元営業マンが教える|マンション売却でデキる営業マンの見極め方
2019.02.01投稿\!初めてをサポート!/
マンション売却のすべてを公開中
マンション売却は、基本的に1人の営業マンが売却を担当します。そのため、担当になった営業マンがデキる営業マンかどうかで、そのマンションの売れ行きは大きく左右されます。
しかし、デキる営業マンをどのように見極めるのかが分からない人も多いでしょう。
もちろん、不動産会社によってノウハウや集客力が異なるので、営業マンと不動産会社選びは同じくらい大事といえるでしょう。
今回の記事では「営業マン」に注目して、以下の点を解説していきます。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- 営業マンを見極めるタイミングはいつ?
- 具体的にどの点に注目すれば良いの?
- 営業マンごとの特性はある?
筆者は、元々マンションディベロッパーの営業マンであり、今までに数多くのマンション売却を担当してきました。もちろん、周りにはデキる営業マンもいれば、デキない営業マンもいました。
今回は、そんな経験を踏まえた上で、実際に営業成績が良かったデキる営業マンはどんな人だったかを振り返りながら執筆しています。
この記事の目次
マンション売却は良い営業マンに出会えるかどうかが重要
冒頭でも少し触れましたが、以下の理由でマンション売却においてデキる営業マンとの出会いは非常に重要です。
- 売却活動の大半は営業マンが行う
- 営業マンはそう簡単に変えられない
- 営業マンによって力量の差は大きい
まず、売却活動の大半は営業マンが行います。内覧者を集客するための広告活動も営業マンが主導しますし、内覧の立ち合いや検討者との交渉も全て営業マンが行います。
また、詳しくは後述しますがそう簡単に営業マンを変えることはできません。そのため、基本は最初に担当になった営業マンと付き合っていくと思った方が良いです。
そして、その営業マンには残念ながら力量の差があります。社内でも「売れる営業マン」はどの物件を担当しても売れるのは事実で、やはり接客が上手だったり、広告が上手だったりと実力が違います。
デキる営業マンに出会うかどうかで、マンション売却のスピードと価格は大きく異なるでしょう。
頼れる良い営業マンを見極められるのは査定時のみ
また、マンション売却は以下の流れで行われます。
- マンションの机上査定&訪問査定
- 不動産会社との媒介契約の締結
- 売却活動
- 検討者との交渉&申込
- 売買契約の締結
- 物件の引渡し(決済)
不動産会社と媒介契約を結ぶということは、その不動産会社に自分のマンション売却を正式に依頼するということです。
そして、不動産会社の営業マン1人が、自分のマンション売却を担当するので、「媒介契約を結ぶ=営業マンが決まる」ということです。
つまり、媒介契約を結ぶ前に行う「査定」でしか、不動産会社と営業マンを見極めることができないということです。
机上査定時に見極めるポイント
さて、そんな査定時でも、まずは机上査定時に営業マンを見極める以下のポイントを解説していきます。
- レスポンスの早さ
- 情報の正確さと量
- 対応の丁寧さ
そもそも机上査定とは、その物件周辺の成約事例を基に、実際にマンションを見学する前に算出する査定金額のことです。
その査定金額や対応、金額を算出した根拠などを基に、訪問査定を依頼するかどうかを判断します。なお、査定時の担当者がそのまま売却担当者になるケースが大半です。
レスポンスの早さ
前提として、査定時の営業マンの対応は、実際にマンション売却を行ったときにそのまま検討者への対応になると思っておきましょう。
そのため、まずは以下のようなレスポンスの早さを見極めます。
- 査定額を返答する早さ
- 査定額提示から訪問査定のアポの早さ
- 質問への返答の早さ
机上査定額は機械的に決まる部分が多いため、大抵の不動産会社では1~2営業日ほどで算出できます。それ以上かかる場合は遅いと思って良いでしょう。
また、机上査定から訪問査定へのアポの迅速さ、質問に対する返答の早さも重要です。それは、内覧者を再訪につなげる営業力や、内覧者への質問の回答の早さにつながるからです。
情報の正確さと量
また、机上査定を算出した根拠をしっかりと聞きましょう。具体的にどの成約事例を基に算出したのか?なぜその物件をピックアップしたのか?という点です。
机上査定は複数の不動産会社に依頼して、それぞれ根拠となる成約事例を比較します。その際、情報量や正確さを比較してみると、営業マンの質が分かってきます。
対応の丁寧さ
また、大前提として対応の丁寧さも重要です。マンション購入は一千万円単位の高額な買い物になるので、当然ながら購入者も慎重になります。
特に、中古マンションを購入する場合、新築マンションと違いパンフレットもなければ、図面集さえない場合もあります。
また、仲介する営業マンも分譲主でないので、情報量も新築マンションの営業マンほどはありません。つまり、中古マンションの購入は情報量が決して多くない中で決断する必要があります。
そのような状況のため、営業マンの対応は物件の信頼にもつながるので、丁寧さは重要というわけです。
訪問査定時に見極めるポイント
机上査定時に前項を見極めた結果、訪問査定に移ります。イメージとしては5~6社に机上査定を依頼して、3社程度に訪問査定を依頼するというイメージです。
もちろん、それ以上の不動産会社に訪問査定を依頼しても構いませんが、5~6社に机上査定して比較するのはマストです。そして、訪問査定時は、営業マンに対して以下の点を見極めましょう。
- 身だしなみ
- 話の分かりやすさ
- 査定の根拠の明確さ
- 今後の売却計画の綿密さ
身だしなみ
まず、基本中の基本ですが営業マンの身だしなみを確認しましょう。上述したようにマンションは高額な商品のため、購入検討者も慎重です。
購入検討者にとって、物件の情報は営業マンを通してしか分からないので、営業マンの身だしなみ次第で耳に入る情報の信頼性は変わってくるでしょう。
たとえば、ヨレヨレのスーツを着て髪も整っていない営業マンであれば、いくら営業トークで良いことをいっても信頼性は半減します。
そんな営業マンに「このマンションの耐震性は……」「このエリアの資産価値は……」と物件の説明をされても、大して頭には入ってこないでしょう。
話の分かりやすさ
次に話の分かりやすさです。中古マンション売却は資料があまり手元にないため、口頭での説明が多くなります。
たとえば、新築物件であればプレゼンテーション資料があったり、パンフレットや図面集という資料があったりしますが、中古マンション売却にはそれがありません。
そのため、訪問査定時に査定金額の根拠の説明を受けたり、会社の説明を受けたりするときには、話の分かりやすさに注目しましょう。
その営業マンが購入検討者にマンションの魅力を説明して、果たして口頭だけで購入検討者は納得するか?という視点で考えることが重要です。
査定の根拠の明確さ
次に査定額の根拠の明確さです。机上査定時にもこの点は見極めますが、訪問査定は机上査定に「現地の印象」を加味するので、その点も踏まえ見極めなければいけません。
ポイントは以下のとおりです。
- 成約事例を調べておく
- 分かりやすく不動産会社ごとに比較する
まずは、REINS Market Informationや土地総合情報システムというサイトを利用し、自分で成約事例を調べておきましょう。
そうすれば、どの成約事例をピックアップしていないかが分かり、その理由を聞くことができます。
次に、不動産会社ごとにピックアップした物件と、その物件から査定額を算出した根拠を比較することです。資料でもらえるのが理想ですが、口頭の説明であればメモを取るなりして後で振り返れるようにしましょう。
今後の売却計画の綿密さ
また、訪問査定時に今後の売却計画を綿密に考えていることが理想です。具体的には、以下の計画まで練り上げているのであればデキる営業マンといえます。
- 競合物件を加味した売り出し価格
- 時期ごとの売り出し価格の変更計画
まず、広告に記載する売り出し価格を、競合物件を加味した上で提示するかどうかです。中古マンションは値引き交渉が多いので、基本は査定金額より少し高めの売り出し価格にします。
しかし、査定価格以外にも競合物件の売り出し価格によって調整するので、競合物件の価格を知らないことには話になりません。
そして、当初の売り出し価格で売却できない場合には、段階的に価格を下げていきます。その計画も訪問査定時に提示する営業マンであれば、そのマンション売却の本気度は高く信頼できるといえます。
営業マンを売却途中で変える方法
さて、ここまでで机上査定・訪問査定時に営業マンを見極める方法を解説してきました。しかし、残念ながらデキる営業マンと思っていても、実際に売買契約をして売却活動が始まれば印象が変わることはあります。
そのため、営業マンを途中変えたいと思う場合もあるかもしれません。しかし、先述したように、かんたんに営業マンは変えることはできません。ないので、以下を理解しておきましょう。
- 変更したい理由を明確にする
- 営業マンの上司に相談する
- 変更してくれないから不動産会社の変更を検討
営業マンを変更したい理由を明確にする
そもそも、不動産会社が営業マンを簡単に変えない理由は、それぞれの営業マンが複数の物件を担当しているので、営業マンの変更により誰かの負担が増えるからです。
そのため、明確な理由がない限りは変更には簡単に応じません。言い換えると、営業マンを変更したいのであれば明確な理由を提示する必要があるのです。
たとえば、「媒介契約で約束されている売却活動報告をしない」など、そもそも契約違反であれば不動産会社も対応するでしょう。
しかし、「何となく相性が合わない」などであれば簡単に変更は受けないので、まずは理由をきちんと用意します。
営業マンの上司に相談する
営業マンの変更を訴える正当な理由があれば、それを営業マンではなく上司に伝えます。結局、営業マンの配置は課長クラスの上司が全権を握っているので、営業マンにいっても仕方ないのです。
名刺などを持っていないのであれば、店舗に連絡をして、上司に取り次いでもらいましょう。
営業マンを変更してくれない場合は不動産会社の変更を検討する
仮に、上記を行った上で営業マンを変更してくれないのであれば、不動産会社の変更も検討すべきです。
ただし、不動産会社の変更は以下のデメリットがあることも認識しておきましょう。
- 引き継ぎは基本的に売主が行う
- 一から売却活動をスタートさせる
基本的に、現不動産会社と新不動産会社が直接やり取りして引き継ぎを行うことはありません。また、個人情報の関係からも、検討者を新不動産会社に紹介することもありません。
そのため、検討者がいる状態で新しい不動産会社に変更すれば、一から売却活動をスタートさせることにあります。
不動産会社の変更にはこのようなデメリットもあるからこそ、最初の営業マンの見極めが一層重要になってきます。
ちなみに、「専任系媒介契約の場合に不動産会社を変更すると、広告費用などを支払うのか?」という質問をよく受けますが、これは支払う必要はありません。
広告費用などの諸経費は仲介手数料に含まれる金額であり、仲介手数料は基本的に成約に至らないと支払いは発生しないからです。
実際の売却想定金額から仲介手数料を算出したい場合は、以下のシミュレーションをご使用ください。
- 仲介手数料は宅地建物取引業法(以下、宅建業法)で上限が定められており、本シミュレーションでは宅建業法に基づいて上限金額を算出しています。
- 計算結果の小数点以下の端数部分は、切り捨て処理をおこなっています。
- 仲介手数料は課税対象であり、上記の計算結果に別途消費税がかかります。
- 本シミュレーションによる仲介手数料の計算結果は、お客様が入力された売買金額をもとに算出した法定上の上限金額です。
実際に支払う仲介手数料は、実際の売買金額や不動産会社の取り決めによって異なります。 - 売買金額が400万円以下と低廉な空き家等(土地・建物)である場合、本シミュレーション結果に現地調査費用相当額を加えた仲介手数料(上限18万円)を請求される可能性があります。(2018年1月1日施行「空家等の売買又は交換の媒介における特例」より)
ベテランと若手、マンション売却に強い営業マンは?
最後に、ベテランと若手のどちらも営業マンが良いのか?という点を解説します。結論から言うと、ベテラン・若手という分け方ではなく、きちんとその「人」を見る必要があります。
とはいえ、確かに年齢による傾向はあるので、この章ではわたしの経験上から、ベテラン・若手でどのような傾向があるのか?何に注意すべきか?を解説します。
ベテラン営業マンの傾向
ベテラン営業マンは、マンション売却に淡白な印象です。良く言えば「そつなく」、悪く言えば「一生懸命さがない」という傾向は確かにあります。
それは体力的な問題もあるでしょうが、一生懸命やってもやらなくても、大して結果は変わらないと割り切っているからでしょう。
このような営業マンは、より「話の分かりやすさ」や「迅速さ」など、営業力を見極める必要があります。淡白なスタンスでも構わないと思いますが、そのスタンスでいくなら営業力がないと話になりません。
若手営業マンの傾向
若手営業マンの傾向として、やはり一生懸命さという点でしょう。自分がまだ知識・経験がないという点から、一生懸命にやる必要があると自覚している人が多い印象です。
若手の営業マンの場合、購入検討者も知識や経験不足を不安がる可能性があります。しかし、「分からない」ことが不安というよりは、「適当なことを言ってないのか?」という点を不安がります。
そのため、分からなくても良いので、その旨をきちんと言えるかどうかが重要です。
たとえば、このエリアの開発計画はありますか?このエリアの賃貸相場はどのくらいですか?と少々難しい質問をしてみましょう。
そして、その質問に対して適当に返答せず「分からないので後ほど調べて連絡します」と返答するのであれば安心できます。
まとめ
それでは、今回解説した「マンション売却時のデキる営業マンの見極め」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。
記事のおさらい
- 営業マンが売却活動の大半を行う
- まずは机上査定時に迅速さ・丁寧さ・正確さを見極める
- 訪問査定では身だしなみや営業力を見極める
人を見極めるのは中々大変ですが、少なくとも複数社の営業マンを比較することで優劣は見えてきます。
マンション売却時は不動産会社の規模や実績などを見がちですが、しっかりと営業マンも見極めましょう。デキる営業マンの見極めは、売却スピードと売却価格に直結します。
コンサルタント
宅地建物取引士
新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。