家のローンを払えない際の売却方法をわかりやすく解説します!

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不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

家のローンを払えない場合、どのように家を売却すればよいのでしょうか。この記事では、以下のような疑問や質問にお答えします。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 家のローンを払えないけど、どう売却していいかわからない
  • ローンの支払いが滞っても売却できるの?
  • 家のローンを払えない時は誰に相談すべき?

この記事では、家のローンを払えない場合に家を売却する手法である、競売と任意売却についてと、任意売却の具体的な流れ、任意売却業者を選ぶ際のポイント、家のローンを払えない際の注意点について解説します。

この記事を読めば、住宅ローンを払えない状況になった際、何をどのようにすればよいのかがはっきりわかります。

売却する前に!まずは金融機関に相談してみよう

離婚や失業、病気など様々な理由で住宅ローンの支払いが難しくなるのは珍しくありません。売却を考える前に、住宅ローンの借入先の金融機関に相談してみましょう。

金融機関の立場としても、なるべく債務者に継続してローンを返済してもらいたいと考えています。

「ローンが払えなくて気まずい」「できれば金融機関の人には会いたくない」という気持ちはわかりますが、早めに金融機関に相談に行けば、金融機関は相談に乗ってくれます。

ローンの滞納が続く前の段階で動くことが大事です。早めに相談することで、ローン返済のスケジュールの見直し(リスケジュール)や、金利の調整によって、月々のローン返済金額を減らすことも可能です。

リスケジュールを行なってもどうしてもローンを払えない状況になった後は、後述する任意売却を債権者に相談するという流れになります。

家のローン払えない場合に売却する方法は「競売」と「任意売却」

どうしても家のローンを払えない場合に売却する手段は

  • 競売(けいばい・きょうばい)
  • 任意売却

の2つです。

競売は、住宅ローンの保証会社がローン返済を肩代わりし、裁判所を通して家が売却にかけられる方法です。

売却で得られたお金は、肩代わりしてくれた保証会社に返済されます。

一方、任意売却は、債権者(住宅ローンを融資してくれた金融機関)の許可を得たうえで不通に売却し、自分で住宅ローンを返済し続ける方法です。

結論を言えば、競売にかけられる前に任意売却をしてしまったほうが良いです。

次章からは、ローンを払えなくなったときの選択肢「競売」と「任意売却」についてわかりやすく解説していきます。

ローンが払えない状況が続くと競売で売却される

住宅ローンを滞納し続けると、最終的には、競売になります。

滞納から競売になるまでの期間は金融機関によって異なります。

一般的な金融機関では滞納後6か月で「期限の利益喪失」となり、競売の手続きに入ります。

住宅ローンの期限の利益とは、住宅ローンを月々に少しずつ返済できる権利のことです。

期限の利益喪失になると、銀行などの債権者から債務者に対して、住宅ローンの残債を一括で支払う請求がきます。

ローン残債は大きな金額であるため、当然ですが、債務者は一括で払えません。そのため債務者の代わりに保証会社が、住宅ローンの残債を支払う「代位弁済」をします。

そして債務者である保証会社が裁判所に対して、競売申し立てを行います。早い場合は、滞納後3か月で競売の手続きに入る金融機関もあります。

裁判所は、住宅ローンの担保である住宅を差し押さえした後、入札形式で住宅を売却してそのお金を債務者(保証会社)に返済します。

これが競売です。競売による売却の場合、裁判所の調査による、競売の入札額の目安となる売却基準価額は、一般の市場で売却される価格のおよそ6~7割になります。

ただし必ずしも競売による売却価格が安くなるわけではなく、入札の状況や物件の状態によっては市場価格に近い価格で売却できるケースもあります。

また、競売の場合、債務者の意思とは関係なく売却までの活動が進んでいきます。

家を売却することがネットや新聞で公表される、購入検討している不動産会社が家の写真を撮りにくる、売却後はすぐに立ち退きを迫られる、売却代金の分配としての引越し費用が認められないなど、売却価格以外にもデメリットが多くあります。

競売より高く売却できる任意売却とは

任意売却は、住宅ローンが支払えなくなった際、通常は売却できない抵当権の入った住宅を、債権者の許可を得て売却して、住宅ローンを返済するやり方です。

家の時価が住宅ローンの残債を上回っていればアンダーローン、住宅ローンの残債の方が時価より高く、家を売っても完済できない場合がオーバーローンで、任意売却の多くのケースがこのオーバーローンになります。

オーバーローンの場合は、家を売却して得たお金でローンを返済し、売却後に残ったローン残債を、その後も返済していきます。

任意売却を選ぶと良い理由

任意売却を選ぶ理由、つまりローンを全て返済できるわけでもないのになぜ任意売却を行うのかといえば、競売よりも有利な条件で家を処分できるからです。

任意売却を行うことで、金融機関は競売よりも効率的に債権額を回収できて、債務者にとっては新しいスタートを切るきっかけになります。

例えば毎月15万円の返済を行っていた人が、家賃8万円の家に引越せば毎月7万円の経済的な余裕ができます。

この中からローンを返済していくことも十分可能です。

任意売却と競売の違い

任意売却と競売の具体的な違いとしては、任意売却は競売よりも高値で売却できる可能性が高いこと、債権者と協議しながらも価格設定や引き渡しのタイミングなど、自分の意思を売却活動に反映できること、周りの人にローンが払えなくて売却したことを知られないことなどです。

上述の通り、滞納後6か月が経過すると競売の手続きが進み、競売までのタイムリミットが設定されてしまいます。

競売の取り下げを依頼して、任意売却に切り替えることも可能ですが、債権者が取り下げに応じるとは限りません。

そのため、できれば債権者が裁判所に対して競売の申し立てをおこなう前の段階で、債権者に任意売却の同意を得ることが大切です。

ただし、任意売却でも売却できない期間が続けば、やがて債権者は競売の手続きに入ります。

任意売却と一般的な売却の違い

では、任意売却と、一般の不動産売却との違いはなんでしょうか。

売却活動を金融機関や保証会社など債権者と相談しながら進めていく点、家を売却した後もローンを返済していく点を除いては、一般の不動産売却と基本的に変わりません。

ただし、任意売却ができる期間は、債権者によって期限が定められています。一般的な売却期間としては、3か月から6か月程度です。

住宅を売却する際に、住宅ローンが残っていない場合、または家を売却して残りのローン残債を手持ちの資金などで返済できる場合が一般売却、返済できない場合が任意売却となります。

任意売却の流れ

ここからは、任意売却の具体的な流れについて解説していきます。

  1. 任意売却専門の不動産会社に相談する
  2. 家の売却について保証会社、金融機関の了解を得る
  3. 家の販売活動を行う
  4. 売買契約を行う
  5. 家の引き渡し、決済、抵当権抹消登記、引越し

任意売却専門の不動産会社に相談する

任意売却を依頼する場合、一般的な不動産売買を行っている不動産会社ではなく、任意売却専門の不動産会社に、任意売却の仲介を依頼する必要があります。

任意売却も不動産売却なので、普通の不動産会社でも受け付けてはくれます。

しかし任意売却には、金融機関や保証会社との綿密な調整が必要であり、そのためには任意売却に関する知識と経験が求められます。

任意売却の実績が少ない、もしくはまったくない会社に依頼するのではなく、任意売却専門の不動産会社に依頼しましょう。

任意売却の手続きは、住宅ローンを滞納した後から始めることができます。

早めに相談した場合の交渉相手は任意売却を始めたタイミングによって異なり、銀行などの金融機関、代位弁済後の場合は保証会社となります。

家の売却について保証会社、金融機関の了解を得る

売却をしても住宅ローンを返済できない場合の家の売却については、債権者である保証会社もしくは金融機関の了解を得る必要があります。

代位弁済がおこなわれて債権者が銀行から保証会社に移ると、交渉相手は銀行から保証会社、もしくは直接取り立てを担当する債権回収会社(サービサー)になります。

なぜなら住宅ローンで購入した住宅には、抵当権がついているからです。

抵当権とは、ローンの返済が滞った場合にその住宅を差し押さえることができる権利です。

厳密には、抵当権がついている不動産でも売却はできるのですが、いつ差し押さえられるかわからない家を買う人はいません。

そのため任意売却としての活動の第一段階としては、任意売却専門の不動産会社を通じて、債権者に任意売却をおこなう旨を伝えてもらうことです。

債権者の了解については、多くの債権者は、競売より売却金額が大きくなる任意売却を進めることについて前向きに対応してくれます。

家の販売活動を行う

家の販売価格の決定権は債権者にあるため、債権者との交渉の上、いくらで売り出すのかが決まります。

債権者の同意が取れたら、家の販売活動を行います。

具体的な販売活動としては、物件のチラシ作成、不動産ポータルサイトへの広告掲載、物件購入希望者の内覧対応などの売却活動を行います。

上述した通り任意売却には、債権者が取り決めた売却期間(3〜6か月程度)が決まっています。

競売になる前に売却するため、売却期間の間に売却を成立させる段取りの力も、重要になります。

売買契約を行う

購入希望者が見つかったら、売買契約を行います。

基本的には通常の不動産売却と同様ですが、手付金の扱いは異なります。

手付金を売主側の不動産会社が預かるケースや、手付金を受け取らないケースもあります。

これは、債務者が夜逃げを防ぐために行われています。

任意売却の場合は、債権者にこの売却金額で売却してよいかの最終確認と、売却額をどのように分配するかの交渉も行います。

債務者への配分として、債権者が同意してくれる可能性の高い費用としては、不動産会社への仲介手数料、引越し代、抵当権抹消登記の費用、固定資産税の滞納金、マンションの管理費や修繕積立金の滞納金といった費用があります。

ただし決定権は債権者にあるため、上記の費用が必ずしも認められるわけではありません。

家の引き渡し、決済、抵当権抹消登記、引越し

引き渡し前に、債務者の引越しを終わらせておく必要があるので注意しましょう。

引越しのタイミングも債権者との協議の上で決定されます。

通常は売買契約の1か月後程度の期間をおいて、決済と家の引き渡し、抵当権抹消登記が行われます。

引き渡しは、通常の不動産売却と同様に、登記のための書類一式と、売買代金の領収書を渡して引き渡しは完了です。

任意売却業者を選ぶ際のポイント

任意売却業者を選ぶ際のポイントは主に3点で、まずひとつは任意売却の実績があることです。

必ず任意売却専門の不動産会社を選びましょう。

任意売却は時間との勝負なので、任意売却の知識や経験のない会社に依頼したら貴重な時間が過ぎてしまいます。まずは依頼先の実績を最優先で確認しましょう。

第2のポイントは、売却後についてもきちんと説明してくれるかどうかです。

任意売却の場合、ローン残債の問題や引越しの問題があります。

債権者と交渉して引越し代金を確保してくれるか、ローン残債の分割返済交渉を、無理のない返済範囲で調整してくれるかなど、売却後のフォローについてサポートしてくれる会社を選びましょう。

第3のポイントが、弁護士や司法書士と提携していて、提携先の名前をしっかりとホームページ等で明記しているかです。

任意売却は性質上、法的な知識が要求されます。

そのため、不動産会社は提携先の法律の専門家とタッグを組んで交渉に当たっていく必要があります。弁護士や司法書士と提携のない会社は避けた方がよいでしょう。

誰もが知っている大手不動産会社は、ほとんど任意売却を取り扱っていません。

そのため基本的には中小企業から任意売却専門の不動産会社を選ぶことになります。

上記3点を踏まえた上で、自分の家のエリアで取り扱いが可能な不動産業者に問い合わせを行いましょう。

任意売却は悪徳業者に注意する!

任意売却の際、気をつけて欲しいのが悪徳な業者による詐欺です。

任意売却業者と名乗って、手数料を最初に要求したり、売却代金を安く報告して差額を着服したりする詐欺があります。

通常であれば気づきそうな手口でも、住宅ローンの滞納や競売が迫っているというプレッシャーの中では、冷静な判断ができないケースが多くあります。

もちろん上記の例は稀なケースであり、任意売却会社の多くが真っ当な会社ですが、このように弱い環境にいる人を狙っている悪徳業者が存在することは覚えておきましょう。

騙されないためのチェックポイントをいくつか紹介します。

  • 仲介手数料以外の費用を要求してくる不動産会社
  • 「市場より必ず高く売ります」など約束できないことを言う不動産会社

まず仲介手数料以外の費用を要求してきたら間違いなく詐欺です。

銀行など金融機関から不動産会社が紹介されるケースがあり、この場合は信頼できるでしょう。

その他、「市場価格より必ず高く売ります」など、本来は誰も約束できないことを言う業者は避けましょう。

またお金の受け渡しの現場には必ず自分が同席することで、業者による着服は防げます。

焦る気持ちはわかりますが、甘い言葉には耳を貸さず現実的な話ができる不動産会社を選びましょう。

家のローンを払えない際の注意点

ここまでは任意売却を中心に解説してきました。

ここでは、家のローンを払えない際に絶対にやるべきではない方法について解説していきます。

他の消費者ローンを利用して返済する

住宅ローンという借金を返せないから、他の消費者ローンを利用して返済するというやり方は確実に失敗します。

消費者ローンから借りて住宅ローンを返済したとしても一時しのぎに過ぎず、今度は高金利の消費者ローンへの返済に苦しむことになります。

上記の通り、まずは金融機関に相談し、どうしても返済が難しいようであれば、任意売却を行い、再スタートのための環境づくりを行ないましょう。

夜逃げは解決どころか事態を悪化させる

夜逃げは何の解決にもなりません。

家は競売に売られて、住宅ローンの残債が残り、延滞金が増え続けます。債権者に場所が見つかるので住民票を移せず住民登録ができないため、健康保険も使えません。

免許証、パスポートの更新もできなくなります。

住民票をだせなくなるため、定職につくのも難しいです。

夜逃げではなく、任意売却や自己破産といった現実的なやり方をすれば必ず問題は解決します。

まとめ

それでは、家のローンを払えない際の家売却についてまとめていきましょう。

記事のおさらい

  • 家のローン払えない場合、売却する方法は「競売」と「任意売却」
  • ローン滞納したらまずは金融機関に相談する
  • 任意売却を行う場合も、滞納が長引く前に早めに不動産会社に相談する
  • ローンが払えない状況が続くと競売で売却される。競売より高く売却できる任意売却で先に売るのがオススメ
  • 任意売却の場合は任意売却専門会社に仲介を依頼する
  • 任意売却の売却期間、価格設定、売却の可否など任意売却の決定権は債権者にある
  • 任意売却業者を選ぶ際のポイントは、実績、アフターサポート、法律の専門家との提携
  • 任意売却は詐欺に注意。また消費者ローンで住宅ローン返済、夜逃げはやらない

家のローンを払えない際の売却は、記事でも書いた通り、競売もしくは任意売却です。

競売だからといって必ずしも売却金額が低くなるわけではありません。

しかし、それ以外の売却の公表や債権者との交渉、立ち退きといった様々なデメリットが存在するため、基本的には家の売却について債務者の意思が反映される任意売却をおすすめします。

任意売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社を選びましょう。

住宅ローンを滞納したとしても、必ず解決手段があります。

「住宅ローンが払えない」と滞納で悩まれている方々に、今回の記事がお役に立てば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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