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家を売り出しはじめると、広告を見て興味を持った購入検討者から内覧の申し出が入ります。この「内覧」はマンションや戸建ての売却において重要なステップです。
あなたが家を購入したとき、あるいは、賃貸物件を借りたときを思い出してください。おそらく内覧で物件を気に入ったから、契約を決めたのではないでしょうか。
内覧は「売買成立を左右する場」とも言えるのです。もし内覧者へ不安を与えてしまったら、その内覧者が家を購入する可能性は低くなるでしょう。そうなると売却は失敗しやすくなります。
しかし、内覧はしっかり準備をすれば成功します。準備と工夫次第で、売却スピードも売却価格も変わってきます。
この記事では、内覧の準備ポイントのほか、当日のふるまいから注意点まで解説します。
《購入検討者がどう感じるか》を意識しながら読んでいただければ、「広告どおりの素敵なマンション!」「この家、思っていた以上に良さそう!」と思ってもらえる内覧になるでしょう。
編集部からひとこと
内覧当日、内覧希望者を連れてくるのは営業担当です。室内の案内も、売主ではなく営業担当がおこないます。ですが、住んでいる売主のことも内覧希望者は気にされます。はじめは売主も立ち会うことが基本なので、当日は「お客さまをお出迎えする」という心構えでいましょう。
この記事の目次
【スケジュール調整】内覧の時間帯を工夫して成約率アップ!
ケースにもよりますが、売り出しはじめは週に数件以上の内覧予約が入ることがあります。
土日だけでなく平日夜でも見学希望がありますが、なるべく売主もスケジュールを調整して対応しましょう。
ただ、できるなら「案内する時間帯」の工夫をおきたいところ。部屋がいちばん良く見える時間帯に案内した方が、検討度合いは上がるからです。
たとえば、東向きの部屋であれば、午前中に見学してもらった方が部屋は明るく見えます。西向きの部屋も、夕方になると西日が厳しいので、午前~14時くらいまでに見学した方が良いでしょう。
自分の部屋が最も良く見せる時間帯は売主が良く分かっていると思うので、営業担当にその旨を伝えておくことをオススメします。見学希望者の都合もありますが、調整できるようであれば営業担当が調整してくれます。
では内覧当日に備え、次章からは部屋の掃除など「売主がしておくべきこと」を紹介します。
【準備①】内覧までに丁寧に「掃除」をしておく
購入検討者が家を選ぶとき、エリア・駅距離・築年数などいろいろな要素で善し悪しを判断します。何を重視するかは人によって異なりますが、「室内環境」を軽視する人はほとんどいません。
いくら築浅のマンションでも、室内が劣化していれば検討度合いが下がります。逆に、築年数が古いマンションでも、室内がきれいであれば検討度合いを上げることができます。
室内の状態は内覧者が購入を検討するときに重要な判断材料であり、部屋の印象によって売却スピードと売却価格は大きく変わるのです。
そのため、内覧の前に部屋の掃除をしておくことが基本中の基本と言えます。頻度も「内覧の前に毎回掃除する」という認識でいたほうが良いでしょう。
優先度の高い掃除場所は「水回り」
内覧準備の掃除として、もっとも重要なのは水回り(キッチン、お風呂場、トイレ)です。
水回りは衛生面において多くの人が気になる部分であり、特に女性は敏感になりやすいです。
たとえば、壁紙に黒ずんだ汚れがあるのと、お風呂場にカビが生えているのとではどちらの印象が悪いでしょうか?もちろん壁紙の汚れも気になりますが、恐らくカビの方が気になる人は多いと思います。
そのため、マンションを売りに出すことを決めたら、真っ先に水回りを大掃除しましょう。普段掃除しないキッチンの換気扇なども、一度掃除することをおすすめします。
見落としがちな「共用部」も掃除しておく(マンションの場合)
室内だけでなく共用部も掃除しておくと、より検討者の印象は良くなります。もちろん、外部廊下をすべて掃除するわけにはいかないので、自分の家の玄関前だけでも良いです。
できれば、内覧時に歩いて通る場所「エントランス→外部廊下→エレベーター→玄関前」くらいは事前にチェックしておきましょう。
すべて掃除するのは難しくても、ゴミなど目立つものがあれば事前に除去しておくことで印象は良くなります。
便利なお掃除アイテム4選!特に重曹は万能!
水回りを含め、掃除するときに用意しておくと便利なアイテムを4つ紹介します。
アイテム | 効能 |
---|---|
メラミンスポンジ | 水回りの水垢や、クロスの黒ずみ落としにも利用可能です。 |
クエン酸 | 頑固な水垢に有効です。水100mlに対してクエン酸を小さじ2杯ほど入れれば、汚れが落ちる水ができます。 |
歯磨き粉 | 水垢を落とせるので、不要な歯ブラシで蛇口などの細かい部分を磨いてみましょう。研磨剤も入っているので、ピカピカになって見栄えも良くなります。 |
重曹 | シンクやコンロ、浴槽の汚れやクロスの汚れにも利用できます。 |
特に重宝するのは「重曹」です。
単純にスポンジに重曹を付けてこすれば油汚れは落ちますし、消臭効果もあります。
また、重曹をペースト状にしてお風呂やクロスの汚れに塗ってみましょう。数分間放置して、そのあと拭き取れば大抵の汚れは落ちています。
浴室の鏡の磨き方
浴室の鏡は水垢が付いていて中々落ちません。そんなときは、上述したクエン酸スプレーで拭き取るか、それでも落ちないときは消臭用エタノールがおすすめです。
布巾に消臭用エタノールを染み込ませて鏡を拭けば、クエン酸スプレーよりも水垢が取れます。浴室の鏡がピカピカであれば、水まわりの印象は一気に良くなるでしょう。
カビの取り方
浴室などにできやすいカビは、通常の洗剤ではなくカビ取り用の洗剤を購入して除去しましょう。
ただ、一度除去してもカビは生えやすいので、日々のケアが重要です。
入浴後は必ず換気をしてなるべくカビが生えない環境にしておくことで、毎回カビ取りの洗剤を利用する手間が省けます。
汚れが酷くなければクリーニング業者は不要
家売却の内覧時に「クリーニング業者へ依頼する必要はあるか?」という質問をよく受けます。
結論から言えば、よほど汚れていなければクリーニング業者は不要でしょう。
仮に、50㎡の部屋をフローリング・水回りの全箇所をクリーニング業者に依頼すれば、10万円を超える金額になります。
しかし、上述したアイテムを利用して掃除すれば、業者がクリーニングしたのと近しい状態にできるのです。
ただ、どうしても「浴室のカビが落ちない」「キッチンコンロが汚い」などであれば、ワンポイントのクリーニング依頼は検討しても良いです。
その場合は、何社かに見積もりを依頼して、費用を加味した上で判断しましょう。
【準備②】フローリングやクロスの小さな傷はセルフで補修する
クロスやフローリングの傷は、補修すると「部屋がきれいに見える」という意味では掃除と同じ効果を持ちます。
大きな傷を素人が補修するのはオススメできませんが、小さな細かい傷であれば市販の補修グッズで十分に対応できます。
特に、リビング・ダイニングのクロスやフローリングに傷があると目立ちますので、その部分だけでも自力で補修してみることをおすすめします。
【準備③】モノの配置・見せ方を工夫して部屋を広く見せる
掃除を徹底しても、置かれているモノによって部屋の印象は大きく変わります。
広々とした明るい部屋を演出する工夫をして、購入検討者に「素敵な部屋」と思ってもらいましょう。
ポイントは以下の3つです。
- 玄関に背の高いモノを置かない
- 床にモノを置かない
- 部屋のカラーを白基調にする
玄関に背の高いモノを置かない
玄関に背の高いモノを置くのはやめましょう。
玄関は部屋の第一印象を決める場所。玄関はただでさえ狭いスペースで、背の高いものを置いてしまうとさらに狭く感じるからです。
たとえば、コート掛けを置いていたり、シューズクローゼットとは別に背の高いシューズボックスを置いていたりする場合は要注意です。
内覧期間中は、どこか別の場所に保管しておくなりして、玄関に置くことは避けましょう。
床にモノを置かない
床には、なるべくモノを置かないようにしましょう。
部屋の広さの印象は、床面がどのくらい露出しているかによって変わるからです。
床に物がたくさん置いてあると床面の露出面が少なく、部屋が狭く見えてしまうのです。
生活に必要な物は置いても良いですが、不要な棚やラックなどは片づけてしまいましょう。家の売却時に捨てる予定のモノであれば、売却中に捨ててしまい荷物を少なくした方が得策です。
部屋のカラーを白基調にする
最後に、部屋全体を白基調にする工夫をしてみましょう。
これは、フローリングが真っ白な部屋と真っ黒な部屋を見比べてみれば分かりますが、同じ平米数でもフローリングが白い方が広く見えるのです。
でも、すでに配置してある家具や家電を白にするのは難しいですよね。この場合は、たとえばクッションカバーを替えてみたり、枕カバーや布団カバーを替えてみたりと、小さな変化で構いません。
小さい変化ながら、部屋の印象は意外と変わってきます。また、白基調の部屋にすることで、部屋全体が明るく見えるというメリットもあります。
【準備④】においの対策をする
「知り合いの家に行ったときに、臭くはないけども何となく変なにおいがする」という経験をしたことはありませんか?
これは、内覧でも同じようなことが起こります。
特に、靴のにおいは第三者には臭いと感じるポイントなので、シューズクローゼットはしっかりと消臭しておきましょう。香りの強すぎない芳香剤を玄関に置いておくという方法もあります。
とにかく、玄関を開けた瞬間に「何か臭い」と思われないことが重要です。そう思われてしまえば、いくら玄関を広く演出しても印象はマイナスです。
内覧当日に売主が意識したい4つのポイント
ここまでお話した準備をしっかりおこなえれば、あとは当日の振る舞いを意識するだけです。
内覧は、家の売買を成立するための大事なステップ。内覧者が実際の部屋を見てどう感じるのか、気になったことを解消できるのか、見たいところをすべて見ることができるのかが大切です。
そこで、内覧者の視点から、売主が意識したい大切なポイントを紹介します。4つお話しますが、ひとことで言えば「相手への配慮」が大事ということです。
- 内覧者をお客様としてお出迎えする
- 快適な室内空間をつくる
- 内覧者の視界に入らない
- できる限りすべてを見せる
内覧者をお客様としてお出迎えする
まず大前提として、自分が売主の立場であり、内覧者を出迎える立場であることを認識しましょう。
接客全般は営業担当がおこなうのでつい忘れがちですが、内覧者は売主にとっても「お客様」です。
玄関やバルコニーのスリッパを用意したり、出迎えと見送るときには挨拶をしたりと、最低限のお出迎えスタンスは忘れてはいけません。
また、出迎え時は家族全員の顔を見せることが理想です。というのも、買主も「どんな人が住んでいたのだろう」というのは気になるからです。
いざ購入するときには、売主の顔が見えていた方が心理的な抵抗が小さくなります。(つまり安心できる)
そのため、出迎えは家族全員ですることをおすすめします。
快適な室内空間をつくる
内覧者ができるだけ長い時間滞在してくれるように、快適な室内空間を演出しましょう。
具体的には、換気をした後、エアコンで快適な室温・湿度を保ち、照明で明るさを調整します。
中古物件は新築物件の見学時と違い「居住中」の家を内覧することがほとんどです。そのため、内覧者の立場からすると「居住中だから長居しては悪いな」と思う人が多いです。
ただ、内覧者からの質問や交渉ごとを当日中に済ましておいた方が、売れる可能性は上がります。内覧者に室内をじっくり見てもらい、気になったことを質問してもらえる状況が望ましいです。
そのため、内覧者が少しでも気持ちよく気兼ねなく部屋を見学できる雰囲気づくりが重要になります。
内覧者の視界に入らない
内覧者は売主に遠慮した状態で部屋を見学しています。そのため、なるべく内覧者が伸び伸び見学できるように、内覧者の視界に入らないほうが良いです。
何なら、出迎えたあとの内覧中は、近くの公園に行ったり、マンションならエントランスで待機していたりした方が良いくらいです。外出するのが難しい場合は、せめて同じ部屋にいないように配慮した方が良いです。
そうすることで内覧者はリラックスして見学できる上に、営業担当に価格面など、売主の前ではしにくい質問もしやすくなります。
できる限りすべてを見せる
「内覧ではどこまで見せるべきなんだろう?」と気になると思います。結論としては、内覧はできる限りすべてを見せてください。
寝室やクローゼットの中を見せることを嫌がる売主さんもいますが、内覧者の立場からするとどうでしょうか。寝室は当然見学したいですし、クローゼットもどのような形状か確かめたいはずです。
基本的にはあらかじめ整理整頓をして、できる限りすべての箇所を見せるようにしましょう。
なお、営業担当からすると「クローゼットの中も含め、全部の箇所を見せて良いですよ」と言ってもらえると助かります。
マンションや戸建て売却の内覧で絶対にやってはいけないこと
ここまでは、内覧時に「意識してやるべきこと」を解説しましたが、次は「絶対やってはいけないこと」について解説します。
トラブルに発展しないためにも、押さえておきましょう。
不確実なことを伝えるのはNG
たとえば、「駅の再開発が計画されているみたいですよ」や「近くの駐車場がスーパーになるらしいですよ」などとの不確実な噂ベースのことを伝えるのは避けましょう。
「恐らく○○です」といったことを、内覧者によっては確定事項として受け取ってしまう場合があります。
そうなると、契約前や引渡し前、最悪の場合には引渡し後にトラブルに発展するリスクがあります。
口約束をするのはNG
また、内覧時には買主と口約束にしないように気を付けましょう。
たとえば、「エアコンはそのままにします」や「カーテンも付けますよ」という約束です。
それらをすべて覚えていれば問題ないですが、本来そのようなことは申し込み段階で再確認して、「設備付帯表」などの書面で残します。
下手に口約束すると、言った・言わないのトラブルになりやすいです。
必要な内覧数は月3件~4件を目安に考える
実際に内覧が始まったとして、いったいどれほどの内覧を予定していれば良いのでしょうか。2回~3回?5回?10回?初めての売却だと、見当もつきませんよね。
売却が決まるまでの内覧数は、物件の条件や立地などによって異なります。たった1件の内覧で売買が成立することもあれば、数十件の内覧を経ても買主が決まらないケースもあります。
つまり「内覧が●件あれば成約する」という絶対的なラインがありません。
ただ、実際に一戸建てやマンションの仲介してきた営業担当の経験上、およそ10件の内覧があれば成約に至る可能性が高いようです。
売出しから成約までの期間はだいたい3ヶ月なので、ひと月で3件~4件と見ていれば良いでしょう。
期間 | 必要な内覧数・ペース |
---|---|
3ヶ月 | 10件以上 |
1ヶ月 | 3~4件以上 |
1週間 | 1件以上 |
もし内覧のペースが上記の目安に満たない場合は、次章で説明する「内覧数を増やす対策」をとってください。
内覧数はとても大切です。
いくら設備・仕様のグレードが高いマンションであっても、内覧が少なければ交渉の段階にも行けません。ある程度の内覧数がなければ、話にならないのです。
内覧数が少ないときに考えられる要因と5つの対策
売却中のマンションや戸建てに内覧が来ない理由はいくつか考えられますが、代表的な要因として5つ考えられます。
対策と合わせてまとめたのが、以下になります。
- 広告の量が足りない →(対策)広告量を増やす
- 広告の内容に問題がある →(対策)広告の内容を見直す
- 売出物件が認知されていない →(対策)オープンルームを実施する
- 不動産会社が良くない →(対策)不動産会社を見直す
- 価格が高すぎる →(対策)売出価格を変更する
まず考えられるのは、広告が効いていないという可能性。広告の量や内容に問題があるケースです。また、広告うんぬんではなく、単純に「認知されていない」ということも考えられます。
そして、広告戦略も含めた不動産会社の売却活動全体が悪い可能性もあります。
内覧者が来ない場合、これら広告状況・認知状況・不動産会社の動きに対する対策を講じましょう。
それでも内覧数が改善されない場合は、最終手段である売出価格の改定をおこないます。
対策1.広告量を増やす
ここでいう広告とは、チラシなどの紙媒体のほか、ポータルサイトや自社HPなどのネット媒体へ載せる売出し広告のことです。
広告はもっとも集客に影響を与える要素なので、内覧が来ないときは広告からテコ入れします。
まずは、今までどのくらいの広告をしてきたかを営業マンにヒアリングしましょう。現在の広告量だけでなく、今までの広告量を含めた推移をチェックしてください。
販売活動のひとつとして、不動産会社から広告量を報告されていると思います。もし、売却報告で広告量の報告を受けていないのであれば、過去にさかのぼって広告量をチェックしてください。
さらに、
- ネット広告は、どの媒体にいつから掲載しているのか
- チラシなどの紙広告は、どのエリアにどのくらい投函したのか
といったこともヒアリングしましょう。
広告量を増加する余地はないかを相談しましょう
広告ボリュームのヒアリングをしたら、次に広告を増加する余地がないかの相談です。
営業マンの立場からすると、特に紙チラシの広告は費用がかかり、その費用は不動産会社が支払うことになるので避けたいのが本音です。
しかし、先述した「月4件」「週1件」という最低ラインの内覧数をクリアできていないのであれば、広告量が足りない可能性は十分に考えられます。
投函量を増やしたり、ネットで掲載するサイトを増やしたりと、増加することができないか営業マンと交渉しましょう。
広告量の増加を依頼して、嫌がられないの?
物件によって異なりますが、「月4件」「週1件」をクリアしていないのであれば、営業マンに強く広告量の増加を依頼しても問題ありません。
仮に、それでも広告量を増やすことに難色を示すのであれば、それ以外に集客を増やす手段をヒアリングしましょう。
その手段がなければ、自動的に広告量増加を納得するはずです。
注意!「有料広告」は実施しないこと
さて、広告量を相談する過程で、営業マンから有料プランの提案をされることがあります。広告費は基本的に不動産会社が支払いますが、有料プランは別です。
たとえば、ネット広告の特集に掲載したり投函量を大幅に増やしたりするときには、別途広告料を請求されます。その有料広告は基本的に実施しなくて良いでしょう。
なぜなら、追加料金を払って広告量を増やしたり特集に掲載したりしても、内覧数が上がるかは未知数だからです。
それよりも、次章以降で紹介する対策をする方が、よほど内覧数を増やすことにつながります。
対策2.広告の内容を見直す
次に、広告の内容を見直しましょう。内覧数が少ない要因として、広告の中身が良くないという可能性もあるからです。
具体的には、仲介を担当している営業マンと一緒に、以下をおこないます。
- アピールポイントの文言を売主目線でチェック
- 掲載画像の数と質をチェック
- 間取り図の見やすさをチェック
これら3つの見直しポイントについて詳しく解説していきます。
見直し①アピールポイントの文言
まず重要なのはアピールしている文言です。チラシやネット広告を掲載するとき、購入検討者へ端的にマンションの魅力を伝えやすいからです。
ネット広告であれば、物件の名前にアピールポイントを盛り込むことが多いです。たとえば、「駅から徒歩3分!公園も近い○○マンション」のようなイメージです。
この文言は営業マンが考えますが、売主の立場でこのアピールポイントがズレていないかを確認しましょう。入居者にしか分からないようなアピールポイントがあれば、営業マンに伝えて変更してもらうべきです。
なお、アピールポイントは以下に大別されます。
- 立地
- 周辺環境
- 室内環境
立地条件のアピール
立地とは、最寄り駅や駅距離などのことです。たとえば「駅徒歩3分」だったり、「●●駅(ターミナル駅)最寄り」などです。
ただ、駅徒歩3分でも信号待ちなしの平坦な道であれば、その点もきちんと文言に入れた方が効果的です。「徒歩3分」と「徒歩3分 信号なし!上り坂もない平坦な道!」だと集客力は違います。
そのような点は入居者しか分からない点も含まれているので、入居者の立場で営業マンにアピールポイントを伝えてあげましょう。
周辺環境のアピール
周辺環境とは、商業施設や医療施設などの利便施設や、公園などの住環境のことです。
営業マンも周辺施設は調べますが、地図とネットで調べるだけです。
そのため、施設や公園を見落としていることもあるので、まずは掲載されている広告の施設・公園をチェックしましょう。そして、不足があればすぐに営業マンに指摘し、広告に反映してもらいます。
また、地元の人しか知らない施設や公園の評判を営業マンに伝えておけば、営業マンが営業トークとして使ってくれます。
これは集客したあとの話ではありますが、少ない集客で成約率を高めるという意味では、内覧が来ないときの対策ともいえるでしょう。
室内環境のアピール
室内環境でアピールできるものがあれば、営業マンに伝えてみましょう。
- 陽当たり
- 眺望
- ハイグレードな設備
たとえば、同じ「南向き」でも「南向き! 窓が大きいため陽当たり良好!」の方が広告効果は高いです。これらは、入居者が体感してメリットと思った情報を広告にすることもあるので、積極的に営業マンへ伝えましょう。
また、検討者が物件を絞るときに「IHクッキングヒーター」「床暖房」など設備面をチェックすることがあるので、設備に不足がないかも確認しておきましょう。
仮に不足があれば、本来検索で露出するはずが検索に引っかからなくなってしまいます。
見直し②掲載画像の数と質
アピールポイントの見直しが終わったら、次に掲載画像をチェックしましょう。
具体的には以下の点です。
- 掲載画像の点数
- 掲載画像の画質
掲載画像の点数
ネット媒体での広告であれば、最低でも10~15点以上は画像が欲しいです。20点ほどあっても問題ありません。むしろ、外観・室内・設備・周辺環境など、さまざまな種類ごとに数点~10点ほどあっても問題ないでしょう。
また、アピールポイントに合わせた画像を掲載しているかもチェックが必要です。たとえば、眺望がアピールポイントであれば、昼間だけでなく夜景の画像も掲載したいです。
そのときは、売主自らスマホで撮影した画像を不動産会社へ送りましょう。その方が迅速に画像の掲載ができます。
眺望以外にも、設備や外観などが足りないと思えば、不動産会社の撮影を待つのではなく、自分で撮影して送付した方が迅速に対応してくれます。
掲載画像の画質
掲載画像の画質は、不動産会社によって大きく異なります。
たとえば、間取り図でも帖数が読み取れないほど荒い画像があったり、ピントが合っていない画像があったりということは意外と多いです。
もちろん、そのような画像の掲載は不動産会社のミスなので、すぐに指摘してすぐに差し替えてもらいましょう。
見直し③間取り図の見やすさ
広告の間取り図は必ずチェックしましょう。
紙広告・ネット広告ともに、間取り図の画質が荒かったり、簡易的過ぎたりするケースは意外と多いからです。
チェックする際は、図面集などの資料を用意しましょう。正式な資料をスキャンして掲載するのがもっともきれいに掲載できる方法です。
もし資料がなければ営業マンが作成しますが、そのときは簡易的な図面になりやすいです。その場合は営業マンに指摘して、精度の高い間取り図を作成してもらいましょう。
ちなみに、職業柄などで、間取り図を作成するのが得意なのであれば、売主が作成しても構いません。ただし、営業マンの方で縮尺を確認して、明らかにおかしな縮尺であれば修正を求められる場合はあります。
対策3.オープンルームを実施する
3つ目の対策は、オープンルームを実施するということです。オープンルームは内覧を増やす効果は高いのですが、意外と売主には知られていません。
オープンルームとは、かんたんに言うと「予約なしで部屋を見ることができるイベント」です。
たとえば「3/16(土)10:00~17:00 オープンルーム実施!」であれば、その時間はずっと部屋が開放されます。もちろん、営業マンが常駐しており、見学希望の方を個別に案内していくという流れです。
オープンルームを実施するメリット
オープンルームのメリットは、以下3つがあります。
- 内覧の敷居が低くなる
- 認知活動につながる
- 盛り上がりを演出できる
内覧の敷居が低くなる
中古マンションの内覧は意外と敷居が高いです。
というのも「まだ本格的に購入は決めてない段階で見学しても良いものか?」と思う人が一定数いるからです。
オープンルームは予約なしで見学できるので気軽に見学でき、このような層を取り込むことが可能です。
認知活動につながる
また、オープンルームを実施することで同じマンション内や、周辺のマンション住民にマンション売却をアピールできます。
いくらチラシを投函しても、意外とマンション売却を認知していない人は多いので、認知活動によって集客増も期待できるのです。
盛り上がりを演出できる
これは内覧者が複数人いるという前提ですが、オープンルームで1度に2組以上の内覧者が来れば、盛り上がりを演出することができます。
要は、「こんなに見学者がいるということは人気の物件なのか?」と思ってくれるというわけです。
これは少ない集客の中で成約率を高める効果があります。
オープンルームの実施は売主から提案すること
オープンルームは、1日中部屋を開放しているので、不動産会社からすると貴重な土日に営業マンを1~2人張り付かせることになります。そのため、積極的にオープンルームを実施しない不動産会社もあります。
しかし、集客増になる可能性は高いので、売主から提案してみましょう。
特に、集客がなく内覧が来ない状況のときは、売主から依頼することで不動産会社も重い腰を上げやすいです。
対策4.不動産会社を見直す
4つ目の対策は不動産会社を変更することです。
不動産会社を変更する基準は、不動産会社に以下のような問題があるときです。
- 媒介契約の義務を怠る
- 連絡が丁寧、正確、迅速でない
- 広告の見直しなど売主からの相談への対応を怠る
- 今後の売却戦略を考えていない
要は、家の売却に関して非協力的な不動産会社です。
売主への連絡が迅速でなければ、購入検討者への対応も迅速ではないでしょう。広告や物件自体に問題がなくても、不動産会社の姿勢ひとつで購入検討者がいなくなってしまう可能性があります。
また、「広告を見直す」などの相談をしても非協力的な場合は、不動産会社の変更を検討すべきです。
さらに、広告量や広告内容、価格改定なども含め、何かしら戦略を練っていない場合は不動産会社の変更を検討した方が良いです。優秀な営業マンであれば、そもそも内覧が来ないことへの対策は考えているはずだからです。
不動産会社を変更するまでの3ステップ
不動産会社の変更には、ふたたび不動産会社を探して媒介契約を結ぶという労力がかかります。
上記の基準に照らし合わせてみて、今の不動産会社があなたのマンション売却と真剣に向き合っていないことが分かった場合は、下記手順を取ってください。
- まずは営業マンの変更を依頼してみる
- いまが一般媒介契約なら、専任媒介契約か専属専任媒介契約に切り替える(仲介会社を1社に絞る)
- 営業マンや媒介契約の種類を変えてもダメなら、新しい不動産会社に変更する
まずは営業マンの変更を依頼してみる
不動産会社の変更は媒介契約の期間満了時にするのが基本ですし、新しい不動産会社も探す必要があるので手間です。
そのため、まずは営業マンの変更を依頼してみましょう。営業マンが変わることで上述した点が解消される可能性はあるので、そうなれば不動産会社を変更する手間が省けます。
変更の旨は、その不動産会社の事務所に電話して、担当営業マンの上長に相談してみると良いです。
そのときは、変更理由を明確に伝えることが重要です。
いまが一般媒介契約なら、専任か専属専任の媒介契約に切り替える
もしいま一般媒介契約を結んでいるのであれば、専任媒介契約か専属専任媒介契約、いわゆる「専任系媒介契約」に切り替えた方が良いです。
なぜなら、一般媒介契約は複数の不動産会社に売却を依頼しているので、不動産会社も広告費をあまり投下しないからです。広告費を投下しても、他社が成約すれば無駄になってしまうのが理由です。
一方、専任系媒介契約の場合は自分の会社しか売却活動していないので、広告費用はきちんと投下します。
媒介契約を切り替えるときの流れ
一般媒介契約は売主が通知すればいつでも解約できます。まずは、いま一般媒介契約を締結している複数の不動産会社から1社に絞りましょう。
そして、その1社とは一般媒介契約から専任系媒介契約に切り替えて、ほかの不動産会社とは一般媒介契約の解約をするという流れになります。
新しい不動産会社に変更する
不動産会社の変更を決めたときは、次の3点のポイントを頭に入れておきましょう。
- 別の種類の不動産会社にする
- 前もって不動産会社を探しておく
- 売却報告はメールでもらっておく
別の種類の不動産会社にする
不動産会社は大きく分けて、地元密着型の「地場業者」と、店舗をたくさん持っている「大手不動産会社」に分かれます。
不動産会社を変えるときは、別の種類の不動産会社にしましょう。たとえば、いま地場業者に依頼しているなら大手不動産会社に、大手不動産会社であれば地場業者に、というかたちです。
この2つの不動産会社はネットワークが異なります。集客できないということはそのネットワークを変えた方が良いのです。
前もって不動産会社を探しておく
不動産会社を変更するときは、通常は媒介契約の期間が満了する「媒介契約締結から3ヶ月後」におこないます。そのタイミングでスムーズに変更できるよう、前もって次の不動産会社を探しておきましょう。
探し方は今の不動産会社と媒介契約を結んだときと同じで、査定依頼をして不動産会社を選別します。
前に査定依頼している会社でも、競合環境などが変わっている可能性があります。もう一度査定依頼を行っておくことが重要です。
売却報告はメールでもらっておく
いまの不動産会社から売却報告をメールでもらっておきましょう。というのも、新しく媒介契約を結ぶ不動産会社に、今までの売却活動を伝えた方が良いからです。
売却活動報告は電話で受けても良いのですが、新しい不動産会社に伝えやすいようにメールでもらうことをオススメします。
また、そのときは「実施した広告」「問い合わせ状況」「検討者の状況」を記載してもらってください。その情報を使って、新しい不動産会社にマンション売却の戦略を立ててもらうという流れです。
対策5.売出価格を変更する(最終手段)
最後の対策として挙げられるのが「売出価格の変更」です。
あらかじめお伝えしておくと、価格を見直すのはあくまで最終手段です。さきに対策1~4をおこなうことを優先してください。
まずは競合物件の売り出し価格をチェックする
価格を見直すときは、まず競合物件をチェックします。
というのも、内覧数を増やすときに価格を見直すのは、「競合物件より売出価格が高いから内覧が来ない」という前提だからです。
また、価格変更は不動産会社が提案しますが、最終的に判断するのは売主です。いくらまで下げるべきか判断するためにも、基準となる競合のチェックは欠かせません。
当たり前ではありますが、自分のマンションの価格が高いか安いかは、周辺の競合物件の価格によって決まります。競合物件が相場よりはるかに安い金額だった場合、少し価格を下げただけでは効果は薄いでしょう。ポータルサイトなどで周辺物件の売り出し価格をチェックしておき、その価格を頭に入れておけば適切な価格変更をおこなえます。
売出価格を下げるときのポイント
競合物件の価格チェックをしたら、次は以下のポイントを押さえて価格の下げ幅を決めます。
- 価格の代替えで集客効果を高める
- 競合物件が少ない場合は、段階的に価格を下げた方が良い
- 競合物件が多い場合は、一気に価格を下げた方が良い
値下げは売主にとって金銭的に大きな損失になります。最終手段という認識のもと、効果的な価格変更をおこないましょう。
価格の代替えで集客効果を高める
内覧数を増やすためには、100万円台や1,000万円台の代替えを意識しましょう。
たとえば、売り出し価格が2,398万円であったならば、2,348万円よりも、100万円代が変わる2,298万円の方が集客効果は高いということです。
特に、2,598万円から2,498万円のように、500万円という区切りは重要です。というのも、中古マンションをネットで探すと、多くのサイトでは500万円区切りで価格帯を選ぶからです。
その点を意識して価格を変更しましょう。
競合物件が少ない場合は、段階的に価格を下げた方が良い
価格を一気に下げるか段階的に下げるかは迷うところですが、段階的に下げた方が良い場合は競合物件が少ないときです。
競合物件が少なければ、近い将来競合物件がなくなるかもしれません。そうなると希少価値が上がり自然と内覧数は増えてくるので、段階的に価格を下げて様子を見るというわけです。
競合物件が多いか少ないかの判断は、不動産会社に相談しましょう。
エリアによっても異なりますが、参考として条件が同じような物件が3物件未満であれば競合物件は少ない、3物件以上あれば多いといえます。
競合物件が多い場合は、一気に価格を下げた方が良い
逆に、一気に価格を下げた方が良い場合は、競合が多いときです。競合が多い状況のときは、インパクトを与えないと内覧増にはつながりにくいです。
そのため、段階的に少しずつ下げるのではなく、特に500万円台を意識して一気に下げることをおすすめします。
まとめ~内覧Q&A~
それでは、今回解説した「マンション売却・戸建て売却の内覧」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。
記事のおさらい
- 内覧ごとに必ず掃除をする
- 玄関と部屋は広く明るく見せる工夫をする
- 内覧当日は「お出迎えの心」を忘れない
- 内覧時に絶対やってはいけないことを理解する
内覧の準備は面倒かもしれません。しかし、その手間をかけることで1ヶ月早く売れるかもしれませんし、100万円高く売れるかもしれません。
売却期間中は多少忙しくなりますが、マンションを高く早く売るためだと思って、手間は惜しまずおこないましょう。
最後に、本記事の内容をかんたんに見返せるようにQ&A形式でまとめました。売主と買主双方にとって納得の内覧を実現できよう応援しています!
Q.内覧にあたって、売主として準備しておくべきことは?
内覧は売買成立のために重要な場です。見に来てくれた購入検討者が良い印象を持てるように、事前に下記をおこないましょう。
- 部屋の掃除(特に水回りは重点的におこなう)
- 部屋を広く見せる工夫(高さのあるモノを置かない、床にモノを置かない)
- 玄関や部屋の消臭
そのほか、内覧時に歩くことになる「エントランス→外部廊下→エレベーター→玄関前」も事前に見て、目立つゴミがあれば取り除くことをおすすめします。
Q.内覧では誰が立ち会うべき?
内覧では、売主側の家族全員の顔を見せることが理想です。
というのも、購入検討者は「どんな人が住んでいたのだろう」というのは気になるからです。購入を決めるときも、売主の顔がわかっている方が安心できます。
ただ、内覧中に売主が室内にいることはオススメできません。内覧者が家主を意識してしまい、思うように見学できないためです。
そのため、出迎えは家族でおこない、その後は席を外すつもりでいてください。
- 出迎え:家族全員で迎える
- 内覧中:対応は営業担当に任せて、売主は外出するか違う部屋に移動する(内覧者の視界に入らない)
Q.内覧当日、部屋はどこまで見せるべき?
内覧は、できる限りすべてを見せてください。
寝室やクローゼットの中を見せることはプライベートを覗かれるようで、気が引けるかもしれません。
しかし、内覧者の立場からするとどうでしょうか?寝室は当然見学したいですし、クローゼットもどのような形状か確かめたいはずです。高い買い物ですので、納得した上で判断したいでしょう。
そのため、基本的にはあらかじめ整理整頓をして、できる限りすべての箇所を見せるようにしましょう。
Q.内覧中に売主がやってはいけないことはある?
事前の準備も大切ですが、下記の「3つのやらない」も大切です。
- 内覧者の視界に入らないこと
- 不確実なことを伝えないこと
- 口約束をしないこと
内覧者からすると、売主が目に入らないことでリラックスして見学できます。また、営業担当に、価格面など売主の前ではしにくい質問もしやすくなります。
不確実なことを伝えたり安易な口約束をしてしまうと、のちのちトラブルに発展する可能性があります。「近くの駐車場がスーパーになるらしいですよ」など噂ベースの話や、「エアコンはそのままにします」といった口約束は避けましょう。言った・言ってないのトラブルになりかねません。
Q.内覧をすべて営業マンに任せることはできる?
内覧をすべて仲介の担当者(営業マン)に任せることは可能です。
たとえば、オープンルームと言って「土曜の10:00~17:30まで自由に部屋を見学できる」と、時間を決めて予約なしで内覧できるような案内方法があります。
オープンルームを実施する時間帯は、売主は外出しても大丈夫です。休みの日に遊びに行っている間に営業担当者が内覧対応をしておいてくれます。
また、たとえば親御さんから相続した遠方にある家を売るときには、不動産会社に鍵を預けて売却を任せることも可能です。
Q.内覧時に貴重品はどうするべき?そのままでも大丈夫?
貴金属や宝石などの貴重品は、鍵のかかる引き出しやボックスに入れておきましょう。通帳や印鑑も同じです。
特に、オープンルームのときなどは不特定多数が入出するので、営業担当者がずっと付き添えるか分かりません。
たとえ見学者が1組だとしても、人数が多ければ営業担当の目が届かない場合があります。
そのため、内覧やオープンルームのときは、貴重だと思うものを鍵のかかる場所にまとめて保管しておきましょう。
Q.内覧数はどれくらいを目安にすればよい?
月に3件~4件を目安にしてください。このラインを下回る場合は、遅いペースだと判断しましょう。
家を売りに出してから約3ヶ月で成約するケースがほとんどで、トータルで10件ほどの内覧が発生すると考えておくと良いです。
なお、この数はあくまで目安です。人気物件で2~3件の内覧で成約に至るケースもありますし、20件の内覧を経ても成約が決まらないケースもあります。