価分割による分配が相続方法としてはベストの手段でしょう。

デメリットとしては特にありませんが、あえて挙げるとすれば、相続の控除額以上での売却額となった場合に譲渡所得を支払う可能性がある点でしょう。

換価分割以外の財産の分配方法としては、現物分割、代償分割があります。

現物分割 

現物分割は、財産をそのままの形で分割するやり方です。

例えば現金、土地、家が相続財産としてあり、相続人が三人いた場合、一人が現金、一人が土地、一人が家を相続するというやり方です。

このやり方は単純でわかりやすいですが、公平な分配ができないというデメリットがあります。

代償分割

代償分割は、複数いる相続人の中の特定の人が家などの財産を相続し、その相続人が他の相続人に対して、相応の現金等を支払う方式です。

特定の相続人が、まとまった額の現金を持っているなどの状況でないと実現が難しいやり方といえます。

相続登記が済んだ家・土地をできる限り高く売却する方法

相続登記が済んだ後は、一般的な不動産取引と同じように相続した家や土地を売却することが可能です。

できるだけ高く売却する方法としては、以下の2つのポイントをおさえて起きましょう。

①自分で市場調査を行って市場相場を知る

不動産を売却する際に大切なことは、市場相場を知ることです。市場の価格とかけ離れた、自分の希望する価格で売り出しても絶対に売却には至りません。

まずは自分が売りたい不動産と似た条件の物件を不動産販売サイトなどで探して、おおよその市場価格を理解しましょう。

自分が売りたい不動産と似た条件の物件の最低価格と最高価格を知るだけでも、不動産販売時の価格設定や値引きにどこまで応じるかの判断ができるようになります。良い価格設定こそ、不動産を高く売る秘訣です。

おすすめの不動産販売サイトは、公益財団法人不動産流通推進センターが運営する「不動産ジャパン」です。

不動産ジャパンのトップページ左上の「不動産物件検索・不動産会社情報」をクリックして、「不動産を探す【買う】」をクリックすると検索できます。

その他の価格相場を知る手段として、過去の成約情報を知ることも重要です。国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営するREINS Market Information(レインズ マーケットインフォメーション)というサイトから、自分の売却予定の不動産と似た物件の、過去の成約情報を確認しておきましょう。

②信頼できる不動産会社に依頼する

不動産を売却するにあたって、実際に売主ができることは限られています。販売広告を出して買主を探して売買契約を取り付け、物件の引き渡しを行うなどの、不動産の売却活動は不動産会社が行います。

信頼できる不動産会社に依頼できれば、売主にとって有利な価格条件での販売が可能になります。

信頼できる不動産会社に依頼するコツは、不動産一括査定サイトを利用することです。一括査定サイトは、不動産のエリアや面積などの基本的な情報をインターネット上から入力するだけで、多くの不動産会社から査定価格を受け取ることができます。

各社の査定価格の高さだけでなく、その査定価格となった根拠、メールや訪問査定での担当者の対応を比較して、自分にあった不動産会社を選択しましょう。

相続した家・土地の売却は「瑕疵担保責任」に要注意

相続した家・土地の売却は、自分が長年住んでいた家でないからこそ、調査が必要です。相続した不動産には雨漏りや給湯設備の不具合、埋没物など、物件の瑕疵(見えない不具合)がある場合があります。

売却した家や土地に瑕疵が見つかった場合、瑕疵担保責任が問われて、撤去費用や損害賠償などに発展する可能性もあります。もし売却にあたり不安があれば、ホームインスペクション(住宅診断)を行って、住宅に不備がないかを確認しておくのも一つの方法です。

また、相続した家が古い場合、周囲の土地との境界線がはっきりしていないケースもありえます。土地の境界がはっきりしていない場合、物件が売れる可能性が下がり、また売却後に近隣住民とのトラブルに発展する可能性もありえます。

まずは不動産会社に相談して、境界が確定しているかを確認し、境界が確定していない場合は、土地家屋調査士に境界確定を依頼することをおすすめします。

相続した親の家・土地を売却するために必要な費用

相続した親の家・土地を売却するために必要な費用については下記の通りです。


費用名 費用相場 支払いタイミング
登録免許税 不動産の固定資産税評価額×0.4%
例:土地の固定資産税評価額が1,000万円の場合、登録免許税は4万円。建物がある場合は建物に対しても登録免許税がかかる。
相続登記時
司法書士報酬
(司法書士に依頼した場合)
事務所によって異なる。
相場は約7〜10万円程度
相続登記時
不動産仲介手数料 (売買金額×3%+6万円)×消費税 売買契約時50%、引き渡し時50%。もしくは引き渡し時に100%
印紙税 ※売買契約書に記載された金額によって異なります。
例:500万円以上1千万円以下の物件の場合:5,000円(軽減税率適用)
売買契約時
建物解体費用(必要な場合) 木造で数十万円、RC造の場合は数百万円 物件販売前
整地費用
(必要な場合)
1㎡あたり500円〜2000円
※土地の状態による
物件販売前
土地測量費用
(必要な場合)
30万円〜100万円 物件販売前
インスペクション費用
(必要な場合)
約5万円 物件販売前(以降の費用発生タイミングは媒介契約前でも後でもありえます)
リフォーム費用
(必要な場合)
ふすまの交換や障子の張り替えなど:1万円以下
トイレ・洗面所:約20〜50万円
キッチンやお風呂:約50〜100万円
物件販売前。
買主の要請があって行う場合は売買契約後
ハウスクリーニング費用 全体で10万円以下、水回りのみなら5万円前後 物件販売前、内覧前
引っ越し費用(引っ越しが必要な場合) 約5万円〜6.5万円程度 物件引き渡し後

相続により課される税金・相続した親の家・土地の売却で課される税金

ここからは、相続により課される税金と、相続した親の家・土地の売却で課される税金について解説します。

相続税

相続税とは、ある人が亡くなり、その亡くなった人の財産を相続した人が払う税金です。

相続税は、相続開始を知った日(被相続人の死亡の日)から10ヶ月以内に現金で納める必要があります。

相続税には、基礎控除があり、財産が基礎控除に満たない場合は、相続税を支払う必要はありません。

相続税の基礎控除は以下の式で算出されます。

<相続税の基礎控除>
3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

例えば、父親が亡くなった家庭で、配偶者の母親と子供が三人いた場合、以下のような計算式になります。

3,000万円+(3人(母+子供2人)×600万円)=4,800万円

この過程の場合、相続した財産が4,800万円以下の場合は、相続税を払う必要はありません。

相続した財産が4,800万円以上の場合、相続税を支払う必要があります。

相続税の計算は、以下の式で算出されます。

(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)×相続税の税率

相続税の税率は、(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)の金額に応じて変わります。

(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)が1,000万円以下なら、税率は10%、3,000万円以下なら15%で50万円の控除、となります。

例えば(相続する財産の合計金額ー基礎控除額)の金額が1,500万の場合、

1,500万円×15%-50万円=175万円

となります。

さらに相続税にはその他、1億6,000万円までの控除が認められる「配偶者控除」や、後ほど解説する「小規模宅地等の特例」などが利用可能です。

自分の状況に合わせて活用しましょう。

所得税・住民税・復興特別所得税

相続した土地や建物などの不動産を売却した際の譲渡所得に対しては、「所得税・住民税・復興特別所得税」といった税金がかかります。これらは相続税とは別に支払う必要があります。譲渡所得に対する、各税の税率は以下の通りです。

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:平成25年から平成49年まで、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%

相続した家の売却で利用できる税金の特例

相続した家の売却で利用できる税金の特例としては、以下の特例があります。

ただし、その家に子供自身が住んでいなかった場合、以下の特例は適用されないので注意しましょう。

  • 3000万円の特別控除の特例
  • 10年超所有の場合の軽減税率の特例
  • 特定の居住用財産の買換え特例
  • マイホームの買換えの場合の譲渡損失の繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除

相続した土地の売却で利用できる税金の特例

相続した土地の売却で利用できる税金の特例として、「小規模宅地の特例」があります。これは、被相続人が住んでいた土地に対する評価額を80%、事業をしていた土地に対する評価額を50%減額するという特例です。

まとめ

それでは、親の家や土地を相続した場合の売却についておさらいしましょう。

記事のおさらい

  • 財産の不動産がある場合、公平に分配するためには遺産分割協議を行ったほうが良い
  • 相続人の間で、不動産の売却が決まった時点で不動産売却に動き出そう
  • 相続人が複数いても不動産の「共有名義」の状態はトラブルの原因になる。極力避けるべき
  • 相続する財産の分割方法は、換価分割、現物分割、代償分割の3つ。おすすめは換価分割
  • 不動産を高く売却するには、①自分で市場相場をつかむ②信頼できる不動産会社を選ぶ
  • 相続した家・土地の売却は「瑕疵担保責任」に要注意
  • 相続で課される税金は相続税だが、相続税は基礎控除が大きい
  • 相続した親の家・土地の売却で課される税金は、所得税・住民税・復興特別所得税

大切な人を亡くした後、財産の処分について考えるのは心理的につらいものがあります。

しかし相続税については10ヶ月以内に現金での納付が定められているため、相続問題は早急に動き出す必要があります。今回の記事が、親の家や土地などの不動産の売却の参考になれば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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