【マンション売却の注意点】失敗しないためのポイントをプロが徹底解説

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執筆・監修者/中村昌弘

マンションは一千万円単位の高額な商品です。そのため、マンション売却の失敗例と成功例では百万円単位の価格差が出ることもあります。

当然ながら、マンション売却を検討している人は失敗したくないと思っているはずです。

この記事では、そんな方に向けて、マンション売却で陥りがちな失敗をしないため、以下の注意点を解説していきます。

  1. 査定金額は根拠で選ぶ
  2. 媒介契約は専任系媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動には最大限協力する
  4. 早く売ることを意識する
  5. 買取は最終手段である

筆者は、元々マンションディベロッパーで中古マンションの仲介の営業マンで、不動産のプロとして数々の物件を成約させてきました。

今回はその経験を踏まえて、プロの目からマンション売却の注意点を解説していきます。

査定金額は「根拠」で選ぶ

1つ目の注意点は、査定額は根拠で選ぶことです。

これは、特にはじめてマンション売却した方が陥りやすいミスであり、売却金額に大きな影響を与えるので気を付けましょう。

査定額の意味と重要性

まず、査定額の意味を知りましょう。

査定額とは「絶対に売却できる金額」ではなく、「恐らく売れるであろう」という金額です。つまり、あくまで目安の金額であり、実際の売却価格はその査定額を下回ることがある前提です。

マンション売却の第1ステップは不動産会社への査定であり、その査定額を見極めて不動産会社を選択します。そして、その不動産会社が広告から案内、交渉や契約行為まで全部行うということです。

言い換えると、査定額のみでマンション売却に重要な「不動産会社の見極め」を行う必要があり、査定額の見極めに失敗するとマンション売却が失敗する可能性もあるということです。

不動産会社ごとに査定額は違う

そんな重要な「査定額の見極め」ですが、不動産会社ごとに提示額は異なります。一般的に、査定依頼は一社ではなく複数社に行うことが多いですが、バラバラな金額を提示されることが多いでしょう。

そもそも、不動産会社がどのようにして査定額を算出しているかというと、売却物件のあるエリア周辺で過去に成約事例をピックアップし、その金額を参考にして査定額を提示します。

そのため、不動産会社ごとに考え方が異なり、高くなったり低くなったりするというわけです。

査定額を「高さ」で選ぶデメリット

そんな査定額を「金額の高さ」のみで選ぶと、結局売れなくてズルズル価格を下げる可能性があります。
というのも、金額を高く提示している不動産会社の中には、媒介契約を結ぶためだけに提示している不動産会社もあるからです。

媒介契約を結ばないと不動産会社は売却活動をできないので、とにかく媒介契約を結んでしまおうと、売主が興味を示す価格で査定額を提示するというわけです。

しかし、それは「恐らく売れるである」という価格ではなく、「売主が興味を示すであろう」という価格です。そのため、結局その価格では売れずにズルズル価格が下がるリスクがあるのです。

価格が下がると「売れていない物件」という認定となり、値引き交渉も激しくなり、どんどん売主の希望する価格では売りにくくなってしまいます。

査定額を「根拠」で選ぶポイント

さて、そんな中でどのように査定額を見極めるかというと、その査定額を提示した「根拠」をきちんとヒアリングすることです。その際には、「過去の成約事例」に注目しましょう。

つまり、その不動産会社が過去に同じエリアのマンション売却をした経験があるかどうかという点です。過去の成約事例があれば、以下のようなメリットを受けられます。

  • 既に検討客がいる
  • ノウハウが蓄積されている

既に検討客がいる

マンションをはじめとして、不動産を「購入する人」はまずエリアを決めます。たとえば、「○○区内」や「○○線の××駅~△△駅まで」など範囲は広いかもしれませんが、ある程度エリアを決めてからマンションを探すものです。

つまり、良い物件がなければ同じエリアで探し続けており、直近で売却実績があれば、そのような検討客を既に抱えている可能性があるのです。

仮にその検討客が見学して気に入れば、売り出してから1週間で売却できるということもあり得る話でしょう。そのような不動産会社であれば、高い金額の査定額でも納得できます。

ノウハウが蓄積されている

もう1つの理由は、ノウハウが蓄積されているという点です。マンション売却をするときは、そのエリアの説明を必ず行います。そうなると、当然そのエリアに強い人が営業した方が成約率は上がります。

査定をする人がそのまま営業マンになるケースがほとんどなので、査定の際にエリアに関する知識を確かめましょう。知識がある上で査定額を高く提示している場合には、売れるという根拠があるということです。

このように、査定金額の根拠を見極め、信頼できる不動産会社、もしくは営業マンかを判断しましょう。

媒介契約は専任系媒介契約を結ぶ

2つ目の注意点は、媒介契約は専任媒介契約を結ぶという点です。

営業マンの立場で言わせてもらうと、必ず専任系媒介契約を結んだ方が良いです。その理由を含めて解説します。

3つの媒介契約の違い

まず、媒介契約には以下3種類あります。

  • 一般媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約

細かい違いは色々とありますが、最も大きな違いは「媒介契約を結べる不動産会社の数」です。

一般媒介契約は複数社と媒介契約を結ぶことが可能で、専任系媒介契約は一社のみになります。

一般媒介契約は後回しにされる

複数の不動産会社と媒介契約を結べる一般媒介契約の方が良さそうに見えるかもしれません。

しかし、不動産会社からすると、「ほかの会社が先に買主を見つければ仲介手数料をもらえない」状況なのです。

広告費用を絞られ、集客力が落ちる

仲介手数料は、買主を見つけて成約したときに発生するので、一般媒介契約だと広告費用を投下しにくいです。なぜなら、広告費用を投下したものの他社が先に成約してしまえば、全くの無駄になるからです。

一室のマンションを売却するのに十数万円以上の広告費用がかかります。物件によっては、数十万円ほどになる例も少なくありません。

そのため、他社が成約する可能性がある一般媒介契約だと、基本的に広告は絞ります。つまり、集客が期待できないということです。

案内の順番を後回しにされる可能性がある

営業マンの立場になって考えてみましょう。仮に、一般媒介契約で結んだマンションA、専任媒介契約で結んだマンションZの売却を担当しているとします。

もし、今週末にマンションAとマンションZの両方に、別の方から内覧予約が入ったら、あなたならどうするでしょうか?恐らく専任媒介契約の方を優先させるでしょう。

なぜなら、一般媒介契約のマンションAを案内しても、その案内中に他社が別の人を成約させているかもしれないからです。そうすると、案内した労力が無駄になってしまいます。

つまり、一般媒介契約だと案内も後回しになるので、専任系媒介契約の方が良いというわけです。

専属専任と専任なら「専属専任」のほうが良い

専任系媒介契約と呼ばれる、専属専任媒介契約と専任媒介契約のどちらが良いか……。結論からいうと、専属専任媒介契約の方が良いでしょう。

というのも、専属専任媒介契約は売却活動報告が1週間に1回以上なのに対し、専任媒介契約は2週間に1回以上だからです。

売却活動報告を逐一受けた方が価格改定するかどうかの判断もできますし、状況把握もしやすいです。

なお、専属専任媒介契約のにはデメリットがあり、自分で買主を見つけたときにも仲介手数料を満額支払う必要があります。

ただ、専任媒介契約も広告費などの支払いは発生しますし、何よりも自分で買主を見つけることはほぼないです。このデメリットは、さほど気にする必要はありません。そのため、専属専任媒介契約の方がおすすめです。

売却活動には最大限協力する

3つ目の注意点は、売主の立場で売却活動は最大限協力するということです。

売主の協力によって、マンションの売れるスピードは全然違ってきます。

売却活動とは何をするのか

そもそも、売却活動とは以下のようなことをします。

  • 広告の作成・集客
  • 内覧のスケジュール調整
  • 内覧日の対応や案内
  • 交渉
  • 申し込みおよび契約手続き

上記のようなことは不動産会社の営業マンが主導します。

売却活動の期間は物件によりますが、概ね3カ月程度かかると思っておきましょう。それを早められるのが売主の協力なのです。

売主が協力すべきこと

さて、前項で解説した売却活動のうち、売主が協力すべきことは以下の通りです。

  • スケジュール調整
  • 内覧前の掃除・換気
  • 出迎え準備

スケジュール調整

内覧の案内は休日に集中するので、集客が多い売り出しはじめは、なるべく休日の予定を空けておきましょう。最初の1カ月の集客は重要なので、初期段階でのスケジュール調整は必須です。

内覧前の掃除・換気

内覧前には必ず掃除と換気をしましょう。まず、マンション売却が決まったら、水回りを中心に大掃除します。その後は、なるべく汚れないように注意して使い、フローリングの掃除は内覧予約が入るたびに行いましょう。

また、居住者は意外と気が付かないものですが、家には独特のにおいが漂います。そのため、内覧予約の30分くらい前から換気をするか、空調を作動して空気を循環させておきましょう。

出迎え準備

内覧日にはきちんと出迎えることも重要です。スリッパを用意したり、最初と最後に挨拶したりと、内覧者がお客様であるということを意識して出迎えます。

もちろん、売主の対応が良いことが購入の決め手にはなりませんが、少しでも良い印象を残すことで検討材料になるかもしれません。

早く売ることを意識する

4つ目の注意点は、早く売ることを意識するという点です。

というのも、早く売ることを意識すれば、自然と高く売ることに直結するからです。

長引くほど成約価格は下落する

東京カンテイのデータによると、以下のようにマンションは売り出しから成約までの期間が長引くほど、価格は下落する傾向にあります。

項目/成約までの期間 1カ月以内 2カ月以内 3カ月以内 4カ月以内 5カ月以内 6カ月以内
売出価格(万円) 2,597 2,675 2,731 2,803 2,659 2,695
成約価格(万円) 2,519 2,538 2,544 2,560 2,386 2,379
価格乖離率 -3.00% -5.15% -6.83% -8.67% -10.27% -11.72%
割合 39.6% 55.5% 67.3% 76.3% 82.3% 86.7%

※参考サイト:中古マンションの価格乖離率(東京カンテイ)(PDFファイル)

1カ月以内に売却すれば、売り出し価格からの下落率は3%ですが、3カ月以降は8%を超えてきます。このことからも、早く売ることと高く売ることはつながっていることが分かります。

売れ残り物件と認定される

上述したように、売却が長引くほど「売れ残り物件」と認定されます。

購入検討者は、中々「売れ残りかどうか」の判断はできませんが、購入検討者に別の仲介会社が付いている場合は要注意です。

仲介会社は売り出し時期を調べることができるので、どのくらいの期間売れてないか分かります。そうなると、「○○か月売れてないから値引き交渉しやすいです」と検討者に伝えるケースが多いのです。

築年数はどんどん経過している

また、売却中も築年数は経過していきます。特に、検討者が築年数を絞りやすい5年刻みに該当する場合は注意しましょう。

たとえば、築9年と11カ月であれば、後1カ月経過すれば「築10年以内の物件」には該当しません。そうなると集客が減少するリスクがあるので、そのような物件は特に早く売ることにこだわりましょう。

買取は最終手段である

5つ目の注意点は、買取は最終手段であるというのを理解することです。

買取の仕組みを良く知らない人は「最後は買取を選択すれば良い」と思っている人もいますが、できることなら買取は避けるべきです。

買取とは何か

買取とは、不動産会社が買主を「探してくる」のではなく、不動産会社自身が「物件を買い取る」ことをいいます。物件を買い取った後は、リノベーションなどをして転売することが多いです。

買取のメリット

買取のメリットは以下のとおりです。

  • 売却活動がない
  • 決済が早い
  • 周囲に売却を知られない

まず、不動産会社が買い取り金額を提示し、それをOKするかどうかなので売却活動はありません。また、不動産会社が購入するので、一般個人が購入するよりも決済は格段に早いです。

そして、広告活動をしないので、周囲に売却を知られないという点はメリットでしょう。

買取のデメリット

一方、買取は不動産会社が転売前提で購入するので、相場価格で購入しては利益が出ません。そのため、相場価格の7割~9割程度の価格まで下落します。

前項のメリットがあるとはいえ、ここまで価格下落がするという大きなデメリットがあるので、買取はおすすめしないというわけです。

よほど決済を急ぐときなど以外は、通常の売却でマンションを売却しましょう。

まとめ

それでは、今回解説した「マンション売却時のおける注意点」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。

記事のおさらい

  • 査定金額は金額ではなく根拠で選ぶ
  • 媒介契約は専任系媒介契約を結ぶ
  • スケジュール調整や出迎え準備など売却活動に協力する
  • 早く売ることを意識することで高く売れる
  • 買取はなるべく避ける

まずは、不動産会社を選定する「査定」です。きちんと根拠をヒアリングして優良な不動産会社を見つければ、売却活動は上手くいくケースが多いでしょう。

後は、売却活動への協力や意識の問題なので、上述した点をしっかり理解しておくことです。

執筆・監修者の中村昌弘さんの写真

コンサルタント

執筆・監修者/中村昌弘

宅地建物取引士

新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。

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