離婚すると家はどうすれば良い?離婚時の不動産の処分方法を徹底解説!

2019.05.21投稿 離婚すると家はどうすれば良い?離婚時の不動産の処分方法を徹底解説!
監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

離婚の際にみんな頭を悩まされるのが家の問題です。

家は夫婦の共有財産である以上、どのようにして分ければよいのでしょうか。また住み続ける場合はどのように手続きをすればよいのでしょうか。

この記事では離婚したときの家に関係する下記のような疑問や質問にお答えします。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • 離婚した時、家は誰のものになる?
  • 離婚した後の家の住宅ローンは一体誰が払うの?
  • 離婚した後の家の処分方法はどうすればいいの?

ただでさえ離婚の問題で頭を悩ませているところに、家の処分の問題まで重なると精神的にも参ってしまいますよね。

この記事では、離婚が決まった場合にまず考えるべきこと、売却か保有して住み続けるべきかのポイント、離婚時の売却の注意点、離婚を決めてから、家を処分するまでの流れ、転居した場合の手続きなど、離婚したときの家に関する諸手続き全般について解説していきます。

この記事を読むことで、離婚の際に家をどうすれば良いかがハッキリと理解できます。

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離婚が決まったら家は売却するべき?住み続けるべき?

離婚が決まったら家を売却するべきでしょうか、それとも住み続けるべきなのでしょうか。

もっとも良い解決方法とその他の方法について解説していきます。

一番良い方法は家を売却して財産分与するパターン

離婚した際の家の取り扱い方法のうち、もっともあと腐れなくおすすめの方法は、家を売却して売却して得たお金を半分ずつ分ける方法です。

マンションや一戸建てなど物件種別に限らず、不動産は現金と違い分けるのが難しい財産です。現金化して分ける方法なら、不公平感なくお互いが納得できます。

離婚後も家に住み続けることは可能だが問題点も

上述の通り、離婚した場合、家は売却して財産分与する形がおすすめです。ただし事情によっては、離婚後も家に住み続けることを希望する人もいるでしょう。

離婚後も家に住み続ける場合の注意点としては、まず、住宅ローンの問題があります。

離婚後も住み続ける場合、誰かが住宅ローンを返済し続ける必要があります。その際、住む人が払うのか、あるいは例えば夫が払い続けて妻子が住み続ける形になるのかという問題が出てきます。

離婚と住宅ローンの詳細については記事後半で解説します。

家の名義人が夫(または妻)でも夫婦共有の財産とみなされる

多くの人が勘違いしていますが、家の名義人が夫名義だからと言って、家が夫だけの財産であると言うわけではありません。

結婚後に築いた財産は夫婦が協力して築いた財産とみなされます。また共働きや専業主婦といったことにかかわらず、財産は半分ずつ分けることが原則となっています。

例えば妻が結婚生活中、一度も働いていないからといって、その間に築いた財産は全て夫のもの、ということではないのです。

離婚で家を売却する場合のポイント

ここからは、離婚して家を売却する場合のポイントについてケース別に解説していきます。

離婚時に住宅ローンがない場合

離婚した際に、家に住宅ローンが残っていない場合、基本的には家を売却した後は売却して得られたお金を半分に分ければ済みます。

このパターンであれば一番話が簡単です。

離婚時に住宅ローンを払い続けている場合

多くの人は住宅ローンがある状態で離婚します。ここでは、離婚と住宅ローンの問題について詳しく解説していきます。

借金・ローンの離婚後の扱い

基本的には、借金も結婚生活において作った財産として財産分与の対象として考えられます。ただし例えば夫がパチンコのために借りた借金があった場合、パチンコと結婚生活は何の関係もありませんので、パチンコの借金は夫個人の借金として扱われます。

家は財産分与の対象となる財産です。離婚時の住宅ローンの扱いを考える際に注意したいのは、離婚したという理由で簡単に連帯保証人から外れたり、名義変更をすぐにできたりするものではないということです。あくまで住宅ローン契約の内容に基づいて考えていくことが重要です。

住宅ローン契約時に夫が契約者、妻が連帯保証人になっているケースが多くあります。離婚は連帯保証人から外れる理由にはなりません。妻が連帯保証人から外れる方法としては3つあります。

妻が連帯保証人から外れる方法

  1. 夫個人で新たに住宅ローンの借り換えを行うこと
  2. その他の担保となる不動産を担保に入れること。
  3. 夫の親兄弟など、代わりに連帯保証人になる人物を見つけること。

他の人が連帯保証人になることを条件に金融機関と交渉することで、連帯保証人から外れる可能性はあります。が、夫側の人間がそこまで協力的に動いてくれる可能性は低いと思われます。

このように連帯保証人から外れることは簡単ではないのです。

まずは住宅ローンの契約内容を確認する

離婚の際、家の問題を考える際にまず真っ先にやるべき事は住宅ローンの契約内容を確認することです。名義人が誰になっているのか、連帯保証人は誰がなっているのか、住宅ローンの残債はいくらかについて確認しましょう。

住宅ローンの残債は、不動産を売却する上で非常に重要です。次項で詳細に解説します。

住宅ローンの残額と不動産の売却価格の関係(アンダーローン・オーバーローン)

住宅ローンの残額が住宅の売却額を下回る場合がアンダーローンで、ローン残額が家の売却額を上回る場合がオーバーローンです。

アンダーローンの住宅の場合、家を売ったお金で住宅ローンを全て返済して、残りのお金を財産分与すればよいだけなので、特に問題はありません。

問題はオーバーローンの場合です。

オーバーローンの場合、住宅を売っても住宅ローンが残るため、オーバーローンの住宅を売る場合は、住宅ローンの残りをその他の保有資産で返済するか、あるいは任意売却という形で売却を実施するかになります。

任意売却とは、売却後も住宅ローンが残る住宅を銀行などの債権者の了解を得て、売却する手法です。

離婚を決めてから、家を処分するまでの流れ

ここからは離婚を決めてから、家を処分するまでの流れについて解説していきます。

家を含めた資産の確認

まずは家を含めた資産の確認が必要です。家以外にも車や銀行預金、株式などの有価証券といった財産があります。

もれなくリストアップして、どの財産が財産分与の対象となる財産かを選定します。

財産分与の方式の話し合い(もしくは離婚調停か離婚裁判)

財産分野の対象となる財産が確定したら、どのように夫婦間で分けるかを話し合います。

家に関する話し合いとしては、家を売るのか、売るならどのような方法で売却するのか、あるいはどちらかが継続して住むのか、その場合は住宅ローンの残債はどちらが払うのかなどを行います。

夫婦間の話し合いで折り合いがつかなかった場合は離婚調停、それでも折り合いがつかない場合は離婚裁判でどのように財産分与するかが決定されます。

不動産売却のために動き出す

話し合いの結果、不動産売却に決まった場合についてお話します。

まず不動産の売却額で住宅ローンの残額が支払える場合(アンダーローンの場合)は、通常通りの売却ができます。一般的な不動産会社に査定を依頼して、査定をもとに仲介を依頼して売却する流れになります。

不動産を売却しても住宅ローンが返済できないオーバーローンの場合での売却は、任意売却となります。任意売却は通常数ヶ月、住宅ローンを滞納することが要件となりますが、実際は金融機関の合意を得られれば滞納していなくても実施可能です。

任意売却の場合は通常の不動産会社ではなく、任意売却の実績のある不動産会社に依頼しましょう。会社選びのポイントは、任意売却専門であること、弁護士や司法書士とも提携していることなどが挙げられます。

不動産を売却する場合にとる方法

  • 売却によって住宅ローンの残りを支払える場合:通常の売却
  • 売却によって住宅ローンの残りを支払えない場合:任意売却

離婚後も家に住み続ける場合のポイント

離婚後も家に住み続ける場合のポイントについて確認していきましょう。

名義人が夫である場合、名義人の変更ができない可能性がある

名義人には法務局で登記した所有名義人と、住宅ローンの名義人の2種類の名義があります。物件を売却できる権利があるのが所有名義人で、住宅ローンを支払う義務を負うのがローン名義人です。

例えば家の名義人が夫で、夫が家を出て妻と子供が離婚後も家に住み続けるケースで、所有名義人を妻に変更したいとします。

しかし、住宅ローンの契約上、金融機関の許可なしに所有名義人の変更は認められていません。

金融機関は名義人の変更には難色を示す場合が多く、新しい名義人である妻に安定した収入があり、住宅ローンの返済能力があるかを確認されます。返済能力がないと判断される場合は、名義変更の許可が下りない可能性が高いです。

夫が住宅ローンを支払い妻が家に住み続けることはできる?

家の名義人が夫で、離婚後も夫が家に住み続ける場合は特に問題はありません。

では、夫が家を出て住宅ローンの支払いを行い、妻が家に住み続けることはできるのでしょうか。結論から言うと、いくつかのリスクを抱えることになるのでオススメはできません。

リスク1.住宅ローンの契約違反になる

夫名義の家に、妻子が住み続ける場合、名義人が居住していない状態になるため、厳密には住宅ローンの契約違反になり、金融機関から一括返済を求められる可能性があります。このケースの場合は、まず金融機関に相談して了解を得る必要があります。

リスク2.夫による住宅ローン返済が滞る可能性がある

また、夫が返済を滞納した場合、ある日突然家が競売にかけられるリスク、あるいは妻が連帯保証人であった場合は住宅ローンの請求が妻に来るケースもあります。夫が新しい住居の家賃の支払いなどもあり、住宅ローンの返済が止まるケースは多く、離婚時に約束したとしてもそのまま信じるのは極めてリスクが高いです。

夫が住宅ローンを払い続ける取り決めをしたい場合は、弁護士など専門家に相談して、公正証書を作成するなど住宅ローンの滞納が起こった場合に夫に請求できる仕組みづくりが必要です。

リスク3.住宅ローン完済後に別のトラブルを生みかねない

そのまま無事に住宅ローンを完済した場合も問題です。夫はローン返済し続けてとうとう完済した家を自分のものと考え、一方で妻は住み続けているために自分の家であると考えます。この場合、夫が家を売却しようとしても妻が拒むといった別のトラブルの火種になりかねません。

このように、夫が住宅ローンを支払い妻が住み続ける形は多くのリスクを抱えています。

妻が住み続けるためには、金融機関に相談して妻のローン返済能力がある点を証明するか、住宅ローンの借り換えを妻が行うか、いずれにしても妻に安定した収入がないと難しいといえます。

引っ越しの問題などもあるためケースバイケースにはなりますが、将来的なリスクを考えると離婚の際は、家は任意売却で処分した方が新しいスタートを切るためにも有利に働くかと思われます。

財産分与の対象とならない資産もある

離婚した場合、全ての財産を2分の1に分けるわけではありません。

財産分与の対象とならない資産としては、結婚前の貯金や家具、自分の親から相続した現金や不動産、服などの個人的なものなどが挙げられます。

また夫婦生活期間中に購入したものでも、夫か妻のいずれかが単独で利用することが前提で購入されたものも財産分与の対象外となります。

財産分与の対象外(例)

  • 結婚前の貯金や家具
  • 自分の親から相続した現金や不動産
  • 服などの個人的なもの
  • 夫か妻のいずれかが単独で利用することが前提で購入されたもの

家を売却するしないに関係なく、転居した場合にしたほうが良いこと

ここからは、家を売却するしないに関係なく、転居した場合にしたほうが良いことについて確認していきます。

郵便局へ転居届を出す

離婚によって引っ越しをした場合、郵便局に転居届を出しましょう。転居届を出していない場合は、もとの住所に郵便物が送られることになるためです。転居届けを出せば、旧住所宛の荷物が1年間新住所に転送されます。

忙しくてなかなか郵便局に行く時間をとれない人は、パソコンやスマホなどで、インターネット上の「e転居」というサービスを利用して転出届を出すことができます。

転居の日程が決まったら忘れずに転出届を出しましょう。

居場所を知られたくない場合は住民票閲覧制限の手続きをする

元配偶者のDVやストーカー行為、児童虐待など、さまざまな事情により元配偶者に居場所を知られたくない場合は、除票を含む住民票の閲覧制限の手続き(DV等支援措置)をすることも可能です。

DV等支援措置の流れは以下の通りです。

  1. 相談者が警察、配偶者暴力相談支援センター、児童相談所などの相談機関に相談して、申出書(住民基本台帳事務における支援措置申出書)を提出する。
  2. 相談機関から相談機関の意見を申出書に添付してもらう。
  3. 相談者が相談機関の意見が付された申出書を市区町村に提出する。
  4. 市区町村が相談機関にも確認した上で、住民票の閲覧制限といった支援措置が開始される。

まとめ

それでは、離婚した際の家の取り扱いについてまとめていきましょう。

記事のおさらい

  • 離婚の場合、家は売却した方が良い
  • 住宅ローンがない場合、売却で住宅ローンが返済できる場合は売却して財産分与がベスト
  • 住宅ローンがある場合でも、将来的なリスクを考えると任意売却して残った債務を整理した方が良いと思われる
  • 元配偶者に居場所を知られたくない場合は、除票を含む住民票の閲覧制限の手続きも可能

離婚する場合、離婚そのものについて意識が向いてしまい、家のことについてじっくり考える余裕がないかもしれません。

しかし、家は一番大きな共有財産であり、家をどう処分するかは、離婚後の生活をどうするのかに密接に関わってきます。

今回の記事が、参考になれば幸いです。

監修の中村裕介さんの写真

不動産ライター兼不動産経営者

監修 中村裕介

宅地建物取引士、保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。

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