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プロ直伝!ペットのいるマンション売却で知っておくべき3つのコツ

2019.05.24投稿 ペットを飼っていた場合のマンション売却について
監修の中村昌弘さんの写真

コンサルタント

監修 中村昌弘

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マンション売却の際、ペットを飼っているマンションを売却することもあります。ペットを飼っていると室内の損傷が激しかったり、匂いが室内に染みついたりしているのも事実です。

そのため、ペットのいるマンションは売却価格が下がるのでは?と思う人もいるでしょう。

確かにペットのいるマンションを売却するときは、通常のマンション売却時よりも気を遣うべきです。ただ、売却のポイントを押さえることで、通常のマンションと同じ金額で売却することも可能です。

そこで今回は、以下のような点について解説していきます。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • ペットのいるマンションは何がマイナスポイント?
  • 傷や臭いはどのように対応したら良い?
  • 内覧前に注意しておくべきことはある?

筆者は、元々マンションディベロッパーの営業マンであり、今まで数多くの不動産を仲介してきました。その中には、ペットのいるマンションを売却した事例もあります。

今回は、そんなマンション売却の実体験を元に執筆していくので、ペットのいるマンション売却を検討している方は参考にしてみてください。

ペットのいるマンションは価格が下がる可能性はある

結論からいうと、以下のマイナスポイントがあるため、ペットのいるマンションは価格が下がる可能性があります。

  • マイナスポイント1:壁・床の爪によるひっかき傷
  • マイナスポイント2:壁や空間についた臭い
  • マイナスポイント3:ノミの発生
  • マイナスポイント4:抜毛による動物アレルギー

マイナスポイント1:壁・床の爪によるひっかき傷

最も大きなマイナスポイントは、猫や犬による壁・床のひっかき傷でしょう。

特に、猫を飼っている家庭は爪とぎによってクロスはボロボロになりやすく、内覧者の印象は非常に悪くなります。

また、床もクロスも範囲が広いので、部屋の印象を左右しやすいという点でも、壁・床のひっかき傷はマイナスポイントです。

マイナスポイント2:壁や空間についた臭い

2つ目のマイナスポイントは、壁や空間についた臭いです。特に、クロスは素材的に床などよりも臭いを吸収しやすく、また、その臭いは染み込むので中々落ちません。

換気をしたり簡単に掃除したりしたくらいではペットの臭いは取れないので、クロスやフローリングの傷以外にも「臭い」という点で内覧者の印象は悪くなるでしょう。

マイナスポイント3:ノミの発生

3つ目のマイナスポイントはノミの発生です。

最近では、ノミの発生を抑えるためペットに予防注射をするケースが多いですし、衛生環境も整っているので昔ほどは「ノミ」自体発生しにくい環境といえます。

しかし、特にペットを飼った経験がない人や動物が苦手な人は、ペットとノミに対してのネガティブな印象は意外と多いです。

そのため、「ペットを飼っている=ノミが家に住みついている」と思われてしまうこともあるので、その点はマイナスポイントになります。

マイナスポイント4:抜毛による動物アレルギー

4つ目のマイナスポイントは、抜け毛による動物アレルギーです。

動物アレルギーを持っている人だと、その場にペットがいなくても抜け毛などに付着したアレルゲンがアレルギー症状を引き起こします。

動物アレルギーの人は、内覧中に目がかゆくなったり、くしゃみが止まらなくなったりということになり、それだけで部屋の印象は落ちてしまうのです。

これら4つのマイナスポイントによりペットのいるマンションの価格は落ちやすいといえますが、今回解説するコツを知ることで、そのマイナスポイント軽減することは可能です。

そのコツに関して、次項以降で解説していきます。

コツ1:簡単な補修をしておく

ペットのいるマンションを売却する1つ目のコツは、ひっかき傷などに対応するため、簡単な補修を自らしておくことです。

ここでは、クロス・フローリングの補修方法を解説し、リフォームまで行うかどうかの判断基準も解説します。

クロスの補修方法

クロスの補修方法は、「ジョイントコーク–A」などの接着剤を利用します。

種類は何でも良いですが、「クロス用 接着剤(のり)」などと検索すれば、クロスの補修に適した接着剤を検索できるので、まずはそれを購入しましょう。

ひっかき傷によって、クロス自体がなくなっている場合は、収納の天袋部分など目立たないところのクロスを切り取ります。

もしくは、全く同じ素材のクロスを購入できるのであれば購入した方が良いです。そして、その切り取ったクロスを、ひっかき傷でなくなった部分に接着剤を利用して貼り付けます。

多少凹凸ができるので、指などで軽く押し込むことで周りのクロスと馴染むようにするのがポイントです。

また、クロスはなくなっていないけれども、クロスがめくれてしまっているときも対応は同じです。

めくれている部分に接着剤を付けて、剥がれた部分を壁に付けることで傷は直ります。

フローリングの補修方法

フローリングのひっかき傷は、以下の方法で補修可能です。

  • テープを貼る
  • 傷を埋める
  • フローリング専用のマニュキアを使う

まずはテープを貼ることでひっかき傷を隠しましょう。テープといってもセロハンテープではなく、木目調のテープのことです。

そのため、対象のフローリングと同じ木目でないといけないので、ぴったりとマッチするテープが見つからなければ、この方法でフローリングを補修するのは難しいです。

2つ目の方法は傷を埋める方法です。専用の粘土やパテ(購入可能)で、フローリングと同じ色の素材をつくり、その素材を利用して傷を埋めます。

この方法であれば、フローリングと同じ色を作ることができるので、基本的にはどのフローリングにも対応可能です。

3つ目の方法は、フローリングマニュキアを利用して、傷部分を塗り画のように塗って補修することです。

多少の傷であれば、いずれかの方法で補修することができるでしょう。

リフォームするかは相場価格で検討

上述した補修方法は、あくまで小さなひっかき傷を想定しています。クロスもフローリングも大きな傷になると自分で補修することは困難です。

その際はリフォームという選択肢もありますが、そのリフォーム費用分を価格に上乗せできなければ意味がありません。

そのため、以下のようにリフォーム費用の目安を理解しており、不動産会社の営業マンと相談しながらリフォームするかどうかを判断しましょう。

クロス張替え費用
6帖/40m²まで 総額39,800円
7帖/43m²まで 総額47,800円
8帖/48m²まで 総額55,800円
9帖/51m²まで 総額62,800円
10帖/54m²まで 総額69,800円
フローリング貼り換え費用
6帖 (床面積10㎡まで) 総額92,800円
7帖 (床面積12㎡まで) 総額108,800円
8帖 (床面積14㎡まで) 総額124,800円
9帖 (床面積16㎡まで) 総額140,800円
10帖 (床面積17㎡まで) 総額156,800円
11帖 (床面積18㎡まで) 総額172,800円
12帖 (床面積20㎡まで) 総額188,800円

コツ2:消臭を徹底的に行う

次に消臭を徹底的に行うことで、買主が感じる臭いの印象を和らげることができます。

ここでは自分でできる室内消臭方法、および消臭クロスは意味があるのか?そして、業者に依頼した場合の費用を解説していきます。

クロスの清掃や布製品の交換

上述したように、臭いはクロスに付きやすいので、固く絞ったタオルでクロスを水拭きすることで多少の消臭効果はあります。

ただし、ハムスターなどの小動物くらいの臭いであれば多少軽減されるかもしれませんが、犬や猫などの大きさの動物になると、水拭きくらいでは効果は薄いでしょう。

また、クッションやソファー、カーペットなどの布製品にも臭いは染みつきます。

そのため、たとえばマンション売却が決まった場合、内覧時だけカーペッットとクッションは納戸に入れておくなどの対応は可能です。

もしくは、洗濯できるものは洗濯し、消臭グッズで布を消臭しておくのも効果的です。

消臭クロスの効果は高くない

クロスにも色々な種類がありますが、以下のように「消臭クロス」という素材があります。

  • 表面に消臭剤を加工してあるクロス
  • クロスに銀イオンによる抗菌防臭機能をプラスする

つまり、クロスに特殊な加工を施し、臭いを分解して消臭効果を持たせるということです。

ただし、そもそも臭いの原因はクロスに付着した臭いだけではない上に、ペットの臭いを全て分解できるほどの効果はありません。

そのため、「消臭目的」でクロスを消臭クロスに張り替えても効果は薄いでしょう。

消臭リフォームは意味がないと言われているが本当か?

リフォームの中にも「消臭リフォーム」があります。

消臭リフォームには色々な種類がありますが、たとえば悪臭の原因物質を消臭剤で脱臭してからオゾンを発生させ、限りなく無臭に近い状態までニオイを消すリフォームなどが挙げられます。

ほかには、消臭・除菌効果のある特殊な薬液(弱酸性次亜塩素酸水)を超微細霧で噴霧し、気になる臭い消臭する方法もあります。

ネットで「消臭リフォーム」と調べると「意味がない」などの記事も散見されますが、消臭リフォームの効果はケースバイケースといえるでしょう。

たとえば、クロスの張り替えやフローリングの張り替えは確実に成果が分かりますが、消臭はそもそも目に見えないので成果が出るか分かりません。

また、「クロスを全て剥がしてオゾンを発生させる」など、消臭リフォームにもグレードがあります。このグレードによっても業者によっても消臭リフォームの金額は違います。

一般的には、ペットの臭いを除去する消臭リフォームであれば60㎡の規模で6万円~10万円はするでしょう。

まずは上述した「自分でできること」を行います。そして、それでも臭いが強く残るようであれば、消臭リフォームの見積もりを取り、費用対効果を考えた上で消臭リフォームを検討しましょう。

コツ3:内覧時の準備が重要だと心得る

ペットのいるマンションを売却する3つ目のコツは、内覧時に以下の準備をきちんと行うことです。

  • 換気や掃除を忘れない
  • 消臭スプレーも効果的
  • ペットはなるべく外出させる

換気や掃除を忘れない

まずは、内覧前の換気を忘れないようにしましょう。室内にいる状態だと、臭いに対して外部から来た人がどのように感じるか分かりません。

そのため、空調を起動させたり窓を開けたりと、室内の空気を換気させることで少しでもペットの臭いを和らげましょう。

また、内覧前にペットのトイレを片付けておいたり、抜け毛を掃除しておいたりと、掃除は必須事項といえます。

消臭スプレーも効果的

上述したように、布製品に消臭スプレーをかけるのは効果的です。布製品以外にも、空間に対して行う消臭スプレーや、置き型の脱臭剤も存在します。

あまりに臭いの強すぎる消臭スプレーは逆効果ですが、たとえば第一印象を上げるために玄関は少し強めの芳香剤を置いておくなどは問題ないでしょう。

ただ、そもそも自分が飼っているペット自体が、消臭スプレーなど匂いのキツイものは嫌いなケースが多いので、その辺りとのバランスを考えて設置しなければいけません。

ペットはなるべく外出させる

ペットがいるマンション売却の内覧時は、なるべくペットは外出させるようにしましょう。これは「臭い」を軽減するという理由もありますが、そもそもペットのことが苦手な人もいるからです。

今では「ペット飼育可能」な物件も多いこともあり、ペット苦手な人は「ペット飼育不可」の物件に限定して探している人は少ないでしょう。

そのため、ペット飼育可能な物件だとしても、ペットが苦手な内覧者が来ることは十分に考えられます。だからこそ、内覧時はペットが苦手な人が内覧しにくるという前提で考えた方が良いです。

まとめ

それでは、今回解説した「ペットのいるマンションの売却」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。

記事のおさらい

  • ペットがいることによるマイナスポイントを理解する
  • 傷や消臭への対応を理解し実行する
  • 内覧前の注意点を理解する

ペットのいるマンションにマイナスポイントがあるのは事実ですが、そのマイナスポイントである「傷」や「臭い」はある程度対策できます。

まずは、自分で行える対策を実行しましょう。接着剤やフローリング傷を埋めるパテなどは、ネットで検索すればたくさんの種類があります。

それほど高価なものではないので、まずは自分のできる範囲で補修や脱臭にチャレンジしてください。

その上で、傷の補修も消臭もできないという状態になったとき、不動産会社と相談しつつ業者に依頼するかどうかの判断をしましょう。

監修の中村昌弘さんの写真

コンサルタント

監修 中村昌弘

宅地建物取引士

新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。

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