不動産の個人売買は難しい!方法とリスクを知って賢く売却
2019.02.01投稿編集 すまいうる編集部
高い仲介手数料も払いたくないし、不動産の個人売買をやってみたいとお思いではありませんか?
一般的な不動産売却では不動産会社に仲介を依頼するのですが、法的には個人で不動産を売買することも可能です。
不動産会社に仲介を依頼しない場合、仲介手数料などを大幅にコストカットすることができます。
しかしながら「取引が難しそう」「個人で本当にできるのか?」といった不安は残るかと思います。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- 不動産の個人売買は可能なの?
- 不動産の個人売買のメリットやデメリットを知りたい!
- 仲介手数料を安く抑える方法を知りたい!
この記事では、不動産の売買を個人で行うべきかを明らかにした上で、個人売買のメリットとデメリット、具体的な売買の方法についてもお伝えしていきます。
仲介手数料をかけたくないなら個人売買になるのかな?
ひなペンギン
ペンギン先生
確かに個人売買だと仲介手数料はかからないけど、その分の手続きは大変になるんだ。判断は慎重にしよう!
不動産を個人で売買したい方も、個人売買するかでお悩みの方も、ぜひ最後までお読みください。
なお、不動産を仲介する場合でも、個人で売買する場合でも、不動産がだいたいいくらで売れるのか知ることは大切です。
まずは不動産査定で不動産の相場をつかみましょう。
※すまいうるは、株式会社エイチーム(東証一部上場)のグループ企業が運営するサービスです。
この記事の目次
節約はできるが個人売買をオススメできない理由
不動産会社に仲介を頼まず、自分で売却することは、結論からいえば可能です。
しかし、筆者としてはあまりおすすめできません。
なぜなら不動産会社を利用しない場合、不動産の販売活動はもちろん、以下の業務をひとりで行うことになるからです。
- 不動産の販売活動
- 買主とのやりとり
- 売買契約
- 引き渡し
これらすべて自分で行うことになります。
働きながらこれらの業務をすべてこなすのは、仮に元不動産会社のスタッフであったとしても、かなり難しい作業になるかと思います。
そのうえ、契約書の不備などでは法的なトラブルに発展する可能性もあります。リスクヘッジのために専門家による部分的なサポートを受ける場合も、費用がかかります。
でも仲介手数料にお金をかけたくないんだ。
ひなペンギン
ペンギン先生
働きながら売却活動ができないからと休んだり、リスクヘッジのためサポートを受けたりすると、かえって費用がかかることもあるよ。
不動産会社に仲介を依頼しない最大の理由は、おそらく不動産会社に支払う仲介手数料をゼロにできる点だと思います。
しかし、不動産会社の専門的な業務を知識がない一般人が行うのは、とても手間と時間がかかる難しいことなのです。
以降の章では「個人売買は可能であるが難しい」という前提を踏まえた上で、個人売買のメリット・デメリット・方法についてお伝えしていきます。
不動産を個人売買するメリット
不動産の個人売買のメリットは下記の2つです。
- 仲介手数料が不要
- 消費税が不要
おもに売却する側も、購入する側も費用を節約できる点がメリットになります。
1.仲介手数料が不要
不動産会社に仲介を依頼せずに個人で不動産を売買する最大のメリットは、仲介手数料がかからないことです。
不動産売却で一番費用がかかるのが「仲介手数料」なので、この費用がゼロになるのは、とても節約になります。
【用語解説】仲介手数料とは
不動産売却が成立した際、成功報酬として仲介をしてくれた不動産会社に支払う手数料のこと。
仲介手数料=取引価格×3%+6万円
すでにおおよその売却相場や、いくらくらいで売れるのか見積もれている場合は下記のシミュレーションで仲介手数料を確認してみましょう。
- 仲介手数料は宅地建物取引業法(以下、宅建業法)で上限が定められており、本シミュレーションでは宅建業法に基づいて上限金額を算出しています。
- 計算結果の小数点以下の端数部分は、切り捨て処理をおこなっています。
- 仲介手数料は課税対象であり、上記の計算結果に別途消費税がかかります。
- 本シミュレーションによる仲介手数料の計算結果は、お客様が入力された売買金額をもとに算出した法定上の上限金額です。
実際に支払う仲介手数料は、実際の売買金額や不動産会社の取り決めによって異なります。 - 売買金額が400万円以下と低廉な空き家等(土地・建物)である場合、本シミュレーション結果に現地調査費用相当額を加えた仲介手数料(上限18万円)を請求される可能性があります。(2018年1月1日施行「空家等の売買又は交換の媒介における特例」より)
3,000万円で売却できそうな家だったらどれくらい仲介手数料がかかるのかなぁ。
ひなペンギン
ペンギン先生
シミュレーションすると96万円(税抜き)だからだいたい100万円が仲介手数料だね。個人売買だと、100万円の節約になるね!
2.消費税が不要
個人間の売買においては、消費税の課税対象にならないので、買主としては安く買えるメリットがあり、売主としても売りやすくなります。
消費税がかからないことを、売り出す際のセールスポイントにすることができます。
ペンギン先生
個人売買はすべて「自分」でするから、大変な分、手数料もかからないんだ。
その他のメリットはあまりありませんが、あえて挙げるならば、不動産売買の経験を積むことができる点でしょう。
たとえばこれから不動産投資をおこなう予定の人が、販売から契約まで自分で行うことで、不動産取引に精通するメリットもあります。
ただし個人で何度も不動産売買を行う場合は、不動産業とみなされて、宅地建物取引業法の違反となる可能性があります。
一回の取引であれば宅地建物取引業法の違反にはなりませんが、個人で不動産取引を複数回行うことはやめましょう。
不動産を個人売買するデメリット
不動産を個人売買するメリットに比べて、デメリットはかなり多いです。
- 買主を自分で探さなくてはならない
- トラブル対応が難しい
- 契約書類を自分で作成しなくてはいけない
ここからは不動産を個人売買するデメリットについてみていきましょう。
1.買主を自分で探さなくてはならない
所有する不動産を売却したい場合、当然ながら自分で買主を見つける必要があります。
具体的には、インターネットの不動産サイトに広告を載せたり、チラシを作ったりする作業をすべて自分で行う必要があります。
仲介を依頼する場合は、不動産会社が大手の不動産情報サイトへ掲載してくれるのでかんたんに全国各地の購入希望者を探すことができます。
同じことを個人でやろうとすると、かなりの労力と時間と広告費用がかかります。
2.トラブル対応が難しい
個人で不動産売却する以上、不動産取引において何らかのトラブルが発生した場合は、当事者間で解決する必要があります。
考えられるトラブルとしては以下があげられます。
不動産取引で考えられるトラブル
- 説明不足によるトラブル
- 契約書などの書類のモレ・不備に関するトラブル
- 購入後の不具合(瑕疵)に関するトラブル
どれも売主の専門的な知識が足りないために起こりうるトラブルです。
買主、売主のどちらに責任があるのか、トラブル解決にはどのような手段をとるのか、すべて自分で判断する必要があります。
しかしながら売主自身が、不動産取引に精通していない場合、売却する不動産の専門的な不動産調査や準備を十分にできない可能性があります。
たとえば土地の土壌汚染などのリスクヘッジが不十分だったり、雨漏りや設備の不具合などの瑕疵を見逃したりするケースが考えられます。
トラブル怖いなぁ
ひなペンギン
ペンギン先生
仲介業者が間にいればトラブル対応もやってもらえるよ。これが負担になる場合は個人売買はやめた方がいいかもしれないね。
とくに不動産は扱う金額が大きくなるため、法的なトラブルに発展するおそれを考えると、売却のプロである不動産会社に仲介を依頼する方がいいかもしれません。
▽不動産売却で起こりうるトラブルに関してはこちら
3.契約書類を自分で作成しなければならない
不動産会社に仲介を依頼する場合、売買契約書や重要事項説明書は不動産会社が用意しますが、個人売買の場合はこれらの書類を自分で作成する必要があります。
重要事項説明書は、法律上必ず必要な書類ではありません。
しかし、買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関から重要事項説明書の提出を求められるケースがほとんどです。
このため重要事項説明書は、不動産の売買においてほぼ必須の書類と考えてよいでしょう。
勉強したらひとりで重要事項説明書を作れるかな?
ひなペンギン
ペンギン先生
残念だけど、重要事項説明書は宅地建物取引士の資格がないと作れないんだ。
重要事項説明書の作成には、宅地建物取引士の資格が必要になります。
買主が住宅ローンを利用したい場合、重要事項説明書を作ってくれる、個人売買のサポートをやっている不動産会社を探す必要があるのです。
不動産売買に関して知識がない場合は、まずこの勉強から始めることになるので大変です。
売買契約時の契約書の説明に関しても、本来取り決めておいた方がよいことが漏れていたり、告知すべきことをしていなかったりすると、後日トラブルに発展する可能性があります。
売買契約書のひながたはe物件情報にテンプレートがあるので、参考にしましょう。
個人売買は専門的な知識がないと色々大変なんだね。
ひなペンギン
ペンギン先生
あとはコミュニケーションも大変かな。個人売買の場合、せっかくの買主候補を逃したくないという思いから、無理な値引き要求などを断れない可能性もあったりするよ。
不動産を個人間で売買する流れと注意点
ここからは、不動産を個人間で売買する際の流れと注意点について解説していきます。
1.売却物件の相場を確認
まずは売却する不動産の価格相場を確認することが必要です。
インターネット上の不動産販売サイトを確認して、自分が売却する予定の不動産と同じような条件の不動産がいくらで販売されているかを確認しましょう。
注意点としては、あくまで売出価格であるため、実際の成約価格よりもやや高めに設定されている点です。
また過去の不動産取引における成約価格を確認することも有効です。
ペンギン先生
下記のエリアから不動産の所在地を選択してみよう!地価価格や売却価格がわかるよ。
北海道・東北 | 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 |
---|---|
関東 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 |
甲信越・北陸 | 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 |
東海 | 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 |
関西 | 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 |
中国 | 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 |
四国 | 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 |
九州・沖縄 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 |
そのほかにも、不動産流通機構が運営するREINS Market Information(レインズ マーケットインフォメーション)というサイトから、自分の売却予定の不動産と似た物件の、過去の成約情報を確認できます。
複数の不動産会社に査定を依頼して、複数の査定価格を確認することも、価格相場を知る方法の一つです。
査定額は不動産会社によってばらつきがあるので、なぜその査定額になったのか、評価の根拠について確認しましょう。
これにより相場価格がわかると同時に、自分の物件の強みと弱みを確認することができます。
2.個人売買で必要な書類の準備
売却には多くの書類を揃える必要があります。
広告用として必要な面積や間取り図などの情報は、マンションであれば自分が購入した際の販売パンフレットなどに載っています。
築年数の他、設備上の変化など、購入時と変更点があれば情報を更新する必要があります。
不動産を自分で売却するために一般的に必要となる書類・資料は下記の通りです。
必要書類名 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|
登記事項証明書 (登記簿謄本) |
○ | ○ | ○ |
購入時の売買契約書 ・重要事項説明書 |
○ | ○ | ○ |
権利証(登記識別情報通知) | ○ | ○ | ○ |
地積測量図・境界確認書 | × | ○ | ○ |
固定資産税納税通知書 (もしくは固定資産税評価証明書) |
○ | ○ | ○ |
マンション管理規約書 | ○ | × | × |
建物確認済証 (もしくは検査済証) |
× | ○ | × |
物件の図面 (販売パンフレット等) |
○ | ○ | ○ |
身分証明書 | ○ | ○ | ○ |
印鑑 | ○ | ○ | ○ |
印鑑証明書 | ○ | ○ | ○ |
通帳 | ○ | ○ | ○ |
住民票 | ○ | ○ | ○ |
抵当権抹消登記に必要な関係書類 (登記の委任状、解除証書もしくは 完済証明書、登記事項証明書) |
○ | ○ | ○ |
3.売出価格を決める
不動産を売却するためには、当然ですが価格を決める必要があります。
一般的な不動産取引においては、ほとんどといっていいほど買主から値引き要請が行われます。
このため、価格を決めるうえで重要なのは、まず値引き分を考慮して設定することです。どの程度の値引きの要求があるかはケースによります。
ペンギン先生
まず自分にとっての最低価格ラインを決めたうえで、相場価格、査定価格を元に売り出し価格を決めよう!
自分にとっての最低価格ライン、たとえば住宅ローンを返済できる売却額など、自分がどのくらいの値引きまで応じられるのかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
最初の売出価格に関しては、自分で調査した相場と、査定価格を参考に設定します。
不動産を早めに売却したい場合は相場の売出価格と同じ程度かそれ以下で、売却を急いでいない場合は、相場価格より少し上で価格設定してもよいでしょう。
4.購入検討者を探すため広告を出す
不動産の購入者を見つけるために、広告を出す必要があります。
不動産売却のための広告の出し方について確認していきましょう。
不動産情報サイトへ登録する
現在、不動産の購入を検討している人の大多数は、インターネットを利用して情報収集を行っています。
個人で不動産を販売する場合、インターネットへの広告掲載は検討してみる価値はあるでしょう。ただし基本的には有料、かつ不動産会社しか登録ができません。
現在、不動産の広告効果が期待できるサイトは、スーモ、HOME’S、アットホーム、Yahoo!不動産、オウチーノです。特にスーモ、HOME’Sは数多くの人が物件探しに利用しているサイトです。
これらのサイトは集客が期待できますが、不動産会社のみが物件の広告掲載可能となっており個人売買の場合は利用できません。
後述する無料の広告サイトを利用するか、インターネット以外の方法で購入検討者を探しましょう。
折込チラシを作成する
折込チラシを作成するという広告手段もあります。
折込チラシは、どの地域にどのくらいの枚数を配るのか指定ができます。一枚当たりの費用は約3〜4円で、1万部の場合は3〜4万円になります。
折込チラシの依頼方法は、広告代理店に依頼するか、自分で印刷店に印刷を依頼して、新聞販売店に配布を依頼するかになります。
前者の手段は依頼するだけなので手間がかかりませんが費用が高くなり、後者はその逆になります。
不動産会社のチラシを真似して、作成するのが費用もかからないためオススメです。
人づてで探す
人脈を活用して購入希望者を探すことも重要です。
特に一軒家や土地の場合は近所の人たち、特に隣接する土地の人には必ず話を持ちかけてみましょう。
隣地を購入することで、自分の住んでいる土地や家の価値が上がる可能性があるため、隣接する土地の人は購入する確率が高いのです。
その他、友人や知人に自分が不動産を売却する意思があることを伝えておきましょう。
どんなことがきっかけで購入希望者が見つかるかわかりません。売却の確率を上げるための行動はすべて行いましょう。
5.購入検討者の問い合わせ対応・内覧対応(現地確認)
不動産売却の広告を出した後、購入検討者からの問い合わせが発生します。
個人売買の場合、購入検討者の問い合わせや内覧もすべて対応する必要があります。
不動産の購入検討者の多くは土日に内覧を行います。内覧に対応するために、売却期間中は、土日は予定を入れないようにしましょう。
内覧では物件の概要説明をするだけでなく、購入検討者からの土地や家に関する質問に答える必要があります。
特に不動産の売却理由については必ずといっていいほど質問されます。想定される質問に対する答えを用意しておきましょう。
その場で答えられない質問に対しては、後日メールで回答するなどして、誠実な対応を心がけましょう。
あやふやな答えでごまかしては購入検討者の心証を著しく損ねます。
6.購入検討者からの価格交渉の対応
ほとんどの場合、購入検討者から値引きの要請があります。
上述した通り、自分がどこまで値引きに応じられるのかの最低価格を確認しておきましょう。
価格交渉で大切なことは、感情的にならないことです。購入検討者によっては、わざと大きな値引き額を提示するなどの値引き手法を行います。
また、個人の売主ということで、足元を見られる可能性もあります。
無茶な値引きにかっとなることもあるかもしれませんが、物件売却のためにあくまで冷静に対応しましょう。
7.売買契約書や重要事項説明書など重要書類の作成
民法上、個人間売買では売買契約書・重要事項説明書の作成は義務づけられていません。
そのため口頭の約束だけでも契約は可能です。
ただ、基本的には契約書類を用いない契約はほぼありません。また、ただでさえ個人間の取引ということで不安を持っている買主は、売買契約書を使わない契約は行わないでしょう。
買主が住宅ローンを組む際に、金融機関から売買契約書の提出を求められるケースもあります。
契約後のトラブルをできる限り避けるためにも書類は間違いなく用意するべきです。
売買契約書の作成ポイント
売買契約書は、不動産を購入した際の売買契約書を参考に作成しましょう。
売買契約書のひな型は、インターネットにて無料でダウンロード可能です。ただしあくまでひな型なので、自分の契約内容に沿った内容に変更する必要があります。
たとえば、以下のような項目については、売買契約書に盛り込むことが必要だと思われます。
それぞれの費用金額や、買主や売主いずれが負担するのかなど、明記しましょう。
- 売買不動産の所在、売買代金の金額
- 売買代金の支払日
- 所有権の移転および引渡
- 公租公課等の精算方法
- 手付解除について
- 引き渡し前の物件の危険負担
- 契約違反による解除
- 反社会的勢力の排除
- ローン特約
- 瑕疵担保責任
契約内容の不備が、重大なリスクにつながる恐れがあります。
トラブルを避けるためにもなるべく司法書士など専門家に作成を依頼するか、作成した契約書についてのアドバイスを受けることをおすすめします。
8.契約締結・手付金受け取り
売買契約を締結する際に、通常は買主から売主に対して手付金が支払われます。
手付金は、売買代金の一部として扱われます。
手付金の金額に関しては法的な定めありません。一般的には売買価格の5%から10%ですが、買主売主双方が合意していれば例えば10万円などの少額でも大丈夫です。
ただしあまりに少額の場合、手付金を放棄して契約を解除する「手付解除」が容易になるので、あまりに少額な手付金はおすすめしません。
9.引き渡し・決済・登記
通常、不動産取引においては、不動産の引き渡しと決済、登記は同じ日に行われます。
集合場所は、個人売買の場合は金融機関、司法書士に依頼している場合は司法書士事務所などが一般的です。
固定資産税と都市計画税、管理費などの精算もこのタイミングで行います。
登記については、売主にローンが残っている場合は「抵当権抹消登記」、買主は「所有権移転登記」を行います。
その後、売主から買主へ物件の鍵や、建築確認通知書、検査済証、境界確認書などの引継書類を渡して引き渡しは終了です。
引き渡しが漏れなく行われたことを証明するために、引き渡しするもののリストを作りましょう。
引き渡し確認書を作成して買主にサインをもらうことで、後日のトラブルを避けられます。
▽不動産の登記についてはこちら
不動産の個人売買を成功させるコツ
不動産の個人売買には、数多くのデメリットがあります。
ここからは、個人売買のデメリットをカバーし、売買を成功させる方法について解説していきます。
ただし、あくまで補助的な方法であり、デメリットをすべて解決するような方法はない点は留意してください。
1.個人売買ができる不動産広告サイトを利用する
個人売買では幅広く買い手を探すためにも、個人売買ができる広告サイトを利用しましょう。
ペンギン先生
個人売買で一番苦労するのが、買い手探しなんだよ。できるだけ購入希望者の目に留まるようにしよう!
サイト名 | 概要 |
---|---|
e-物件情報 | 個人が物件を掲載できる不動産広告サイト。仲介手数料なしで個人間売買・賃貸が可能。(2020/3/2 登録されている売買物件:249件) |
全国不動産物件情報 物件S | 全国規模で賃貸物件・売買物件を紹介しているサイト。登録料・手数料無料で個人売買可能。(2020/3/2 登録されている売買物件:2336件) |
e-物件情報は「売主・買主を直結する」ことをかかげた不動産広告サイトです。
すべて個人でやりとりすることも可能ですが、不動産取引の経験がない人に向けたエージェントサービスも行っています。
個人売買の不安要素であるトラブルを回避するためにも、困った場合は活用してみましょう。
2.個人取引のサポートをしてくれる不動産会社や、専門家に部分的なフォローを依頼する
世の中には個人の不動産取引のサポートを行う会社があります。
このような会社に、売買契約書作成や、売却までのスケジュールプランの作成、代金決済、引き渡しの業務だけを依頼することも可能です。
また不動産の専門家である、司法書士などの専門家に売買契約書作成の依頼をすることも可能です。
ただし部分的なサポートに留まるため、売買契約において何か問題が起こった場合もトラブル対応はあくまで個人で行う必要があります。
また、どうすれば顧客を見つけられるのか、売れない場合に価格を下げるかどうかなど、不動産の売買活動そのものに関するアドバイスをもらうことはできません。
不動産会社に依頼しつつ、手数料を安く抑える方法
ここからは「不動産の個人売買はやはり難しいけれど、費用は抑えたい」という人に向けて仲介手数料を安く抑えるための方法についてご紹介します。
個人売買は難しいと判断しても、手数料を安く抑えることはできます。
1.仲介手数料が無料・半額になる不動産会社を探す
不動産会社のなかには仲介手数料が無料・半額になる会社もあります。
そんなに安い会社もあるんだ?!
ひなペンギン
ペンギン先生
そもそも仲介手数料の「3%」は上限だから、3%未満の不動産会社がいてもおかしくはないよ。
インターネットから「不動産売却 仲介手数料 無料」「不動産売却 仲介手数料 半額」といった検索をして、元から手数料が安い会社を選び問い合わせしてみましょう。
ただし、安いことを重視してどんな不動産会社か調べないのは危険です。自分の大切な資産を任せて大丈夫かどうかを考えて行動しましょう。
元から手数料が安くなくても、仲介手数料は値下げすることもできます。
2.不動産会社と手数料の交渉をする
元から仲介手数料が安くなくても、交渉によって手数料を抑えることは可能です。
たとえば、媒介契約の際に値下げを交渉することができます。
どうして媒介契約で仲介手数料を値下げできるの?
ひなペンギン
ペンギン先生
不動産会社としては仲介手数料を値下げしてでも専任系の媒介契約を結ぶことで、他の業者と余計な競争を避けたいからだよ。
不動産会社としては、専任系の媒介契約だと他の業者に取られる心配が減るため売却に注力しやすくなるのです。
また専任系の媒介契約は、窓口がひとつの不動産会社になるため売主にとってもメリットがあります。
契約種類 | 概要 |
---|---|
一般媒介契約 | 複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約。自分で買主を見つけてきた場合は不動産会社を通さずに契約可能。 |
専任媒介契約 | 1社の不動産会社のみに仲介を依頼する契約。自分で買主を見つけてきた場合は不動産会社を通さずに契約可能。 |
専属専任媒介契約 | 1社の不動産会社のみに仲介を依頼する契約。自分で買主を見つけてきた場合も、依頼した不動産会社を通して取引しなければならない。 |
信頼できる不動産会社を見つけた後は、専任系の媒介契約を条件に仲介手数料の交渉をしてみましょう。
不動産会社と契約締結の前なら、交渉することができます。
まとめ
それでは、不動産の個人売買についておさらいしましょう。
記事のおさらい
- 不動産の個人売買は可能だがデメリットが多い
- 個人売買での広告手段はインターネットサイトや折込チラシなど
- 内覧のために売却期間中は土日に予定を入れない
- 価格交渉で大切なことは、感情的にならないこと
- 売買契約書は慎重に作成する、できれば専門家に依頼するかアドバイスを受けよう
- 引き渡しのトラブル防止のために引渡確認書にサインをもらう
売主が個人である場合、買主は少なからぬ不安を抱きます。
消費税がかからないというメリットはありますが、買主としては、そもそも取引が無事に成立するのかという不安の方が大きいかもしれません。
買主に安心して購入してもらうためには、売主の誠実な対応と、入念な準備が必要です。
この記事が、個人で不動産を売買する上でお役に立てば幸いです。
編集 すまいうる編集部
不動産売却にまつわるお客様の悩みや疑問に寄り添い、正しい情報をわかりやすく伝えることをモットーに執筆・編集をおこなっています。 不動産は大切な資産。お客様が納得できる形で売却できるように、心を込めてサポートいたします。