マンション売却時に確定申告は必要?ケースごとに徹底解説!

2018.12.26投稿 マンション売却時に確定申告は必要?ケースごとに徹底解説!
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コンサルタント

監修 中村昌弘

「マンションを売ったときに確定申告は必要なの?」

このように思う気持ちは良く分かります。日常的に確定申告するのは個人事業主や経営者くらいで、会社員の方は確定申告の経験がない方も多いでしょう。

なかには、マンション売却で確定申告が必要になるなんて考えてもみなかった…という人もいるかもしれませんね。

ネットで「マンション 売却」などと検索し、数多くある記事の中から偶然本記事へ辿り着いた人も多いでしょう。

この記事では、そんな方の以下の悩みを解決します。

この記事ではこんな悩みを解決します!

  • そもそもマンション売却にはどんな税金がかかるのか?
  • 自分は確定申告が必要なのか?
  • 税金の計算方法は?
  • 確定申告をしないとペナルティはあるの?

この記事は、上記のような疑問を持っている方に向けて丁寧に解説していきます。

マンションを初めて売却した人のお役に立てると嬉しいです。

編集部からひとこと

すでにマンションを売却したという方々、火災保険は解約しましたか?戻ってくるお金があるかもしれません。
火災保険を契約していた人は「マンション売却時は火災保険を解約!タイミングと保険料を取り戻す方法を解説」の記事も要チェック!

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《基本》確定申告が必要=マンション売却で譲渡所得が生じているとき

まず、「確定申告」の話をする前にマンション売却時の譲渡所得税について解説します。

というのも、確定申告が必要になるのは譲渡所得税がかかるときだからです。

そもそも、確定申告をするということは、基本的には納税が必要なときです。

そして、納税が必要ということは、マンション売却において課税対象となる「譲渡所得」が発生しているときなのです。

その譲渡所得がいくらになるのか、次章で計算方法を紹介します。

難しくない!譲渡所得の計算方法

譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得の計算式

これを売却に関するもの・購入に関するものに分けて、さらに細かく書くと、

譲渡所得=
(売却価格-売却時にかかった諸費用)
-(購入時のマンション価格+購入時にかかった諸費用-減価償却費用)

となります。

一見分かりにくいですよね。

でも意外と単純で、売却金額や購入金額からそれぞれの諸費用を引いたものが「譲渡価格」「取得費」と呼ばれているものです。

特別控除額については、よく用いられる特例に「3,000万円の特別控除」があります。適用条件を満たせば、特別控除額3,000万円を差し引くことができます。

減価償却費とは、築年数や構造、取得価格によって機械的に決まる価格です。

上記の計算によって、譲渡所得がプラスになれば、譲渡所得を支払う必要があり、確定申告が必要というわけです。

譲渡所得税率はマンションの所有期間で変わる

さて、ここで譲渡所得税率にも触れておきます。

譲渡所得税率は、マンションを売却した年の1月1日時点で、そのマンションを何年所有していたかで変わります。

  • 5年超の保有→長期所有
  • 5年以下の所有→短期所有

となり、それぞれ以下の税率が適用されます。

長期所有の場合 短期所有の場合
所得税 譲渡所得額×15% 譲渡所得額×30%
復興特別所得税 上記の所得税額×2.1% 上記の所得税額×2.1%
住民税 譲渡所得額×5% 譲渡所得額×9%

※参考サイト:
No.3208 長期譲渡所得の税額の計算(国税庁)
No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(国税庁)

税金がいくらになるか計算してみよう

税金を計算してみる

では、実際に以下のマンション売却における譲渡所得税の計算をしてみましょう。

  • 売却価格:3,700万円(諸費用135万円)
  • 購入価格:3,500万円(諸費用130万円)
  • 減価償却費:472万円

こちらを先ほどの計算式に当てはめると・・・

譲渡所得=(売却価格3,700万円-売却時にかかった諸費用135万円)―(購入時のマンション価格3,500万円+購入時にかかった諸費用130万円-減価償却費用472万円)=407万円

計算結果の407万円が譲渡所得となり、仮にこのマンションが長期所有の場合は以下の税額になります。

  • 所得税:301万円×15%=610,500円
  • 復興特別所得税 :451,500円×2.1%=12,821円
  • 住民税:301万円×5%=203,500円

譲渡所得額 合計:826,821円

ここまでで、確定申告が必要な譲渡所得がプラスになるケースが分かったと思います。

《必読》マンション売却で確定申告が必要になる3パターン

ポイントを教えます

この章では、マンション売却で確定申告が必要になる以下3パターンについて解説します。

  1. 譲渡所得税がかかるとき
  2. 3,000万円の特別控除を利用するとき
  3. 譲渡損失に関する特例を利用するとき

譲渡所得がかかるとき

1つ目の「譲渡所得税がかかる」に関しては、前項の通りです。

前項のように、譲渡所得がプラスの場合は必ず確定申告をして納税しなければいけません。

3,000万円の特別控除を利用するとき

3,000万円の特別控除とは、譲渡所得税を3,000万円マイナスするということです。言い換えると、譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金がかからないということでもあります。

3,000万円の特別控除を受けための条件は以下です。

3,000万円の特別控除を受けための条件

  • 売却する不動産が自分の家であること
  • 現在住んでいなければ、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年、前々年にこの特例を含め他の特例を受けていないこと
  • 親子や夫婦など特別な関係がある人に対して売ったものでない

ほかにも細かい条件があるので、詳しくは「マイホームを売ったときの特例(国税庁)」で確認ください。

この「3,000万円の特別控除」を受けられれば、大抵の場合で譲渡所得税はかからないと思います。

ただ、この特例を受けるためには確定申告が必要である点は覚えておきましょう。

譲渡損失に関する特例を利用するとき

ここまでで解説したように、譲渡所得がマイナスのときには確定申告は不要です。

しかし、譲渡所得がマイナス(譲渡損失)のときでも、以下の特例を利用する場合は確定申告が必要になります。

  • 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合)
  • マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき)

この特例をかんたんに説明すると、譲渡損失をほかの所得と損益通算でき、引ききれなかった分を3年間繰り越せます。

たとえば、給与所得が550万円で、マンション売却によって600万円の譲渡損失が出たとします。

そのときは、給与所得の550万円は譲渡損失の600万円で控除(550万円-600万円)されるので、その550万円に課せられていた税金はゼロになります。

そして引ききれなかった50万円は、最大で3年間繰り越すことができるというわけです。

ここまでで確定申告が必要なパターンが分かったと思います。譲渡損失が発生して、特例を利用しないときは確定申告が不要になります。

確定申告する時期は毎年2/18~3/15まで

この章では、確定申告する時期と、もし申告・納税が遅れた場合にはどうなるのかを解説していきます。

まず、確定申告する時期は毎年2/16~3/15です。ただ、税務署は土日休みなので、土日に差し掛かっていれば翌営業日に繰り上がります。

平成30年にマンションを売却している場合は、2019年2月18日(月)~2019年3月15日(金)に確定申告を行います。

売却時期によっては確定申告まで時間が空くので注意しましょう。

確定申告が遅れたときは「無申告加算税」がかかる

さて、前項で説明した期限に確定申告しなかった場合は、無申告加算税がかかります。

つまり、「申告する必要があるのに無申告だったので、その分ペナルティとして税金を上乗せします」ということです。

無申告課税の税率は、納付すべき税額によって以下の通り税率が異なります。

本来納付すべき税額 加算税率
50万円までの部分 納付すべき税額×15%
50万円超の部分 納付すべき税額×20%

たとえば、上述した計算によって100万円の譲渡所得税を納税する必要があったとします。

その場合、「50万円×15%+(100万円-50万円)×20%=17.5万円」が、無申告加算税額です。

つまり、本来納税すべき100万円と合わせると、117.5万円分を納税する必要があります。

税務調査前に申告すれば無申告課税は軽減される

前項のとおり、確定申告が必要なのに無申告だとペナルティが課せられます。

しかし、税務調査を受ける前に自ら申告すれば、無申告加算税率が5%に軽減されます。

つまり、前項で100万円に対して17.5万円の無申告課税額だったものが、5万円(100万円×5%)に減額されるということです。

そのため、確定申告をしていないことに気づいたのであれば、迅速に確定申告を行いましょう

さらに、確定申告する期限を過ぎていても、以下の条件をすべて満たせば無申告加算税は5%すらかかりません。

  • 本来の申告期限から1月以内の自主申告である
  • 期限内申告をする意思があったと認められる場合

なお、意思があるとは、次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます。

  1. その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限までに納付している
  2. その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと

いずれにしろ、きちんと確定申告を行えば問題ないことです。

マンション売却した翌年には確定申告が必要な場合があるという点を頭に入れておきましょう。

※参考サイト:No.2024 確定申告を忘れたとき(確定申告)

納税が遅れたときは「延滞税」がかかる

前項は、「確定申告」自体が遅れたときの話でした。

ここでは、確定申告したものの納税が遅れたときにかかる「延滞税」の話になるので、前項の話と混ざらないように気を付けましょう。

延滞税は、延滞した期間によって以下のように税率が異なります。

延滞期間 延滞税率
①納付期限翌日~2ヵ月経過まで 年7.3% or 特例基準割合+1%
②上記以降 年14.6% or 特例基準割合+7.3%

※参考サイト:延滞税の割合(国税庁)

「or」となっている個所は、値の低い方を優先します。

少し難しいですが下記説明のとおり、特例基準割合は毎年異なります。つまり、その年によって、延滞税の税率は変わることになります。

特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

引用元:延滞税の割合(国税庁)より

実際の特例基準割合を加味し、どちらのパーセンテージが低いか比較してみました。

下記の表を見ると、平成30年の確定申告分における延滞税率は、2ヶ月経過する日までは「2.6%」で、2ヶ月経過日の翌日以降は「8.9%」と分かります。

これは、特例基準割合の方が値が低いからです。

①納付期限翌日~2ヶ月経過まで
期間 年7.3%固定 特例基準割合+1%
平成26年1月~12月末 7.3% 2.9%
平成27年1月~12月末 7.3% 2.8%
平成28年1月~12月末 7.3% 2.8%
平成29年1月~12月末 7.3% 2.7%
平成30年1月~12月末 7.3% 2.6%
平成31年1月~12月末 7.3% 2.6%
②2ヶ月経過日の翌日以降
期間 年14.6%固定 特例基準割合+7.3%
平成26年1月~12月末 14.6% 9.2%
平成27年1月~12月末 14.6% 9.1%
平成28年1月~12月末 14.6% 9.1%
平成29年1月~12月末 14.6% 9.0%
平成30年1月~12月末 14.6% 8.9%
平成31年1月~12月末 14.6% 8.9%

仮に、譲渡所得が100万円だったときに、2ヵ月(61日)と20日間延滞してしまったときのシミュレーションは以下の通りです。

①2ヶ月経過日まで:100万円×2.6%÷365日×61日=4,345円
②2ヶ月経過以降:100万円×8.9%÷365日×20日=4,876円

100円未満は切り捨てになりますので、①+②で9,400円が延滞税です。

ただ、延滞税は時期によって異なる点もあり複雑なので、国税庁のサイト(延滞税の計算方法)でシミュレーションしましょう。

ここまでで、確定申告が遅れたとき、もしくは納税が遅れたときのペナルティが理解できたと思います。

確定申告に必要な書類

不動産売却に伴う確定申告に必要な書類

この章では、確定申告に必要な書類について解説していきます。

確定申告するときは以下の書類が必要です。

  • 確定申告書B様式(税務署)
  • 分離課税用の申告書(税務署)
  • 譲渡所得の内訳書(税務署)
  • 購入時・売却時の売買契約書
  • 登記簿謄本
  • 仲介手数料などの領収書

税務署と記載のある書類は、税務署で取得できます。あとは、マンションの売買契約時にもらっているはずです。

仮に、領収書などを紛失している場合には再発行は難しいでしょう。その場合は、銀行口座の明細など、仲介会社に手数料として振り込んだことが分かる証拠があれば代替できます。

また、各種特例を利用する場合は、以下の書類も必要なります。

  • 3,000万円の特別控除:除票住民票、譲渡所得計算明細書
  • 譲渡損失の損益通算:上記+譲渡資産の登記事項証明書、住宅ローンの残高証明

それぞれの書類は以下の場所で取得できます。

必要な書類 取得できる場所
除票住民票 市区町村の役場
譲渡所得計算明細書 国税庁のサイト(確定申告書付表等
譲渡資産の登記事項証明書 法務局
住宅ローンの残高証明 金融機関

ここまでで、確定申告時にはどのような書類を用意すべきか分かったと思います。

確定申告書類を作成する方法

この章では、確定申告書類を作成する方法を解説します。

大きく分けて、以下3通りの作成方法があります。

  • インターネット上で作成する
  • 税理士に依頼する
  • 税務署で書類を入手する

税理士に依頼するのは楽ですが、5万円~10万円程度の費用がかかります。

ただ、マンション売却時の確定申告はそこまで難しくはないので、自分で作成した方が良いです。

税務署で「税理士への無料相談会」なども実施しているので、そのような会を利用してみるのも良いでしょう。

また、税務署でも書類を取得できますが、国税庁が提供しているオンラインの確定申告作成サイト(※)を利用したほうがラクです。

確定申告書等作成コーナー(国税庁提供)のサイトトップのキャプチャ
画像:https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top

順番通りに入力するだけで確定申告書類は作成できるので、ぜひこちらを活用ください。初心者のかた向けに利用ガイドもあるので安心です。

また、先述した「減価償却費」も自動で算出してくれます。

※インターネット上で書類を作成する:確定申告作成コーナー(国税庁)

納税方法は5通り

最後に、譲渡所得税がかかるときに、どのように納税するかを解説します。

大きく分けて以下の5通りの納税方法があるのでチェックしておきましょう。

  • 金融機関や税務署の窓口
  • 振替納税制度を利用
  • ATMやインターネットバンキングで支払う
  • クレジットカードで支払う
  • コンビニで支払う

まずは納付書で納税する方法です。

納付書は、税務署や確定申告会場、金融機関などで取得できます。その納付書に税額を記載し、金融機関で支払うという流れです。

次に、振替納税制度を利用する方法です。

振替納税制度を利用する場合は、3月15日までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を所轄の税務署などで提出します。

また、金融機関のATMやインターネットバンキング上のサービス「ペイジー」を利用すればネット上からの納付も可能です。

ほかには、クレジットカード払い、納付金額が30万円以下であれば、コンビニで納付することも可能です。

このように、納税方法は色々とあるので、自分が最も楽な方法で納税しましょう。

まとめ

それでは、マンション売却の確定申告について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。

記事のおさらい

  • 譲渡所得がプラスのときに確定申告は必須
  • 譲渡所得がマイナスのときは確定申告が不要
  • ただし、特例を利用する場合はマイナスでも確定申告は必要
  • 確定申告、もしくは納税に遅れるとペナルティがある

マンションを売却したときは、まず譲渡所得がプラスなのかマイナスなのかを計算しましょう。

プラスなら、納税する場合も3,000万円の特別控除を利用する場合も確定申告は必要です。

マイナスなら原則不要ですが、特例を利用するなら確定申告は必要です。

そして、確定申告する際は、ネット上で行うのが一番簡単なので、ぜひ活用してみてください。

監修の中村昌弘さんの写真

コンサルタント

監修 中村昌弘

宅地建物取引士

新卒で不動産ディベロッパーに勤務し、用地仕入れ・営業・仲介など、不動産事業全般を経験。入居用不動産にも投資用不動産にも知見は明るい。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。趣味は読書。好きな作家は村上春樹、石原慎太郎。

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