マンション査定はどのように行われる?査定方法を理解して高額売却!

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宅地建物取引士

監修 逆瀬川勇造

折角マンションを売却するのであれば、できるだけ高く売却したいと思いますよね。

マンションを高く売却するにはいくつかの方法がありますが、本記事ではそのなかでも、「マンション査定の方法を知り、不動産会社の査定価格の根拠を知ることで高額売却を目指す」方法についてお伝えします。

この記事ではこんな疑問に答えます!

  • マンション査定にはどのような方法がある?
  • マンションの査定価格の計算法を知りたい
  • 机上査定と訪問査定の違いは?
  • マンションをできるだけ高く売却するにはどうすればよい?

本記事では上記のような疑問をお持ちの方に、マンションの査定方法や計算方法、そのほか基本的な内容をお伝えします。

本記事を読むことで、マンション査定の方法について理解でき、さらにマンションの高額売却につなげる方法を知ることができます。

まずは、マンション査定の3つの方法から解説していきます。

マンション査定の3つの方法

マンションの査定では、主に以下の3つの方法が用いられます。

  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

ここでは、これら3つの方法について概要をお伝えします。

方法の名前だけ見ると難しく感じられるかもしれませんが、ざっくりどういう方法なのかつかめれば大丈夫です。

取引事例比較法

取引事例比較法とは、査定するマンションと類似した条件の取引事例を参考にして価格を算出する方法です。

査定するマンションと、取引事例のマンションで参考にする要素には以下のようなものがあります。

  • 面積
  • 間取り
  • 住宅設備
  • 築年数
  • 階数
  • 向き
  • 駅からの距離
  • 公示価格や路線価

査定するマンションと取引事例として選んだ物件とで上記要素に違いがあるときは、その違いについて考慮し、価格の時点修正や事情補正を行います。

なお、過去の取引事例についてはインターネットで検索できるほか、不動産会社のみが利用できるレインズや、不動産会社独自の過去の成約事例などを参考にします。

原価法

原価法は、同じマンションをもう一度建築したときにいくらかかるか(再調達価格)を求め、マンションの老朽化や経済状況などを減価修正して査定価格を算出するの方法です。

原価法では建物と土地、それぞれについて再調達価格を算出します。

建物についてはさらに建物を再度建てるための費用を合計して求める直接法と、対象の不動産と類似した建物から費用を求める間接法があります。

また、土地については土地を造成したときにいくらかかるのか求めることになります。

収益還元法

収益還元法はマンションが将来生み出すであろう収益を現在価値に割り引いて査定価格を算出する方法です。

具体的には、マンションが生み出す純収益を、設定した利回りで割り引いて算出します。

なお、1年間の収益から査定価格を算出する直接還元法と、マンションを保有する期間中に得られる収益を現在価値に割り引いて算出するDCF還元法の2つの方法があります。

マンション査定で取引事例比較法を利用するケースと計算法

マンション査定の3つの査定法についてお伝えしましたが、まず取引事例比較法を利用するケースと計算法について解説します。

個人のマンション売却でよく用いられる方法

取引事例比較法は、売却するマンションと類似するマンションの過去の取引事例を元に査定価格を算出する方法です。

マンションは同じ建物内に同じ間取りの部屋が複数あるのが一般的です。

また同じマンションでなくとも、駅からの距離などが同程度のマンションを見つけやすいです。

そのため、マンション査定では取引事例比較法がよく用いられます。

取引事例比較法の計算法

取引事例比較法で求めた価格は「比準価格」と呼ばれ、比準価格を求める計算式は以下のようになります。

比準価格
=取引事例の価格×事情補正×時点補正×標準化補正×地域要因比較×個別要因比較

それぞれの修正や補正の内容は以下の通りです。

事情補正 投機目的の売買など特殊な事情を補正します。
時点修正 取引事例が売買された時点と現在の時点で変動した不動産価値を修正します。
標準化補正 取引事例が角地や不整形地である場合などに標準化するといくらで売買されるのかを補正します。
地域要因の補正 道路状況や交通量など取引事例と対象のマンションに格差がある場合に補正します。
個別要因の補正 接道状況や日当たりなど個別の要因を補正します。

マンション査定で原価法を利用するケースと計算法

次に、マンション査定で原価法を利用するケースと計算法をお伝えします。

居住用一戸建てでよく利用される

原価法では建物と土地別々に価格を求めます。

土地においては「土地の造成費」から求めますが、すでに市街地となっているエリアでは査定が困難です。

土地を原価法で求めるのはそもそもあまり一般的ではありません。

そのため、土地と建物が一体化したマンションでは原価法が用いられることは多くありません。

一般的に原価法は居住用の一戸建ての建物部分を査定するのに用いられます。

一方で土地部分については原価法とあまりなじまないため、建物部分とは別に、取引事例比較法がよく利用されます。

よく利用される査定法

  建物 土地
居住用一戸建ての査定 原価法 取引事例比較法
居住用マンションの査定 取引事例比較法 取引事例比較法

ただし、取引事例比較法で価格を算出するための取引事例が少ないなど特殊な事情がある場合にはマンションの査定で原価法を用いることもあります。

原価法の計算法

原価法で求める価格を「積算価格」と呼び、積算価格のうち、建物分は以下の計算式で求めます。

建物の積算価格
=再調達価格(総面積×単価)×{残耐用年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数}

「単価」は建築業者に発注して完成した場合の標準的な建築費に発注者に各種経費を加えて算出します。

後半の耐用年数は建物の構造ごとに定められた以下の法定耐用年数を用います。

構造 耐用年数
RC造 47年
重量鉄骨 34年
木造 22年

一方、土地の積算価格は以下の計算式で求めます。

土地の積算価格
=路線価や公示価格×面積―土地の形状や立地による修正

マンション査定で収益還元法を利用するケースと計算法

最後に、マンション査定で収益還元法を利用するケースと計算法をお伝えします。

投資用マンションで用いられる方法

収益還元法は主に投資用マンションなどの価格を求めるのに用いられます。

居住用マンションとして購入したマンションでも、転勤などで一時的に賃貸していたマンションを売却するようなケースでは、オーナーチェンジ物件として投資用マンションと同じく収益還元法で価格を算出することもできます。

しかし、収益還元法で価格を求めるより、取引事例比較法で算出した方が高い価格になることもあるため、オーナーチェンジ物件を売却する際には、

  • 入居者を退去させてから居住用マンションとして売却するか
  • オーナーチェンジ物件として投資用マンションとして売却するか

慎重に検討する必要があります。

売却の際は不動産会社の担当者に両方の方法で計算してもらってから決めるとよいでしょう。

収益還元法の計算法

収益還元法で求める価格は「収益価格」と呼びます。

先述のとおり、収益還元法には直接還元法とDCF法の2つの方法があります。

まず、直接還元法で収益価格を求める計算式は以下の通りです。

収益価格=1年間の純収益÷還元利回り

なお、還元利回りは類似物件の取引事例などを元に設定します。

次に、DCF法では年ごとに純収益を求め、その収益を現在価値に割り引くと共に、最終的に売却して得られる売却価格も現在価値に割り引いて、それらを合計して求めます。

つまり、直接還元法が1年間の収益しか見ない一方、DCF法では保有期間中の収益と売却時の収益を全て考慮することができます。

机上査定・訪問査定の違いは「正確性」

ここまで不動産会社が行う3つの査定方法について解説してきました。

売主がマンションの査定を不動産会社に依頼するとき、机上査定にするのか訪問査定にするのかを選ぶことができます。

これらの違いはどこにあるのでしょうか。

机上査定とは

机上査定とは登記簿謄本や図面など資料やデータのみを用いて査定する方法で、実際にマンションを見ないため、正確さに欠けるものの、早く査定結果を得られるというメリットがあります。

多くの場合、査定を依頼してから30分~1時間程度、遅くとも1日あれば査定結果を聞くことができるでしょう。

訪問査定とは

訪問査定とは、机上査定を行った上で、実際にマンションを訪れて査定する方法です。
マンション内の老朽化の状態や周辺環境など細かく査定を受けることができるため、正確な査定価格を得られやすい代わりに時間がかかるというデメリットがあります。

一般的に査定を依頼してから1週間程度の時間がかかると考えましょう。

実際に売却するなら訪問査定が必要

上記通り、訪問査定は正確な査定を受けられるものの早さの面で劣り、机上査定は早く査定結果を得られるものの正確さに欠けます。

なお、実際にマンションを売却するのであれば、最終的には訪問査定を受けなければなりません。

最初から売却を前提に査定を受けるのであれば、訪問査定を選んだほうがよいでしょう。

査定価格は売れる価格ではなく「目安」である

取引事例比較法や原価法、収益還元法を用いて査定価格を算出してもらったとしても、必ずしもその価格で売買が決まるわけではありません。

ここでは、「査定価格」と「売却価格」、「成約価格」、これら3つの価格の違いについてお伝えします。

査定価格とは

査定価格は不動産会社が取引事例比較法などの査定法を用い、査定者のそれまでの経験を元に算出されるものです。

査定を依頼する不動産会社によっても異なる、あくまでも「査定者の一意見」による価格です。

もちろん、査定価格のまま売買が成立することもありますが、最終的な価格である「成約価格」とは数百万円の違いが出ることもあります。

売却価格とは

売却価格とは、不動産会社による査定価格の提示を受けたあと、売主と査定者とで話し合いを行い、実際に売り出す際に用いる価格です。

この売却価格は「少しでも早く売りたいから相場よりも安く」したり、「時間がかかってもよいから相場よりも高く」したりすることができます。

成約価格とは

成約価格は実際に売買が成立したときの価格です。

売却価格で売り出したにも関わらず、一定期間売買が成立しないときには「値下げ」の判断が求められます。

また、いざ買主が見つかったとしても、最終的に買主から価格交渉が持ちかけられることもあります。

これら値下げ判断や価格交渉についてどう対応するかは売主の自由ですが、あまり長い期間売れ残っていると、商機を逃す可能性があるため、適切な判断が求められます。

不動産会社によって査定価格が異なる理由

査定価格は、査定を依頼する不動産会社によって異なることをお伝えしましたが、なぜ異なるのでしょうか?

ここでは、その理由について以下の2点に絞ってお伝えします。

  • 比較するマンションで査定価格が異なる
  • 不動産会社にも得意不得意がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

比較するマンションで査定価格が異なる

マンション査定では取引事例比較法がよく用いられることをお伝えしましたが、取引事例比較法ではどの取引事例を選ぶかによって査定結果が異なります。

この、どの取引事例を選ぶかについては査定者の経験や技術に頼るところが大きく、必ずしも同じ取引事例が選ばれるわけではありません。

査定結果を聞く際には、どのような取引事例を選んだかと、その理由を聞くとよいでしょう。

不動産会社にも得意不得意がある

取引事例比較法や原価法、収益還元法はそれぞれ参考価格を求めるもので、最終的なマンションの査定価格は査定者が決めることになります。

そして、最終的な査定価格の決定においては査定者のそれまでの取引経験が大きく影響します。

過去の取引で査定マンションの類似物件を高値で売却できていれば査定価格も高く、その逆であれば安くなるでしょう。

査定を依頼する不動産会社によって、ファミリータイプのマンション売却が得意な会社やワンルームタイプのマンション売却が得意な会社があります。

売却するマンションと同じタイプのマンション売却を得意とする不動産会社に査定を依頼すれば、査定価格と、その後の成約価格を高められる可能性が高いでしょう。

要注意!最初に高い査定価格を提示して後で値下げする会社もある

査定価格と売却価格、成約価格との違いをお伝えしましたが、不動産会社の中には最初に高い査定価格を提示し、最終的に大きな値引きをして売買を成約させる会社もあります。

これは、売主としてはできるだけ高い査定価格を提示してくれる不動産会社を選びやすいという心理を利用し、まずは価格査定から媒介契約を得ようと考えている場合に行われます。

このような不動産会社に媒介を依頼すると最終的に損をする可能性が高いため注意が必要です。

良いパートナーとなれる不動産会社を見つける方法

上記のような査定価格の提示を行わない、良いパートナーを見つけるためには、査定価格の提示時に以下のような点に注意するとよいでしょう。

  • 査定価格の根拠を聞く
  • 直近の取引事例、得意としているマンションタイプについて聞く
  • どのように売却活動を展開するかを聞く

マンションの売却では価格査定から成約まで、そのほとんどを不動産会社に任せることが多く、どの不動産会社を選ぶかによって売買がうまくいくかどうかが決まるといっても過言ではありません。

よいパートナーとなれる不動産会社を選ぶためには査定価格の提示時に、上記のポイントをしっかり確認することをおすすめします。

ゆくゆくはマンションの売却を目指したい方、よりよい不動産会社を選びたい方は、マンション査定のポイントだけでなく、業者選びにフォーカスした「プロが教える!マンション売却の業者選びの6つのポイント」の記事もおすすめです。

まとめ

本記事でご紹介したマンション査定の方法についておさらいすると以下の通りです。

記事のおさらい

  • マンションの査定方法には「取引事例比較法」と「原価法」、「収益還元法」の3つがある
  • 居住用マンションの査定には主に「取引事例比較法」が用いられる
  • 同じ査定法を用いても参考とするマンションの違いなどにより査定結果は異なる
  • 優秀な不動産会社に売却を依頼することがマンション売却を成功させる近道
  • 査定価格の根拠を聞くことで優秀な不動産会社とよきパートナーとなることを目指そう

以上の通り、本記事を参考にマンション査定についてよく理解すると共に、不動産会社から査定価格の提示を受ける際には、なぜその提示価格なのかその根拠を聞いて、優秀な不動産会社を見つけましょう。

監修の逆瀬川勇造さんの写真

宅地建物取引士

監修 逆瀬川勇造

明治学院大学を卒業後、地方銀行にてリテール業務に従事し顧客の住宅ローンやカードローンなど担当。その後、住宅会社の営業部長として新築住宅の販売や土地開発等の業務に7年間従事しました。 Webを通して住宅や不動産の問題を解決することを志向し2018年10月に独立。 最近の趣味は子育てです。

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