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計画的な値下げでマンション売却を成功へ!タイミングと価格の決め方

2018.12.27投稿 マンションの売却価格の値下げについて
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監修 中村昌弘

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マンションは1,000万円単位の商品になるので、仮に売却途中で価格を変えるときも、10万円、100万円単位で変わってきます。

そのため、値下げするときには慎重にスケジュールを立てて、なるべく値下げしないで成約したいものです。

また、中古物件の売却は値引き交渉されることも多く、その対応にもいくつかポイントがあります。

この記事では、マンションの売却における「値下げ」のポイントを知りたい方のために、以下のような点を詳しく解説します。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • マンションの売却時に値下げするタイミングは?
  • 値下げするときの金額はいくらに設定する?
  • 値引き交渉をされたときの対応は?

上記のことは結論からいうとケースバイケースです。ケースバイケースと答えてしまうと元も子もありませんが、売主の状況や物件の状況によってポイントが異なるのは事実です。

筆者は、元々マンションディベロッパーの営業マンでした。実際にマンションの仲介を成約させたことは何件もあります。また、自身のマンションを売却した経験もあります。

その経験を活かして、ケースバイケースながらも上記に挙げたポイントを解説していきます。基本的な考えやそれぞれのポイントを理解した上で、自分の場合はどうするべきか?に置き換えて考えてみましょう。

マンション売却で値下げするタイミング

マンションを売却中に売れない状況がつづく場合、値下げをするというケースは多いです。

しかし、どのタイミングで値下げをするのかは難しく、タイミングを間違えると売却価格が極端に下がってしまうというリスクもあります。

そのため、まずは値下げするタイミングについて、その「判断基準」や「意識しておくべきポイント」を踏まえて解説していきます。

値下げするタイミングは期限を決める

まず、値下げするタイミングはマンションを「いつまでに売るか?」という期限を決めます。後述しますが、一旦は3ヵ月で物件を売り切る前提で考えましょう。

そのため、「1ヵ月で売れなければ〇〇万円下げる」「2ヵ月で売れなければ○○万円下げる」というように、3ヵ月以内に売れるようなスケジュール設定が大切です。

例外もありますが、基本は3ヵ月以内に売却が完了できるように、1ヵ月刻みで値下げ時期を設定することをおすすめします。経験上、2~3週間と小刻みに値下げを設定しても、判断材料が少なく失敗するケースが多いです。そのため、1ヵ月程度の期間は設けましょう。

一般的には3ヵ月をマックスとして考える

上述したように、マンション売却に関しては3ヵ月をマックスとして考えましょう。

その根拠は以下3点になります。

  • 媒介契約の期間を3ヵ月で結ぶから
  • 購入を検討する目安の期間だから
  • 7割近くの物件が3ヵ月で成約しているから

物件によって状況も異なるのであくまで目安ではありますが、一旦、マックスの期限を決めておかないと計画を立てることができません。

媒介契約の期間を3ヵ月で結ぶから

不動産会社にマンション売却を依頼するときには、媒介契約を締結します。

媒介契約は、以下の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 専任系媒介契約

専任系の媒介契約は3ヵ月が期限です。

一般媒介契約は期限に定めはありませんが、一般的に3ヵ月で結ぶことが多いです。3ヵ月で売れないということは不動産会社の変更を検討しなければいけなくなり、不動産会社の選定など面倒な作業が発生します。そのため、一旦は媒介契約の期限である3ヵ月を目指すというわけです。

購入を検討する目安の期間だから

マンションを買いたいと思っている人は、どのくらい悩むでしょうか?

人によって異なると思いますが、気になる物件があり3ヵ月以上悩む人は少ないと思います。

わたしの経験上からも、3ヵ月以上悩むのであれば、そのまま買わないケースが多いでしょう。また、3ヵ月も売却活動をしていれば、マンションの購入を検討している人の目には留まります。

つまり、3ヵ月の期間内にある程度集客は完了し、検討する人は購入、最悪でも「検討」はしているということです。

7割近くの物件が3ヵ月で成約しているから

下記は東京カンテイの資料です。首都圏における直近10年に売り出したマンションが、売り出しから成約までどのくらいの期間がかかっているかを示した表です。

項目/成約までの期間 1ヵ月以内 2ヵ月以内 3ヵ月以内 4ヵ月以内 5ヵ月以内 6ヵ月以内
事例割合 39.6% 55.5% 67.3% 76.3% 82.3% 86.7%

※参考サイト:中古マンションの価格乖離率(東京カンテイ)

このように、マンションを売り出してから7割近くの物件が3ヵ月以内には売却されているのです。

つまり、3ヵ月以内に売却するということは現実的であり、3ヵ月以内に売れない物件の方がマイノリティといえます。

この点からも、一旦は3ヵ月という期間をマックスと考えるのは妥当でしょう。

値下げタイミングは競合物件の状況によって変わる

上記のように一旦は3ヵ月を売却期限と考えて良いですが、以下の競合状況の場合は例外です。

  • 競合物件が多い
  • 競合物件は少ないが極端に安い物件がある

競合物件とは、自分の売り出すマンションと、駅距離・広さ・築年数などの諸条件が似ている物件のことをいいます。

競合物件が多い

まず、競合物件が多い状況というのは、自分のマンション以外にも検討するマンションが多い状況ということです。

つまり、値崩れしやすい状況での売り出しになるため、3ヵ月よりも長い期間で考えた方が良いということになります。なぜなら、3ヵ月以内に売ることに固執すると、値引き率が大きくなるからです。

2~3ヵ月で競合物件が少なくなりそうであれば、もう少し長い期間で考えた方が売却金額は高くなりやすいです。

仮に4ヵ月で売り切るという計画にすれば、値下げを考える時期は3回に増えるので、全体の計画も変わってきます。

競合物件は少ないが極端に安い物件がある

競合物件は少ないものの、競合物件が極端に安ければ、相場価格で売り出しても自分の物件は高く見えます。つまり、その安い物件に合わせて値引き交渉などをされる可能性があるのです。

そのため、そのようなときは売却期間を3ヵ月以上で設定した方が良いです。

値下げタイミングは築年数の節目に注意する

次に、築年数の節目の場合にも3ヵ月ではない期間で売却を考えなくてはいけません。たとえば、不動産ポータルサイトなので中古物件を探すと、築年数を指定する欄があります。

大抵は、築3年、5年、7年、10年、15年、20年というように、築10年以降は5年刻みで設定します。これが築年数の節目であり、この節目を意識して売却スケジュールを考える必要があるのです。

仮に、自分のマンションが築9年と10ヵ月だったとすると、あと2ヵ月後には築10年を超えてしまいます。築10年を超えてしまうと、「築10年以内」と指定されると、物件は露出すらしないということです。

つまり、集客が激減するリスクがあるため、このような状況のときには2ヵ月の売却期限を踏まえてスケジュールを立てる必要があるのです。

値下げ額の決め方

マンションの売却は基本3ヵ月をベースにスケジュールを立て、1ヵ月の区切りで値下げする計画を立てるということが分かったと思います。

次は、値下げする金額について、売り出し価格の設定と値下げ額の決め方について解説していきます。

売り出し価格の決め方

売り出し価格は広告にも記載される金額なので、集客にダイレクトに影響する重要な価格です。

その売り出し価格の設定は以下の点に注意して決めましょう。

  • 売却期限があるか確認
  • 値下げを加味するかを確認

売却期限があるか確認

まずは、自分自身に売却期限があるかを確認しましょう。つまり、「この日までに売らなければいけない」という絶対的な制約があるかどうかです。

たとえば、買い替えを検討している場合や、立ち退く必要がある場合などは、特定の日付までに売却しなければいけません。

仮に、それが3ヵ月より短い期間であれば、スケジュールを根本的に変える必要があります。たとえば2ヵ月以内に売らなければいけない場合は、そもそもの売り出し価格を安めにしないといけません。

値下げを加味するかを確認

中古物件の売却時に値下げ交渉はつきものなので、売り出し価格は「売りたい価格」よりも高く設定することが多いです。しかし、状況によっては値下げを加味しない方が良い場合もあります。

たとえば、早く売りたいケースで、競合物件が高く売り出していたケースです。この場合は、値下げを加味しない金額で売り出せば爆発的な集客が見込めるため、早く売ることにつながります。

一方、高く売り出すと成約金額は高くなるかもしれませんが、売却スピードは落ちます。このように、早く売るか、高く売るかのどちらも優先させるかで、値下げを加味するかどうかを判断しましょう。

値下げ額を決めるポイント

さて、前項までの要素を加味して売り出し価格を決めたら、次に値下げ額を決めます。

ポイントとしては以下2点です。

  • 事例を参考にする
  • 今までの検討者の状況を確認する

事例を参考にする

先ほども出した東京カンテイの資料では、事例割合以外に以下のようなデータもあります。

項目/成約までの期間 1ヵ月以内 2ヵ月以内 3ヵ月以内 4ヵ月以内 5ヵ月以内 6ヵ月以内
売出価格(万円) 2,597 2,675 2,731 2,803 2,659 2,695
成約価格(万円) 2,519 2,538 2,544 2,560 2,386 2,379
価格乖離率 -3.00% -5.15% -6.83% -8.67% -10.27% -11.72%

※参考サイト:中古マンションの価格乖離率(東京カンテイ)

上記のように、1ヵ月以内で売れている場合は3%値下げ、2ヵ月以内は5.15%値下げしています。

仮に、2,800万円の売り出し価格であれば、以下のような推移になるということです。

  • 1ヵ月で売れない:2,800万円→2,716万円
  • 2ヵ月で売れない:2,800万円→2,655万円

あくまで事例に沿った形ではありますが、値下げ額の参考にしておきましょう。

今までの検討者の状況を確認

たとえば、当初の値下げ予定を前項のように設定していても、検討者の状況で値下げ額は変えることが大切です。仮に、1ヵ月経過時点で売却できていないものの、検討者が1人だけいるとします。

その人が「2,690万円なら買う」といっている場合は、当初の予定は1ヵ月時点で2,716万円の値下げだったものの、近しい数字なので値下げ交渉に応じてしまった方が良いでしょう。

逆に、2ヵ月経っても売れないものの、検討者が複数人いるのであれば、もう1週間値下げせずに、そのままの価格を維持するという手段もあります。

大事なのは、最初に設定した値引き額はベースとして認識しておき、状況に応じて判断し直すということです。そのために、検討者の状況は営業担当者から逐一聞いておきましょう。

値下げ交渉されたときのポイント

さて、ここまで自ら計画をして値下げするタイミングや、値下げの金額について解説してきました。次に、検討者から値下げ交渉されたときのポイントを解説します。

比較対象物件との違いを確認

まず、値下げ交渉されるときには、競合物件と比較されることが多いです。言い換えると、競合物件について理解しておけば、カウンタートークができるということです。

そのため、競合物件と自分の物件における以下の「違い」を理解しておきましょう。

  • 立地
  • 周辺環境
  • 室内環境

上記3点はマンションを選ぶときの重要なポイントです。

たとえば、自分のマンションを2,800万円で売り出しているとします。そのとき、検討者から「A物件が2,700万円だからその金額に値下げして欲しい」と交渉されているとします。

仮に、自分の物件がA物件よりも駅から近く、商業施設へも近く、A物件は東向きで自分の物件が南向きだとします。

そのような条件であれば、A物件よりも100万円高くても妥当でしょう。この点をカウンタートークとして交渉できれば、値下げ交渉に応じない、もしくは値下げ額の幅を減額させることができます。

不動産会社の営業担当にその場で断らせる

実際に検討者と交渉するのは営業担当者であり、営業担当者にその場で断らせることも大切です。

なぜなら、値下げ交渉をされる度に「売主に聞いてみます」にすると、売主も手間がかかりますし、何より買主が値引きを期待してしまうからです。

一度値引きを期待されてしまうと、前項のように「競合物件との違い」を説明しても効果は薄れます。

そのため、

  • 競合物件の把握
  • 値下げのスケジュール

が重要になります。

競合物件の把握

前項のように、競合物件との違いを把握することで、値下げ交渉に関して優位に立てます。

しかし、実際に値下げ交渉するのは営業マンなので、前項の「違い」は営業マンが理解しておく必要があります。

そのため、営業担当にマンションの売却報告をしてもらうときには、必ず競合物件の情報も添えてもらいましょう。

そうすれば、営業担当者も自ずと競合物件を把握するようになります。

値下げのスケジュール

これは、今まで再三解説してきた売却スケジュールです。

要は、売却完了の期限を決め、値下げ額を1ヵ月ごとに決めます。それに沿わない値引き交渉は、その場で営業担当に断ってもらいましょう。

つまり、値下げのスケジュールと値下げ額を決めることは、値下げ交渉にもつながってくるということです。

本気度を確認してもらう

上述したことを踏まえ、営業担当者がその場で断らずに持ち帰ってきた値引き交渉に関しては、必ずその本気度を確認してもらいましょう。

仮に、90万円の値引きを受けたとしたら、「売主に打診してみます。ただし、90万円の値引きをしたら必ず購入する前提ですよね?」と検討者に聞くということです。

そうしないと、90万円を受託してもさらに値引き交渉されたり、受諾したのに検討や見合わせたりする事態になってしまいます。この「本気度の確認」はマスト事項にしておきましょう。

まとめ

それでは、今回解説した「マンション売却の値下げ」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。

記事のおさらい

  • まずは3ヵ月間の売却期限に設定する
  • 1ヵ月ごとに値下げ額を設定しておく
  • 検討者の状況によって値下げの判断は再考する
  • 値下げ交渉をされる前に営業担当者ともろもろ決めごとをしておく

このように、売り出し時からスケジュールを立てておくことが重要です。

ただ、そのスケジュールに囚われすぎず、検討者の状況によって値下げ額は再考しましょう。

ケースバイケースではありますが、ベースの考え方を知った上で綿密にスケジュールを立てることが重要です。そのスケジュールの精度によって、マンションの売却金額は大きく変わってくるでしょう。

監修の中村昌弘さんの写真

コンサルタント

監修 中村昌弘

宅地建物取引士

新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。

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