マンションの売却期間は何ヶ月?最短で早く売りたいときに知っておくべき情報
2019.05.23投稿編集 すまいうる編集部
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マンション売却を検討している人は、当然ながら最短期間で売却を完了したいと思っているはずです。
マンション売却は労力もかかりますし、転勤などをともなう売却であればタイムリミットもあるので早く売りたいと考える人は多いでしょう。
しかし、売却の経験がないと、どのくらいの期間が必要になるか想像できませんよね。
そんな方のために、この記事では以下のことを解説していきます。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- マンション売却は最短でどのくらいの期間かかるのか?
- 一般的にはマンション売却にどのくらいの期間がかかるか?
- マンション売却が長引く理由は?
- 最短で売却するために重要なことは?
マンションの売却は買い手がいてはじめて成り立つもの。当然、物件ごとに売却期間は異なります。
筆者は、元々マンションディベロッパーの営業マンであり、今まで数多くの不動産を仲介してきました。1ヶ月ほどで成約に至ったこともありますし、半年以上の期間がかかったこともあります。
今回はそんな実体験を活かした執筆しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
マンションの売却期間は平均3ヶ月
マンションの売却にはいくつかのステップがあり、いちばん時間がかかるのは「売り出し~成約」の部分です。
ステップ | かかる期間 |
---|---|
①査定 | 1~2週間 |
②媒介契約の締結 | 査定から1週間以内 |
③売却活動(売り出し) | 3ヶ月 |
④申込~契約 | 1週間 |
⑤売買契約~引渡し | 1~2ヶ月 |
地域によって多少の差はありますが、マンションの売り出しから成約までにかかる期間は平均3ヶ月となっています。
※国内最大級の不動産データベースを持つ東京カンテイの調査結果
思ったより早く終わるんだね!
ひなペンギン
ペンギン先生
「3ヶ月で売却が終わる」と思ったら間違いだよ!実際に売り出すまでに時間はかかるし、成約してすぐにマンションを引渡せるわけじゃないんだ。
売り出し前の査定にかかる時間、成約後から引渡しまでにかかる時間を含めると、マンション売却は全体で約5ヶ月~6ヶ月かかることになります。
ただ、売却期間には地域によって傾向が異なるので、主要地域ごとの売却期間を見てみましょう。
首都圏の売却期間の傾向
※参考:東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率および売却期間の推移」
首都圏では、マンションの売却期間が3ヶ月以上かかる状態が続いています。
ペンギン先生
2012年以前は3ヶ月より早く売買契約に至るケースが続いていたことを考えると、売却期間は長くなっているんだね。
売却期間が長くなっている背景は、「売却価格の高騰」と考えられています。
近年、新築マンションの価格高騰とともに中古マンションの価格も上がっており、購入する側の意思決定が鈍くなっていると見られています。
中部圏の売却期間の傾向
※参考:東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率および売却期間の推移」
中部圏では、マンションの売却期間が4ヶ月以上かかる状態が続いています。2016年には5ヶ月近くと長く、ほかの地域と比べて売却期間が長期化しているのです。
この背景には、ひとことで言うと「中古マンションを求める人の少なさ」があります。
中部圏はもともと戸建て志向が強いエリア。
さらに、新築マンションの価格高騰とともに中古マンションの価格も上がっており、より一層戸建て購入の傾向が強くなっている状況です。
結果、マンションを売り出してから成約までの期間が長くなっているのです。
福岡県の売却期間の傾向
※参考:東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率および売却期間の推移」
福岡県では、マンションの売却期間が3ヶ月前後であり、先に紹介した首都圏・中部圏・近畿圏に比べて早く売買契約に至る傾向にあります。
他県からの転入により人口が増え、賃貸だけでなく購入の需要が起きているためです。
マンションは最短で1ヶ月で売却できるが稀
実は、マンションを最短1ヶ月以内で売却することは可能ではありますし、実例もあります。
しかし、このような短期間で売れるのは非常にまれなケースだと思ってください。
前章でお伝えしてきたように、査定から引き渡しまでの全工程は5ヶ月~6ヶ月ほどかかるのが一般的です。
それをたった1ヶ月で終わらせるためには、
- 売り出してすぐに買主を見つけて申込・契約をおこなう
- 売買契約から引き渡しまでを1週間程度で完了させる
といったスピード感が必要となります。
しかし、どちらもそうかんたんに実現できるものではありません。
理由1.売り出してすぐ売買契約になるケースは少ない
先に説明したとおり、売り出しから売買契約までは平均3ヶ月ほどかかります。
1ヶ月以内に買主が見つかるケースはあるにはありますが、よほどの好物件でタイミングよくそれを求める買主が現れるなどしない限りは厳しいでしょう。
理由2.契約成立から引き渡しまでを短期間で完了できる人は少ない
また、売主都合で売買契約から引き渡しまで早急におこないたいとなれば、必然的に現金で購入する人に限定されます。
マンションを購入する人の多くはローンを組みますが、その場合ローン審査に時間を要してしまうのです。時間短縮を考えると、ローンを使わない人が売却対象となります。
このような理由で、最短1ヶ月でマンション売却は可能ではあるものの、そのようなケースはごく稀といえるのです。
注意!売却期間が長引くほど売却価格は落ちる
マンションの買主が見つかるまでに平均3ヶ月かかるものの、早く買主を見つけられるに越したことはありません。
なぜなら、マンションの売却期間が長引くほど、売却価格は落ちる傾向があるためです。
たとえば、首都圏の事例を見てみましょう。
売却期間 | 売出価格 | 取引価格 | 価格乖離率 |
---|---|---|---|
1ヶ月以内 | 2,597万円 | 2,519万円 | -3.00% |
2ヶ月 | 2,675万円 | 2,538万円 | -5.15% |
3ヶ月 | 2,731万円 | 2,544万円 | -6.83% |
4ヶ月 | 2,803万円 | 2,560万円 | -8.67% |
5ヶ月 | 2,659万円 | 2,386万円 | -10.27% |
6ヶ月 | 2,695万円 | 2,379万円 | -11.72% |
7ヶ月 | 2,693万円 | 2,341万円 | -13.06% |
8ヶ月 | 2,498万円 | 2,140万円 | -14.34% |
9ヶ月 | 2,673万円 | 2,255万円 | -15.62% |
10ヶ月 | 2,658万円 | 2,244万円 | -15.55% |
※出典:東京カンテイ「中古マンションの価格乖離率(首都圏)」
売却期間が3ヶ月以内であれば値引き率(乖離率)は6.83%ですが、5ヶ月を過ぎると10%以上の値引き率になっています。
要は、売却活動が長引くほど値引き交渉が激しくなるということです。
値引き率が高まる背景には、売主側・買主側で以下のような考えがあるためです。
売主側:「なかなか売れないから、どうにか早く売りたい」
買主側:「売れていないから多少の値引き交渉には応じてもらえるだろう」
言い換えると、マンションをできるだけ早く売るということは、「高い金額で売却する」という点にもつながってきます。
マンションの売却期間に影響を与えうるものと対策
高く売るためにもマンションは早く売れることが望ましいですが、何も対策しなれければ買い手はなかなか決まりません。
マンションの売却期間が長引く主な要因は、次の3つです。
- 不動産会社が合っていない
- 下限価格と引き渡し期限を決めていない
- 内覧準備ができていない
これらをしっかり対策・準備していれば、「本当ならもっと早く売れていたはず」という事態を回避できます。
ひとつずつ対策を見ていきましょう。
不動産会社選びを重視する
不動産会社次第で売却スピードと売却価格は大きく変わってくるため、「不動産会社選び」が重要です。
なぜなら、不動産会社はマンション売却活動の大部分を担うからです。
- 集客のための広告活動
- 売出価格の設定や変更
- 内覧者と売主のスケジュール調整
- 内覧時の案内
- 購入検討者との価格交渉
- 申込~引渡しまでの事務作業全般
たとえば、売出価格をいくらにするか、その売出価格をどの時期に変更するかなども不動産会社の営業マンが提案します。
また、買主側から値引き交渉が入れば営業マンが交渉しますので、売却スピードと売却価格において大きな役割を担います。
どの不動産会社(あるいは担当営業マン)を選んでも同じということではないので、複数社にマンションの査定を依頼して「安心して任せられるか?」を確認しましょう。
下限価格と引き渡し期限を決めて不動産会社と認識を合わせておく
マンションを早く売るためには、「売却価格の下限」を決めておくことも重要です。
価格交渉の金額によっては「後日断る」のではなく「その場で断る」という判断が必要で、その際も「下限価格」が決まっていると判断がスピーディーです。
下限価格という一定の目安があることで、営業マンとしても交渉がしやすくなり、不要に交渉が長引くことを避けることができます。
また、「引渡しの期限」を決めておくことも大切です。
期限を決めておかないと売り出し価格の変更タイミングや、値引き交渉のタイミングが定まらないので、売却活動は長引きます。
このように、早くマンションを売りたいのであれば、下限価格と引き渡し期限を決めておきましょう。
内覧のたびに部屋を綺麗にしておく
マンションを早く売るためには「内覧の準備」が大切です。つまり、部屋の掃除・片付けです。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、やはり「これから住む場所の第一印象」は重要。印象が悪ければ買い手がつきにくく、売却活動は長引いてしまいます。
特に「清潔感」は日本人が意識しやすい部分です。お風呂場やトイレなどの水回りを中心に、内覧のたびに掃除を徹底しましょう。
また、玄関や部屋のにおい対策をしたり、家具の配置を工夫したりすることもおすすめします。これらも内覧時の印象を大きく左右し、購入意欲に影響してきます。
このように、マンションを早く売却するためのコツは特別むずかしいものではありません。
当たり前のように思えることをひとつずつクリアしていきましょう。
100%早く売れる方法ではないですが、「こうしていれば、もう少し早く売れたかもしれないのに・・・!」という後悔は生まれないはずです。
どうしても早く売る必要があるなら「買取」を検討
マンションをどうしても早く売りたいというときは「買取」という選択肢もあります。
「あと1ヶ月以内に売らないといけない!」など売却期限が差し迫っている人は、ぜひ検討してください。
買取ってなに?
ひなペンギン
ペンギン先生
買取とは、不動産会社がマンションを購入してくれること。買い取ったあと、不動産会社は転売するケースが多いよ。
通常は不動産会社が買主を探して仲介してくれますが、買取の場合は不動産会社自身が買主になります。
買取の場合は、早ければ査定~引渡しまで2週間以内に完了しますが、メリット・デメリットを比較した上で判断しましょう。
メリット:売却が早い
何よりも、マンションの売却をスピーディーにおこなえるという点は大きなメリットです。
仲介で売却する場合と違い、売却活動が短く決済が早いことが短期間での売却を可能にする理由です。
理由1.売却活動が短い
買取の場合は不動産会社がマンションを内見をして、その場で買取金額を提示されるか、1~2日後に買取金額の連絡がきます。その金額で売主が納得できれば即申し込んで、そのまますぐに契約に至ります。
仲介で売却するときと異なり、何件も内覧を受けるということがないため、売却活動が短くなるのです。
理由2.決済が早い
買取の場合は不動産会社が買主になるので決済が早いです。
なぜなら、不動産会社は現金で買い取ることもありますし、融資を組むにしても個人が住宅ローンを組むよりも融資実行までが早いからです。
また、不動産会社は引越し手続きが不要ですので、その期間を考慮する必要もありません。
そもそも契約~引渡しまでに1ヶ月~2ヶ月ほどの期間がかかるのは、買主側のローン審査と買主・売主側の引越し準備があるからです。
デメリット:売却価格が安い
買取の場合、売却相場の7~9割ほどまで売却価格が落ちてしまうという大きなデメリットがあります。
不動産会社は物件を買い取って転売するので、相場価格で買い取ると利益が出にくくなってしまいます。売主からすると、売却価格は相場価格よりかなり下回ります。
まとめ
それでは、今回解説した「最短でマンション売却したいときに知っておくべきこと」について、覚えておくべきことをおさらいしましょう。
記事のおさらい
- 中古マンションの平均売却期間は3ヶ月
- 売却期間以外に、査定依頼や売買契約~引き渡しなどで2ヶ月~3ヶ月かかる
- マンション売却は最短で1ヶ月で可能だが稀なケース
- 最短でマンション売却を目指すなら不動産会社選びが重要
- 1ヶ月以内の売却を希望するなら買取を検討
平均期間で売るにしても、できるだけ最短で売るにしても、「不動産会社選び」が基盤になります。
複数社を比較して優良な不動産会社を見つけることが、マンション売却の第一歩です。
編集 すまいうる編集部
不動産売却にまつわるお客様の悩みや疑問に寄り添い、正しい情報をわかりやすく伝えることをモットーに執筆・編集をおこなっています。 不動産は大切な資産。お客様が納得できる形で売却できるように、心を込めてサポートいたします。